迦楼馬-カルマ-奈良県南部を巡るの巻

お久しぶりでございます「ひたすら仏像拝観」中の人、迦楼馬-カルマ-でございます。
突然の久しぶりの更新失礼致します。

先週の休日に久しぶりに母を連れての佛旅、奈良県南部の仏像を巡ってまいりました。
母を連れての佛旅は久しぶりで、巡った仏像は4ヶ寺と少ないけれど非常に充実した一日になりました。


早朝に実家を出発した我々親子は、朝一で野迫川村役場を訪れ文化財課の方に同行して頂き、9時からの拝観をお願いしていた清久寺へと向かいます。
清久寺とはいえ、現在は無住で村の集会所的な趣きの建物に安置されています。
ここにお祀りされているのが村指定文化財 阿弥陀如来坐像。
平安後期の阿弥陀像で、金箔の剥落が痛々しくも見える像容ですが、優しく柔らかに流れる衣紋や穏やかな体躯は定朝様を表しており良い阿弥陀様でした。
脇にいらっしゃる毘沙門天像は非常に素晴らしく、文化財的には無指定ながら非常に目を奪う像。
お目当てだった仏像以外のところで素敵な方に出会うと俄然テンションが上がります。



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次も同じく野迫川村の指定文化財 平安時代の地蔵菩薩坐像と、県指定文化財 鎌倉時代の釈迦如来坐像を、役場の方に同行して頂き拝観してまいりました。
10時の予定でしたが、9時40分頃に到着。
区長さんは既にいらしており、予定よりも早い時間でしたが拝観させていただけました。
地蔵菩薩坐像、釈迦如来坐像ともに衣紋の流れが非常に美しく力強い。
男性的な釈迦如来坐像と、男性的だなと思いながらもどこか妖しく女性的にも見えてくる地蔵菩薩坐像。


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野迫川村を後にし、グッっと移動して吉野郡上川村へ。
お参りさせて頂いたのは徳蔵寺。
本堂に室町時代、宿院仏師 源三郎作の阿弥陀如来坐像と釈迦堂に平安期の釈迦如来坐像がいらっしゃいます。
宿院仏師の阿弥陀如来坐像は本道須弥壇上、ガラス&編み越しの為、かなり見づらく尊容はハッキリとは確認出来ませんでした。
釈迦如来坐像は収蔵庫内(ガラス越し)で拝観させて頂けるのでよく見ることが出来ました。
量感たっぷりの頬に厚い唇の、お顔立ちに特徴が見えるお像で素晴らしかったですね。


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次に向かったのは福源寺。
国の重要文化財に指定された薬師如来坐像をはじめ、村指定文化財6体を有する寺院。
ご住職がノリノリで諸仏の紹介をして下さり非常に楽しい時間を過ごしました。
薬師如来らしく目の大きな方で、衣紋は薄彫りで優しさを感じさせて下さるお薬師さん。
脇侍の天部像は動きは硬いながら力強く凄く好みな天部像でした。


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本堂内には多数の仏像が安置され、村指定の十一面観音菩薩坐像、脇侍天部像をはじめ、無指定ながらも素晴らしい仏像郡がいらっしゃいました。
非常に見応えのあるお寺で大満足でこの日を締めくくるのでした。奈良県南部、恐るべし(ΦωΦ)


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奈良県「仏友と巡る奈良快慶仏尽しツアーの巻き②」

お昼にラーメンを食べてお腹を見たし、向かったのは大和郡山にある洞泉寺。
ここは快慶作と銘が発見されている訳ではなく、いわゆる伝快慶作という来迎阿弥陀三尊像がいらっしゃいます。


洞泉寺周辺は道が細く、一方通行が入り組み車で向かうにはやや不向きであるかもしれませんが、境内前には駐車場もあるので車での拝観も可能です。
周囲の混み合った雰囲気からはガラリと変わり境内は広々として非常に清潔感にあふれ空気が澄んでいるような気すらしてきます。
真新しい本堂へと上がらせて頂き今ツアーお目当ての阿弥陀三尊像を拝観させていただきました。

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きらびやかなお厨子に祀られた来迎の阿弥陀三尊像は伝快慶の形容に違わぬ美しさ。
実際には快慶作というよりは弟子筋の造形だろうと思われますが見事な造形です。
金泥の淡いほのかな金の色合いが衣文の波をより一層に美しく感じさせ、快慶の技法をしっかりと受け継いで昇華しているように感じます。
中尊 阿弥陀如来立像の体を覆う衣文のドレープの金泥の陰影は本当に美しく、それは脇侍 観音勢至の足元の衣紋にも共通します。
両菩薩像の体周りの衣の折り返しや天衣の垂れなどは凝っているものの衣文は簡略化されたようにも見れますが、三尊全体的に非常に整った美しさを見せ来迎しているふわりとした柔らかさが非常に良く表れているように思います。

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また、こちらは阿弥陀三尊像だけではありません。
みんなが喜ぶアフロ様がいらっしゃいます。
そう、五劫思惟阿弥陀像です。
大きな鼻にキュッと結んだ口元、見据えるような厳しい目線はまるでお局様の様。
しかし離れてじっと見ていると凄く優しい雰囲気に包まれた方のように見えてくるのです。

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また、今回洞泉寺を訪れて初めて出会ったお像があります。
洞泉寺には3度目の訪問なんですが以前にはいたのかな?その頃の僕は気にしなかっただけかもしれません。
お聞きするとなんでも天井裏から発見されたとかいう釈迦如来坐像で、両の手先は欠損しているもののキリッとした双眸から印象づける凛々しき表情と、線の数はすくなけれど深く彫り浅く彫るの強弱をつけた衣文表現に惹かれ個人的には大注目させて頂きました。
時代的には鎌倉時代以降だとは思うのですがご本尊の阿弥陀三尊像と時代を同じくするのかどうかは分かりません。
他にも多数の仏像が安置されていますので仏像好きには是非とも訪れて長い時間を過ごして頂きたい寺院です。

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過去の洞泉寺拝観記事



洞泉寺から車で15分、唐招提寺の奥ノ院とされる西方院へ訪れる。
こちらにも快慶作 三尺阿弥陀がお祀りされております。
収蔵庫となる本堂に安置される阿弥陀如来立像は墨書に法眼快慶の銘が見られ、快慶晩年の作と分かっています。
頭体のバランスや体躯の豊かさ、衣文の流れも自然でわざとらしさのない柔らかな美しさ。
表情も精悍さと柔らかさが混在し、快慶の年齢とリンクしているような気がしてきます。
この日一日快慶の仏像を見てきて感じたのは、快慶自身が若かりし頃の像物はその表情は溌剌で力強く、晩年になるに深みと柔らかさが加味されているように感じました。
時代を知って見ているからこそ時代認識の先入観でそう感じているだけなのかもしれませんが、非常に面白く感じながら拝観するのでした。

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過去の西方院拝観記事




そして醍醐寺展。
今ツアーのきっかけとなる奈良国立博物館で催されている特別展です。
京都 伏見の醍醐寺の名宝が大集結した展覧会で中でも個人的にもツアー的にも大注目なのは、現在 拝観が停止されている醍醐寺三宝院ご本尊 快慶作弥勒菩薩坐像がお出ましとなっている事です。
拝観が可能であった時でも堂外より望む形での拝観であったのが、今回はガラス等の仕切りもなく間近より拝観できる環境での展示とあって興奮の度合いがハンパじゃないです。
ご覧になられましたか?金泥に施された見事なまでの神々しさを。
照らされる灯りによって潤む慈悲深き双眸を。
密教の経典や儀軌は正直全然知識がなく無知ではございますが、この弥勒像から伝わる救いの眼差しと感じる尊容はどうでしょうか。
救いを求める衆生が仏教の経典を読んだでしょうか?教えを実践してきたのでしょうか?
おおよそほとんどの救いを求める人間は知らなかったはず。
そんな人をも経典なくして仏の尊さ、仏教の教えを伝えんとしたものが仏像であるならば、これ程までにその意味を成す仏像は他にはないのではと胸に込み上げる感動を押し鎮めながら考えるのでした。

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飲み込まれるような快慶 弥勒菩薩像の威光尊さに心を震わせながら、心より吐き出される安堵のため息を一つ。
この日一日の仏像拝観を終了し、ビストロ中華 へいぞうで打上げへとなだれ込むのでありました。
この日は、高級魚のどぐろが入荷しており、刺身に焼き身とねっとりとした脂の旨みと口中に広がる甘みを堪能させて頂きました。
鉄板のカルパッチョや蒸し餃子は言うまでもなく、見仏の締めはへいぞうさん!これ間違いないですね。
仏友さんと奈良の快慶仏を巡り、へいぞうさんで美味しい料理とお酒で酔いしれる。
これ以上の幸せがあったら教えて下さい(笑)
素晴らしき一日をありがとうございました。


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奈良県「仏友と巡る奈良快慶仏尽しツアーの巻き①」

9月3日。

この日は奈良国立博物館で催されている「醍醐寺展」を訪れるべく関東から遠征してこられた仏友さんを迎え、醍醐寺展の目玉である三宝院 快慶弥勒菩薩にちなみ丸一日快慶尽しにしようと計画。
関西の仏友さんもお誘いし奈良の快慶仏を巡るツアーを行いました。



朝の9時に桜井駅に集合し最初に向かったのは安倍文殊院。
国宝に指定された渡海文殊像の拝観です。
過去に何度も訪れていますが国宝に指定されてからは初の参拝で気持ちがかなり高揚していました。
関東から遠征してこられた仏友さんも大の快慶好きとあり、しかも一発目にあの文殊菩薩ですから興奮しないわけがございません。
御抹茶の接待を受けていよいよ渡海文殊群とご対面です。


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もう4度目か5度目の拝観ですが、本堂内へと入り飛び込んでくる渡海文殊像群を目にした時の感動は一向に薄れることがありません。
これ程の迫力を持って迎え入れてくる空間は他にないんじゃないかな?
博物館等の特別展で展開される仏像群の迫力にも引けを取らない物凄いオーラを文殊院の五尊像は放っております。
文殊菩薩騎獅像のカッコ良さは見事としか言いようがなくこの方以上にカッコイイ仏像なんてないでしょ?と何故か自慢したくなる。
誰に自慢って僕がお会いしているこの瞬間に、文殊様にお会い出来ていない全ての仏像好きに対してです(笑)
頭体のバランスや甲冑、衣の造形美など快慶にしか彫れないと思えるほどの美しさ。
もう絶賛する言葉をいくつ書き連ねても全然足らないほどのお方です。


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脇侍四像も素晴らしいのです。
先導する善財童子の豊満な頬に純真な瞳、風を感じる衣の運びに躍動感あふれる動作と、運慶の八大童子像にも負けない見事さです。
美しさという点では快慶の右に出る仏師はいないでしょう。
優填王像の尊容も厳めしく大迫力で、甲冑は文殊菩薩と同じく細部にまで彫り込みを加えられ本当にカッコイイ。
全体を通してみても風の動きが計算されたようにそれぞれのお像の衣がなびき、これら五尊の大パノラマはとてつもない感動を僕たちに与えてくれました。


安倍文殊院 渡海文殊像群




この日の1寺目にしてピークが訪れたような衝撃を受けながら次の目的地は田原本の安養寺。
こちらの収蔵庫には快慶仏として最も多く残る像高100cm前後のいわゆる三尺阿弥陀像が安置されています。
像高は81.4cm、三尺というにはやや小さいですが足ほぞに「巧匠安阿弥陀佛」という墨書が残されており快慶無位時代の像である事がうかがえます。
切れ長でやや吊り目で頬の張りも力強い。
衣文表現は美しく、まさに流れるようなという表現がピタリとくる見事なもの。
脇には同じく鎌倉時代の作とされる観音菩薩勢至菩薩像が。
両脇侍に関しては快慶作であるとはされていませんが、寺伝によれば当初より一具でいらしたとの事。
元は川向うにあった浄國寺のお像であったそうですが、廃寺となった折にこちらへ客仏として招かれたそうです。
写真で見るよりも実仏の素晴らしさは段違いです。
是非とも目の前でこの阿弥陀像の美しさを感じてもらいたいですね。


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また、本堂には桃山時代の作であるご本尊阿弥陀三尊像がいらっしゃいます。
この日はご住職御不在で堂内へは上げて頂けないとの事でしたが、堂外よりガラス戸超しにへばりついて見ていると見かねた奥様が本堂内へと上げて下さいました(笑)
ご迷惑になってしまったかと思いましたが、一同大喜びで堂内へ。
脇侍の観音勢至は片膝を立てた前傾姿勢で来迎する形式。
非常に美しい阿弥陀三尊像で快慶阿弥陀なくしても、このご本尊をお参りするために安養寺を訪れるのも全然ありです。

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過去の安養寺拝観記事






続く3寺目は安養寺から車で10分ほどの光林寺。
川西町安田にある浄土真宗の寺院で曽我川沿いに建ちます。
境内前に駐車場はありますが道は狭く停めれるのは数台ですので、光林寺北側の川沿い交差点に停めれれば停めるのがいいかも。
今回の拝観でもそこへ停めて光林寺さんへと向かいました。

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内陣奥の金色のお厨子に祀られた快慶 阿弥陀如来立像は1221年の銘があり晩年の作。
お厨子の扉は前だけでなく左右も開かれ間近へと寄って拝観させて頂けます。
安養寺像よりも衣文の表現は柔らかとなり若干ではありますが捻りや折り返しが加味され装飾性が増す。
尊容も溌剌とした若々しさがあった安養寺像よりも幾分落ち着いた雰囲気で造像当時の快慶の年齢も影響しているのだろうか。
流れ出す衣文や来迎印を結ぶ指のしなやかな美しさはため息物の美しさでたまらない。
左右からも見れることから、お腹周りの量感に巻き付くように流れていく衣文、肩口や腕から流れ落ちていくような衣紋が非常に良く見て取れます。
神々しさのある見事な阿弥陀様でした。

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過去の光林寺拝観記事




この後はお昼となり次の目的地洞泉寺の側にあるラーメン屋さん「むっしゅ亭」へ。
こちらで魚介のつけ麺を頂き昼からの見仏へと備えるのでした。


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奈良県・宗祐寺「藤原時代 どっしり安定感の多聞天立像の巻き」

西峠会館から車で5分、国道165線沿いに建つ宗祐寺へと向かいます。

聖徳太子開基とも伝わる宗祐寺は、融通念仏の祖 良忍が当地に来たおりに融通念仏の勧進をしたと伝わります。
寺運が大いに衰退した1559年に織田信長の家臣、服部宗祐が入寺し私財をもって堂宇を再建し中興の上人とされました。
彼の名を持って寺名を宗祐寺に改められ現在に至ります。


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宗祐寺には重要文化財に指定された多聞天立像が本堂に安置されており、早速堂内へと通していただきお姿を拝観させて頂きました。
中央お厨子の脇段にお祀りされていた多聞天像は平安時代の作で腰を入れて立つお姿は非常に力強い造形。
しかし、上半身はほとんど幕の中でよく見えず。
お写真でお顔や全体のお姿を見させていただくと、腰周りの太い安定感や腕を捻って三叉槍を持つ右手もカッコイイ。
首元からマントのように造形されてる衣も気になるなぁどんな風に流れていってるんだろう。
膝周りの造形なんかも細かくて、全体的には凝った彫り込みではないけど細部にこだわりの造形があるように思えます。
幕の中ではなく、いつか全体像を眺めて見たいと強く思います!


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また、文化財には指定されてはいませんが他にも宗祐寺で最も古いとされる地蔵菩薩立像や薬師如来坐像もいらっしゃいます。
地蔵菩薩立像も同じく幕の内にいらっしゃるので頭部は隠れ気味ですが多聞天像よりはよく見える。
しかしいかんせん黒の闇が強くて細かなところは判別できず。結構すごい地蔵菩薩様の様な気がする。
薬師如来坐像は坐像であるので幕に隠れずしっかりとお姿を確認することが出来ました。
厳しめの表情に力強い胸板と非常に男性的なお薬師様でした。


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本堂天井には釈迦族の末裔という仏画師によって描かれた仏画が嵌め込まれております。
当初出来上がった画はインド的な仏様だったそうですが、日本の仏様を細かに伝え何度も書き直し出来上がった画だそうです。
日本の仏様とインドの仏様が混ざり合ったような美しさと妖しさに満ちた素晴らしい仏画です。
多聞天像を拝観に上がった際には是非とも天井画を見て下さいね。



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鎌倉時代作の「絹本著色仏涅槃図三幅」は釈迦入滅の2月15日に公開。





良栄山 宗祐寺(そうゆうじ)
奈良県宇陀市榛原萩原2596
TEL : 0745-82-0029
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り







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奈良県・西峠区薬師堂(西峠会館)「平安定朝様の薬師如来坐像と柔和な温かさの釈迦如来坐像の巻き」

時間は押し押しながら次の目的地は西峠区にある薬師堂。
宇陀市の文化財課HPに記載された住所を頼りに向かいましたがそれらしい場所が見当たらず。。
記載されていた住所では着かないので気を付けて下さいね(^^;


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さて、何とか到着した薬師堂はお堂というよりは田舎の自治会館で西峠会館と呼ばれております。
訪れる際はグーグルマップで「宇陀、西峠会館」と検索すれば迷わずに行けると思います。
堂内には県指定文化財の薬師如来坐像をはじめ、阿弥陀如来立像に阿弥陀如来坐像になるのかな?それとも説法印をされた釈迦如来座像か、がいらっしゃいます。


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この土地でずっと守られてきたといわれる薬師如来坐像は、平安後期 定朝様の優美なお薬師様でありながら表情には見据えるような強さを持ち、定朝様でありつつ わずかながら平安初期像の様な厳しさも持ち合わせているように思いました。
「定朝様」「寄木造り」が流行した平安後期にありながらヒノキの一木造り(内刳施す)で造像されており、中央仏師の作であるのか土着の仏師の作であるのか興味深いところです。時代の混在したような造形は土着仏師の作なのかなぁ。
光背は後補ではありますが板光背であるという事も注目したい。
宇陀の平安仏で板光背といえば室生寺の諸像を思い浮かべますが、室生寺の諸像に影響を受けたのか、宇陀という土地に板光背の流れがあったのか。
僕の様な仏像初心者にも非常に興味深い薬師如来像です。


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また、非常に興味を引かれたのは薬師如来坐像の右隣り(向かって左)に安置されていた釈迦如来坐像。
来迎印の阿弥陀如来であるのか釈迦如来であるのか判断が出来ませんでしたがこの方が非常に味のあるお顔をされており、穏やかで優しいその表情にホッコリと癒されてしまいます。
大きな鼻に厚い唇、ほとんど閉じているような双眸は地方仏的な温かさを感じずにはいられませんでした。
いつ頃に造像されたのかは専門家の方が見られたら螺髪の大きさや衣文の表現などからおおよその時代見当がつくのかもしれませんが僕には判断が付きませんでした。
世話方さんもお像に関する詳しい事は分からないとの事で詳細は知れずでしたが、包み込むような温かさを感じこの方の前に座してなかなか動けずにいるのでした。


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阿弥陀如来立像は頭髪が横へと広がりだす」室町期頃かと思われる像で、安阿弥様が美しい方。
腹回りの衣紋表現や指先の優雅さは秀逸ですね。

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西峠薬師堂(西峠会館)
奈良県宇陀市榛原萩原
TEL : 0745-82-3976
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 開館前に1台可









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プロフィール

迦楼馬-カルマ-

Author:迦楼馬-カルマ-
仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる三十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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