京都府 ・ 円頓寺「薬師伝承の里 丹後の薬師三尊の巻き」
1月31日。
先日の奈良~大阪市立美術館~奈良に引き続きこの日は京都は京丹後地方へと仏像拝観に出かけた。
まず訪れたのは円頓寺(えんどんじ)。
円頓寺は、国土を荒らす鬼類を退治した用明天皇の皇子 金丸親王(麻呂子親王)が鎮護の為に7ヶ寺を建立し薬師如来を安置したことに始まるという。丹後地方に広く分布する七仏薬師伝説がそれである。
この7ヶ寺がどの寺院にあたるかという事には諸説あるようですが寺伝によれば当寺がその随一のものであったと伝え金丸親王を開山と仰いでいるとのことです。
一時は末院36坊を数えたそうですが次第に衰退し、現在は仁王門と本堂を残すのみとなっています。
その本堂ですが、兵庫県豊岡市城之崎温泉にある温泉寺の堂宇の1つを移築したものと伝わるもので江戸時代初期に建てられた寺院本堂建築の遺構として京丹後市指定文化財に指定されています。
村中を奥へと進んでいくと仁王門が見えてきます。
門には像高240cmの鎌倉期の仁王像がいらっしゃいます。
動きは固いものの踏みしめる足に力強さがあり膝周りの感じが好きだなぁ。
カッコイイ。





さて、お目当ての薬師三尊像ですが、国の重要文化財に指定され薬師殿と呼ばれる収蔵庫に安置されています。
正面ガラスケースで区切られた須弥壇に薬師三尊像、四天王像が。
光の反射でなかなかに確認がしずらい環境ですが近くまで寄せていただく許可を頂き、下から覗き込んだりしながら像容を確認する。





薬師三尊像 国指定重要文化財 平安時代後期 寄木造り
中尊 薬師如来坐像 像高84.5cm
脇侍 日光菩薩立像 像高137.0cm
脇侍 月光菩薩立像 像高139.4cm
中尊の薬師如来坐像は像高84.5cm寄木造り。定朝様を示すお方で穏やか。
衣文は浅く簡略化され薄い衣をまとっているよう。
瞳をやや中央に寄せ、遠くを見るというよりは視点が近い。
螺髪の粒も小さく密に彫られていて髪際もきれいな直線を描き平安期の如来像であることを伺わせます。
脇侍の日光月光の大きさから比べると小さいような気もしますが当時からの三尊なのかは不明だとのことでした。
続いて脇侍の日光月光ですが像高は日光菩薩137.0cm月光菩薩139.4cm寄木造り。
中尊の穏やかな表情に比べると幾分険しさがあるように見えます。
やや開き加減な双眸が怖さを感じさせるようです。
しかし遠目から眺めるとその眼は伏し目がちになり穏やかで慈愛にあふれたお顔となる。
衣の表現も浅い彫り口ながら美しく二条にかかる天衣も綺麗でした。
ガラスが憎い。。。とは口に出せずにへばりついて見る僕なのでした(^^;
またその足元には鎌倉期であろう四天王像が躍動感あふれていらっしゃいます。
その他にも不動明王像や薬師如来立像の破損仏がいらっしゃいました。
全てガラスケースの中なので写真はグダグダでございます(^^;




















今回お世話頂いた吉岡さんの話によると来年の秋ごろに京都縦貫道の丹後方面開通を記念して何か企画があるとか。
昨年、一昨年と小浜で同様の特別開帳が行われていますが、丹波・丹後では小浜同様の形式になるか博物館等での特別展となるかは未定とのことで、これから村方が集まって話し合いを持たれるとの事でした。
やはりご本尊をお出ししてしまうのには抵抗があるようで悩んでいらっしゃる様子でした。
博物館での特別展が難しいなら現地での同時開帳を是非ともお願いしたい次第であります。
高野山 真言宗
大治山 大聖院
円頓寺(えんどんじ)
京都府京丹後市久美浜円頓寺727
TEL : 0772-82-1781
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : お寺前に駐車可
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先日の奈良~大阪市立美術館~奈良に引き続きこの日は京都は京丹後地方へと仏像拝観に出かけた。
まず訪れたのは円頓寺(えんどんじ)。
円頓寺は、国土を荒らす鬼類を退治した用明天皇の皇子 金丸親王(麻呂子親王)が鎮護の為に7ヶ寺を建立し薬師如来を安置したことに始まるという。丹後地方に広く分布する七仏薬師伝説がそれである。
この7ヶ寺がどの寺院にあたるかという事には諸説あるようですが寺伝によれば当寺がその随一のものであったと伝え金丸親王を開山と仰いでいるとのことです。
一時は末院36坊を数えたそうですが次第に衰退し、現在は仁王門と本堂を残すのみとなっています。
その本堂ですが、兵庫県豊岡市城之崎温泉にある温泉寺の堂宇の1つを移築したものと伝わるもので江戸時代初期に建てられた寺院本堂建築の遺構として京丹後市指定文化財に指定されています。
村中を奥へと進んでいくと仁王門が見えてきます。
門には像高240cmの鎌倉期の仁王像がいらっしゃいます。
動きは固いものの踏みしめる足に力強さがあり膝周りの感じが好きだなぁ。
カッコイイ。





さて、お目当ての薬師三尊像ですが、国の重要文化財に指定され薬師殿と呼ばれる収蔵庫に安置されています。
正面ガラスケースで区切られた須弥壇に薬師三尊像、四天王像が。
光の反射でなかなかに確認がしずらい環境ですが近くまで寄せていただく許可を頂き、下から覗き込んだりしながら像容を確認する。





薬師三尊像 国指定重要文化財 平安時代後期 寄木造り
中尊 薬師如来坐像 像高84.5cm
脇侍 日光菩薩立像 像高137.0cm
脇侍 月光菩薩立像 像高139.4cm
中尊の薬師如来坐像は像高84.5cm寄木造り。定朝様を示すお方で穏やか。
衣文は浅く簡略化され薄い衣をまとっているよう。
瞳をやや中央に寄せ、遠くを見るというよりは視点が近い。
螺髪の粒も小さく密に彫られていて髪際もきれいな直線を描き平安期の如来像であることを伺わせます。
脇侍の日光月光の大きさから比べると小さいような気もしますが当時からの三尊なのかは不明だとのことでした。
続いて脇侍の日光月光ですが像高は日光菩薩137.0cm月光菩薩139.4cm寄木造り。
中尊の穏やかな表情に比べると幾分険しさがあるように見えます。
やや開き加減な双眸が怖さを感じさせるようです。
しかし遠目から眺めるとその眼は伏し目がちになり穏やかで慈愛にあふれたお顔となる。
衣の表現も浅い彫り口ながら美しく二条にかかる天衣も綺麗でした。
ガラスが憎い。。。とは口に出せずにへばりついて見る僕なのでした(^^;
またその足元には鎌倉期であろう四天王像が躍動感あふれていらっしゃいます。
その他にも不動明王像や薬師如来立像の破損仏がいらっしゃいました。
全てガラスケースの中なので写真はグダグダでございます(^^;




















今回お世話頂いた吉岡さんの話によると来年の秋ごろに京都縦貫道の丹後方面開通を記念して何か企画があるとか。
昨年、一昨年と小浜で同様の特別開帳が行われていますが、丹波・丹後では小浜同様の形式になるか博物館等での特別展となるかは未定とのことで、これから村方が集まって話し合いを持たれるとの事でした。
やはりご本尊をお出ししてしまうのには抵抗があるようで悩んでいらっしゃる様子でした。
博物館での特別展が難しいなら現地での同時開帳を是非ともお願いしたい次第であります。
高野山 真言宗
大治山 大聖院
円頓寺(えんどんじ)
京都府京丹後市久美浜円頓寺727
TEL : 0772-82-1781
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : お寺前に駐車可
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