奈良県 ・ 達磨寺「扇状に広がる千手観音の巻き」

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1月30日。

今年の仏像初めは地元奈良から。
一発目から素晴らしい千手観音菩薩像とお会いしてきました。

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達磨寺。
奈良県王寺町にあるそのお寺は本尊を千手観音菩薩、達磨大師、聖徳太子とし三尊形式で須弥壇に祀られています。
中尊に千手観音菩薩坐像、向かって右側 達磨大師像、左に聖徳太子像がいらっしゃいます。
達磨大師像、聖徳太子像は国の重要文化財に指定され、千手観音像は王寺町指定文化財。
達磨大師像は椿井仏師集慶、聖徳太子像は大仏師法印院恵・法橋院道の作、千手観音菩薩像には大仏師雲渓作とそれぞれの墨書から判明しています。

聖徳太子像。
像高は93.2cmの寄木造り。鎌倉期の院派仏師の作である事が墨書より判明。
険しい表情をされていて力強くシャクを持っています。
大柄に見えるような迫力と量感があって聖徳太子のイメージが変わりそうです(笑)

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聖徳太子坐像 国指定重要文化財 像高93.2cm 寄木造り 1277年造


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達磨大師像。
像高は88cmの寄木造りで定印を結びゆったりと大らかに坐されています。
ゆるやかに流れる衣文の表現と体躯の力強さ顔の肉付きの表現と強弱というか緩急の表現が素晴らしいなと思いました。

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達磨大師坐像 国指定重要文化財 像高88cm 寄木造り 1430年造




そして千手観音菩薩坐像。
76.8㎝の寄木造りで造像当時はおよそ500の腕を持つ像だったそうです(速報での1000の腕は間違いでした(^^; )。
室町期の仏像のお顔によく見られる面長でふっくら頬の伏し目がちなお顔をされています。
院派仏師のお顔ですよね。
脇手は扇のように体を包み込むように広がり、まるで孔雀の尾のような美しさがあります。
やや頭部が大きめな造りで伏し目がちな視線とよく合っているように思います。
脇手の広がりやバランスの良さがきれいで見惚れてしまうのでした。
衣文表現は簡素で派手さはありませんが膝上で独特な折り返しを見せたりユニークです。
頭頂部の10面は前面に憤怒相がきて後方に慈悲相が並ぶこれも特徴的な感じです。
見どころがたくさんある素晴らしい千手観音菩薩坐像です。

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千手観音坐像 王寺町指定文化財 室町期 像高76.8cm 寄木造り




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2014年1発目から素晴らしい仏像に出会うことが出来た仏縁に感謝し大阪へと移動するのでした。
そして大阪市立美術館でも食い入るように仏像を見ることになるのだ。



臨済宗南禅寺派
片岡山 達磨寺(だるまでら)
奈良県北葛城郡王寺町本町2-1-40
TEL : 0745-31-2341
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り



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