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京都府 / 院政期の阿弥陀如来を巡る

9月25日。

この日は京都へと仏像拝観へ出かける。
テーマは院政期の阿弥陀如来を巡る!
法界寺~安楽寿院~法金剛院が今回の目的地となります。
3ヶ寺だけでは少々寂しいので久しぶりに醍醐寺三宝院の快慶 弥勒菩薩坐像を拝観しようと予定に加える。。。

まず最初に向かったのは法界寺。
定朝様の丈六阿弥陀如来坐像がいらっしゃいます。しかも国宝。
本尊は薬師如来ですがこちらは秘仏の為、拝観は不可です。

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阿弥陀堂に入るとそこはもう異空間。
丈六阿弥陀の神々しさに息を飲むばかり。
圧倒的な凄みを持った阿弥陀如来坐像が半眼の目を向けて座しておられます。
平等院阿弥陀如来坐像よりも幾分厳しさがあるように思える。
平等院の阿弥陀如来のみが間違いなく定朝の作だと確認できた真作だとの事ですが、この方も定朝以外に誰が彫れるんだと言いたくなる疑いようのない定朝作のように素人目には思えてしまうくらい素晴らしい阿弥陀様でした。
右斜めより眺めるお姿は壮大で吸い込まれました。
本当に素晴らしい。
もっとも好きな丈六阿弥陀如来かもしれない。

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そして問題発生の醍醐寺三宝院へ。。
快慶の弥勒菩薩は今年の4月より拝観停止となり今後公開の予定は今のところないとのこと。。
腰が抜けるほどのショックを受けて退散してきました。。
マジか。。。。


気を取り直して安楽寿院へ向かう。
目的の阿弥陀如来は収蔵庫にいらっしゃいました。

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当時の円派仏師、賢円もしくは長円の作ではないかとのことです。
像高87.6cmで胸に卍を刻むことから卍阿弥陀と呼ばれています。
長く秘仏であったため光背や台座も多くを残し素晴らしい保存状態。
ゆったりとした定朝様の阿弥陀様ですが面長でやや若い阿弥陀様のように感じます。
まばゆく光る金箔が優しい神々しさをあふれさせ来迎の香りを感じさせてくれるようでした。
ん~~美しいぞぉ。実に美しい!

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境内 大師堂、三如来石仏(釈迦 弥陀 薬師、弥陀は京都国立博物館へ)

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境内前には近衛天皇稜となる多宝塔

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そして3体目の阿弥陀如来がいらっしゃる法金剛院へ。
227cmの丈六阿弥陀如来でもちろん定朝様。仏師院覚の作とされています。
堂々とされた体躯で壮大。
法界寺の阿弥陀よりも目を開いた尊容で厳しさが増しているように思います。
見据え戒めるような厳しさを感じました。
一つ一つゆっくりと教えを説いているようなそんな雰囲気が漂っているようです。
ん~阿弥陀大好きだ。

今日の阿弥陀巡りは当たりやなぁと、ふと横を見やると厨子の中になにやらとんでもない仏像が。。
鎌倉期の十一面観音でしかも坐像!!
しかも手が四本ある御姿!
四臂で坐像の十一面観音菩薩!
力強い眼差し張りのある頬と若々しく勢いがあり力が漲るような、若く勢いのある仏師が彫ったのかなぁと思いながら拝まさせて頂きました。
光背やお厨子も素晴らしくちょっとヤバイです。
とんでもないモン見たって感じです(笑)

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今日も素晴らしい一日なり


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迦楼馬-カルマ-

Author:迦楼馬-カルマ-
仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる四十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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