奈良県 ・ 光林寺 「深遠なる快慶阿弥陀の巻」

2月13日。

この日は奈良県磯城郡川西町の文化財を拝観して回った。
事前に役場へ連絡を入れ各世話役の連絡先を教えて頂きそれぞれへ拝観のお願いをしていくという、
中々に骨の折れる作業ではある。

しかしながら初めは緊張したものの慣れてくるとこの作業が楽しくなってくる。
まず自身の希望ルートを考え移動距離、拝観時間等を考慮し行程を組んで連絡を入れていくのですが、
世話役さんのご都合もあるので自身の都合とは合致せず予定を組み直すもしくは中止するということを余儀なくされることもあります。
そんな時は今回はご縁がなかったんだなと諦めますが出会えた仏様への感動は凄いものがあります。

今回の川西町仏像拝観の旅はどうなったのでしょうか?
それではまず1ヶ寺目に訪れた光林寺さんのお話。


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曽根川沿いの川西町西端に位置する住宅地にあるこの光林寺は、正和二(1313)年空信上人が伴堂(三宅町)で開いた草庵を35年後貞和四(1348)年に安養寺として中興し天正十一(1583)年頃 保田に移して寺名も光林寺としました。

曽根川沿いの のどかな堤防をテクテクと歩いていくと右手下方に幼稚園が見えてきます。
そしてその裏手にお堂が見えますがそこが今日1番目の目的地光林寺さんです。
表門横のインターフォンを鳴らし予約していた旨を伝えお堂に招き入れて頂きました。
対応して頂いた奥様は「ちょっと待ってや。重文やからなぁいちいち鍵かけなアカンねん。。開けるわなぁ」
と、ニコニコしながら応対してくださいました(笑)

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本堂へ上がらせて頂くと内陣と外陣を格子戸で区切られています。
開けられた格子戸の奥にお厨子に収められた御本尊の阿弥陀如来立像が見えます。
この阿弥陀如来立像は戦後の調査で足の枘より「承久三年法眼快慶」の墨書銘がみつかり鎌倉期を代表する仏師 快慶晩年の作ということが判明しました。
お厨子の間近まで寄らせて拝観させて頂く事ができまじまじと快慶仏を拝ませて頂きました。
また、お厨子は正面のみではなく側面の扉も開いて頂き左右からも間近で拝観するという贅沢なひととき!

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腹回りにたっぷりとした量感を持ち肩口から落ちるように、腹回りから流れるように美しい衣紋が波を描き出すまさしく安阿弥様な阿弥陀如来像です。
鎌倉期以降の阿弥陀かくあるべしを築き上げた快慶の美しき造仏が溢れんばかりです。
衣紋のトトトントーントーーーントーーーーーーンという(笑)重力に寄せられる衣の波の表現や、やや前傾左足やや半歩前の姿勢などこれ以上に美しい姿はなかったと思わせる造形美です。
衣の美しさは衣紋のみならず、柔らかく重なり合う衣やキュッと渦巻く表現は木だとは信じがたい柔らかさ暖かさを感じさせてくれます。

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また、印相を結ぶ指のしなやかな美しさ。
右手小指の儚さや左手の花弁を開くような優雅さはうっとりと見とれてしまう美しさです。

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尊容もまさしく快慶の阿弥陀で半眼の正面を見据えるような厳しさをたたえる眼は神々しく慈悲深いです。
意思のない意思、無関心の関心。。。どう表現したらいいのか分かりませんが、どこか人間とは違う深さを感じるお顔です。
それが神々しいという印象を僕に与えるのか畏怖の念から神々しく思ってしまうのか。

同じく快慶晩年の作である唐招提寺 奥ノ院の阿弥陀如来立像を思い出します。
あの時も神々しくて圧倒された思いでした。

大好きな仏師快慶。
快慶の彫り出す仏像は最上級の美と尊厳を感じさせてくれる。
くだけて言うとグッとくる!めちゃくちゃカッコイイのだ!

1発目からとんでもない出会いをしてしまった。
これは今日一日素晴らしい日になるんじゃないかとの思いを胸に光林寺を後にした。


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光林寺
奈良県川西町保田43-1
川西町 教育委員会事務局
0745-44-2214(要予約)




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Author:迦楼馬-カルマ-
仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる三十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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