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福井県・神明神社「17年ぶり!村人の愛に包まれたご開帳の巻」

草津市 宝光寺薬師如来像ご開帳の翌日は、福井県あわら市 北本堂神明神社の十一面観音菩薩像17年振りのご開帳へ。
このご開帳へは福井県観光連盟主催「福通寺 藤川住職と行く秘仏巡りツアー」に参加させて頂きお参りして来ました。




御開帳 十一面観世音菩薩ののぼりが立つ田園風景の中に北本堂 神明神社。

ツアーバスから降りた僕たちを、地域の方々が「ようこそ!ありがとうございます、ありがとうございます!」と何度も頭を下げながら迎えてくれました。
地域の方に本当に愛された観音様でありご開帳なんだなという事が、バスを降りた瞬間から感じられ、観音様をお参りする前からジーンと感動してしまいました。


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ご開帳された観音堂




鳥居をくぐった左手に観音堂。
石段を登り堂内に入ると厨子の扉は開かれ、等身大の十一面観音菩薩立像がいらっしゃいます。
カチッとしている様でもあり、ふわっと浮き上がるような柔らかさもあり、素敵な観音さま。


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ご開帳された堂内


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十一面観音菩薩立像 市指定文化財 平安中期 欅材 一木造り 像高176cm


市指定文化財で、平安時代中頃の11世紀前半の造像と考えられるそうです。
像高は176cm 欅材の一木造りで内刳りは全く行わず素材に彩色仕上げ。
堅材の欅を使用しほぼ全身を一木丸彫りをするなど材質的にも大きな特徴を備えた像と解説にありました。


平安時代中期の作となりますが、地域の方たちには泰澄大師御作と信じられており、由緒書きによると44代元正天皇の時代 養老元年に泰澄大師が白山へ登られたおり、西海に紫雲がたなびき夜は光明がかがやいていた。
これは諸佛影向の霊地に違いないと、泰澄大師はこの地を訪れ伽藍を建立し本堂の本尊に十一面観音菩薩を自ら彫られた、と伝わっているそうです。



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佇まいから非常に霊威的なものを感じる


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お顔の表面は摩滅がありハッキリとした表情は掴めない


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後補の彩色が厚かったのか当初のものなのか、足元などはモコモコとしていた




ご本尊 十一面観音菩薩立像の両脇には阿吽形の二天像が。
本尊と同じく平安時代中頃のお像で、太く大きな体で邪鬼をどっしりと踏みしめます。
共に両腕は後補の様ですが、頭大部からは表面は摩滅しながらも迫る勢いが感じられる。



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広目天立像 市指定文化財 平安中期 欅材 一木造り 像高95cm


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多聞天立像 市指定文化財 平安中期 欅材 一木造り 像高98cm



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広目天像に踏まれる邪鬼


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多聞天像に踏まれる邪鬼


お堂を出ると村の方々に集会所へ招きいれてくださり飲み物とお菓子をいただく。
帰り際には紅白の饅頭もいただき、何度もありがとうと頭を下げられて、県内外からの拝観者にご開帳の喜びを伝えられていました。


村で守る観音さまの晴れ舞台を心から喜んでいる村の方々のお姿を見て、僕たちも本当に幸せな気持ちに包まれました。
素晴らしいご開帳でした。







北本堂 神明神社
福井県あわら市北本堂14-39
TEL : 0776-73-5158 あわら市郷土歴史資料館
拝観 : 秘仏
駐車場 : 向かいの生活改善センター










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仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる四十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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