奈良県・清久寺「奈良県南端の阿弥陀如来坐像と密佛の巻」
2016年6月の初めに高野山の南東、和歌山県との県境に位置する奈良県野迫川村へとお参り。
この日最初にお参りさせていただく清久寺へ向かうため、村役場のご担当者様を訪ねご同行していただきました。

諸佛が安置される現在のお堂
現在は無住のお寺で、仏像が安置されているのは集会場的な建物の中となっており、その奥に格子戸の須弥壇が設けられ村指定文化財の阿弥陀如来坐像と無指定の脇侍 不動王明王立像と毘沙門天立像がいらっしゃいます。
約束の9時よりも早く到着したため、世話方さんはまだいらっしゃらず、先に拝観させて頂きました。
鍵の掛けられた格子戸を開けていただき、そのお姿を間近で拝ませていただけます。
この奈良県南端の地、野迫川村に平安後期の都ぶりのする阿弥陀様がいらっしゃり、またその台座の見事ぶりに驚く。
脇侍像は不動明王と毘沙門天。
天台や真言の三尊形式に多く見られる形ですが阿弥陀様の脇侍でいらっしゃいます。
台座や、脇侍像が当初よりのものであるのかは不明ですが、世話方さん曰く我々が知る限りはずっとこの形でお祀りされてきたとのこと。

堂内奥に設けられた須弥壇に安置される諸佛
ご本尊の阿弥陀如来坐像は、恐らく後補ではないかと思われる金箔と唇にみられる朱の彩色が残り、また金箔の剥落状態から、その尊容を伺うことは困難ですが、全体的に穏やかでゆったりとされた定朝様を感じさせる都ぶりのする方でした。
大幹部や脚部の方も摩滅感があり痛々しさも感じられますが、衣紋の美しさや全体から発する力は像高以上に感じることが出来ます。
世話方さんが子供の頃は、阿弥陀様の肩によじ登って遊んでいたと、地方のお堂を巡った時によく聞く仏様が身近にあった時代のお話を聞く事が出来ました。

阿弥陀如来坐像 村指定文化財 寄木造り

蓮台が多重に重なる見事な台座
脇侍にいらっしゃる毘沙門天立像が個人的に凄く惹きつけられました。
どっしりと固く立つ姿や、目鼻立ちの力強さなど凄く好みです。
文化財的には無指定ですが、僕個人的には無指定であることが不思議なくらいの良佛でした。
両腕などが後補なのか、その他部分も後補が多いのかなぁ。
役場の方も世話方さんもこの像の詳細については分からないとの事でしたが野迫川村で一押ししたい天部像でした
平安仏っぽいなぁ。

立ち姿に固さが目立つものの力強さがあって良佛の毘沙門天

ピンボケで申し訳ない この尊容が非常に好き
また同じく脇にいらっしゃる不動明王像のコミカルさ。
三尊とも造形に違いが見え面白い。
全体的に簡易な造りで動きも固く量感も見えない造形であるように感じましたが、その突出したコミカルさは目を引くものがありました。
この様な仏像の造像時期はいつ頃になるのか、ひょっとすれば文化財的な価値が非常に大きいのかもしれないと、地方のお堂の脇侍像や、脇段に安置された像を見るたびに思うところでこの像への興味も尽きません。

コミカルな尊容を見せる不動明王立像
ご本尊の須弥壇向かって左には神棚が。
神仏習合の本地仏である地蔵菩薩像がいらっしゃいます。
詳細は不明であるとのことでした。
しかしこの地蔵菩薩立像も見ごたえありましたよ。

ご本尊須弥壇左には神棚が

非常に簡素な造りではあるものの美しさを感じる地蔵菩薩

衣紋の美しさが際立つ地蔵菩薩
地方にいらっしゃる仏様の美しさや、その脇にいらっしゃる仏様の素晴らしさ。
文化財的には無指定でも目を見張る仏像は数多くあります。
特に、奈良や京都など文化財の宝庫の地では指定されるべき文化財もその数の多さ故、スルーされていることが多々あります。
奈良のはずれを巡ると心躍る美佛、良佛にたくさん出会えますよ。
清久寺(せいきゅうじ)
奈良県吉野郡野迫川村北股
TEL : 0747-37-2101(野迫川村役場)
駐車場 : 無し(役場方さんと同行で駐車場を確保して頂けました)
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納

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この日最初にお参りさせていただく清久寺へ向かうため、村役場のご担当者様を訪ねご同行していただきました。

諸佛が安置される現在のお堂
現在は無住のお寺で、仏像が安置されているのは集会場的な建物の中となっており、その奥に格子戸の須弥壇が設けられ村指定文化財の阿弥陀如来坐像と無指定の脇侍 不動王明王立像と毘沙門天立像がいらっしゃいます。
約束の9時よりも早く到着したため、世話方さんはまだいらっしゃらず、先に拝観させて頂きました。
鍵の掛けられた格子戸を開けていただき、そのお姿を間近で拝ませていただけます。
この奈良県南端の地、野迫川村に平安後期の都ぶりのする阿弥陀様がいらっしゃり、またその台座の見事ぶりに驚く。
脇侍像は不動明王と毘沙門天。
天台や真言の三尊形式に多く見られる形ですが阿弥陀様の脇侍でいらっしゃいます。
台座や、脇侍像が当初よりのものであるのかは不明ですが、世話方さん曰く我々が知る限りはずっとこの形でお祀りされてきたとのこと。

堂内奥に設けられた須弥壇に安置される諸佛
ご本尊の阿弥陀如来坐像は、恐らく後補ではないかと思われる金箔と唇にみられる朱の彩色が残り、また金箔の剥落状態から、その尊容を伺うことは困難ですが、全体的に穏やかでゆったりとされた定朝様を感じさせる都ぶりのする方でした。
大幹部や脚部の方も摩滅感があり痛々しさも感じられますが、衣紋の美しさや全体から発する力は像高以上に感じることが出来ます。
世話方さんが子供の頃は、阿弥陀様の肩によじ登って遊んでいたと、地方のお堂を巡った時によく聞く仏様が身近にあった時代のお話を聞く事が出来ました。

阿弥陀如来坐像 村指定文化財 寄木造り

蓮台が多重に重なる見事な台座
脇侍にいらっしゃる毘沙門天立像が個人的に凄く惹きつけられました。
どっしりと固く立つ姿や、目鼻立ちの力強さなど凄く好みです。
文化財的には無指定ですが、僕個人的には無指定であることが不思議なくらいの良佛でした。
両腕などが後補なのか、その他部分も後補が多いのかなぁ。
役場の方も世話方さんもこの像の詳細については分からないとの事でしたが野迫川村で一押ししたい天部像でした
平安仏っぽいなぁ。

立ち姿に固さが目立つものの力強さがあって良佛の毘沙門天

ピンボケで申し訳ない この尊容が非常に好き
また同じく脇にいらっしゃる不動明王像のコミカルさ。
三尊とも造形に違いが見え面白い。
全体的に簡易な造りで動きも固く量感も見えない造形であるように感じましたが、その突出したコミカルさは目を引くものがありました。
この様な仏像の造像時期はいつ頃になるのか、ひょっとすれば文化財的な価値が非常に大きいのかもしれないと、地方のお堂の脇侍像や、脇段に安置された像を見るたびに思うところでこの像への興味も尽きません。

コミカルな尊容を見せる不動明王立像
ご本尊の須弥壇向かって左には神棚が。
神仏習合の本地仏である地蔵菩薩像がいらっしゃいます。
詳細は不明であるとのことでした。
しかしこの地蔵菩薩立像も見ごたえありましたよ。

ご本尊須弥壇左には神棚が

非常に簡素な造りではあるものの美しさを感じる地蔵菩薩

衣紋の美しさが際立つ地蔵菩薩
地方にいらっしゃる仏様の美しさや、その脇にいらっしゃる仏様の素晴らしさ。
文化財的には無指定でも目を見張る仏像は数多くあります。
特に、奈良や京都など文化財の宝庫の地では指定されるべき文化財もその数の多さ故、スルーされていることが多々あります。
奈良のはずれを巡ると心躍る美佛、良佛にたくさん出会えますよ。
清久寺(せいきゅうじ)
奈良県吉野郡野迫川村北股
TEL : 0747-37-2101(野迫川村役場)
駐車場 : 無し(役場方さんと同行で駐車場を確保して頂けました)
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納

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