兵庫県・蓮華寺「堂々たる量感の土着佛、十一面観音坐像の巻」
兵庫県姫路市、夢前町に土着的で非常にパワフルな霊威を感じる平安古仏がいらっしゃいます。
天長年中(824~833年)慈覚大師の創建と伝えらる天台宗 蓮華寺。
この寺に、お目当ての平安古仏 十一面観音坐像がいらっしゃるので2015年1月にお参りに行ってきました。

床高に組木された懸造り(かけつくり)と呼ばれる寺院建築の本堂
姫路駅より北へ10km、もしくは中国自動車道 夢前スマートICを降りて南へ、夢前町杉内の西端に位置する蓮華寺は、ご本尊に石仏 地蔵菩薩坐像を本堂お厨子に安置し、像容は岩座に坐す黒く小さな石仏だそうで秘仏となっています。
十一面観音坐像は本堂向かって右手のお厨子に安置されその尊容を間近で拝観させて頂きました。
この日はあいにくご住職は不在でお話を聞くことは出来ませんでしたが、拝す事が出来た十一面観音は素晴らしい方でした。

本堂内陣 中央は秘仏本尊厨子

本堂右手 十一面観音坐像 厨子
厳しいお顔立ち、しっかりとした肩幅、そしてどっしりと太い脚部と、地方仏特有の土臭ささというか土地の匂いがムッと立ちこめる非常に魅力的な圧を感じさせて下さる方。
平安中期の像とされていますが、平安初期の雰囲気を十二分に発散させるこの坐像にグイグイと引き込まれていきました。
1991年に兵庫県歴史博物館の「ふるさとのみほとけ-播磨の仏像」展に出展されたそうですが、当時は後補の彩色に覆われその像容は現在とは著しく違っていたそうです。
2001年に修復作業を受け現在のお姿になりました。修復前のお姿や詳細は神奈川仏教文化研究所 観仏日々帖をご参照下さい。


十一面観音坐像 無指定 一木造り 像高122.5cm 平安時代中期
広がった鼻翼、厚い唇、骨太さを感じさせる顎と四角いお顔。
どれをとっても地方仏的匂いで人間界ならイケメンとは程遠い尊容ですが、佛に関してはこれこそが素晴らしい。
これでもかというパワーを発散させており魅力的。
短い首、イカリ肩、圧巻のボリュームを見せる脚部など、体躯の魅力も素晴らしい。
後補の部分が多分にあるように思いますが、そいうった違和感をあまり感じさせないどっしりと堂々とした存在感が見るものを圧倒するように思います。
修復写真を見ると、横幅も非常に厚くますますこの像の魅力を高めるように思います。
普段はお厨子内に安置されている為、横からの像容は確認出来ませんがいつかこの目で見る機会に恵まれたいなぁと思わずにはいられません。


腫れぼったい目、広がる鼻翼、太い唇 に力強い顎

上半身以上の量感を感じさせる脚部
本堂の左脇壇には開祖 慈覚大師と中興の祖?と思われる上人像と阿弥陀如来坐像がいらっしゃいます。
最近はこういった脇佛にも注目したいなと思っています。
見逃しがちで、目に止まっていても記憶に残らさず流れていく仏像の中にも素敵な仏像はたくさんいらっしゃいます。
目をしっかりと開き前を見つめる阿弥陀定印の阿弥陀様と、瞑想するように目を伏せ来迎印を結ぶ阿弥陀様。
共に衣紋は非常に美しく十一面観音坐像とは全く違う魅力を感じさせてくれました。

本堂左手脇壇

定印を結ぶ阿弥陀如来坐像

来迎印を結ぶ阿弥陀如来坐像
参考にさせて頂きました
神奈川仏教文化研究所 観仏日々帖
姫路市役所HP
一乗山 蓮華寺(れんげじ)
兵庫県姫路市夢前町杉之内291
TEL : 079-336-0818
宗派 : 天台宗
御本尊 : 地蔵菩薩
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り

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天長年中(824~833年)慈覚大師の創建と伝えらる天台宗 蓮華寺。
この寺に、お目当ての平安古仏 十一面観音坐像がいらっしゃるので2015年1月にお参りに行ってきました。

床高に組木された懸造り(かけつくり)と呼ばれる寺院建築の本堂
姫路駅より北へ10km、もしくは中国自動車道 夢前スマートICを降りて南へ、夢前町杉内の西端に位置する蓮華寺は、ご本尊に石仏 地蔵菩薩坐像を本堂お厨子に安置し、像容は岩座に坐す黒く小さな石仏だそうで秘仏となっています。
十一面観音坐像は本堂向かって右手のお厨子に安置されその尊容を間近で拝観させて頂きました。
この日はあいにくご住職は不在でお話を聞くことは出来ませんでしたが、拝す事が出来た十一面観音は素晴らしい方でした。

本堂内陣 中央は秘仏本尊厨子

本堂右手 十一面観音坐像 厨子
厳しいお顔立ち、しっかりとした肩幅、そしてどっしりと太い脚部と、地方仏特有の土臭ささというか土地の匂いがムッと立ちこめる非常に魅力的な圧を感じさせて下さる方。
平安中期の像とされていますが、平安初期の雰囲気を十二分に発散させるこの坐像にグイグイと引き込まれていきました。
1991年に兵庫県歴史博物館の「ふるさとのみほとけ-播磨の仏像」展に出展されたそうですが、当時は後補の彩色に覆われその像容は現在とは著しく違っていたそうです。
2001年に修復作業を受け現在のお姿になりました。修復前のお姿や詳細は神奈川仏教文化研究所 観仏日々帖をご参照下さい。


十一面観音坐像 無指定 一木造り 像高122.5cm 平安時代中期
広がった鼻翼、厚い唇、骨太さを感じさせる顎と四角いお顔。
どれをとっても地方仏的匂いで人間界ならイケメンとは程遠い尊容ですが、佛に関してはこれこそが素晴らしい。
これでもかというパワーを発散させており魅力的。
短い首、イカリ肩、圧巻のボリュームを見せる脚部など、体躯の魅力も素晴らしい。
後補の部分が多分にあるように思いますが、そいうった違和感をあまり感じさせないどっしりと堂々とした存在感が見るものを圧倒するように思います。
修復写真を見ると、横幅も非常に厚くますますこの像の魅力を高めるように思います。
普段はお厨子内に安置されている為、横からの像容は確認出来ませんがいつかこの目で見る機会に恵まれたいなぁと思わずにはいられません。


腫れぼったい目、広がる鼻翼、太い唇 に力強い顎

上半身以上の量感を感じさせる脚部
本堂の左脇壇には開祖 慈覚大師と中興の祖?と思われる上人像と阿弥陀如来坐像がいらっしゃいます。
最近はこういった脇佛にも注目したいなと思っています。
見逃しがちで、目に止まっていても記憶に残らさず流れていく仏像の中にも素敵な仏像はたくさんいらっしゃいます。
目をしっかりと開き前を見つめる阿弥陀定印の阿弥陀様と、瞑想するように目を伏せ来迎印を結ぶ阿弥陀様。
共に衣紋は非常に美しく十一面観音坐像とは全く違う魅力を感じさせてくれました。

本堂左手脇壇

定印を結ぶ阿弥陀如来坐像

来迎印を結ぶ阿弥陀如来坐像
参考にさせて頂きました
神奈川仏教文化研究所 観仏日々帖
姫路市役所HP
一乗山 蓮華寺(れんげじ)
兵庫県姫路市夢前町杉之内291
TEL : 079-336-0818
宗派 : 天台宗
御本尊 : 地蔵菩薩
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り

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