福井県・谷田部薬師堂「多様な表情を見せてくれた垂れ目の薬師の巻き」

谷田寺から徒歩10~15分ほどの場所に若宮八幡神社があり、この八幡宮の北側同じ境内に平安後期の薬師如来坐像を安置する薬師堂が次の目的地となる谷田部薬師堂です。

お堂というよりは村の集会所といった雰囲気の薬師堂へと上がると目に飛び込んでくるのは目尻の下がった、やや窮屈な感じで施無畏印と薬壺を持つ薬師如来坐像でした。


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無題

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目尻の下がったそのお顔は見る角度によって与える印象をどんどんと変えていきます。
正面から見る、側面から見る、近くで見る、離れて見る、下から仰ぎ見る。
優しいお顔になったり、垂れ目なのに堂々とした男らしい表情にも見えたり、厳しくも見えたりするんだから不思議です。
おおよそ多くの仏像は見る角度に行って灯りのあたり具合によって表情を変えると思いますが、そこまで変えそうにない様に思えるこの薬師如来の変化に少し驚きました。
その時の心境なども影響すると思いますので、他の方が僕と同じように変化を感じるかは分かりませんが(そこがまた面白い、そして表情を語りながらお顔の写真が少ない...)。


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薬師如来坐像 県指定文化財 平安時代後期 マキ材 寄木造り 像高142cm

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全体的な造形は定朝様でありながらゆったりというよりは少し窮屈な雰囲気がしました。
脇をしっかりと締めて右手肘の角度も鋭角な気が。
窮屈にグッとしてるなぁと思いだすと、薬壺を持つ手や薬壺自体もどっしりとした印象が出てくるから面白くなります。
最初に持った印象にどんどん引っ張られて全体像や細部の印象まで第一印象にならったイメージになっていく。


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説明文を読むとどうやら脚部は後補ではないかとのこと。
というのも、上半身の定朝様の衣紋表現とは異にしたゴツゴツとした彫り口が見られることから後補ではないかとかんがえられるそうです。
上半身に対して脚部は大きいなぁとは思いましたが僕には彫り口の印象までは全然わかりませんでした(笑)
後々に写真を見なおしてみると密に流れる上半身の衣紋と、間隔が広く衣文の山も太い下半身が見て取れこの辺りの違いが”彫り口の硬さ”ということなのかと思いました。


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ご本尊の左右には不動明王&毘沙門天の天台脇侍が。
直立の固い動きではありますが可愛らしく堂々。
こういったメインには上らない、見過ごされがちな脇仏が結構熱かったりしますよね。
前の谷田寺 阿弥陀如来坐像もかなり惹かれましたが、ここの毘沙門天像もかなり好きです。
素晴らしい薬師如来坐像とニヤリとさせる不動明王&毘沙門天像をじっくりと堪能させて頂き次の目的地へと移るのでした。


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谷田部薬師堂(たにたべやくしどう)
福井県小浜市谷田部42
TEL : 0770-53-1111(小浜市文化課)
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 無し










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仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる三十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



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