福井県・中山寺「写実性の到達点、湛慶作と伝わる馬頭観音像の巻き」

9月13日、4度目の参加となる仏像LINK主催の秘仏ツアーへと参加させて頂き、福井県若狭の秘仏を堪能させて頂きました。
速報として以前にダイジェスト記事を書いておりますので、勢いはそちらで感じて下さい~。
また、10月27日にも福井県 朝日観音 福通寺ご住職であり福井県立郷土歴史博物館の学芸員であるみょうこうさんの解説付きという豪華なツアーにも参加させて頂き、両ツアーを合わせて記事にしていこうと思います。

さて仏像LINKツアーでは1寺目、みょうこうさん解説ツアーでは2寺目となったのは、今年の若狭秘仏巡りでメインに企画されるバスツアーも多かったであろう中山寺と馬居寺のダブル馬頭観音ご開帳のうちの1ヶ寺、中山寺へと向かいました。
平成22年から24年までにも本開帳されていましたが、今年の馬居寺の33年に1度の本開帳に合わせ若狭秘仏めぐりの一環にも沿う形でと、中山寺もご開帳が実現し拝観させて頂けることになりました。

中山寺。
京都府と福井県の県境に位置する若狭富士と呼ばれる青葉山中腹に位置し、平城天皇の勅願により泰澄大師が創建したと伝わります。
ご本尊は馬頭観音菩薩像で、古来より海上交通の守り仏として広く信仰されてきた仏さまです。
また、中山寺の馬頭観音は湛慶の作として伝わり、非常に生々しく畏怖堂々のカッコイイ馬頭観音様です。

まずは迎えてくれる仁王門にも湛慶作と伝わる力強く凛々しい仁王像が。
網目のガラス張りで非常に見づらく、見仏的には残念なんですが文化財保護の観点からは致し方ないですね。
雨風がダイレクトに当たる屋外ですから。

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そして本堂です。
ひんやりとしたお堂へ足を踏み入れ堂内へと歩を進めていくと...
素晴らしいライティングで厨子内を照らし出されご本尊の馬頭観音像が浮かび上がります。
ご本尊を目にした途端にグッと体温の上昇を感じるような、堂内の気温がグッと上がるような、熱気的なものを感じました。
それはこの生々しいまでの生気を放つご本尊から感じる温かさなのか。
鎌倉時代に慶派によって花開いた写実性の最高峰がこの馬頭観音像ではないかと思えるほどの”生きている”感は物凄いものがあり、何度訪れても息を飲んでしまい吸い込まれてしまいます。

実はご開帳の年には4度も訪れており、見慣れたと言っても良いくらいかもしれない仏像であるため、ツアー中の他の寺院で初めてお会いする仏像に心は飛んでいた面はあったはずなのに、しかし!しかしなんです!

それでもなお夢中にさせてくれる魅力にあふれる物凄い馬頭観音像であるのが中山寺の馬頭観音像です。
体部より伸びる6本の腕はどれもが生々しく今にも動き出しそうで。
坐した脚部の足裏を見て下さい。

ひっそりと動きを表した足の親指の躍動感と美しさ。
どんなに細かな部位に目をやってもそこには溢れんばかりの生命力が宿っている見事な像でした。
湛慶は写実性の到達点に辿り着いたのかもしれません。

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また脇仏にも素晴らしい不動明王立像と毘沙門天立像が。
寄木の継ぎ目があらわとなり彩色も雨ざらしであったかのような感じで、朽ちた感を感じてしまう雰囲気ではありますが腰を突き出し立つ姿は儚くもあり堂々としている毘沙門天立像。
憤怒相でありながら、憤怒相の中に慈悲の心で見つめる不動明王の内面が溢れているような、厳しくもどこか優しさを感じるお顔をされた不動明王立像。
堂内にはご本尊以外にも素晴らしい仏様がいらっしゃいました。

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青葉山 中山寺(なかやまでら)
福井県大飯郡高浜町中山27-2
TEL : 0770-72-0753
拝観 : ご本尊は秘仏
拝観料 : 400円
駐車場 : 有り









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この記事へのコメント

- 大ドラ - 2015年02月23日 21:51:16

僕は去年11月半ばに福井の若狭へ行きましたが、小浜のお寺と馬居寺と合わせて中山寺も訪ねました。

中山寺の秘仏ご本尊、馬頭観音坐像は怒りながらも理知的で柔和な感じで、本当に美しい仏像なのには感動しました。秘仏でなかなかお姿を拝む機会がないとはいえ、何度でもお会いしたくなる馬頭観音様でした。

僕も、本堂内の脇仏の不動明王像も毘沙門天像も朽ちた感じがする一方で、堂々としたご様子には思いました。
また、本堂ではなく持仏堂におわす平安期の阿弥陀如来坐像も、優しげなお顔で好感が持てました。

- 迦楼馬 - 2015年03月09日 19:41:49

大ドラさん、いつもコメントありがとうございます!
馬居寺像も素晴らしいですよね!
この2体の若狭を代表する馬頭観音像を見れて本当に感激しました。
次は松尾寺のご本尊ですね!

若狭の寺社巡りは脇侍の不動毘沙門巡りでもあるかのように脇侍は不動毘沙門ですね。
天台密教の匂いがプンプンです!w

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Author:迦楼馬-カルマ-
仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる三十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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