奈良県「仏友と巡る奈良快慶仏尽しツアーの巻き①」
9月3日。
この日は奈良国立博物館で催されている「醍醐寺展」を訪れるべく関東から遠征してこられた仏友さんを迎え、醍醐寺展の目玉である三宝院 快慶弥勒菩薩にちなみ丸一日快慶尽しにしようと計画。
関西の仏友さんもお誘いし奈良の快慶仏を巡るツアーを行いました。
朝の9時に桜井駅に集合し最初に向かったのは安倍文殊院。
国宝に指定された渡海文殊像の拝観です。
過去に何度も訪れていますが国宝に指定されてからは初の参拝で気持ちがかなり高揚していました。
関東から遠征してこられた仏友さんも大の快慶好きとあり、しかも一発目にあの文殊菩薩ですから興奮しないわけがございません。
御抹茶の接待を受けていよいよ渡海文殊群とご対面です。

もう4度目か5度目の拝観ですが、本堂内へと入り飛び込んでくる渡海文殊像群を目にした時の感動は一向に薄れることがありません。
これ程の迫力を持って迎え入れてくる空間は他にないんじゃないかな?
博物館等の特別展で展開される仏像群の迫力にも引けを取らない物凄いオーラを文殊院の五尊像は放っております。
文殊菩薩騎獅像のカッコ良さは見事としか言いようがなくこの方以上にカッコイイ仏像なんてないでしょ?と何故か自慢したくなる。
誰に自慢って僕がお会いしているこの瞬間に、文殊様にお会い出来ていない全ての仏像好きに対してです(笑)
頭体のバランスや甲冑、衣の造形美など快慶にしか彫れないと思えるほどの美しさ。
もう絶賛する言葉をいくつ書き連ねても全然足らないほどのお方です。

脇侍四像も素晴らしいのです。
先導する善財童子の豊満な頬に純真な瞳、風を感じる衣の運びに躍動感あふれる動作と、運慶の八大童子像にも負けない見事さです。
美しさという点では快慶の右に出る仏師はいないでしょう。
優填王像の尊容も厳めしく大迫力で、甲冑は文殊菩薩と同じく細部にまで彫り込みを加えられ本当にカッコイイ。
全体を通してみても風の動きが計算されたようにそれぞれのお像の衣がなびき、これら五尊の大パノラマはとてつもない感動を僕たちに与えてくれました。
安倍文殊院 渡海文殊像群
この日の1寺目にしてピークが訪れたような衝撃を受けながら次の目的地は田原本の安養寺。
こちらの収蔵庫には快慶仏として最も多く残る像高100cm前後のいわゆる三尺阿弥陀像が安置されています。
像高は81.4cm、三尺というにはやや小さいですが足ほぞに「巧匠安阿弥陀佛」という墨書が残されており快慶無位時代の像である事がうかがえます。
切れ長でやや吊り目で頬の張りも力強い。
衣文表現は美しく、まさに流れるようなという表現がピタリとくる見事なもの。
脇には同じく鎌倉時代の作とされる観音菩薩勢至菩薩像が。
両脇侍に関しては快慶作であるとはされていませんが、寺伝によれば当初より一具でいらしたとの事。
元は川向うにあった浄國寺のお像であったそうですが、廃寺となった折にこちらへ客仏として招かれたそうです。
写真で見るよりも実仏の素晴らしさは段違いです。
是非とも目の前でこの阿弥陀像の美しさを感じてもらいたいですね。

また、本堂には桃山時代の作であるご本尊阿弥陀三尊像がいらっしゃいます。
この日はご住職御不在で堂内へは上げて頂けないとの事でしたが、堂外よりガラス戸超しにへばりついて見ていると見かねた奥様が本堂内へと上げて下さいました(笑)
ご迷惑になってしまったかと思いましたが、一同大喜びで堂内へ。
脇侍の観音勢至は片膝を立てた前傾姿勢で来迎する形式。
非常に美しい阿弥陀三尊像で快慶阿弥陀なくしても、このご本尊をお参りするために安養寺を訪れるのも全然ありです。

過去の安養寺拝観記事
続く3寺目は安養寺から車で10分ほどの光林寺。
川西町安田にある浄土真宗の寺院で曽我川沿いに建ちます。
境内前に駐車場はありますが道は狭く停めれるのは数台ですので、光林寺北側の川沿い交差点に停めれれば停めるのがいいかも。
今回の拝観でもそこへ停めて光林寺さんへと向かいました。

内陣奥の金色のお厨子に祀られた快慶 阿弥陀如来立像は1221年の銘があり晩年の作。
お厨子の扉は前だけでなく左右も開かれ間近へと寄って拝観させて頂けます。
安養寺像よりも衣文の表現は柔らかとなり若干ではありますが捻りや折り返しが加味され装飾性が増す。
尊容も溌剌とした若々しさがあった安養寺像よりも幾分落ち着いた雰囲気で造像当時の快慶の年齢も影響しているのだろうか。
流れ出す衣文や来迎印を結ぶ指のしなやかな美しさはため息物の美しさでたまらない。
左右からも見れることから、お腹周りの量感に巻き付くように流れていく衣文、肩口や腕から流れ落ちていくような衣紋が非常に良く見て取れます。
神々しさのある見事な阿弥陀様でした。


過去の光林寺拝観記事
この後はお昼となり次の目的地洞泉寺の側にあるラーメン屋さん「むっしゅ亭」へ。
こちらで魚介のつけ麺を頂き昼からの見仏へと備えるのでした。

この日は奈良国立博物館で催されている「醍醐寺展」を訪れるべく関東から遠征してこられた仏友さんを迎え、醍醐寺展の目玉である三宝院 快慶弥勒菩薩にちなみ丸一日快慶尽しにしようと計画。
関西の仏友さんもお誘いし奈良の快慶仏を巡るツアーを行いました。
朝の9時に桜井駅に集合し最初に向かったのは安倍文殊院。
国宝に指定された渡海文殊像の拝観です。
過去に何度も訪れていますが国宝に指定されてからは初の参拝で気持ちがかなり高揚していました。
関東から遠征してこられた仏友さんも大の快慶好きとあり、しかも一発目にあの文殊菩薩ですから興奮しないわけがございません。
御抹茶の接待を受けていよいよ渡海文殊群とご対面です。


もう4度目か5度目の拝観ですが、本堂内へと入り飛び込んでくる渡海文殊像群を目にした時の感動は一向に薄れることがありません。
これ程の迫力を持って迎え入れてくる空間は他にないんじゃないかな?
博物館等の特別展で展開される仏像群の迫力にも引けを取らない物凄いオーラを文殊院の五尊像は放っております。
文殊菩薩騎獅像のカッコ良さは見事としか言いようがなくこの方以上にカッコイイ仏像なんてないでしょ?と何故か自慢したくなる。
誰に自慢って僕がお会いしているこの瞬間に、文殊様にお会い出来ていない全ての仏像好きに対してです(笑)
頭体のバランスや甲冑、衣の造形美など快慶にしか彫れないと思えるほどの美しさ。
もう絶賛する言葉をいくつ書き連ねても全然足らないほどのお方です。


脇侍四像も素晴らしいのです。
先導する善財童子の豊満な頬に純真な瞳、風を感じる衣の運びに躍動感あふれる動作と、運慶の八大童子像にも負けない見事さです。
美しさという点では快慶の右に出る仏師はいないでしょう。
優填王像の尊容も厳めしく大迫力で、甲冑は文殊菩薩と同じく細部にまで彫り込みを加えられ本当にカッコイイ。
全体を通してみても風の動きが計算されたようにそれぞれのお像の衣がなびき、これら五尊の大パノラマはとてつもない感動を僕たちに与えてくれました。
安倍文殊院 渡海文殊像群
この日の1寺目にしてピークが訪れたような衝撃を受けながら次の目的地は田原本の安養寺。
こちらの収蔵庫には快慶仏として最も多く残る像高100cm前後のいわゆる三尺阿弥陀像が安置されています。
像高は81.4cm、三尺というにはやや小さいですが足ほぞに「巧匠安阿弥陀佛」という墨書が残されており快慶無位時代の像である事がうかがえます。
切れ長でやや吊り目で頬の張りも力強い。
衣文表現は美しく、まさに流れるようなという表現がピタリとくる見事なもの。
脇には同じく鎌倉時代の作とされる観音菩薩勢至菩薩像が。
両脇侍に関しては快慶作であるとはされていませんが、寺伝によれば当初より一具でいらしたとの事。
元は川向うにあった浄國寺のお像であったそうですが、廃寺となった折にこちらへ客仏として招かれたそうです。
写真で見るよりも実仏の素晴らしさは段違いです。
是非とも目の前でこの阿弥陀像の美しさを感じてもらいたいですね。


また、本堂には桃山時代の作であるご本尊阿弥陀三尊像がいらっしゃいます。
この日はご住職御不在で堂内へは上げて頂けないとの事でしたが、堂外よりガラス戸超しにへばりついて見ていると見かねた奥様が本堂内へと上げて下さいました(笑)
ご迷惑になってしまったかと思いましたが、一同大喜びで堂内へ。
脇侍の観音勢至は片膝を立てた前傾姿勢で来迎する形式。
非常に美しい阿弥陀三尊像で快慶阿弥陀なくしても、このご本尊をお参りするために安養寺を訪れるのも全然ありです。

過去の安養寺拝観記事
続く3寺目は安養寺から車で10分ほどの光林寺。
川西町安田にある浄土真宗の寺院で曽我川沿いに建ちます。
境内前に駐車場はありますが道は狭く停めれるのは数台ですので、光林寺北側の川沿い交差点に停めれれば停めるのがいいかも。
今回の拝観でもそこへ停めて光林寺さんへと向かいました。


内陣奥の金色のお厨子に祀られた快慶 阿弥陀如来立像は1221年の銘があり晩年の作。
お厨子の扉は前だけでなく左右も開かれ間近へと寄って拝観させて頂けます。
安養寺像よりも衣文の表現は柔らかとなり若干ではありますが捻りや折り返しが加味され装飾性が増す。
尊容も溌剌とした若々しさがあった安養寺像よりも幾分落ち着いた雰囲気で造像当時の快慶の年齢も影響しているのだろうか。
流れ出す衣文や来迎印を結ぶ指のしなやかな美しさはため息物の美しさでたまらない。
左右からも見れることから、お腹周りの量感に巻き付くように流れていく衣文、肩口や腕から流れ落ちていくような衣紋が非常に良く見て取れます。
神々しさのある見事な阿弥陀様でした。




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この後はお昼となり次の目的地洞泉寺の側にあるラーメン屋さん「むっしゅ亭」へ。
こちらで魚介のつけ麺を頂き昼からの見仏へと備えるのでした。

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