山形県・松尾山観音「込められた”想い”があふれだす菩薩立像の巻き」

2日間に渡って巡ってきた仏像LINK宮城・山形ツアーもいよいよ終盤。
素晴らしい清凉寺式釈迦如来像を拝んだ法来寺から南下しやって来たのは松尾山観音。

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こちらには平安時代の造像で山形県の文化財に指定される聖観音菩薩立像と勢至菩薩立像が安置されています。
調べるところによれば十一面観音と勢至菩薩と記される所もありますが、伝承によると行基菩薩の作とされ元明天皇の和銅元年の頃の話となるそうで、

行基菩薩がこの地を行脚し野宿している時、無量寿仏、観音、勢至の三仏が柱の木に留まる夢を見た。
山深く分け入ると夢に見た桂の古木が目の前に現れたので、これを切って三仏を彫ります。
その三仏は応永年間に盗難に合いますが、急な大雨に打たれ辺りは一体は洪水の様に氾濫し仏罰を恐れた盗賊は三仏を置いて逃げたそうです。
無量寿仏は雨に流され行方が分からなくなってしまいますが、観音菩薩、勢至菩薩は村の人びとにより今日まで大切に保存されているという事です。
伝承から辿るとお守りされている仏像は観音菩薩、勢至菩薩という事になるのでしょうか。
頭頂に仏面がある事から考えれば十一面観音となるのかな。


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お堂へ到着するとご住職がお待ちくださっており堂内へと上げて頂きました。
堂内奥には固く閉じられたお厨子の扉が。
あの奥にいらっしゃるんだなと息を飲みます。
ご住職のお話を聞き、いよいよお厨子の扉が開く。

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扉が開き、両菩薩のお姿がゆっくりと現れ。。。。
堂内がどよめくような、ウォ~~~~という歓声が沸き起こり2体の大きな菩薩立像が目の前に。
見上げるほどの大きな方たちで、そのお顔は本当に慈悲深い。
閉じられていた間に内包されたとでもいう様な物凄い圧が、開かれた扉から流れ出し押し寄せてきました。
全身に鳥肌が立つような凄い感覚で、共に巡った仏友さんの中には感極まり涙を浮かべ戸惑う方もいらっしゃったほど。
涙が止まらない、そんな感情の高まりをしっかりと理解できるくらいに僕もこの両菩薩像に飲み込まれていました。

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手首は失われ、腹はえぐれ、足元は大きく破損する状態ですが、その尊厳は失われることなく綺麗に残り確認できる尊容から強いあたたかさを感じずにはいられません。
地方仏の特色であると僕が感じているこの”あたたかさ”は、まだまだ各地を全然巡れていない僕が言うのもおこがましいのですが、「地方仏」と呼ばれうる仏さまに必ず共通してくるように思います。
守られてきた土地の人びとの想いがこもりその表情をあたたかくしているように思えてならないのです。
祈り、願い、寄り添った人びとの想いがきっと仏さまにも伝わり月日の流れと共に刻まれていったに違いないのです。
そうでなければ、一目見た瞬間にこれ程までにも心に訴え揺さぶるような感情の芽生えを説明できません。
何百年もの人々の祈り願いが、今回拝観させて頂いた僕たちに仏さまを通じて流れ込んできたように思います。



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拝観後はご住職と楽しく雑談。
しかしなまりが強く仰られている事の半分は分からない。。いや、ほとんど分からないか(笑)

神木より彫りだされたという伝承を実感できる非常に神々しくあたたかい見上げる巨像に、自然と沸き起こった仏像LINKツアー主催者様への拍手喝采。
参加されたみんなが感動と心に込み上げるものを感じたからこその拍手だったのでしょう。
この方とお会いできる機会を下さってありがとう。
本当に素晴らしい菩薩像でした。


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松尾山観音堂
山形県山形市蔵王半郷2
TEL : 023-688-3328
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り







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仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる三十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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