山形県・慈恩寺「溢れ出す密の空間!慈愛の空間!躍動の空間の巻き」

仏像LINK宮城山形ツアー2日目は慈恩寺特別開帳の早朝拝観!
前日の親睦会でのお酒が残り重い頭を抱えながら到着します(笑)


さて慈恩寺です。
何をメインに見ようか事前に決める事すら出来ないほどの仏量を誇り、どれもが一級品である物凄い仏空間が広がっています。
鎌倉期 慶派の造仏と考えられる見事な十二神将像。
平安後期、文殊菩薩像、普賢菩薩像。
平安後期、腕を欠損した儚さが漂う菩薩坐像。
三重塔に安置される鎌倉期、一木割剥ぎ造りの大日如来像。
そして今世紀初!今回の特別開帳で公開された本堂 宮殿に安置されるご本尊弥勒菩薩坐像及び脇侍を含めた五尊像。
とてつもない量のとてつもない造形美の仏像群が押し寄せてきます。



そんな期待を胸に、泊まったホテルからツアーバスに乗り込み一路慈恩寺へ。
そして朝霧の中 訪れた慈恩寺は神秘的な空間でこれからお会いする仏さまの霊威をより高めるような神々しい雰囲気に満ちていました。

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境内全体から発する雰囲気がもうたまらなくワクワクさせてきます。
唾をゴクリと飲み込むような、興奮が爆発してしまうのを抑えようがないぞという高まりを感じながら本堂へと。


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本堂へと上がり目に飛び込んでくる宮殿、そしてご本尊弥勒菩薩坐像及び脇侍たち。
グニャリっと空間が歪んで見えるほどの密の空間がそこにはありました。
尊像より発するオーラがゆらめき立ち空気が揺れて見える。
完全に飲まれてるんでしょうね僕は。

ご本尊をはじめ鎌倉後期の作とされる尊像で、中尊 弥勒菩薩坐像。
五仏宝冠を被り定印を結ぶ、醍醐寺 三宝院の快慶弥勒と同じ。
弥勒菩薩が胎蔵界大日如来と同じ定印を結ぶのは12世紀末以降に真言宗で唱えられた「大日即弥勒」思想によるものだそうで、持物に五輪宝塔をとると「不二大日」といい胎蔵界・金剛界の両大日如来を意味することになるそうです。
それを表すように、脇侍には降三世明王、不動明王という金剛界大日如来との組み合わせで醍醐寺系の「尊勝曼荼羅」の構成になる。
現在は持物を持たれてはいませんが当初は五輪宝塔を掲げていたのでしょうね。
また、脇には地蔵菩薩坐像と釈迦如来坐像が。
これらの組み合わせは過去、現在、未来の「三世」救済仏を表しています。

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鎌倉期というよりは宋風の影響を強く受けた室町期の仏像に近い造形。
頭髪の群青と唇の朱が際立ち素地造りの木の生命感が溢れ出してより一層に霊験を高めています。
衣の表現は波打ち折り返し非常に動的で宋風。
弥勒、地蔵、釈迦の切れ長でやや吊り目の鋭い眼光は、気高く尊い。
なんと妖しくも美しいんだろうかと鼻息を荒くしてしまいます。

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宮殿横手から裏手にも仏像群がびっしり。
それらの中でも特に凄いのは菩薩坐像__。
仏像好き、仏像好きでないに関わらず、この方の美しさ儚さは万人の心を打つのではないでしょうか。
日本人の心にある儚き美への憧れというか、日本人の涙腺にダイレクトに響いてくる美しさがあります。
この方を目にした瞬間、一切の音が消えたような気がしました。
上方から照らされる光にそっと静かに佇み、静かに見つめている。
ともすれば力尽きる寸前の様な、命の灯が尽きそうなまでの儚さを感じ、守ってあげなくてはといったような使命感すら込み上げてくる。
あぁ~....なんて美しく儚いんだろうか。


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次いで薬師堂へと足を運ぶ。
いろんな書籍等で見てきたあの十二神将がここにいらっしゃるんだ!と本当にドキドキしながら堂内へ入ると、まずは鎌倉後期院派仏師である院保の作であるとの墨書が残る薬師三尊像が。
当初よりこの三尊の形式であったかは定かではないとの事で、言われて見てみれば日光も月光も共に右手を上に掲げて蓮の花を持っています。
通常なら左右対称となっていることが多いですよね?

そしていよいよ薬師三尊の裏手へと回ります。
そこには躍動感にあふれかえった見事な十二神将が。
甲冑や衣、筋肉の表現も素晴らしいけれど、何と言っても秀逸なのはその表情でしょう。
視線が生きています。
魂の入った生きた目で遠くを見つめている。
魂の入った生きた目で遠くに睨みを利かせている。
魂の入った生きた目でじっと見つめてくる。
本堂の菩薩坐像とは全く違った美しさがありました。
単純にカッコイイ!!そしてカッコイイってのはこれ程までにも美しいものなんだなと感動してしまいました。
1体1体の姿勢、表情、目線を穴が開くほど見つめさせて頂きました。
本当に素晴らしい十二神将像です。


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本堂、薬師堂から少し離れたところに立つ三重塔。
こちらには鎌倉後期 大日如来像が安置されています。
十二神将像とはうって変わって穏やかな像です。
静かに目を伏せて瞑想している、そんな風に見えます。
しかしながらやはり鎌倉期、内に秘めた意志の強さの様な力強さも感じるのですから仏像って不思議ですね。
あぁ穏やかな優しい方だなぁと一目見て思っても、見ているうちに別の表情に見えてきたり。
初めの印象とは真逆の印象に変わっていくこともあるんですから本当に不思議で魅力的で引き込まれてしまいますね。


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ツアー2日目の1ヶ寺目。
次に訪れるお寺がこの後まだまだ控えているので、いつまでも留まる訳にはいきません。
本当に後ろ髪を引かれながら、まだいたいもっと見たいと思いながらバスへと戻るのでした。

来年にも特別公開が行われるそうで、2015年は「慈恩寺の美仏と阿弥陀仏たち」と銘打たれ阿弥陀如来像群にスポットを当てた公開が行われるようです。
平成27年5月23日〜7月20日。





瑞宝山 慈恩寺(じおんじ)
山形県寒河江市大字慈恩寺地籍31
TEL : 0237-87-3993
拝観 : 8:30~16:00
拝観料 :500円
駐車場 : 有り







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この記事へのコメント

- 大ドラ - 2014年11月26日 20:11:39

慈恩寺では、本堂内で宮殿内の仏像がご開帳でなくても、今後東北へ旅行する際には訪ねたいお寺だと思っていますが、2015年の阿弥陀堂の特別公開に行けるかどうかは分からないですね。
岐阜の地元で、揖斐にある横蔵寺で深沙大将像や十二神将像のお姿を拝んで、十二神将に限らず憤怒相の仏像への関心が深まりましたが、慈恩寺薬師堂の十二神将像も、迦楼馬さんのお話を拝読する限りでは、お姿を拝したいと思います。

- 迦楼馬-カルマ- - 2014年11月30日 20:59:18

>大ドラさん
来年の東京国立博物館の「みちのくの仏像」展に慈恩寺の十二神将のうち4体が来られるそうです。
360°で見れるのかなぁ~?
慈恩寺でも本当に間近で見れるので博物館展示の旨みはそれほどないかな?(笑)
岐阜の横蔵寺は訪れたことがないので非常に興味がわきます。
深沙大将もいらっしゃるんですね!これは訪れなければ。

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ケノーベル エージェント - 2014年11月27日 08:53

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仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる三十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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