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宮城県・高蔵寺「力強く坐す丈六阿弥陀如来坐像の巻き」

7月12日。
この日は3度目の参加となった仏像LINK様主催の秘仏めぐりツアーへと参加してきました。
今回巡る地は宮城県&山形県。そう!1泊2日の宿泊ツアーでした!
たくさんの仏友さんたちと秘仏を巡り、夜更けまで飲み明かすなんとも贅沢なツアーに参加させて頂きました。
あまりにも楽しすぎて大興奮に包まれた2日間の模様をこれから1寺ずつ紹介していきたいともいます。



当ブログにてツアー参加後の速報記事はこちら
仏像リンク主催!山形宮城仏オフツアー!ダイジェスト速報



8時40分、東京駅に集合し目的地へと出発するツアーバス。
バス内では恒例の参加者自己紹介を披露し、その後5時間かけて目的地を目指します。
まず向かった今ツアー1寺目は宮城県角田市にある高蔵寺阿弥陀堂。
高蔵寺由緒書きによると、阿武隈川の下流、角田市の西方に位置する高蔵寺は西暦819年に徳一菩薩が創建したと伝わります。
平安時代の建造物は、現在全国で二十六しか残っておらず、阿弥陀堂としては七ヵ所のみとなっており、現存する数少ない文化遺産で重要文化財に指定されています。


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ご本尊は同じく重要文化財に指定された平安時代後期、藤原秀衡とその妻が作らせたと伝わる丈六の阿弥陀如来坐像。
像高は270cmの寄木造りで、蓮華座から天井に届かんとする見事な透かし彫りの飛雲光背を合わせると518cmにも上る大きさです。
台座、光背共に当時のままで現存し、像容は非常に力強く厳しいお顔をされています。
体躯も平安時代後期のゆったりと穏やかなというよりは肩周りもガッシリとした力強さを持った方です。
平安時代後期から鎌倉期への過渡期の作風との事です。
通った鼻筋から厚みのある唇にゴツンとした顎などは非常に厳しさを感じ、威厳にあふれた強烈な尊容でした。
手も大きく、太く長い指に衣文表現にも平安後期の浅く整然とした表現よりは彫りが深みを増し力強さが目立ちます。
全体的に力強いオーラを発散する方で、個人的には鎌倉期への過渡期というよりは平安初期の力強さを感じたりしました。
お堂へ差し込む日の光が、尊容をより力強く見せてくれる素晴らしい環境で強烈な丈六阿弥陀を拝観するのでした。


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堂内には他にも大きく破損した阿弥陀如来坐像も安置され、この像はご本尊よりも5、60年も古い物だという。
胸部が破損したり、左腕を失ったりとかなり痛々しいお姿ではありますが、当時の寄木法が見て取れます。



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勝楽山 高蔵寺(こうぞうじ)
宮城県角田市高倉寺前49
TEL : 0224-65-2038
拝観 : 要予約
拝観料 : 300円
駐車場 : 有り








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仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる四十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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