兵庫県・達身寺「丹波の里で出会う究極の仏像群の巻き①」

ブログ時系列は少し飛んでしまいますが、9月21日に兵庫県丹波を巡った話。


仕事に急に空きが出来、このチャンスを生かして仕事現場からほど近い丹波を巡ろうと慌てて準備をしたこの日、最初に訪れたのは達身寺。
文化財の宝庫であり多数の古仏が残されていることから、「丹波の正倉院」と呼ばれ、仏像好きの心をつかんで離さない。
8世紀頃の創建と考えられ、寺伝によれば行基菩薩によって開かれたと伝わります。


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本堂奥、収蔵庫と2つにわたる宝物殿には重要文化財12体、県指定文化財34体、市指定文化財33体という他に例を見ない数の仏像群。およそ80体にものぼる仏像が安置されますが、そのほとんどが破損仏と呼ばれる朽ちたお姿をしています。

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戦国の時代、織田信長が丹波平定を行った際に家臣である明智光秀により焼打ちに合い、僧侶たちは寺院を焼かれる前に仏像を近くの谷へ運び出したものの、その後長年にわたり隠されたままの状態となりました。

当地に疫病が流行した際に占った結果、「三宝を犯した仏罰である」と言われた事から、隠したまま放置されていた仏像を村人たちが尽力し集めました。
長く放置されていた為に多くの仏像は腕を欠損していたり、表面が朽ちてしまっていたりとお姿は痛ましい。


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しかし、その尊容が放つ光は、儚く、慈悲深くあり、愛おしさをも感じさせてくれる、言葉では言い尽くせない想いを胸に込み上げさせるものがありました。
一つ一つのお像の顔を、瞳をジッと見つめていると本当に胸が熱くなり涙が溢れそうになるのは、人が生きているうえで極々自然な事で、何も間違ってない、涙を流すことは恥ずかしい事じゃないと思わせてくれます。

この様なお姿となりながらも、それでも衆生を救おうと前を向き上を向くその視線は力強く美しく慈悲深い。
それと同時に、村の方々によってお寺の方によって守り続けられてきた仏さまの儚げなお姿に愛おしい想いが溢れ出します。
じっくりと、1体ずつと向き合ってそれぞれのお像の表情を想いを受け取って欲しいです。


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そしてその尊容だけでなく、朽ちてなお美しく力強いその体躯、朽ち落ちていく儚さと尊さを如実に伝えてくる美しく悲しい体躯。
しっかりと踏みしめる脚部、グッと力の入った腰つき、堂々と坐す姿、寂しくたたずんでいる様なお姿、もはや朽ち果てる最後のきらめき、それぞれのお像が何かを伝えています。
それが何なのかは、お像と向き合うそれぞれの方の胸に自然と湧き上がってくると思います。
ひょっとすれば、見ていられない!かわいそうだ!と目を伏せてしまう人もいるかもしれません。
それでもなお、その伏した目を上げて向き合って下さいと思わずにはいられないのです。
これら仏さまたちは救いたいのです。この様なお姿であってもそれでもなお衆生を救う事を考えているのです。
そして祈られたいのだと思います。

力強さ、慈悲深さ、儚さ、それらが究極にまで登りついた美しさが溢れているように思います。



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-つづく-


※仏像の写真は今回特別に許可を頂き撮影させて頂きました。
通常は撮影禁止となっておりますのでご注意ください。
また、仏像から感じた思いは僕個人の想いであって押し付けるものではありません。

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迦楼馬-カルマ-

Author:迦楼馬-カルマ-
仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる三十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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