奈良県・談山神社「足に傷持つ神々しき如意輪観音の巻き」

7月3日。
この日はかなりの雨が降る中でしたがふらっと奈良へ。
まず向かったのは桜井市の談山神社。
観音講まつりの時(6月~7月)のみ公開されるという鎌倉時代の如意輪観音菩薩像を拝観してきました。


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雨が降りしきる境内は朱の色が映え見ごたえあり。
雨が降ると朱の色や緑がクッキリとしていいね。
雨が降ってのち上がった後が一番なんだろうけどこの日は終始どしゃ降り。。
如意輪観音菩薩が公開されている神廟拝所へと急ぎ足で向かうのでした。


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このどしゃ降りなので人はいないかなと思いきや堂内にはちらほらと人が。
タオルで体をぬぐいながら公開されている如意輪観音を探すと、堂内中央にお厨子に安置されライトを受けた如意輪観音が神々しくいらっしゃいました。


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像高は48.2cmと小さな方ではありましたが、存在感は物凄かったですね。
伏し目がちの切れ長の目に、力強い口元とアゴ回り。
ライトアップの陰影の効果もあってかなかなかに厳しい尊容でドキリとしました。
腕はしなやかで柔らかみがあって、仕草に色気がある方。
衣文は密に刻まれて、かかとを引っかける様にぐーっと巻きつかせています。
非常に宋風な鎌倉期らしい如意輪観音菩薩像ですね。


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談山神社公式HPによると、
この仏像には「譚峰如意輪観世音菩薩記」という江戸時代の本に霊験譚が三つ 記されています。

その一、九條兼実が夢の中にこの仏像を見て、出世を祈ったところ後に太政大臣にまでのぼりつめた。
その二、脚に膿がたまり歩けなかった子供が、仏像に祈るとたちどころに治り、仏像の同じ箇所がえぐれていた。
その三、仏像を安置していたお堂が火災に遭ったとき、自分でお堂から出てきた。


この謂れを証明するかのように如意輪観音像の右足には大きな傷跡が見えます。
ささくれてめくれ上がったような跡で痛々しさを感じるものの、霊験を感じ むむむぅ~っとうなり声を上げてしまいます。
こう言った話はどこまでが真実かは分かりませんが信じた方がより凄味を感じるというか面白い。


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雨の降る音以外に全く音がない中でお会いする神々しい如意輪観音菩薩。
雨の音が逆に静けさを際立たせているようで益々神々しさを感じさせて頂きました。



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重要文化財 木造十三重塔

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本殿

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吊り灯篭

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談山神社
奈良県桜井市多武峰319
TEL : 0744-49-0001
拝観 : 6月~7月特別公開
拝観料 : 500円
駐車場 : 有り









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この記事へのコメント

- 大ドラ - 2014年10月15日 21:16:49

これほどの立派な神社で、明治初めの神仏分離の嵐を乗り越えて、これほどの立派な観音像が神社から出されずに、今なおおわすのは、不思議な気がします。
足が損傷しているのは私が見ても痛々しいと思いますが、何かを訴えるように物思いに耽る感じがいいですね。

少し前のブログ記事で、伊豆の願成就院と金龍院のお話を読ませていただき、ありがとうございます。
伊豆などの静岡がこれほどの見事な古仏のおわす地とは、以前には思ってもいませんでした。伊豆ではないのですが、浜松の三ヶ日にある摩訶耶寺もつい最近知りました。
願成就院の運慶作の仏像にはいずれお会いしたいですね。
仏像についてそれほどよく分かっているわけではないのですが、慶派仏は写実的というだけでなく、気迫を感じてしまいます。願成就院の毘沙門天像などはどこかにいそうな誰かのように思え、親しみも感じます。

- 迦楼馬-カルマ- - 2014年11月04日 19:55:56

>大ドラさん

今も大切に神社で守られている観音像にグっとくるものがありました。
足の傷は痛々しいですが、衆生をお守りされている証なのかもしれませんね。

伊豆にはまだまだ素晴らしい仏像群がいらっしゃるので、次の機会を早く作りたいと考えています!
奈良京都の中央もいいですが、地方で守られている仏像の素晴らしさはたまらないものがあります!

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仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる三十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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