茨城県・菊蓮寺「母なる千手観音菩薩立像の巻き」
楽法寺→妙法寺→弥勒教会→来迎院→阿弥陀堂と巡ってきた茨城秘仏ツアーもいよいよラスト。
最後に訪れたお寺は、収蔵庫に350cmともなる大きな千手観音立像を安置する菊蓮寺です。

807年に行讃(ぎょうさん)上人が、蓮華の上に舎利、菊花があり輝いているという霊夢を見た地に、舎利山 山光院菊蓮寺を開山。
天台宗として650余年を経て、覚誉冏察(かくよけいさつ)上人が浄土宗として中興し現在に至ります。


山門をくぐると大きな収蔵庫が。
ご住職が扉を開けて待っていてくださいました。
収蔵庫の正面へ回ると目に飛び込んでくる大きな千手観音像に圧倒されます。
前述したように像高350cmと茨城県下第2位の大きさを誇る立像で、収蔵庫いっぱいにそびえるお姿は中々に迫力があり、
鎌倉期の造仏で、玉眼が嵌め込まれた半眼の目で見据えてくるその尊容は神々しく霊威を感じました。

合掌手の肘のあたりから一気に咲き乱れる様に四方へと延びる脇手がより一層にこの像の大きさを感じさせ、しっかりと現れた木目とノミの彫り口の様な文様が見て取れることも、この像の存在感、迫力といったものを増幅させているように思います。
元々は金箔や彩色が施されていたのか、そこはちょっと分からないですが、現在の素地造りのようなお姿が最も霊威的で迫力があり尊いお姿のように感じます。
まあ僕個人の好みではありますが。



また、脇に安置される不動明王と毘沙門天も素晴らしい。
平安後期くらいの方で、共にやや動きは固いようですが、木目によって現れる造形の表情が素晴らしく、特に不動明王は像全体から木目が溢れ出し生き生きとしたものを感じさせてくれます。
大きく肩を張り胸の下からググッと引き締まっていく腰周り、大きな鼻に天地眼にしかめたお顔からも非常に引きつけられる魅力を持った方でした。


そして奥には中尊の先代がひっそりといらっしゃいました。
中尊の千手観音像が鎌倉時代に対し、脇侍の2体が平安時代。
これには理由があり、元々この3体は常陸太田市の西部に位置した金砂村にあった定源寺の像で、平安時代末期の佐竹氏と源氏が戦った金砂山の戦いにより、巨像であった中尊は運び出すことが出来ずに焼損、脇侍の不動明王、毘沙門天は運び出すことが出来 難を逃れたという事です。
その焼損してしまった元のご本尊が堂内の奥にひっそりとたたずまれていました。
千手観音菩薩像。
無限とも思える千の手によって衆生のあらゆる苦しみや厄災を取り除き救ってくださる仏様。
とある盲学校の生徒さんが描いた母親の絵。
そこには無数の手を持つ母が描かれていたそうです。
目が不自由な為に障害をいつも取り除いてくれる母は、
まるで手が何本もあるようだ、とその生徒さんは語ったそうです。
ご住職は、千手観音菩薩とはまさにそういうことなんでしょうねと仰っておられました。
その話を聞いてから見た千手観音像は先程までの霊威的な雰囲気よりも、どこか優しい母の様に見えてきたのだから不思議だ。
舎利山 三光院菊蓮寺(きくれんじ)
茨城県常陸太田市上宮河内町3600
TEL : 0294-76-9244
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り

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最後に訪れたお寺は、収蔵庫に350cmともなる大きな千手観音立像を安置する菊蓮寺です。

807年に行讃(ぎょうさん)上人が、蓮華の上に舎利、菊花があり輝いているという霊夢を見た地に、舎利山 山光院菊蓮寺を開山。
天台宗として650余年を経て、覚誉冏察(かくよけいさつ)上人が浄土宗として中興し現在に至ります。


山門をくぐると大きな収蔵庫が。
ご住職が扉を開けて待っていてくださいました。
収蔵庫の正面へ回ると目に飛び込んでくる大きな千手観音像に圧倒されます。
前述したように像高350cmと茨城県下第2位の大きさを誇る立像で、収蔵庫いっぱいにそびえるお姿は中々に迫力があり、
鎌倉期の造仏で、玉眼が嵌め込まれた半眼の目で見据えてくるその尊容は神々しく霊威を感じました。

合掌手の肘のあたりから一気に咲き乱れる様に四方へと延びる脇手がより一層にこの像の大きさを感じさせ、しっかりと現れた木目とノミの彫り口の様な文様が見て取れることも、この像の存在感、迫力といったものを増幅させているように思います。
元々は金箔や彩色が施されていたのか、そこはちょっと分からないですが、現在の素地造りのようなお姿が最も霊威的で迫力があり尊いお姿のように感じます。
まあ僕個人の好みではありますが。



また、脇に安置される不動明王と毘沙門天も素晴らしい。
平安後期くらいの方で、共にやや動きは固いようですが、木目によって現れる造形の表情が素晴らしく、特に不動明王は像全体から木目が溢れ出し生き生きとしたものを感じさせてくれます。
大きく肩を張り胸の下からググッと引き締まっていく腰周り、大きな鼻に天地眼にしかめたお顔からも非常に引きつけられる魅力を持った方でした。


そして奥には中尊の先代がひっそりといらっしゃいました。
中尊の千手観音像が鎌倉時代に対し、脇侍の2体が平安時代。
これには理由があり、元々この3体は常陸太田市の西部に位置した金砂村にあった定源寺の像で、平安時代末期の佐竹氏と源氏が戦った金砂山の戦いにより、巨像であった中尊は運び出すことが出来ずに焼損、脇侍の不動明王、毘沙門天は運び出すことが出来 難を逃れたという事です。
その焼損してしまった元のご本尊が堂内の奥にひっそりとたたずまれていました。
千手観音菩薩像。
無限とも思える千の手によって衆生のあらゆる苦しみや厄災を取り除き救ってくださる仏様。
とある盲学校の生徒さんが描いた母親の絵。
そこには無数の手を持つ母が描かれていたそうです。
目が不自由な為に障害をいつも取り除いてくれる母は、
まるで手が何本もあるようだ、とその生徒さんは語ったそうです。
ご住職は、千手観音菩薩とはまさにそういうことなんでしょうねと仰っておられました。
その話を聞いてから見た千手観音像は先程までの霊威的な雰囲気よりも、どこか優しい母の様に見えてきたのだから不思議だ。
舎利山 三光院菊蓮寺(きくれんじ)
茨城県常陸太田市上宮河内町3600
TEL : 0294-76-9244
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り

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この記事へのコメント
こんばんは大ドラさん!
いや~驚きました!大きくて木目の浮き上がった像様が素敵な三尊でした。
三重の近長谷寺の十一面観音!お会いしましたよ~
見上げてきました!
奥には大日如来さんもいらして興奮しっぱなしでした(笑)
10月4日にも三重県で毎度の仏像LINK様主催のツアーがあるので参加してきます!
その時は近長谷寺は残念ながら訪れませんが。。。
いや~驚きました!大きくて木目の浮き上がった像様が素敵な三尊でした。
三重の近長谷寺の十一面観音!お会いしましたよ~
見上げてきました!
奥には大日如来さんもいらして興奮しっぱなしでした(笑)
10月4日にも三重県で毎度の仏像LINK様主催のツアーがあるので参加してきます!
その時は近長谷寺は残念ながら訪れませんが。。。
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URL :
- 大ドラ - 2014年09月25日 20:27:06
そのようなほぼ丈六といえる十一面千手観音像が茨城におられるんですね。
観音像は大きな割に素朴な感じを受けますし、不動明王像と毘沙門天像も素朴な感じに思います。
丈六どころか大仏ですが、三重の多気にある近長谷寺の木造十一面観音立像も、拝みたい観音像です。