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奈良県 / 唐招提寺奥の院 西方院

本日は大津の歴史博物館へ「阿弥陀さま-極楽浄土への誓い-」を見に行き園城寺等を巡る予定でしたが、生憎の大雨と強風により断念。。
楽しみにしていたのになぁ。。。
てことでまたもや過去の見仏日記でも。。(^^;
4月にお参りした唐招提寺奥の院になる西方院へ快慶の阿弥陀如来立像を拝観してきました話。



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唐招提寺には西方院という奥の院があり、もと唐招提寺の境内であったが昭和の初めに近鉄橿原線の開通により分断され別院のようになっています。

収蔵庫を兼ねた本堂には重要文化財に指定された法眼快慶作の阿弥陀如来立像が安置されています。

saihouinsyuzouko.jpg

saihouinamida.jpg


阿弥陀如来立像
像高約100cmの檜材寄木造り。
左足のほぞより法眼快慶の墨書銘があり法眼の墨書から快慶晩年の作であることがわかります。

数度の盗難に合い光背等は失われていますが美しいお姿を近くより拝むことができます。
お厨子の中にいらっしゃり、この日は雨の降る日だったのでやや薄暗く尊容ははっきりと覗う事が難しかったのですが晴れた日にはよく見えるだろうなと思います。

顔から胸にかけては金が剥落し下地の漆がまだらに見えた状態ですが涼しげな張りのある表情。
腹を前にだし左足をわずかに踏み出し来迎印を結んでいます。
衣紋の流れが緻密で腹周りの量感を出す流れや下半身の縦に流れるラインなど非常に美しいです。
衣の襞打つ流れの美しさや尊厳ある風貌と快慶阿弥陀のらしさがよく現れた美しい阿弥陀様です。

お寺の奥様に数度の盗難に合いながらもよく戻られましたねぇと話すと、このような話が伝わっていますとお話を聞かせていただきました。

ある晩の夢枕に阿弥陀様がお出になり、どこそこの土中に埋められているので掘り起こして欲しいと仰ったそうです。そしてその通りに掘ってみるとまさに阿弥陀様がいらっしゃり無事 お寺へと迎えることができたと。

然るべき場所に戻られた阿弥陀様は美しい佇まいで穏やかに僕を見つめてくださいました。





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迦楼馬-カルマ-

Author:迦楼馬-カルマ-
仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる四十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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