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奈良県・大澤寺「初の一般公開!秘仏 薬師如来立像の巻き」

5月5日。

今年2度目となる大澤寺を訪問した。
前回訪れたのは2月の25日とまだ2ヶ月と10日しか経たずの再訪となったのは、前回にお参りさせて頂いた際に5月のGWにご本尊の一般公開を行う予定だとお聞きしたからです。
文化財指定を受けることになった際の修復調査から帰られたときに、関係者など限定で公開されたことはあったそうですが一般公開は初めてだという事で必ずご開帳には訪れようと決めていました。

公開最終日となった5日、なんとか仕事の都合をつけて午前中だけ空き時間をもらい訪れました。
小雨が降る中となりましたが想像以上に素晴らしい薬師如来像と出会ってきました。


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境内へ入っていくとご開帳ムード漂い、村方さん達が集まりお世話をしています。
さっそくですが堂内へ上がらせて頂き拝観させて頂きました。
お堂の扉も開け放たれて非常に明るく、前回訪れた時とはなんだか堂内の雰囲気もガラリと変わっていました。

さて、ご本尊の薬師如来ですが、立像でした。
立像でしたっていきなりなんだと思われるでしょうが(笑)、僕の頭の中では完全に勝手に坐像にしておりました(笑)
お堂に入ってお厨子に目を向けた瞬間、あ!立ってる! なんて間抜けな第一声。。。(^^;
秘仏本尊で初の一般公開とありお写真でお姿をお伝えできないのが残念ですが、2体とない独特の薬師如来様が少し遠くを見つめる様に立っておられました。

藤原時代の一木造りというご本尊薬師如来立像は、非常に頭部が大きな方で頭部だけを見ると丈六クラスの大きさ。
そして頭部はやや傾いている?左に傾斜というか寄っているようにも見えます。
お寺の由緒書きによるとクスノキの一木造りとなっていますが、調査の結果で松ノ木の一木造りという事が分かっています。
この時代、ヒノキ材で彫られることが多く、技法は寄木造りが主流であった時代に松ノ木の一木造りで彫られたというのは、ある種霊木的なものから彫りだされた立木佛であったのか。

衣文の表現は荒彫りながらも腹回りでY字に流れる衣文線を描き足元には翻派式衣文的な雰囲気も見られる。
ただ、足元はお厨子内になり背伸びをしてなんとかかすめ見えるというくらいなので僕の見間違いがあるかも。
荒彫りと感じる彫り口も非常に硬く彫りにくいという松ノ木の影響かとご住職のお話を聞きながら考えた。

像高189cmの大きな薬師如来様がお厨子内に安置され、ついにその扉が参拝者に向けて開かれたこの貴重な期間に訪れることが出来て幸せです。
一時は仕事の都合がつかず拝観叶わぬか?!とも思われ落ち込みかけましたが、そのお姿を拝むことが出来て貴重なご縁を頂いてきました。
またいつかご縁を頂きたいと願いつつ、お堂を後にしました。

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神福山 大澤寺(だいたくじ)
奈良県五條市上之町651
TEL : 0747-23-1744
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り











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迦楼馬-カルマ-

Author:迦楼馬-カルマ-
仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる四十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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