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東京都・東京国立博物館「憧れのトーハク仏の巻き」

4月20日。
前日はyo_kkunが企画された秘仏ツアーを巡り、夜は親睦会で飲み倒し、朝起きるが辛くまだまだ寝ていたいとホテルのベッドからなかなか出られませんでしたが、ここだけは行ってみたいと東京国立博物館へと行ってきました。
重い足取りでトボトボと歩いていたのですが、トーハクが見えた瞬間にテンションが上がりました。

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会いたかった数々の仏像がこちらにはいらっしゃいます。
その全てが展示されているわけではありませんが、素晴らしい方々にお会いしてきました。
巡った全ての仏像を詳細に語ることは出来ませんので特に感動した方々をピックアップしてお伝えしたいと思います。

まずは神奈川県立金沢文庫でお会いした菩薩半跏像と非常に良く似た造形をされた日光菩薩踏下像。
奈良時代の木心乾漆像で、もとは高山寺薬師如来像の脇侍として東京藝術大学の月光菩薩像と共に祀られていたそうです。さらに古くは亀岡の金輪寺の像であったとか。
非常に写実的で堂々としています。
損傷の激しいところもありやや痛々しさは感じるものの それでもなおあふれる尊厳は素晴らしいですね。
足元に表現される衣文のうねりも迫力があり垂下する左足にかかる衣のはためきも凄いです。
また、右足の膝周りの量感も逞しい!
慶派仏師たちが、天平佛の修復作業の中から学び、よりリアルで写実的な造仏を生み出していったのが非常に良く分かる菩薩像です。

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ずっとお会いしたかった秋篠寺の十一面観音菩薩立像。
写真を見た瞬間にしびれにしびれまくった十一面観音です。
お出ましになっているとは知らずに展示室へ入り目に留まった瞬間、腰が砕けそうになりました。
写真以上の迫力でした。
8頭身ほどかと思われるスタイルの良さに、腰をやや屈め、まさに歩き出そうとする非常に動きのある像容です。
左足を上げて歩き出そうとした一瞬のようで体もやや左へ傾倒しているか。
衣の表現はゴリゴリでバキバキ。
ぶっとい衣文線にヒラヒラと波打ちまくる大仰なほどのはためき。
天衣までうねって捻って美しい。よくぞ彫りあげたとため息が出る。
お顔も独特のお顔で腫れぼったい目で遠くを見つめます。
への字に結んだ口元と合わさって非常に意志の強さを感じました。
人差し指をすっと伸ばしたラインの美しさに惚れ惚れしながらため息をまた一つなのでした。



同室におられた多聞天像。
大迫力の方で畏怖堂々って感じです。
太い体躯にがっちりと纏う甲冑に立派な獅子面。
肩口から腹、膝頭に彫りこまれた見事な獅子面がむちゃくちゃカッコイイ。
頭上に掲げた宝塔の高さがより一層に気高さを感じさせます。
尊容は獣的なお顔ですが地方仏師等の獣顔ではなく、知性が宿っているような自信に満ちた輝きを見せます。
首をすぼめたような肩口からグっと腰を捻り臀部を突き出し、右腕も内へとねじり衣文も巻き込むように捻り流れていきます。
もう随所がカッコイイ。 まさにグッとくる仏像でした。


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法隆寺館へ続く。。。





東京国立博物館
東京都台東区上野公園13-9









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この記事へのコメント

質問です - パーコロ - 2014年05月30日 23:26:40

いつも楽しく拝見しています。私も転勤で千葉にいた時は2回ほど見にいきましたが。1、東京国立博物館は写真OKなのですか?たまにプログで見かけますが、真実は?
2.この多聞天は元はどこのお寺のもの?
非常に特徴のあるお顔ですね。

- 迦楼馬 - 2014年05月30日 23:39:28

東京国立博物館は撮影OKの方がいらっしゃいます。
カメラ禁止のマークがない展示物はフラッシュをたかなければOKです。
基本、東京国立博物館所蔵のものとなりますね。
法隆寺館の金銅仏なんかも撮り放題です。

多聞天像ですが、和歌山県道成寺のかただったと思います。
毘沙門天となっていたか多聞天となっていたか。。
ネット検索かけると毘沙門天になっていますね。
独特のお顔をされながら洗礼された造形が素晴らしいです。

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プロフィール

迦楼馬-カルマ-

Author:迦楼馬-カルマ-
仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる四十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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