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奈良県・奈良国立博物館「鎌倉の仏像展の巻き」

大阪で「山の神仏展」「東大寺展」と素晴らしい両展を楽しんだ後は一路奈良へ。
奈良でも同時期に素晴らしい特別展が催されていますので、この日は美術館・博物館巡りということで3展目の奈良国立博物館へと向かいました。

「鎌倉の仏像展」。
鎌倉時代の初めに慶派仏師の手によって作られた新しい仏像の様式は、時代の寵愛を受け鎌倉幕府の要人が自らの手で建てた寺院の造仏に競って慶派仏師を登用しました。
また、西大寺流律宗の東国進出にともない、忍性、叡尊が相次いで鎌倉に下向。
南都律宗寺院における造仏の主要な担い手となった善派仏師も活躍の場を鎌倉へと広げていきます。
この結果、鎌倉の地にはエキゾチックでリアルな、迫りくる仏像が残されています。

鎌倉国宝館に収蔵されている仏教彫刻や仏画に加え、近隣の寺社からも素晴らしい仏教美術品の数々がお出ましとなっている展覧会です。
とにかく素晴らしい仏像の数々が展示されていますので是非とも訪れてもらいたい。

僕的に素晴らしいなと思った仏像を何点か紹介したいと思います!
もうダントツの素晴らしさでうっとりしてしまったのは浄光明寺の観音菩薩坐像。
首を傾げ下方を見つめている姿が気高く凛々しい。
瓔珞などの装飾品はなく、体全体に衣をまとい装飾的に波打つ造形がより一層と気高さを感じさせてくれるような気がします。
指のしなやかさや、足の指の表現など、もうどれをとっても素晴らしくてため息しか出ません。
観音菩薩とのことですが頭には水瓶を乗せています。頭に水瓶を乗せるのは勢至菩薩だと思うのですがこれいかに。
宋代の中国では仁王像の阿吽や観音勢至を逆に表現するのが流行ったとか言うのをどこかで読んだような記憶もあるようなないような。
図録の表紙も飾った素晴らしい方でした。

建長寺の千手観音菩薩坐像も素晴らしかった。
静かな穏やかな表情がいいですね。
視線が合わないこの表情にグッときます。
この手の表情の仏像はなんだか天平の匂いを感じてしまいます。
広いお堂で一人ぼっちでこの方とずっと向き合っていたいな、そんな風に思わせて下さる方でした。

円応寺の十王像も凄かった。
特に初江王坐像。
もうカッコ良すぎ。迫力ありすぎ。これぞ鎌倉。
ポーズもカッコ良く表情も力強くて躍動感が凄かったです。

驚いたのは水月観音!
想像していたよりもはるかに小さなお方でした。
等身大くらいかと勝手に思っていたので本当に驚きました。
小さい方ですがその存在感はめちゃくちゃデカい。
遊戯坐に坐されたお姿は堂々としていてなんとも優美でまるでモデルのよう。
ずっと会いたかった方にようやくお会いすることが出来て感無量。

また、法衣垂下像といった着衣の裾を台座に長く垂らして坐る像や、土門と呼ばれる衣文表現を持つ像など、鎌倉の地域に集中する造形の像も紹介されていて非常に興味深いです。
まだまだここでは書ききれないほどの凄い仏像が目白押しで1回では満足できないので「山の神仏展」「東大寺展」と合わせて再訪するに決まっています。

ん~~物凄い空間やったぞ。
なんてこった。
あ、極楽寺の釈迦如来坐像も良かったなぁ。
左手を返した説法印でなんだか妙に色っぽかったなぁ。
いやいや、書き出したらキリがないのでこの辺で。

もう一回行ってきます(笑)



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迦楼馬-カルマ-

Author:迦楼馬-カルマ-
仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる四十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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