大阪府・大阪市立美術館「山の神仏展 吉野エリアの巻き」
4月9日。
この日は大阪~奈良へと美術館・博物館巡りをしてきました。
大阪市立美術館「山の神仏展」
阿倍野ハルカス「東大寺展」
奈良国立博物館「鎌倉の仏像展」
4月~6月は関西のあちこちで仏像関連の特別展が催されている驚きの期間です。
それぞれ2度は巡りたいので前期後期の展示替えに合わせ巡ろうと、まずは上記の3館を巡ってきました。
まず訪れたのは大阪市立美術館「山の神仏展」
予備知識を持たずに訪れたので、どういった仏像がいらしているのか全く知らないままに訪れました。
それが良かったのか驚きの内容でした。
想像をはるかに超えた内容で大興奮してしまいました。
展示内容は3エリアに分かれ、吉野・熊野・高野の3エリアから構成されていました。
図録の”ごあいさつ”から抜粋させて頂くと、
『役行者を祖とする修験道の一大拠点「吉野・大峰」、全国に広がる熊野信仰の中心「熊野三山」、真言密教の根本道場「高野山」。
これら三つの霊場は各所を結ぶ「参詣道」とともに、2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコ世界文化遺産に登録。
登録10年の節目に開催される本展では多彩な文化財の中から「神と仏」のすがたを表した150件を展示し、神仏習合という言葉では語りつくすことが出来ない紀伊山地の信仰空間を再現いたしました。』
どうですか?ワクワクとドキドキが止まらなくなったでしょう!?(笑)
では、そのとんでもない空間を僕の拙い文章と浅すぎて話にならない知識で紹介していくとしましょう!
まずは第1エリアの吉野。
蔵王権現像、役行者像が居並び、初っ端から妖しさ満開。
如意輪寺に安置される源慶作の蔵王権現蔵は5/8~5/18のみの展示となっておりこの日は目にすることが出来ませんでしたが、それでもなお妖しさは充満していました。
金峯山寺の江戸時代作 木造蔵王権現像や大峰山寺 金銅蔵王権現像とカッコイイ系とプリミティブ系の蔵王さんが一度に楽しめます。
また、吉野曼荼羅の迫力が圧倒的で次々に展示される蔵王権現の曼荼羅図に飲み込まれていきました。
さらには同じく半端ない妖しさ不気味さを放つ役行者像の造形にタジタジになりましたね(^^;


そして役行者に付き従う前鬼後鬼坐像。
躍動する筋肉の盛り上がりとユニークな表情と鎌倉期の造形美が溢れ出した愛着を湧かずにはいられない邪鬼像です。
興福寺の天燈鬼・龍頭鬼には適わないまでも邪鬼がフィーチャーされた面白い仏像で見応えがありました。

他にも度肝を抜かれた小仏群、厨子入り天川諸尊像は圧巻で薬20cmの中に20体の仏像が収められています。
江戸期の職人技が発揮されたフィギュア感がでまくりのイイ仏像です。
欲しいなぁ~持って帰りたい(笑)

吉野後半エリアには如意輪寺 阿弥陀如来立像、来迎印 大日如来像、鳳閣寺 如意輪観音像、龍泉寺 天部形立像と素晴らしい仏像が目白押し。
中でも世尊寺の十一面観音菩薩立像が素晴らしく絶品。
世尊寺へは2012年5月22日訪れており、その際にもこの十一面観音菩薩像にはお会いしているのですが、和室の一室にポンと置かれているような雰囲気にもったいないなぁと思った記憶が蘇ります。
そして出た言葉はホラホラホラ!!めっちゃええやん!めちゃめちゃええやん!
あの和室の一室で見た十一面観音菩薩像も良かったけど段違いに凄いで!
お寺さんには失礼極まりないですが正直な感想という事で(^^;
檀像彫刻の細部にまで神経を張り巡らせて彫りあげられた素晴らしい方です。
衣の表現は深く大きく彫りこまれ渦紋を施し素晴らしいです。
知らずに見たら平安初期の像なのかなと思っただろうけど奈良時代の作なんですね。
頭部は鎌倉時代あたりの候補だそうです。

来迎印の大日如来像も良いですよぉ。
子供の様な尊容の大日如来像です。
非常に聡明な童子像のような雰囲気で堂々とされています。
室町時代の作で光背も美しい像高は45cmの小仏。

龍泉寺の天部形立像は吉祥天像と習合した天部形の薬師如来像を想起させ、神仏習合に関わる尊像である可能性も考えられるそうです。
かなりの磨滅が進んでおり痛々しいお姿にも見えますが、深い彫り口の衣文表現はいまだに明確で霊験深い魅力を増しています。
一木造りの素晴らしいお方ですね。

いや~吉野エリアだけでもうめっちゃ満足。
鼻息荒く次のエリアへと進むのでした。
※写真は全て図録より
大阪市立美術館
大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-82
「山の神仏展」 期間4/8~6/1
前期展示 4/8~5/6
後期展示 5/8~6/1

にほんブログ村

にほんブログ村_convert_20140605190807.jpg)
この日は大阪~奈良へと美術館・博物館巡りをしてきました。
大阪市立美術館「山の神仏展」
阿倍野ハルカス「東大寺展」
奈良国立博物館「鎌倉の仏像展」
4月~6月は関西のあちこちで仏像関連の特別展が催されている驚きの期間です。
それぞれ2度は巡りたいので前期後期の展示替えに合わせ巡ろうと、まずは上記の3館を巡ってきました。
まず訪れたのは大阪市立美術館「山の神仏展」
予備知識を持たずに訪れたので、どういった仏像がいらしているのか全く知らないままに訪れました。
それが良かったのか驚きの内容でした。
想像をはるかに超えた内容で大興奮してしまいました。
展示内容は3エリアに分かれ、吉野・熊野・高野の3エリアから構成されていました。
図録の”ごあいさつ”から抜粋させて頂くと、
『役行者を祖とする修験道の一大拠点「吉野・大峰」、全国に広がる熊野信仰の中心「熊野三山」、真言密教の根本道場「高野山」。
これら三つの霊場は各所を結ぶ「参詣道」とともに、2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコ世界文化遺産に登録。
登録10年の節目に開催される本展では多彩な文化財の中から「神と仏」のすがたを表した150件を展示し、神仏習合という言葉では語りつくすことが出来ない紀伊山地の信仰空間を再現いたしました。』
どうですか?ワクワクとドキドキが止まらなくなったでしょう!?(笑)
では、そのとんでもない空間を僕の拙い文章と浅すぎて話にならない知識で紹介していくとしましょう!
まずは第1エリアの吉野。
蔵王権現像、役行者像が居並び、初っ端から妖しさ満開。
如意輪寺に安置される源慶作の蔵王権現蔵は5/8~5/18のみの展示となっておりこの日は目にすることが出来ませんでしたが、それでもなお妖しさは充満していました。
金峯山寺の江戸時代作 木造蔵王権現像や大峰山寺 金銅蔵王権現像とカッコイイ系とプリミティブ系の蔵王さんが一度に楽しめます。
また、吉野曼荼羅の迫力が圧倒的で次々に展示される蔵王権現の曼荼羅図に飲み込まれていきました。
さらには同じく半端ない妖しさ不気味さを放つ役行者像の造形にタジタジになりましたね(^^;


そして役行者に付き従う前鬼後鬼坐像。
躍動する筋肉の盛り上がりとユニークな表情と鎌倉期の造形美が溢れ出した愛着を湧かずにはいられない邪鬼像です。
興福寺の天燈鬼・龍頭鬼には適わないまでも邪鬼がフィーチャーされた面白い仏像で見応えがありました。

他にも度肝を抜かれた小仏群、厨子入り天川諸尊像は圧巻で薬20cmの中に20体の仏像が収められています。
江戸期の職人技が発揮されたフィギュア感がでまくりのイイ仏像です。
欲しいなぁ~持って帰りたい(笑)

吉野後半エリアには如意輪寺 阿弥陀如来立像、来迎印 大日如来像、鳳閣寺 如意輪観音像、龍泉寺 天部形立像と素晴らしい仏像が目白押し。
中でも世尊寺の十一面観音菩薩立像が素晴らしく絶品。
世尊寺へは2012年5月22日訪れており、その際にもこの十一面観音菩薩像にはお会いしているのですが、和室の一室にポンと置かれているような雰囲気にもったいないなぁと思った記憶が蘇ります。
そして出た言葉はホラホラホラ!!めっちゃええやん!めちゃめちゃええやん!
あの和室の一室で見た十一面観音菩薩像も良かったけど段違いに凄いで!
お寺さんには失礼極まりないですが正直な感想という事で(^^;
檀像彫刻の細部にまで神経を張り巡らせて彫りあげられた素晴らしい方です。
衣の表現は深く大きく彫りこまれ渦紋を施し素晴らしいです。
知らずに見たら平安初期の像なのかなと思っただろうけど奈良時代の作なんですね。
頭部は鎌倉時代あたりの候補だそうです。

来迎印の大日如来像も良いですよぉ。
子供の様な尊容の大日如来像です。
非常に聡明な童子像のような雰囲気で堂々とされています。
室町時代の作で光背も美しい像高は45cmの小仏。

龍泉寺の天部形立像は吉祥天像と習合した天部形の薬師如来像を想起させ、神仏習合に関わる尊像である可能性も考えられるそうです。
かなりの磨滅が進んでおり痛々しいお姿にも見えますが、深い彫り口の衣文表現はいまだに明確で霊験深い魅力を増しています。
一木造りの素晴らしいお方ですね。

いや~吉野エリアだけでもうめっちゃ満足。
鼻息荒く次のエリアへと進むのでした。
※写真は全て図録より
大阪市立美術館
大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-82
「山の神仏展」 期間4/8~6/1
前期展示 4/8~5/6
後期展示 5/8~6/1

にほんブログ村

にほんブログ村
_convert_20140605190807.jpg)
- 関連記事
-
-
京都府 ・ 龍谷ミュージアム「多田寺の名宝展の巻」 2013/03/10
-
神奈川県・金沢文庫「東国の天平佛!脱活乾漆の菩薩半跏像の巻き」 2014/05/16
-
大阪府・阿倍野ハルカス「東大寺展の巻き」 2014/04/29
-
東京都・東京国立博物館「憧れのトーハク仏の巻き」 2014/05/26
-
奈良県・奈良国立博物館「鎌倉の仏像展の巻き」 2014/05/08
-
この記事へのコメント
高木様
コメントを寄せてくださりありがとうございます。
画像の件ですが、現在出張中で図録が手元にありません。
次の休みに実家へ帰る予定なのでその時にUPさせていただきますね。
おそらく6月の4日か5日になります。
これからもよろしくお願いします。
コメントを寄せてくださりありがとうございます。
画像の件ですが、現在出張中で図録が手元にありません。
次の休みに実家へ帰る予定なのでその時にUPさせていただきますね。
おそらく6月の4日か5日になります。
これからもよろしくお願いします。
ありがとうございます!
細かくレポートされていて楽しいです♪
見て言っていた感想が同じ視点だったので
笑っちゃいました。
仏像巡好きの友人に便乗したんですが
細かいことはわからずも
美しいお顔とか装飾品、仏具、
髪型や衣裳、背光…?
いいですよねー。
無理言ってごめんなさい!
細かくレポートされていて楽しいです♪
見て言っていた感想が同じ視点だったので
笑っちゃいました。
仏像巡好きの友人に便乗したんですが
細かいことはわからずも
美しいお顔とか装飾品、仏具、
髪型や衣裳、背光…?
いいですよねー。
無理言ってごめんなさい!
高木様
ありがとうございます!
素晴らしいお友達をお持ちですね!
これを機に是非仏像好きになって頂いて佛の世界にのめり込んで下さい(笑)
ありがとうございます!
素晴らしいお友達をお持ちですね!
これを機に是非仏像好きになって頂いて佛の世界にのめり込んで下さい(笑)
先にコメントさせてもらってる友達を誘って「山の神仏」を観てきました。図録を買い損ねて、どうしてもまた観たいと思ってた仏像ベスト3をネットで検索してたところ、このブログに到達しました。ほんとに細かく詳細をUPしてくれていて、感動が蘇りました。同時期に奈良国立博物館で開催されていた鎌倉の仏像も観てきました。いつか仏像談義に参加させて欲しいです♪わくわく
わくわく王さま
はじめまして!素晴らしいお友達の方ですね!w
本日、実家へ帰ってきまして図録を手に入れました( ̄^ ̄)ゞ
明日の遅くになりますが、写真の更新を致しますのでよろしくです。
仏像談義よいですねぇ〜
次は奈良国立博物館で醍醐寺展がありますね
心待ちにしましょう( ´ ▽ ` )ノ
はじめまして!素晴らしいお友達の方ですね!w
本日、実家へ帰ってきまして図録を手に入れました( ̄^ ̄)ゞ
明日の遅くになりますが、写真の更新を致しますのでよろしくです。
仏像談義よいですねぇ〜
次は奈良国立博物館で醍醐寺展がありますね
心待ちにしましょう( ´ ▽ ` )ノ
わ〜い!ありがとうございます。
奈良国立博物館の醍醐寺展は、去年からずっと心待ちにしています。快慶作の弥勒菩薩坐像にお会いしたいです(((o(*゚▽゚*)o)))細かな装飾に痺れます。
奈良国立博物館の醍醐寺展は、去年からずっと心待ちにしています。快慶作の弥勒菩薩坐像にお会いしたいです(((o(*゚▽゚*)o)))細かな装飾に痺れます。
そうです!!この方です!!!
ほんとに壁紙にしたいくらいです。
嫌なことがあってもお顔を見れば癒されるに違いない。
お忙しいのに
ありがとうこざいましたm(__)m
ほんとに壁紙にしたいくらいです。
嫌なことがあってもお顔を見れば癒されるに違いない。
お忙しいのに
ありがとうこざいましたm(__)m
高木さま
本当に心につながった仏様はお姿を見ると落ち着きますよね。
なのでいつも側にいて欲しく思います。
壁紙にしたくなる気持ち分かります(^^)
素人の書いてる仏ぞ王ブログですがこれからも宜しくです。
本当に心につながった仏様はお姿を見ると落ち着きますよね。
なのでいつも側にいて欲しく思います。
壁紙にしたくなる気持ち分かります(^^)
素人の書いてる仏ぞ王ブログですがこれからも宜しくです。
トラックバック
URL :
- 高木美香 - 2014年05月30日 22:02:57
展示No.54 阿弥陀如来坐像 奈良 大日堂
のお顔が美しくて
また見たいと思いました。
検索しても出て来ず、図録も買いそびれてしまい。
ガッカリしています。
そこでこちらのブログにあたりました。
見てるツボ?ノリ?が同じで楽しく読ませていただきました。
できれば画像載せてもらえたら…と思い
コメントしました!
よろしくお願いしますm(__)m