京都府・宗堅寺「射抜く視線の如意輪観音の巻き」
お昼一番に向かったのは南丹市から車を走らせること40分、亀岡市西堅町にある宗堅寺。
曹洞宗に属する禅寺であり、福井県 永平寺・横浜 總持寺を大本山とします。
本尊は聖観音菩薩。他にも数体の仏像を残しているが、明治初めの大火により寺宝や古文書のほとんどを焼失し創建当寺の開山・開基などは定かではありません。


さて、こちらの宝物庫には府指定文化財の鎌倉期 如意輪観音菩薩像があると知り拝観をお願いしました。
ご対応いただいたのは奥様で非常に優しく感じの良い方でした。一つ一つのお堂を丁寧に案内していただきゆったりとのんびりと拝観させてもらえて非常にありがたかったです。


如意輪観音坐像 府指定文化財 鎌倉時代 慶派 賢清作 像高125cm
宝物庫の扉はガラス戸になっており、普段からもガラス越しで拝観出来そうです。
しかし今日は拝観のお願いを事前にしていたので扉を開けてお堂に上げて頂きました。
宝物庫となっておりますが、様相は観音堂といった感じで中もしっかりと須弥壇が組まれ、幕の奥に安置されています。
幕はしっかりと上がっているので(笑)そのお姿はしっかりと確認することが出来ます。
一目見て即座に感じるその目力。
射抜くような力強い視線にたっぷりの肉付きの頬。
バランスも凄く良くて、簡単に言うとカッコイイです!そして少し怖い(笑)




衣のはためきも非常に動きが豊かで立てた片膝でハタハタと躍動します。
どっしりと片膝を立て、各所へ伸びてくる腕のしなやかさ。
美しくカッコイイですねぇ。
快慶の系譜に連なる仏師 賢清の作だと分かっているそうで、なるほどと思わされます。
あきらかに慶派の仏像であることは間違いなく、宋風を思わせる像容も鎌倉の匂いをプンプンさせますね。







そして次に案内されたのが本堂。
こちらにはご本尊の聖観音菩薩立像がいらっしゃいます。
しっかりと金の残るお若い方です。
その尊容は失礼ながら仏頂面的で頬を膨らませ口をキュッと結んでいます。
しかし憎めない愛らしさが漂ってくるのはやはりチャンカワイに似ているからではなく菩薩の慈悲深さでしょう(笑)
脇には達磨大師に名前の難しく初めて聞いた名の方(笑)
ここだけの内緒話で奥様もド忘れされていて、僕がどなたなんですか?と尋ねると慌てて奥へ引き返し調べてこられました。(笑)
ここだけの話ですよ♪
そしてお名前を聞くも難しくて聞き取れず雰囲気だけ感じて納得する僕(笑)
しかしながらそのお像の造形は額に手をやり遠くを眺める。
これは村の方をお守りする為に尽力されているお姿なんだとか。
この村 所縁の方なのかもしれませんね。
※Twitterでtakaタカ様よりこの像は大権現修理菩薩でしょうと教えて頂きました。
なんでも曹洞宗の寺院ではポピュラーな方だそうで、左手をかざすポーズを取る伽藍神のお方で航海の守り神ともいわれるそうです。菩薩といわれますが護法善神のお一人との説もあるそうです






棟続きの客殿には京都の法界寺 日野薬師と同木同作と伝えられている薬師如来座像がいらっしゃいます。
授乳・安産・子授けなど、婦人の祈願に霊験を示されるという事から乳薬師と呼ばれ信仰を集める方です。
平安後期の作で像高は75cm。
後補であろう塗り直しが厚く、造形は極めて不明瞭ですが小顔で非常にイケメンな雰囲気が伝わります。
また右手の印相が独特です。
施無畏印は掌を見せる様に上げている印ですが、この際の指の位置に儀軌があると聞いたことがありました。
それは人差し指が前に出ていると釈迦如来、中指が前に出ていると阿弥陀如来、薬指が前に出ていると薬師如来というものでした。
この乳薬師様はどうでしょう? 出過ぎちゃーいませんか?(笑)
もはや阿弥陀様の来迎印かよ!?ってくらいに出て輪っか作る勢いです。
全力で薬師如来をアピールされています(笑)



とても、本当にとても居心地のいい、穏やかで楽しい拝観の時間を頂きました。
優しい優しい奥様に神々しい迫力を持たれる如意輪観音。
そしてチャンカワイと全力薬師。
めちゃめちゃ素晴らしい時間でした。
めちゃめちゃ幸せな時間でした。
必ず再訪すると心に決めたお寺が、また一つ出来ました。



宗堅寺
京都府亀岡市西堅町65
TEL : 0771-22-4503
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り
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曹洞宗に属する禅寺であり、福井県 永平寺・横浜 總持寺を大本山とします。
本尊は聖観音菩薩。他にも数体の仏像を残しているが、明治初めの大火により寺宝や古文書のほとんどを焼失し創建当寺の開山・開基などは定かではありません。


さて、こちらの宝物庫には府指定文化財の鎌倉期 如意輪観音菩薩像があると知り拝観をお願いしました。
ご対応いただいたのは奥様で非常に優しく感じの良い方でした。一つ一つのお堂を丁寧に案内していただきゆったりとのんびりと拝観させてもらえて非常にありがたかったです。


如意輪観音坐像 府指定文化財 鎌倉時代 慶派 賢清作 像高125cm
宝物庫の扉はガラス戸になっており、普段からもガラス越しで拝観出来そうです。
しかし今日は拝観のお願いを事前にしていたので扉を開けてお堂に上げて頂きました。
宝物庫となっておりますが、様相は観音堂といった感じで中もしっかりと須弥壇が組まれ、幕の奥に安置されています。
幕はしっかりと上がっているので(笑)そのお姿はしっかりと確認することが出来ます。
一目見て即座に感じるその目力。
射抜くような力強い視線にたっぷりの肉付きの頬。
バランスも凄く良くて、簡単に言うとカッコイイです!そして少し怖い(笑)




衣のはためきも非常に動きが豊かで立てた片膝でハタハタと躍動します。
どっしりと片膝を立て、各所へ伸びてくる腕のしなやかさ。
美しくカッコイイですねぇ。
快慶の系譜に連なる仏師 賢清の作だと分かっているそうで、なるほどと思わされます。
あきらかに慶派の仏像であることは間違いなく、宋風を思わせる像容も鎌倉の匂いをプンプンさせますね。







そして次に案内されたのが本堂。
こちらにはご本尊の聖観音菩薩立像がいらっしゃいます。
しっかりと金の残るお若い方です。
その尊容は失礼ながら仏頂面的で頬を膨らませ口をキュッと結んでいます。
しかし憎めない愛らしさが漂ってくるのはやはりチャンカワイに似ているからではなく菩薩の慈悲深さでしょう(笑)
脇には達磨大師に名前の難しく初めて聞いた名の方(笑)
ここだけの内緒話で奥様もド忘れされていて、僕がどなたなんですか?と尋ねると慌てて奥へ引き返し調べてこられました。(笑)
ここだけの話ですよ♪
そしてお名前を聞くも難しくて聞き取れず雰囲気だけ感じて納得する僕(笑)
しかしながらそのお像の造形は額に手をやり遠くを眺める。
これは村の方をお守りする為に尽力されているお姿なんだとか。
この村 所縁の方なのかもしれませんね。
※Twitterでtakaタカ様よりこの像は大権現修理菩薩でしょうと教えて頂きました。
なんでも曹洞宗の寺院ではポピュラーな方だそうで、左手をかざすポーズを取る伽藍神のお方で航海の守り神ともいわれるそうです。菩薩といわれますが護法善神のお一人との説もあるそうです






棟続きの客殿には京都の法界寺 日野薬師と同木同作と伝えられている薬師如来座像がいらっしゃいます。
授乳・安産・子授けなど、婦人の祈願に霊験を示されるという事から乳薬師と呼ばれ信仰を集める方です。
平安後期の作で像高は75cm。
後補であろう塗り直しが厚く、造形は極めて不明瞭ですが小顔で非常にイケメンな雰囲気が伝わります。
また右手の印相が独特です。
施無畏印は掌を見せる様に上げている印ですが、この際の指の位置に儀軌があると聞いたことがありました。
それは人差し指が前に出ていると釈迦如来、中指が前に出ていると阿弥陀如来、薬指が前に出ていると薬師如来というものでした。
この乳薬師様はどうでしょう? 出過ぎちゃーいませんか?(笑)
もはや阿弥陀様の来迎印かよ!?ってくらいに出て輪っか作る勢いです。
全力で薬師如来をアピールされています(笑)



とても、本当にとても居心地のいい、穏やかで楽しい拝観の時間を頂きました。
優しい優しい奥様に神々しい迫力を持たれる如意輪観音。
そしてチャンカワイと全力薬師。
めちゃめちゃ素晴らしい時間でした。
めちゃめちゃ幸せな時間でした。
必ず再訪すると心に決めたお寺が、また一つ出来ました。



宗堅寺
京都府亀岡市西堅町65
TEL : 0771-22-4503
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り
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