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奈良県・西明寺「鎌倉期!?謎を呼んだ釈迦如来坐像の巻き」

この日の最後の目的地は西明寺。
鎌倉時代の中期、北条時頼が諸国行脚の折りこの地に来られ、草庵を結び釈迦如来のご本尊を祭祀し宝珠山釈迦院最明寺(後に西明寺と改め)と号したと伝えられています。

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インターフォンを鳴らすも誰も出てこず。。
おや?
大きな声でスイマセーンと叫ぶも誰もいない。。
おや?
しばらく境内でぼけーっとしていると高齢の方が犬のエサを持って登場。
おそるおそる声をかけるも気づいてもらえない。。
どうやらかなりお耳が遠いようで(^^;
真近くまで寄って声をかけるとようやく気づいていただきました。
その方がご住職で、拝観に訪れたことを伝えるとしばらく考え込み、あぁお電話下さった!はいはいはいと。。
なんとか拝観することが出来ました(^^;

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お堂へ入るとそこには金色に輝くお釈迦様が。
おや?
確かご本尊は鎌倉期の釈迦如来坐像で文化財に指定されているはず。。。
調べた書籍によれば市の指定文化財。
ネットで検索すると重要文化財指定との情報も。
う~む。。。
お側へ寄らせて頂きじっくりと見させていただく。
鎌倉期というよりは平安後期の定朝様の穏やかですがしっかりと見据える強い眼差しを持たれた方です。
しかし金箔が厚くて彫り口などはよくわからない。
のっぺりとしてしまっています。
まさか塗り直し!?
文化財なのに?
疑問に思いご住職に質問すると。。。
あ?なんだって?
あ?なんだって?
志村けん??(--;
あの~こちらのお釈迦様はいつ頃に造られたとか。。。分かったり。。
あぁ?なんだって??

(--;

諦めて他の仏像を見ることに。
するとご住職が由緒書きを持って来てくださいました。
ありがたい(笑)
それによるとやはりご本尊は鎌倉期の釈迦如来坐像で重要文化財との事、しかも伝恵心僧都作。
それではもう一度。
ご住職こちらが。。重要文化財指定の。。お釈迦。。様。。。
あぁ?なんだって?

完全に諦めました。


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さて、他の仏像ですが地蔵菩薩坐像がいい。
衣の厚いながらも柔らかな表現や手や足の指のしなやかな動きもいいですね好きです。
そして彩色が剥がれ落ちて表れてきた木目がまたいい感じです。
独特の圧力がでてきますよね。
厳しさというか神々しさというか畏怖感というか。
表情に凄味が増してカッコイイです。

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十一面観音菩薩立像。
ふっくらとしたお顔に暴れる衣(笑)
大仰にうねうねと捲れまくる衣表現は江戸期か。
並びの一角にはお厨子に安置された阿弥陀如来立像。
頭部と掌の大きさのアンバランスさ。
かなりなで肩で体よりも大きな衣を着せられた感がありありの幼さも感じさせる方です。
衣文線は密で安阿弥様も感じさせますがダボダボ感を感じるのは僕だけでしょうか?(笑)

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そしてカッコ良さ抜群の不動三尊。
いや~カッコイイです。
江戸期なんでしょうけどいいですね~
半跏踏み下げのわずかな親指の動き。
衣の文様も美しく非常に若々しい不動明王です。
脇侍の制多迦童子、矜羯羅童子は老けてますね。
不動明王より完全に年上です。
よくある事ですね。
制多迦童子の悪っぷりに、矜羯羅童子のおばちゃんっぷりも素晴らしい。
このフィギュア感もたっぷり出た素晴らしい造形は江戸期の湛海律師っぽいなと。
生駒の宝山寺の湛海律師作の不動三尊の制多迦童子も同じポーズだったような。
あちらの方が若く悪童って感じではありましたが。

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鎌倉期の釈迦如来坐像を楽しみにして訪れ、金ぴかべた塗りのお姿に落ち込みはしましたが周りの仏像で大満足です(笑)
あの方が本当にご本尊様で文化財指定を受けた方なのか?もしやご本尊は別の場所へ安置されているのか?
それとも。。。勝手に塗り直しちゃった??
謎は謎のままになり西明寺を後にしました。


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三面六臂の大黒天か。ん~見えね~

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宝珠山 西明寺(さいみょうじ)
奈良県五條市今井2-3-36
TEL : 0747-22-4571
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り


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仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる四十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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