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奈良県・湯川阿弥陀堂「ここで出会えるのか丈六阿弥陀!の巻き」

奈良県五條市西吉野町湯川。
この地に重要文化財に指定された阿弥陀如来座像がいらっしゃいます。
もともとは今の場所より400m上の湯壺と言われる所に阿弥陀堂が建ていたそうです。
「温泉仏」と愛称されて、近隣よりのお参りも非常に多かったと聞き及びます。

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世話方の方にお堂の扉を開けて頂き、仰ぎ見た阿弥陀様におぉ~っと声をあげてしまいました。。
仏像彫刻的にこちらの阿弥陀様が他で見る阿弥陀様よりも断然優れているとかいう事ではないんです。
失礼な言い方になりますが、極々ありふれた丈六阿弥陀仏という感じです。
しかしこの街からは外れた、里の奥まった地域に阿弥陀様が しかも丈六仏がいらっしゃるという衝撃は造形美の感動を超えるものがありました。
その阿弥陀仏の奥に見えたこの地における阿弥陀信仰、村の方々の厚い信仰が開かれた扉から溢れ出すようでした。

肩を張り目を大きく見据えるような尊容をされ、体躯は薄く穏やかでゆったりと坐されています。
衣文も穏やかに流れ定朝様の流れをくむ阿弥陀様です。
この阿弥陀様は平安時代末の嘉応2年に大法師慶印の造立で仏師仏忍の作ということが体内の墨書により分かっているそうです。


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阿弥陀如来坐像 重要文化財 平安時代末期 像高270cm(仏身) 寄木造り



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これほどの丈六阿弥陀像がこの里奥にいらっしゃるという事はこの地がどれほど信仰に厚く阿弥陀様をお祀りしていたかを如実に物語っていますね。
大和のかくれ仏をお祀りする湯川の里はこれからもずっとこの丈六阿弥陀様を大切にお祀りされていくことでしょう。
素晴らしい阿弥陀様をありがとうございました。

※通常 堂内は撮影禁止となっておりますが特別に許可を頂き撮影しています。




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湯川阿弥陀堂
奈良県五條市西吉野湯川215
TEL :
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 無し


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仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる四十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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