三重県・慈恩寺「ゴリゴリ重厚!阿弥陀如来立像の巻き」
このエントリーから少し三重の仏像を更新していきたいと思います。
三重県 亀山市慈恩寺。
2019年の春にお参りさせていただきました。
2003年 四日市市立博物館 開館10周年記念で催された「仏像東漸」展の図録の表紙を飾り、昨年末の三重県立総合博物館での「三重の仏像」展にも出展された三重県を代表する阿弥陀如来立像がお祀りされているお寺で、以前からずっとお参りしたいと願っていました。

本堂

本堂にある由緒書き

文化財掲示板
奈良時代(神亀5年-728年)に、聖武天皇の勅願により僧行基が創建した薬師寺(長福寺)に自作の薬師如来像を安置したことに始まると伝えられる。
往時には七堂伽藍がありましたが、たび重なる兵火で焼失しました。
災禍を逃れた本尊は、法相宗から浄土宗への改宗にあたり薬師如来であったものが阿弥陀如来像に改作された。
高さ161.9cmの一木造りで、両肩や衣紋部に木屎漆で塑形し漆箔仕上げとする。

本堂に祀られる阿弥陀如来像

阿弥陀如来立像 平安時代前期 国重要文化財 ヒノキ材 一木造り 像高161.9cm
どっしりとした目を見張る体躯に太く深く彫られたゴリゴリの衣紋。
平安前期像ということで、由緒板にもある通り元は薬師如来であったのだろうと思います。
時代のニーズに合わせ、造形が改変され尊名が変更されるのはよくある事ですが、この阿弥陀像は薬師如来の残り香がプンプンしますね。
元興寺像や神護寺像よりは量感や怖さが穏やかになっている印象はありますが、それでも前期の重厚さが十分に感じられる見事な如来立像でした。
三重を訪れるなら必ずお参りしたい阿弥陀様ですね。

どっしり感あふれる体躯

厳しさを残しながら穏やかさも見れる 粒立つ螺髪!

腹回りや左腕を流れる衣紋の深さ

ゴリゴリ感が顕著な衣紋部
何度でもお会いした阿弥陀如来さまでした。
元はお薬師様であったのだろうけど、民衆の願いや救い、求められる形へお姿を代えていくのも仏さまの在り様ですね。
いつかまた、お会いしに行きたいなと強く想う仏さまでした。
亀鶴山 慈恩寺
三重県亀山市野村3丁目18-1
TEL : 0595-84-5049
宗派 : 浄土宗
御本尊 : 阿弥陀如来
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 門前

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三重県 亀山市慈恩寺。
2019年の春にお参りさせていただきました。
2003年 四日市市立博物館 開館10周年記念で催された「仏像東漸」展の図録の表紙を飾り、昨年末の三重県立総合博物館での「三重の仏像」展にも出展された三重県を代表する阿弥陀如来立像がお祀りされているお寺で、以前からずっとお参りしたいと願っていました。

本堂

本堂にある由緒書き

文化財掲示板
奈良時代(神亀5年-728年)に、聖武天皇の勅願により僧行基が創建した薬師寺(長福寺)に自作の薬師如来像を安置したことに始まると伝えられる。
往時には七堂伽藍がありましたが、たび重なる兵火で焼失しました。
災禍を逃れた本尊は、法相宗から浄土宗への改宗にあたり薬師如来であったものが阿弥陀如来像に改作された。
高さ161.9cmの一木造りで、両肩や衣紋部に木屎漆で塑形し漆箔仕上げとする。

本堂に祀られる阿弥陀如来像

阿弥陀如来立像 平安時代前期 国重要文化財 ヒノキ材 一木造り 像高161.9cm
どっしりとした目を見張る体躯に太く深く彫られたゴリゴリの衣紋。
平安前期像ということで、由緒板にもある通り元は薬師如来であったのだろうと思います。
時代のニーズに合わせ、造形が改変され尊名が変更されるのはよくある事ですが、この阿弥陀像は薬師如来の残り香がプンプンしますね。
元興寺像や神護寺像よりは量感や怖さが穏やかになっている印象はありますが、それでも前期の重厚さが十分に感じられる見事な如来立像でした。
三重を訪れるなら必ずお参りしたい阿弥陀様ですね。

どっしり感あふれる体躯

厳しさを残しながら穏やかさも見れる 粒立つ螺髪!

腹回りや左腕を流れる衣紋の深さ

ゴリゴリ感が顕著な衣紋部
何度でもお会いした阿弥陀如来さまでした。
元はお薬師様であったのだろうけど、民衆の願いや救い、求められる形へお姿を代えていくのも仏さまの在り様ですね。
いつかまた、お会いしに行きたいなと強く想う仏さまでした。
亀鶴山 慈恩寺
三重県亀山市野村3丁目18-1
TEL : 0595-84-5049
宗派 : 浄土宗
御本尊 : 阿弥陀如来
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 門前

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奈良県・報恩寺「阿弥陀如来坐像の巻き」
前回のエントリー「不動院」からすぐ近く、同じ外山(とび)にある報恩寺さんには平安時代後期 定朝様とされる半丈六の阿弥陀様がお祀りされています。
3年程前に不動院さんと共にお参りしまして、今年の正月もお参りしてきました。

本堂

文化財掲示板
定朝様とされる阿弥陀如来像で非常に均整の取れた尊容。
しかし定朝様の穏やかでゆったりとした優しだけではない、力強さが表れているように思いました。
鎌倉の息吹がする、いわゆる藤末鎌初といわれるお像に感じます。
優美さがありながら、体躯からは強さも感じられ衣文の表現は立っていて、大好きな像容で見とれてしまいました。

本堂内

阿弥陀如来坐像 平安時代後期 県指定文化財 ヒノキ材寄せ木造り 像高216.2cm
尼様からは阿弥陀様にまつわる不思議なお話をたくさん聞く事が出来ます。
阿弥陀様に呼ばれた人のお話、開眼供養前に目を開いたお話、阿弥陀様がしゃべるお話…etc
お寺や仏さまにはいろいろと逸話がありますが、今の世もそういったお話があり後世に残っていくんだなと思うと非常に興味深い物語です。

流れる衣紋から定印までの美しさ

結ぶ弥陀定印は力強い
神應山 報恩寺
奈良県桜井市大字外山548
TEL : 0744-42-3757
宗派 : 真言宗
御本尊 : 阿弥陀如来
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り

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3年程前に不動院さんと共にお参りしまして、今年の正月もお参りしてきました。

本堂

文化財掲示板
定朝様とされる阿弥陀如来像で非常に均整の取れた尊容。
しかし定朝様の穏やかでゆったりとした優しだけではない、力強さが表れているように思いました。
鎌倉の息吹がする、いわゆる藤末鎌初といわれるお像に感じます。
優美さがありながら、体躯からは強さも感じられ衣文の表現は立っていて、大好きな像容で見とれてしまいました。

本堂内

阿弥陀如来坐像 平安時代後期 県指定文化財 ヒノキ材寄せ木造り 像高216.2cm
尼様からは阿弥陀様にまつわる不思議なお話をたくさん聞く事が出来ます。
阿弥陀様に呼ばれた人のお話、開眼供養前に目を開いたお話、阿弥陀様がしゃべるお話…etc
お寺や仏さまにはいろいろと逸話がありますが、今の世もそういったお話があり後世に残っていくんだなと思うと非常に興味深い物語です。

流れる衣紋から定印までの美しさ

結ぶ弥陀定印は力強い
神應山 報恩寺
奈良県桜井市大字外山548
TEL : 0744-42-3757
宗派 : 真言宗
御本尊 : 阿弥陀如来
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
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奈良県・不動院「優美な不動明王坐像の巻き」
新年あけましておめでとうございます。
ほぼ1年ぶりの更新です。汗
簡易的ではありますが今年は更新をしていきたいと思います。
奈良県桜井市外山(とび) 不動院。
国の重要文化財に指定された平安時代後期の不動明王坐像がいらっしゃいます。

本堂

本堂内
髪を弁髪にまとめ左へ垂らし、目は天地眼で上下牙。
大師様と十九観、両方の特徴が混ざり合ったお姿。
憤怒相ではありますが、穏やかな気品があるというか優美さを感じるお不動様でした。

不動明坐像 国指定重要文化財 平安時代後期 ヒノキ材寄せ木造り 像高85cm

天地眼 上下牙

薄くやわらかな衣文
現在は拝観の受付はされていないそうですが、お正月3が日、毎月28日はお堂を開けているそうです。
3年程前に一度お参りさせていただいていましたが、今年の3が日にもお参りさせていただきました。
お像の近くまで寄らせていただいてじっくりと拝む事が出来ます。
また、堂内には如来荒神像という珍しいお像も。

如来荒神
藤原山 不動院
奈良県桜井市外山878
TEL : 0744-43-7406
宗派 : 真言宗
御本尊 : 不動明王
拝観 : 正月3が日、毎月28日
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り

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ほぼ1年ぶりの更新です。汗
簡易的ではありますが今年は更新をしていきたいと思います。
奈良県桜井市外山(とび) 不動院。
国の重要文化財に指定された平安時代後期の不動明王坐像がいらっしゃいます。

本堂

本堂内
髪を弁髪にまとめ左へ垂らし、目は天地眼で上下牙。
大師様と十九観、両方の特徴が混ざり合ったお姿。
憤怒相ではありますが、穏やかな気品があるというか優美さを感じるお不動様でした。

不動明坐像 国指定重要文化財 平安時代後期 ヒノキ材寄せ木造り 像高85cm

天地眼 上下牙

薄くやわらかな衣文
現在は拝観の受付はされていないそうですが、お正月3が日、毎月28日はお堂を開けているそうです。
3年程前に一度お参りさせていただいていましたが、今年の3が日にもお参りさせていただきました。
お像の近くまで寄らせていただいてじっくりと拝む事が出来ます。
また、堂内には如来荒神像という珍しいお像も。

如来荒神
藤原山 不動院
奈良県桜井市外山878
TEL : 0744-43-7406
宗派 : 真言宗
御本尊 : 不動明王
拝観 : 正月3が日、毎月28日
拝観料 : 志納
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