兵庫県・達身寺「丹波の里で出会う究極の仏像群の巻き①」
ブログ時系列は少し飛んでしまいますが、9月21日に兵庫県丹波を巡った話。
仕事に急に空きが出来、このチャンスを生かして仕事現場からほど近い丹波を巡ろうと慌てて準備をしたこの日、最初に訪れたのは達身寺。
文化財の宝庫であり多数の古仏が残されていることから、「丹波の正倉院」と呼ばれ、仏像好きの心をつかんで離さない。
8世紀頃の創建と考えられ、寺伝によれば行基菩薩によって開かれたと伝わります。

本堂奥、収蔵庫と2つにわたる宝物殿には重要文化財12体、県指定文化財34体、市指定文化財33体という他に例を見ない数の仏像群。およそ80体にものぼる仏像が安置されますが、そのほとんどが破損仏と呼ばれる朽ちたお姿をしています。




戦国の時代、織田信長が丹波平定を行った際に家臣である明智光秀により焼打ちに合い、僧侶たちは寺院を焼かれる前に仏像を近くの谷へ運び出したものの、その後長年にわたり隠されたままの状態となりました。
当地に疫病が流行した際に占った結果、「三宝を犯した仏罰である」と言われた事から、隠したまま放置されていた仏像を村人たちが尽力し集めました。
長く放置されていた為に多くの仏像は腕を欠損していたり、表面が朽ちてしまっていたりとお姿は痛ましい。

しかし、その尊容が放つ光は、儚く、慈悲深くあり、愛おしさをも感じさせてくれる、言葉では言い尽くせない想いを胸に込み上げさせるものがありました。
一つ一つのお像の顔を、瞳をジッと見つめていると本当に胸が熱くなり涙が溢れそうになるのは、人が生きているうえで極々自然な事で、何も間違ってない、涙を流すことは恥ずかしい事じゃないと思わせてくれます。
この様なお姿となりながらも、それでも衆生を救おうと前を向き上を向くその視線は力強く美しく慈悲深い。
それと同時に、村の方々によってお寺の方によって守り続けられてきた仏さまの儚げなお姿に愛おしい想いが溢れ出します。
じっくりと、1体ずつと向き合ってそれぞれのお像の表情を想いを受け取って欲しいです。





そしてその尊容だけでなく、朽ちてなお美しく力強いその体躯、朽ち落ちていく儚さと尊さを如実に伝えてくる美しく悲しい体躯。
しっかりと踏みしめる脚部、グッと力の入った腰つき、堂々と坐す姿、寂しくたたずんでいる様なお姿、もはや朽ち果てる最後のきらめき、それぞれのお像が何かを伝えています。
それが何なのかは、お像と向き合うそれぞれの方の胸に自然と湧き上がってくると思います。
ひょっとすれば、見ていられない!かわいそうだ!と目を伏せてしまう人もいるかもしれません。
それでもなお、その伏した目を上げて向き合って下さいと思わずにはいられないのです。
これら仏さまたちは救いたいのです。この様なお姿であってもそれでもなお衆生を救う事を考えているのです。
そして祈られたいのだと思います。
力強さ、慈悲深さ、儚さ、それらが究極にまで登りついた美しさが溢れているように思います。







-つづく-
※仏像の写真は今回特別に許可を頂き撮影させて頂きました。
通常は撮影禁止となっておりますのでご注意ください。
また、仏像から感じた思いは僕個人の想いであって押し付けるものではありません。
仕事に急に空きが出来、このチャンスを生かして仕事現場からほど近い丹波を巡ろうと慌てて準備をしたこの日、最初に訪れたのは達身寺。
文化財の宝庫であり多数の古仏が残されていることから、「丹波の正倉院」と呼ばれ、仏像好きの心をつかんで離さない。
8世紀頃の創建と考えられ、寺伝によれば行基菩薩によって開かれたと伝わります。

本堂奥、収蔵庫と2つにわたる宝物殿には重要文化財12体、県指定文化財34体、市指定文化財33体という他に例を見ない数の仏像群。およそ80体にものぼる仏像が安置されますが、そのほとんどが破損仏と呼ばれる朽ちたお姿をしています。




戦国の時代、織田信長が丹波平定を行った際に家臣である明智光秀により焼打ちに合い、僧侶たちは寺院を焼かれる前に仏像を近くの谷へ運び出したものの、その後長年にわたり隠されたままの状態となりました。
当地に疫病が流行した際に占った結果、「三宝を犯した仏罰である」と言われた事から、隠したまま放置されていた仏像を村人たちが尽力し集めました。
長く放置されていた為に多くの仏像は腕を欠損していたり、表面が朽ちてしまっていたりとお姿は痛ましい。

しかし、その尊容が放つ光は、儚く、慈悲深くあり、愛おしさをも感じさせてくれる、言葉では言い尽くせない想いを胸に込み上げさせるものがありました。
一つ一つのお像の顔を、瞳をジッと見つめていると本当に胸が熱くなり涙が溢れそうになるのは、人が生きているうえで極々自然な事で、何も間違ってない、涙を流すことは恥ずかしい事じゃないと思わせてくれます。
この様なお姿となりながらも、それでも衆生を救おうと前を向き上を向くその視線は力強く美しく慈悲深い。
それと同時に、村の方々によってお寺の方によって守り続けられてきた仏さまの儚げなお姿に愛おしい想いが溢れ出します。
じっくりと、1体ずつと向き合ってそれぞれのお像の表情を想いを受け取って欲しいです。










そしてその尊容だけでなく、朽ちてなお美しく力強いその体躯、朽ち落ちていく儚さと尊さを如実に伝えてくる美しく悲しい体躯。
しっかりと踏みしめる脚部、グッと力の入った腰つき、堂々と坐す姿、寂しくたたずんでいる様なお姿、もはや朽ち果てる最後のきらめき、それぞれのお像が何かを伝えています。
それが何なのかは、お像と向き合うそれぞれの方の胸に自然と湧き上がってくると思います。
ひょっとすれば、見ていられない!かわいそうだ!と目を伏せてしまう人もいるかもしれません。
それでもなお、その伏した目を上げて向き合って下さいと思わずにはいられないのです。
これら仏さまたちは救いたいのです。この様なお姿であってもそれでもなお衆生を救う事を考えているのです。
そして祈られたいのだと思います。
力強さ、慈悲深さ、儚さ、それらが究極にまで登りついた美しさが溢れているように思います。














-つづく-
※仏像の写真は今回特別に許可を頂き撮影させて頂きました。
通常は撮影禁止となっておりますのでご注意ください。
また、仏像から感じた思いは僕個人の想いであって押し付けるものではありません。
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奈良県・慶田寺「ほほえみの観音菩薩の巻き」
慶田寺。
1470年海門興徳(かいもんこうとく)和尚の開基で芝村藩織田家の菩提寺として知られる曹洞宗の寺院です。
こちらを訪れたのは、客仏として納骨堂に安置される十一面観音菩薩立像を拝観するためでした。
ほほえみの観音様とも呼ばれる平安古仏で非常に美しい方。
雨の中での拝観となりましたが、奥様に非常に温かく迎え入れて頂き十一面観音とご対面してまいりました。

本堂へ上がらせて頂き、内陣奥を通って納骨堂へ。
堂内右隅の方にお目当ての微笑む十一面観音像がスラリと立たれています。
スーーッと線を引いた様な細い目に大きな鼻と微笑む口元。
口元だけでなく目元からも微笑む表情が見えてきます。
異国的なお顔立ちにも見え、古仏のいい風合いを感じさせてくれますね。


十一面観音立像 平安時代 ケヤキ材 一木造り 像高203cm
頭上の化仏や大きく結われた髻は磨滅が進み痛みが見て取れますが、髻の高さは見事で当時は壮観な頭頂上部だったんだろうなと思わせ、体部にも磨滅は見られますが足元には翻派式衣文、渦紋を刻み平安初期の見事な造形を見て取ることが出来ます。
個人的にはもう少し古い大安寺の天平時代一木造りの像に通じてくるような雰囲気も感じました。
大安寺像を大人しくしたようなそんな雰囲気を。素地の見えた状態、異国的な風貌、そんな感じなのが似てるのかなぁ。
元はこの像自体を木心とし、上に漆を重ねた乾漆像だったそうで、ひょっとすれば大安寺像の様な量感もあったのでは?なんて想像して見たりもします。
ともあれ、あたたかな微笑みをたたえた優しい十一面観音菩薩像は非常に美しくたたずまれていましたよ。







納骨堂中央には鎌倉時代の阿弥陀如来座像が。
非常に凛々しいお顔をされ力強い。
138cmの座像という事で半丈六の大きさを誇り、なかなかに太い両の腕からも力強さがうかがえますね!
十一面観音像の陰に隠れてしまいがちですが、この阿弥陀像は見事な都仏ですね。
元はこの阿弥陀如来座像と十一面観音菩薩立像は近隣にあった広読寺のお像だそうで、明治期の廃仏毀釈により廃寺となったため、慶田寺へと移されたそうです。

阿弥陀如来坐像 鎌倉時代 寄木造り 玉眼 像高138cm
他にも腕を後ろへと誤った修復?を受けたであろう不動明王立像も。
なんでこんなことになったんでしょうか?
腕が喪失してしまったが為に、他の破損仏で残された腕を形が合わないのを承知でも腕を付けてあげたいとの思いからの結果なのだろうか。



本堂

ご本尊は宿院仏師の十一面のような気がしないでもない。。
もっとはっきりと見てみたい。。。
_convert_20141017203917.jpg)
由緒書きより
慶田寺(けいでんじ)
奈良県桜井市大字芝753
TEL : 0744-42-6209
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り

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1470年海門興徳(かいもんこうとく)和尚の開基で芝村藩織田家の菩提寺として知られる曹洞宗の寺院です。
こちらを訪れたのは、客仏として納骨堂に安置される十一面観音菩薩立像を拝観するためでした。
ほほえみの観音様とも呼ばれる平安古仏で非常に美しい方。
雨の中での拝観となりましたが、奥様に非常に温かく迎え入れて頂き十一面観音とご対面してまいりました。

本堂へ上がらせて頂き、内陣奥を通って納骨堂へ。
堂内右隅の方にお目当ての微笑む十一面観音像がスラリと立たれています。
スーーッと線を引いた様な細い目に大きな鼻と微笑む口元。
口元だけでなく目元からも微笑む表情が見えてきます。
異国的なお顔立ちにも見え、古仏のいい風合いを感じさせてくれますね。


十一面観音立像 平安時代 ケヤキ材 一木造り 像高203cm
頭上の化仏や大きく結われた髻は磨滅が進み痛みが見て取れますが、髻の高さは見事で当時は壮観な頭頂上部だったんだろうなと思わせ、体部にも磨滅は見られますが足元には翻派式衣文、渦紋を刻み平安初期の見事な造形を見て取ることが出来ます。
個人的にはもう少し古い大安寺の天平時代一木造りの像に通じてくるような雰囲気も感じました。
大安寺像を大人しくしたようなそんな雰囲気を。素地の見えた状態、異国的な風貌、そんな感じなのが似てるのかなぁ。
元はこの像自体を木心とし、上に漆を重ねた乾漆像だったそうで、ひょっとすれば大安寺像の様な量感もあったのでは?なんて想像して見たりもします。
ともあれ、あたたかな微笑みをたたえた優しい十一面観音菩薩像は非常に美しくたたずまれていましたよ。







納骨堂中央には鎌倉時代の阿弥陀如来座像が。
非常に凛々しいお顔をされ力強い。
138cmの座像という事で半丈六の大きさを誇り、なかなかに太い両の腕からも力強さがうかがえますね!
十一面観音像の陰に隠れてしまいがちですが、この阿弥陀像は見事な都仏ですね。
元はこの阿弥陀如来座像と十一面観音菩薩立像は近隣にあった広読寺のお像だそうで、明治期の廃仏毀釈により廃寺となったため、慶田寺へと移されたそうです。

阿弥陀如来坐像 鎌倉時代 寄木造り 玉眼 像高138cm
他にも腕を後ろへと誤った修復?を受けたであろう不動明王立像も。
なんでこんなことになったんでしょうか?
腕が喪失してしまったが為に、他の破損仏で残された腕を形が合わないのを承知でも腕を付けてあげたいとの思いからの結果なのだろうか。



本堂

ご本尊は宿院仏師の十一面のような気がしないでもない。。
もっとはっきりと見てみたい。。。
_convert_20141017203917.jpg)
由緒書きより
慶田寺(けいでんじ)
奈良県桜井市大字芝753
TEL : 0744-42-6209
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
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奈良県・談山神社「足に傷持つ神々しき如意輪観音の巻き」
7月3日。
この日はかなりの雨が降る中でしたがふらっと奈良へ。
まず向かったのは桜井市の談山神社。
観音講まつりの時(6月~7月)のみ公開されるという鎌倉時代の如意輪観音菩薩像を拝観してきました。



雨が降りしきる境内は朱の色が映え見ごたえあり。
雨が降ると朱の色や緑がクッキリとしていいね。
雨が降ってのち上がった後が一番なんだろうけどこの日は終始どしゃ降り。。
如意輪観音菩薩が公開されている神廟拝所へと急ぎ足で向かうのでした。

このどしゃ降りなので人はいないかなと思いきや堂内にはちらほらと人が。
タオルで体をぬぐいながら公開されている如意輪観音を探すと、堂内中央にお厨子に安置されライトを受けた如意輪観音が神々しくいらっしゃいました。

像高は48.2cmと小さな方ではありましたが、存在感は物凄かったですね。
伏し目がちの切れ長の目に、力強い口元とアゴ回り。
ライトアップの陰影の効果もあってかなかなかに厳しい尊容でドキリとしました。
腕はしなやかで柔らかみがあって、仕草に色気がある方。
衣文は密に刻まれて、かかとを引っかける様にぐーっと巻きつかせています。
非常に宋風な鎌倉期らしい如意輪観音菩薩像ですね。
_convert_20141012182643.jpg)


談山神社公式HPによると、
この仏像には「譚峰如意輪観世音菩薩記」という江戸時代の本に霊験譚が三つ 記されています。
その一、九條兼実が夢の中にこの仏像を見て、出世を祈ったところ後に太政大臣にまでのぼりつめた。
その二、脚に膿がたまり歩けなかった子供が、仏像に祈るとたちどころに治り、仏像の同じ箇所がえぐれていた。
その三、仏像を安置していたお堂が火災に遭ったとき、自分でお堂から出てきた。
この謂れを証明するかのように如意輪観音像の右足には大きな傷跡が見えます。
ささくれてめくれ上がったような跡で痛々しさを感じるものの、霊験を感じ むむむぅ~っとうなり声を上げてしまいます。
こう言った話はどこまでが真実かは分かりませんが信じた方がより凄味を感じるというか面白い。

雨の降る音以外に全く音がない中でお会いする神々しい如意輪観音菩薩。
雨の音が逆に静けさを際立たせているようで益々神々しさを感じさせて頂きました。


重要文化財 木造十三重塔

本殿

吊り灯篭


談山神社
奈良県桜井市多武峰319
TEL : 0744-49-0001
拝観 : 6月~7月特別公開
拝観料 : 500円
駐車場 : 有り

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この日はかなりの雨が降る中でしたがふらっと奈良へ。
まず向かったのは桜井市の談山神社。
観音講まつりの時(6月~7月)のみ公開されるという鎌倉時代の如意輪観音菩薩像を拝観してきました。



雨が降りしきる境内は朱の色が映え見ごたえあり。
雨が降ると朱の色や緑がクッキリとしていいね。
雨が降ってのち上がった後が一番なんだろうけどこの日は終始どしゃ降り。。
如意輪観音菩薩が公開されている神廟拝所へと急ぎ足で向かうのでした。

このどしゃ降りなので人はいないかなと思いきや堂内にはちらほらと人が。
タオルで体をぬぐいながら公開されている如意輪観音を探すと、堂内中央にお厨子に安置されライトを受けた如意輪観音が神々しくいらっしゃいました。

像高は48.2cmと小さな方ではありましたが、存在感は物凄かったですね。
伏し目がちの切れ長の目に、力強い口元とアゴ回り。
ライトアップの陰影の効果もあってかなかなかに厳しい尊容でドキリとしました。
腕はしなやかで柔らかみがあって、仕草に色気がある方。
衣文は密に刻まれて、かかとを引っかける様にぐーっと巻きつかせています。
非常に宋風な鎌倉期らしい如意輪観音菩薩像ですね。
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談山神社公式HPによると、
この仏像には「譚峰如意輪観世音菩薩記」という江戸時代の本に霊験譚が三つ 記されています。
その一、九條兼実が夢の中にこの仏像を見て、出世を祈ったところ後に太政大臣にまでのぼりつめた。
その二、脚に膿がたまり歩けなかった子供が、仏像に祈るとたちどころに治り、仏像の同じ箇所がえぐれていた。
その三、仏像を安置していたお堂が火災に遭ったとき、自分でお堂から出てきた。
この謂れを証明するかのように如意輪観音像の右足には大きな傷跡が見えます。
ささくれてめくれ上がったような跡で痛々しさを感じるものの、霊験を感じ むむむぅ~っとうなり声を上げてしまいます。
こう言った話はどこまでが真実かは分かりませんが信じた方がより凄味を感じるというか面白い。

雨の降る音以外に全く音がない中でお会いする神々しい如意輪観音菩薩。
雨の音が逆に静けさを際立たせているようで益々神々しさを感じさせて頂きました。


重要文化財 木造十三重塔

本殿

吊り灯篭


談山神社
奈良県桜井市多武峰319
TEL : 0744-49-0001
拝観 : 6月~7月特別公開
拝観料 : 500円
駐車場 : 有り

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静岡県・金龍院「穏やかな千手観音!力強い不動明王!2体の平安仏の巻き」
願成就院から車を30分ほど走らせ、到着したのは金龍院。
かんなみ仏の里美術館、願成就院と鎌倉時代の慶派仏を見た後に、次にお会いしたのは平安仏。
こちらには県の文化財に指定された千手観音立像と不動明王坐像がいらっしゃいます。
伊豆市の文化財課HPによると、元々は瀧原寺というお寺のご本尊だったそうで、明治時代の廃仏毀釈でお寺は廃寺となりこちらに移されたそうです。

早速本堂へ上げていただき、右奥に客仏として安置されている2体の仏像と対面。
千手観音菩薩立像はお厨子に、不動明王坐像はそのお厨子横にいらっしゃいました。

ヒノキ材の一木造りで内刳りを施さず、足元には渦紋が見られるなど平安の古式の像で像高は90.5cm。
思っていたよりも小さな観音様で素朴で穏やかなお顔の方。
温かさを感じさせてくださる素晴らしい地方仏。
放射状に延びていく腕、引き締まった腰周りとスタイル良くて美しいです。
頭をぐるりと囲む下を向いた化仏は独特でへぇ~っと注目してしまう面白さ。
この変わった化仏の配置がより一層に尊容の穏やかさというか可愛らしさを増幅させて見るものの心に飛び込んでくるようでした。

千手観音菩薩立像 平安時代 ヒノキ材 一木造り 像高90.5cm 県指定文化財




隣りに安置される不動明王坐像もヒノキ材の一木造りで内刳りは施さない。
像高は70.2cm、目は大きく見開き肩を張って大きく剣と羂索とる腕など本当に力強い不動明王像です。
太い太い眉毛があるようなお顔で、大きな目、大きな鼻、大きな口と大きなパーツがどんっと集まった味わい深いイイお顔です。
内刳りは施されていないとの事でしたが、腹部には内部を覗くためのような切り口が。
内部調査があった際に切り取られたのかな?こんな開け方はしない気もするが。。

不動明王坐像 平安時代 ヒノキ材 一木造り 像高70.2cm 県指定文化財


温かく力強く魅力的な平安仏を楽しみ本日の仏像拝観は締めくくり。
前日の仏像ツアーから帰路へ着きつつの静岡見仏。
非常に充実したお腹いっぱいな二日間でした!
金龍院
静岡県伊豆市大平763
TEL : 0558-72-2213
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り

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かんなみ仏の里美術館、願成就院と鎌倉時代の慶派仏を見た後に、次にお会いしたのは平安仏。
こちらには県の文化財に指定された千手観音立像と不動明王坐像がいらっしゃいます。
伊豆市の文化財課HPによると、元々は瀧原寺というお寺のご本尊だったそうで、明治時代の廃仏毀釈でお寺は廃寺となりこちらに移されたそうです。

早速本堂へ上げていただき、右奥に客仏として安置されている2体の仏像と対面。
千手観音菩薩立像はお厨子に、不動明王坐像はそのお厨子横にいらっしゃいました。

ヒノキ材の一木造りで内刳りを施さず、足元には渦紋が見られるなど平安の古式の像で像高は90.5cm。
思っていたよりも小さな観音様で素朴で穏やかなお顔の方。
温かさを感じさせてくださる素晴らしい地方仏。
放射状に延びていく腕、引き締まった腰周りとスタイル良くて美しいです。
頭をぐるりと囲む下を向いた化仏は独特でへぇ~っと注目してしまう面白さ。
この変わった化仏の配置がより一層に尊容の穏やかさというか可愛らしさを増幅させて見るものの心に飛び込んでくるようでした。

千手観音菩薩立像 平安時代 ヒノキ材 一木造り 像高90.5cm 県指定文化財




隣りに安置される不動明王坐像もヒノキ材の一木造りで内刳りは施さない。
像高は70.2cm、目は大きく見開き肩を張って大きく剣と羂索とる腕など本当に力強い不動明王像です。
太い太い眉毛があるようなお顔で、大きな目、大きな鼻、大きな口と大きなパーツがどんっと集まった味わい深いイイお顔です。
内刳りは施されていないとの事でしたが、腹部には内部を覗くためのような切り口が。
内部調査があった際に切り取られたのかな?こんな開け方はしない気もするが。。

不動明王坐像 平安時代 ヒノキ材 一木造り 像高70.2cm 県指定文化財


温かく力強く魅力的な平安仏を楽しみ本日の仏像拝観は締めくくり。
前日の仏像ツアーから帰路へ着きつつの静岡見仏。
非常に充実したお腹いっぱいな二日間でした!
金龍院
静岡県伊豆市大平763
TEL : 0558-72-2213
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
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仏像LINK主催!伊勢の秘仏ツアーオフ会速報ダイジェストの巻き
最近の更新がダイジェスト速報が多くなりがちなんですが今回もダイジェスト速報。
詳細は追って後日に!(いつになることやら...)
10月4日、毎度おなじみの仏像LINK様主催の伊勢の秘仏ツアーオフ会に参加させて頂き、今回も見事な仏像との出会い、仏像LINKだからこその奇跡をたくさんの仏友さんたちと共有してきました。

台風が接近した週末にあって土曜日のみが晴れるという奇跡的な天候に恵まれ傘いらずで伊勢・松坂を日が暮れるまで巡り倒し、夜の親睦会はご当地松阪牛を堪能。
この日の参加者の生の声は、今回は残念ながら参加はかないませんでしたが福井県 朝日観音福通寺のご住職みょうこうさんがまとめて下さっています。
仏像リンク主催「伊勢・松坂 秘仏巡りオフ会」
まず向かったのは今ツアーのメインとなる金剛證寺。
伊勢神宮の式年遷宮の翌年にご開帳されるご本尊 虚空蔵菩薩を拝観してきました。
20年に一度のご開帳で、事前情報では外陣からの拝観となっており見えないかも?と危惧しておりました。
現地へ到着し拝観するもやはり遠く、格子戸越しに双眼鏡で覗くも良くは見えない。
すると住職から驚きのお言葉が。
「仏像リンクの方は何名ですか?こちらから内陣へお入りください」
まさかの内陣拝観が許されご本尊を近くからじっくりと拝観。
他にも裏手にもたくさんの仏像が安置され内陣をぐるりと拝観し通常ではありえない経験をさせて頂きました。
また、収蔵庫には重要文化財に指定された神像のような雨宝童子像や、上半身裸形の地蔵菩薩立像なども合わせて拝観。
さらに境内には福徳蓮華庚申という何とも珍しい仏像?も。

続いて向かったのは心證寺。
今ツアーならではの地方仏で見事な薬師如来坐像を拝観。
小さな頭部に大きな耳、太く深くざっくりと刻まれた衣文の波は、地方仏師が試行錯誤しながら懸命に彫りだしたような独特の風合い。
この2体と無いと感じさせてくれる仏像と出会えるのが地方を巡る楽しさですね。
もうめちゃくちゃ良くてたまりませんでしたね。


3ヶ寺目は太江寺。
鎌倉期の千手観音坐像で非常に美しく凛とされた方でした。
衣文の表現などは平安後期の整然とした美しさがあり、お顔は凛々しく力強い鎌倉期的で素晴らしかったなぁ。
横から拝する立体感も圧巻で、体と腕のバランスも最高。
本当に美しくてカッコイイ千手観音で見事な坐像でございました。

お昼は二見浦 夫婦岩前 まるはま 手こね寿司と伊勢うどんセットを。
久しぶり見た夫婦岩は台風の接近で荒れた波しぶきに襲われておりました。
少し天候にも心配になりながら次の目的地へ。
![IMG_8351[1]_convert_20141008210658](http://blog-imgs-48.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/2014100821123853e.jpg)
午後最初に向かったのは田宮寺。
秘仏であり通常は年に2度あるご開帳の時しか拝観出来ない平安期の2体の十一面観音立像を拝観。
平安時代初期の十一面観音と平安時代中期の十一面観音が並んで立つお姿はやはり素晴らしい。
2月のご開帳の時に拝観しに来ましたがやっぱり素晴らしいですね。
等身大の平安十一面観音が並んで立つ光景はぞくぞくするものがあります。

そして次も2体の十一面観音が並んで立つ空釈寺観音堂。
田宮寺とはうって変わって地方感ただよう素朴な十一面観音菩薩像でした。
背が高く面長の十一面と、背が低く四角い顔の十一面が並んで立ち、共に平安後期頃の像。
背の低い方はお腹が膨らみ子安観音と呼ばれ信仰を集めています。

そして普賢寺。
日本最古級の普賢菩薩像が安置され非常に素晴らしい。
男性的な、逞しく力強い堂々とされた方で仏像好きなら必ずとも訪れたい方です。
正面から見ても力強いですが横から拝すとなお一層に体の厚身を感じれて圧巻です。
耳に被さる二条の髪も美しかったなぁ。
さらに、観音堂には室町期の素晴らしい十一面観音菩薩立像も。


そして最後の目的地 朝田寺へ向かう頃には日も暮れ初め見事な夕焼けが。
美しい空を見ながら朝田寺を訪れ地蔵菩薩立像を拝観。
須弥壇前の段に上り覗き見るように拝観させて頂くお姿は力強く妖しさを発散させる方でした。
衣文も力強く彫り込んでいく仏師の魂の様なものが宿っているよう。
また、多数の平安仏も安置され見どころは尽きません。


仏を堪能した後は恒例の親睦会でご当地松坂牛!
めちゃくちゃ美味しくて今日一番盛り上がってんじゃね?ってくらいに盛り上がって松坂を堪能。
ハラミに白飯に赤ワイン!なんて幸せな一日なんでしょうか。
帰りの電車も仏友さんたちとワイワイしながら帰路につき、本当に楽しい一日となりました。
企画運営して下さった よっくん毎度毎度お疲れ様でした!本当にありがとうございます。
仏友のみなさんお疲れ様でした!
![IMG_8365[1]_convert_20141008210714](http://blog-imgs-48.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/20141008211241658.jpg)
![IMG_8364[1]_convert_20141008210729](http://blog-imgs-48.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/201410082112405d8.jpg)
詳細は追って後日に!(いつになることやら...)
10月4日、毎度おなじみの仏像LINK様主催の伊勢の秘仏ツアーオフ会に参加させて頂き、今回も見事な仏像との出会い、仏像LINKだからこその奇跡をたくさんの仏友さんたちと共有してきました。

台風が接近した週末にあって土曜日のみが晴れるという奇跡的な天候に恵まれ傘いらずで伊勢・松坂を日が暮れるまで巡り倒し、夜の親睦会はご当地松阪牛を堪能。
この日の参加者の生の声は、今回は残念ながら参加はかないませんでしたが福井県 朝日観音福通寺のご住職みょうこうさんがまとめて下さっています。
仏像リンク主催「伊勢・松坂 秘仏巡りオフ会」
まず向かったのは今ツアーのメインとなる金剛證寺。
伊勢神宮の式年遷宮の翌年にご開帳されるご本尊 虚空蔵菩薩を拝観してきました。
20年に一度のご開帳で、事前情報では外陣からの拝観となっており見えないかも?と危惧しておりました。
現地へ到着し拝観するもやはり遠く、格子戸越しに双眼鏡で覗くも良くは見えない。
すると住職から驚きのお言葉が。
「仏像リンクの方は何名ですか?こちらから内陣へお入りください」
まさかの内陣拝観が許されご本尊を近くからじっくりと拝観。
他にも裏手にもたくさんの仏像が安置され内陣をぐるりと拝観し通常ではありえない経験をさせて頂きました。
また、収蔵庫には重要文化財に指定された神像のような雨宝童子像や、上半身裸形の地蔵菩薩立像なども合わせて拝観。
さらに境内には福徳蓮華庚申という何とも珍しい仏像?も。

続いて向かったのは心證寺。
今ツアーならではの地方仏で見事な薬師如来坐像を拝観。
小さな頭部に大きな耳、太く深くざっくりと刻まれた衣文の波は、地方仏師が試行錯誤しながら懸命に彫りだしたような独特の風合い。
この2体と無いと感じさせてくれる仏像と出会えるのが地方を巡る楽しさですね。
もうめちゃくちゃ良くてたまりませんでしたね。


3ヶ寺目は太江寺。
鎌倉期の千手観音坐像で非常に美しく凛とされた方でした。
衣文の表現などは平安後期の整然とした美しさがあり、お顔は凛々しく力強い鎌倉期的で素晴らしかったなぁ。
横から拝する立体感も圧巻で、体と腕のバランスも最高。
本当に美しくてカッコイイ千手観音で見事な坐像でございました。


お昼は二見浦 夫婦岩前 まるはま 手こね寿司と伊勢うどんセットを。
久しぶり見た夫婦岩は台風の接近で荒れた波しぶきに襲われておりました。
少し天候にも心配になりながら次の目的地へ。
![IMG_8351[1]_convert_20141008210658](http://blog-imgs-48.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/2014100821123853e.jpg)
午後最初に向かったのは田宮寺。
秘仏であり通常は年に2度あるご開帳の時しか拝観出来ない平安期の2体の十一面観音立像を拝観。
平安時代初期の十一面観音と平安時代中期の十一面観音が並んで立つお姿はやはり素晴らしい。
2月のご開帳の時に拝観しに来ましたがやっぱり素晴らしいですね。
等身大の平安十一面観音が並んで立つ光景はぞくぞくするものがあります。

そして次も2体の十一面観音が並んで立つ空釈寺観音堂。
田宮寺とはうって変わって地方感ただよう素朴な十一面観音菩薩像でした。
背が高く面長の十一面と、背が低く四角い顔の十一面が並んで立ち、共に平安後期頃の像。
背の低い方はお腹が膨らみ子安観音と呼ばれ信仰を集めています。

そして普賢寺。
日本最古級の普賢菩薩像が安置され非常に素晴らしい。
男性的な、逞しく力強い堂々とされた方で仏像好きなら必ずとも訪れたい方です。
正面から見ても力強いですが横から拝すとなお一層に体の厚身を感じれて圧巻です。
耳に被さる二条の髪も美しかったなぁ。
さらに、観音堂には室町期の素晴らしい十一面観音菩薩立像も。


そして最後の目的地 朝田寺へ向かう頃には日も暮れ初め見事な夕焼けが。
美しい空を見ながら朝田寺を訪れ地蔵菩薩立像を拝観。
須弥壇前の段に上り覗き見るように拝観させて頂くお姿は力強く妖しさを発散させる方でした。
衣文も力強く彫り込んでいく仏師の魂の様なものが宿っているよう。
また、多数の平安仏も安置され見どころは尽きません。


仏を堪能した後は恒例の親睦会でご当地松坂牛!
めちゃくちゃ美味しくて今日一番盛り上がってんじゃね?ってくらいに盛り上がって松坂を堪能。
ハラミに白飯に赤ワイン!なんて幸せな一日なんでしょうか。
帰りの電車も仏友さんたちとワイワイしながら帰路につき、本当に楽しい一日となりました。
企画運営して下さった よっくん毎度毎度お疲れ様でした!本当にありがとうございます。
仏友のみなさんお疲れ様でした!
![IMG_8365[1]_convert_20141008210714](http://blog-imgs-48.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/20141008211241658.jpg)
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静岡県・願成就院「運慶の空間の巻き」
かんなみ仏の里美術館で大幅に時間を費やし、慌てて次の目的地へ。
願成就院。
言わずと知れた国宝仏・運慶作の仏像を安置するお寺です。
ひっそりと佇む境内に少し戸惑う。
国宝仏が安置され、しかもそれは運慶の作である。
奈良、京都といった仏教観光地ではないにしても、この静けさなんだ。
しかしそれは、運慶仏としっかりと向き合うことが出来る至福の時間を与えてくれました。


拝観受付を済ませ、早速堂内へと進む。
扉を開けた瞬間にもう思わず「おぉ~~っ!」感嘆の声をあげてしまいます。
写真では何度も見てきたあの運慶仏が目の前に美しく凛々しく厳しく現れるのですからたまったもんじゃありません。
遠目に見ても迫力が凄い。
どの像もパンパンにはち切れんばかりの量感で圧倒的でした。
大横綱、千代の富士や朝青龍の様なとてつもない筋量の上に薄っすらと肉を乗せた、そんな見事な量感。
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阿弥陀如来坐像の胸前で組む印相が破損してしまっているのは残念なのですが、何故かそこに美しさを感じてしまうのは日本人だからでしょうか。
衣文表現は平安後期の整然と美しく流れる表現とは全く違った、松の枝のように分かれて広がり複雑に絡み合うように刻まれます。
もうどこから見ても力強さが物凄くて、完全に男性的な空気を身にまとわれた阿弥陀様。
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阿弥陀如来坐像 鎌倉時代 運慶作 寄木造り 彫眼 像高143.5cm 国宝
非常に理知的で精悍な顔つきをされた毘沙門天立像。
顔の骨格、肉付き、視線、どれもが圧巻で生きているように思えてなりません。
完璧に役作りをしてきた役者さんが実際の甲冑を身にまとって立たれているような生きてる感、存在感が溢れ出てて見ているうちに迫力に飲み込まれていきます。
甲冑の下に眠る、パンパンにあふれた筋肉の肉感が甲冑越しに伝わる見事さで、戦国武将に愛されたいうのも分かるくらいの武将っぷり。
これほどの生命力は他の彫刻ではまず見れないんじゃないかな。
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毘沙門天立像 鎌倉時代 運慶作 寄木造り 玉眼 像高147cm 国宝
そして不動三尊なわけですよ。
完全に煩悩を焼き切り断ち切ってくれること間違いなしの大迫力の憤怒相で睨みを利かせています。
露出した肌からは毘沙門天にも負けない迫力の筋量を感じる。
筋肉の筋や陰影が付くように肉の盛り上がりなどが彫り込まれている訳ではないのに。
腕や胸、腹と体型はどちらかというと丸みを帯びてく彫られているのにだらしない体型ではなく、物凄い力強さを感じさせるのは姿勢と張りから感じるのか。
木彫だとは思えないような張りが素晴らしい肉感美と、これぞ忿怒相と言うべき怒りの表情と合わさって猛烈な恐ろしさ。
そんな恐ろしさもここまで突き抜けてくると めちゃくちゃ美しく見えるんだから不思議です。
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不動明王立像 鎌倉時代 運慶作 寄木造り 玉眼 像高136.5cm 国宝
制吒迦童子と矜羯羅童子の脇侍の対照的なたたずまいは面白い。
のんびりと穏やかにぼーっとしているような矜羯羅童子は少女なのか美少年なのか中世的な雰囲気をまとわれています。
不動明王と同じく丸みを帯びた体つきなんですが、こちらは柔らかさを感じるのです。
プニプニとした肉感で、触ってもいないのに触って知っているような気さえしてくるんだからそれ程リアルだという事なんだろうな。
それに引き換え制吒迦童子の腕白ぶり。
矜羯羅童子にはない力強さがあって動きも豊かで見ていて面白い。
運慶は全てに意味を持たせているのかな。
腕白さを表すのに肩を怒らせ、膝を伸ばしてしっかりと踏みしめた立ち姿に衣の裾を膝までまくりあげる。
衣文の彫り方までも腕白さが表れる様に決めているように感じます。
矜羯羅童子のなで肩、指のふくよかさ、風になびかずストンと落ちた衣は幼さや少女っぽさを感じさせるのに見事な表現だと思います。
矜羯羅童子像 鎌倉時代 運慶作 寄木造り 玉眼 像高78cm 国宝
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制吒迦童子像 鎌倉時代 運慶作 寄木造り 玉眼 像高82.6cm 国宝
仏像の前を何度も往復し、近づいて見たり離れて見たりとここでも予定をかなりオーバーして滞在してしまいました。
5体もの運慶仏を堪能し、また来よう、また来ようと鼻息荒くブツブツつぶやき次の目的地へと向かうのでした。
天守君山 願成就院(がんじょうじゅいん)
静岡県伊豆の国市寺家83-1
TEL : 055-949-7676
拝観 : 9:00~16:00(火・水定休)
拝観料 : 400円
駐車場 : 有り

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願成就院。
言わずと知れた国宝仏・運慶作の仏像を安置するお寺です。
ひっそりと佇む境内に少し戸惑う。
国宝仏が安置され、しかもそれは運慶の作である。
奈良、京都といった仏教観光地ではないにしても、この静けさなんだ。
しかしそれは、運慶仏としっかりと向き合うことが出来る至福の時間を与えてくれました。


拝観受付を済ませ、早速堂内へと進む。
扉を開けた瞬間にもう思わず「おぉ~~っ!」感嘆の声をあげてしまいます。
写真では何度も見てきたあの運慶仏が目の前に美しく凛々しく厳しく現れるのですからたまったもんじゃありません。
遠目に見ても迫力が凄い。
どの像もパンパンにはち切れんばかりの量感で圧倒的でした。
大横綱、千代の富士や朝青龍の様なとてつもない筋量の上に薄っすらと肉を乗せた、そんな見事な量感。
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阿弥陀如来坐像の胸前で組む印相が破損してしまっているのは残念なのですが、何故かそこに美しさを感じてしまうのは日本人だからでしょうか。
衣文表現は平安後期の整然と美しく流れる表現とは全く違った、松の枝のように分かれて広がり複雑に絡み合うように刻まれます。
もうどこから見ても力強さが物凄くて、完全に男性的な空気を身にまとわれた阿弥陀様。
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阿弥陀如来坐像 鎌倉時代 運慶作 寄木造り 彫眼 像高143.5cm 国宝
非常に理知的で精悍な顔つきをされた毘沙門天立像。
顔の骨格、肉付き、視線、どれもが圧巻で生きているように思えてなりません。
完璧に役作りをしてきた役者さんが実際の甲冑を身にまとって立たれているような生きてる感、存在感が溢れ出てて見ているうちに迫力に飲み込まれていきます。
甲冑の下に眠る、パンパンにあふれた筋肉の肉感が甲冑越しに伝わる見事さで、戦国武将に愛されたいうのも分かるくらいの武将っぷり。
これほどの生命力は他の彫刻ではまず見れないんじゃないかな。
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毘沙門天立像 鎌倉時代 運慶作 寄木造り 玉眼 像高147cm 国宝
そして不動三尊なわけですよ。
完全に煩悩を焼き切り断ち切ってくれること間違いなしの大迫力の憤怒相で睨みを利かせています。
露出した肌からは毘沙門天にも負けない迫力の筋量を感じる。
筋肉の筋や陰影が付くように肉の盛り上がりなどが彫り込まれている訳ではないのに。
腕や胸、腹と体型はどちらかというと丸みを帯びてく彫られているのにだらしない体型ではなく、物凄い力強さを感じさせるのは姿勢と張りから感じるのか。
木彫だとは思えないような張りが素晴らしい肉感美と、これぞ忿怒相と言うべき怒りの表情と合わさって猛烈な恐ろしさ。
そんな恐ろしさもここまで突き抜けてくると めちゃくちゃ美しく見えるんだから不思議です。
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不動明王立像 鎌倉時代 運慶作 寄木造り 玉眼 像高136.5cm 国宝
制吒迦童子と矜羯羅童子の脇侍の対照的なたたずまいは面白い。
のんびりと穏やかにぼーっとしているような矜羯羅童子は少女なのか美少年なのか中世的な雰囲気をまとわれています。
不動明王と同じく丸みを帯びた体つきなんですが、こちらは柔らかさを感じるのです。
プニプニとした肉感で、触ってもいないのに触って知っているような気さえしてくるんだからそれ程リアルだという事なんだろうな。
それに引き換え制吒迦童子の腕白ぶり。
矜羯羅童子にはない力強さがあって動きも豊かで見ていて面白い。
運慶は全てに意味を持たせているのかな。
腕白さを表すのに肩を怒らせ、膝を伸ばしてしっかりと踏みしめた立ち姿に衣の裾を膝までまくりあげる。
衣文の彫り方までも腕白さが表れる様に決めているように感じます。
矜羯羅童子のなで肩、指のふくよかさ、風になびかずストンと落ちた衣は幼さや少女っぽさを感じさせるのに見事な表現だと思います。
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矜羯羅童子像 鎌倉時代 運慶作 寄木造り 玉眼 像高78cm 国宝
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制吒迦童子像 鎌倉時代 運慶作 寄木造り 玉眼 像高82.6cm 国宝
仏像の前を何度も往復し、近づいて見たり離れて見たりとここでも予定をかなりオーバーして滞在してしまいました。
5体もの運慶仏を堪能し、また来よう、また来ようと鼻息荒くブツブツつぶやき次の目的地へと向かうのでした。
天守君山 願成就院(がんじょうじゅいん)
静岡県伊豆の国市寺家83-1
TEL : 055-949-7676
拝観 : 9:00~16:00(火・水定休)
拝観料 : 400円
駐車場 : 有り

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