静岡県・かんなみ仏の里美術館「かんなみの地で守り継がれてきた仏像群の巻き」

6月29日。
前日の茨城秘仏ツアーの興奮冷めないままに帰路へと着きつつ仏像拝観。
訪れたのは静岡県函南町にある「かんなみ仏の里美術館」。


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函南町桑原区には平安時代となる薬師如来坐像や鎌倉時代 阿弥陀三尊像など二十四体もの仏像群が村人たちの手により守り継がれています。
平成20年に桑原区から函南町へと寄託され、貴重な文化財を後世へと残すため、より多くの方が観照出来る施設をと美術館の設立へと動き、2012年4月に「かんなみ仏の里美術館」がオープンしました。


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美術館的というよりもどこかお堂の様な綺麗な建物。
開館時間と同時に到着しすぐさま館内へ。
黒を基調とした落ち着いた展示室は非常に美しくて仏像の魅力が溢れていました。
館内を独り占めしてゆっくりと守り継がれてきた仏像群を堪能。


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公式HPより


平安時代作となる薬師如来坐像はたっぷりな量感を持った素晴らしい方。
丸々とした頬に胸や腹回りの厚さ、厳しめな表情は平安初期からの造形を感じさせるものの、衣文表現は平安後期に向かっていくような浅く整然と彫りこまれていました。
地方で出会うこの量感持った薬師如来はたまらないものがありました。


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榧(カヤ)材の一木割剥ぎ造り 像高110cm 彫眼 県指定文化財



重要文化財に指定された阿弥陀三尊像は鎌倉時代慶派仏師である実慶の作と判明しており、目力が強く引き締めた口元と若々しく溌剌とした造形。
体躯も引き締まり平安薬師と比べると段違いのスタイリッシュさ。
衣文表現も薬師如来と比べると流麗で洗練された感じ。
脇の日光月光も同様ですが、腹回りのたっぷりとした肉感が色っぽく艶やかな魅力を感じさせてくれます。
力強くもあり色気もあると、さすがだなぁと見惚れてしまいました。



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中尊 阿弥陀如来坐像 檜(ヒノキ)材の一木割剥ぎ造り 像高 89.1cm 重要文化財
左脇侍 勢至菩薩立像 檜(ヒノキ)材の一木割剥ぎ造り 像高106.1cm 重要文化財
右脇侍 観音菩薩立像 檜(ヒノキ)材の一木割剥ぎ造り 像高107.2cm 重要文化財




十二神将像も素晴らしい。
像高1mほどの立派な十二神将が12体。
平安時代の3体をはじめ、失われた像をそれぞれの時代で補われ現在12体を揃って残しています。
オフィシャルHPにてそれぞれの像様が見られますが(十二神将像)、写真から受ける印象と造像年代は少し違います。
おそらく、室町や江戸での補作が行われた際に補修も施され厚い色彩などがされたのではないかと思います。
造形美には差があるように見え、魅力的な像から簡易的だなと感じる像もあります。
しかし、実際に美術館で見る像容は黒を基調にされた空間と照明の質感とでどの像も非常に美しく、造形的にも統一感があるように見えました。
間違いなく写真よりも素晴らしい十二神将がいらっしゃいます。
とは言えやはり最も素晴らしいなと感じる像もあり、鎌倉時代の招杜羅立像が素晴らしかったかな。
顔の造形が素晴らしく前面に圧する迫力は他よりも抜きん出ていたと思います。




他にも平安後期の地蔵菩薩立像、毘沙門天像、聖観音菩薩立像なども。
聖観音菩薩立像はめちゃくちゃ好みの像で平安後期の特徴がよく出た像でした。
しかしここでは毘沙門天像を紹介したい。
動きは固く、力強さに欠けるかなぁとも感じたのですが、それを忘れさせてしまう甲冑や衣の表現が素晴らしく、平安後期から鎌倉期へと移り変わるくらいの彫り込まれた造形美が見えてきます。
甲冑は細かな表現もしっかりと表現され重厚さや気高さがあふれているようでした。
そして袖周りの美しく波打つ表現にため息。
ライティングの妙で美しい陰影があふれより一層に美しさを感じることが出来ました。


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毘沙門天立像 檜(ヒノキ)材の一木割剥ぎ造り 像高101.5cm 県指定文化財



かんなみ仏の里美術館の裏手の高台の方には、これらの像が元々安置されていた薬師堂が今も変わらず建っています。
お堂内に安置されていた時にも訪れることが出来ていたらなぁと思いますが、こればかりは仕方がありません。
しかし、その当時の空気だけでもとお堂を訪れてきました。
中には何もなく当時を偲ぶように安置されていた仏像の写真が立てかけられています。
堂内に優しく流れる音色は奥様が弾かれるオルガンの音。
噂に聞いていたオルガンを今も弾かれているようで、その音色を聞きながらこの堂内に仏像群が安置されていた風景を想像しながらゆったりとした時間を過ごしてきました。
予定していた時間を大幅に超えてしまっていたけど離れがたい魅力に囚われその場を後にすることが出来ませんでした。


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薬師堂の裏手の方には西国三十三観音霊場があり、自然の中に石仏群がひっそりと苔むしながらたたずんでいます。
山の空気を胸一杯に吸いながら巡りました。


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※仏像写真は美術館配布のペーパー及び公式HPより転載

かんなみ仏の里美術館
HP : http://www.kannami-museum.jp/
静岡県田方郡函南町桑原89-1
TEL : 055-948-9330
定休日 : 火曜日、12月29日~1月3日
駐車場 : 有り










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茨城県・菊蓮寺「母なる千手観音菩薩立像の巻き」

楽法寺→妙法寺→弥勒教会→来迎院→阿弥陀堂と巡ってきた茨城秘仏ツアーもいよいよラスト。
最後に訪れたお寺は、収蔵庫に350cmともなる大きな千手観音立像を安置する菊蓮寺です。


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807年に行讃(ぎょうさん)上人が、蓮華の上に舎利、菊花があり輝いているという霊夢を見た地に、舎利山 山光院菊蓮寺を開山。
天台宗として650余年を経て、覚誉冏察(かくよけいさつ)上人が浄土宗として中興し現在に至ります。


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山門をくぐると大きな収蔵庫が。
ご住職が扉を開けて待っていてくださいました。
収蔵庫の正面へ回ると目に飛び込んでくる大きな千手観音像に圧倒されます。
前述したように像高350cmと茨城県下第2位の大きさを誇る立像で、収蔵庫いっぱいにそびえるお姿は中々に迫力があり、
鎌倉期の造仏で、玉眼が嵌め込まれた半眼の目で見据えてくるその尊容は神々しく霊威を感じました。


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合掌手の肘のあたりから一気に咲き乱れる様に四方へと延びる脇手がより一層にこの像の大きさを感じさせ、しっかりと現れた木目とノミの彫り口の様な文様が見て取れることも、この像の存在感、迫力といったものを増幅させているように思います。
元々は金箔や彩色が施されていたのか、そこはちょっと分からないですが、現在の素地造りのようなお姿が最も霊威的で迫力があり尊いお姿のように感じます。
まあ僕個人の好みではありますが。


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また、脇に安置される不動明王と毘沙門天も素晴らしい。
平安後期くらいの方で、共にやや動きは固いようですが、木目によって現れる造形の表情が素晴らしく、特に不動明王は像全体から木目が溢れ出し生き生きとしたものを感じさせてくれます。
大きく肩を張り胸の下からググッと引き締まっていく腰周り、大きな鼻に天地眼にしかめたお顔からも非常に引きつけられる魅力を持った方でした。


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そして奥には中尊の先代がひっそりといらっしゃいました。
中尊の千手観音像が鎌倉時代に対し、脇侍の2体が平安時代。
これには理由があり、元々この3体は常陸太田市の西部に位置した金砂村にあった定源寺の像で、平安時代末期の佐竹氏と源氏が戦った金砂山の戦いにより、巨像であった中尊は運び出すことが出来ずに焼損、脇侍の不動明王、毘沙門天は運び出すことが出来 難を逃れたという事です。
その焼損してしまった元のご本尊が堂内の奥にひっそりとたたずまれていました。




千手観音菩薩像。
無限とも思える千の手によって衆生のあらゆる苦しみや厄災を取り除き救ってくださる仏様。
とある盲学校の生徒さんが描いた母親の絵。
そこには無数の手を持つ母が描かれていたそうです。
目が不自由な為に障害をいつも取り除いてくれる母は、
まるで手が何本もあるようだ、とその生徒さんは語ったそうです。
ご住職は、千手観音菩薩とはまさにそういうことなんでしょうねと仰っておられました。
その話を聞いてから見た千手観音像は先程までの霊威的な雰囲気よりも、どこか優しい母の様に見えてきたのだから不思議だ。






舎利山 三光院菊蓮寺(きくれんじ)

茨城県常陸太田市上宮河内町3600
TEL : 0294-76-9244
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り










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9月21日 丹波の地で出会った仏像群!ダイジェスト速報

9月21日、この日は仕事の予定が空いたので出張現場から車で1時間半ほどの兵庫県丹波へと仏像拝観に出かけてきました。
今回はその速報記事でございます。詳細は追って後日に!


向かったのはいつか訪れたいと願っていた達身寺(たつしんじ)。
以前からその欠け仏の魅力を噂に聞いていましたが、実際に拝観すると想像を超える素晴らしさで鳥肌が立ちっぱなし。

中でも奥収蔵庫に安置された、ご本尊阿弥陀三尊像のお隣に安置される薬師如来坐像は圧巻で素晴らしい。
おおよそ安置されている仏像のほとんどが”欠け仏”と呼ばれる破損仏ですが、素晴らしい仏像は朽ち方も素晴らしい。
いや、美しい朽ち方をしているから素晴らしく思うのか、うまく言葉では表せない魅力が達身寺の仏像群には溢れています。



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重要文化財12体、県指定文化財34体、市指定文化財33体という他に例を見ない数の仏像群。
その中には兜跋毘沙門天が16体という不思議。
丹波の正倉院、木彫仏像の原郷と呼ばれ、幾多の謎を秘める達身寺。
仏像好きには是非とも訪れていただきたい素晴らしいお寺でした。



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続いて向かったのは丹波篠山の大國寺。
こちらには重要文化財に指定された5体の平安仏がいらっしゃいます。

ご本尊は「一仏三身」と呼ばれる薬師如来坐像で、髻を結い上げ宝冠を身につけ、光背は二重円光背で大日如来像の尊容。
しかし定印は阿弥陀定印を結びながら掌には薬壺を乗せています。
光背、宝冠、蓮華座の全てが藤原時代の物が残っているという非常に珍しい薬師如来像でした。

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脇には、かつて二天門がありそこへ安置されていた持国天と増長天がいらっしゃいますが、こちらも素晴らしい。
非常に厳しい忿怒相で、木目が浮かび上がり迫力があります。


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大國寺を後にして、ここからはその場その場で目的地を決めて巡りましたが、仏像を拝観してきたのは石龕寺(せきがんじ)。

こちらの仁王門には鎌倉時代の慶派仏師、肥後法橋定慶の作である仁王像が安置されていました。
慶派仏らしい筋骨隆々で首の筋が物凄い。


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今回は前日に突如仕事が空いたので、慌てて丹波巡りを決めて訪れましたが、次はしっかりと予定を組んで訪れたいと思います。
各寺院の詳細は後日、順を追って更新していきます!







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仏像LINK主催!小浜の秘仏ツアーオフ会速報ダイジェストの巻き

9月13日、仏像LINK様主催の秘仏ツアーへと参加してきました。
今回の目的地は仏像の宝庫、仏ゾーンとも呼ばれる若狭地方へ!
京都駅に40名超が集合し、高浜町→小浜市→若狭町と巡り、小浜秘仏ツアーと題して楽しんできました。
この日の参加者のツイートを、共に参加された福通寺のご住職みょうこうさんがまとめて下さいました。
仏像リンク主催「小浜の秘仏ツアーオフ会」
仏像LINKツアーの楽しさが伝わる生の声となっております!



京都駅からバスで揺られることおよそ2時間。
まず到着したのは高浜町にある中山寺。
こちらにいらっしゃるのは言わずと知れた馬頭観音!
鎌倉の大仏師運慶の嫡男・湛慶の作とされる馬頭観音で、馬頭界随一のカッコ良さ!
通常は33年ごとの開帳(17年に1度中開帳)で、2年前に本開帳を迎え一般公開されましたが、今年は舞鶴若狭道全面開通記念の若狭秘仏公開に合わせてご開帳されています。
2年前にも訪れて拝観しましたが、やはり圧倒的なカッコ良さで大興奮でした。


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続けて高浜町の馬居寺へ。
こちらもご本尊は馬頭観音で平安期の造像です。
中山寺と続けて訪れることで、平安期と鎌倉期の馬頭観音像の造形の違いを楽しみながらじっくりとかぶりつくように拝観させて頂きました。
また、庫裡には鎌倉期の妙音弁財天像も祀られており、こちらも合わせて拝観。
そして庫裡内には江戸期あたりの修復によりド派手な彩色を施された状態だった頃の馬頭観音像のお姿が!
あまりのおもちゃ感というか人形感というか。。。
彩色を見事に落としてくれてありがとうと呟かずにはおれないお化粧姿でした(笑)

馬居寺・馬頭観音は通常秘仏ですが今年はご開帳の年に当たり、10/18~11/24の土日祝日にご開帳が行われます。
今回はこれに先駆けて仏像LINKツアーで扉をを開けて頂き拝観してきました。


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高浜町を後にし、小浜市へと入り昼食。
若杉末広亭さんで海鮮丼を堪能してきました。
海の近いところはやっぱり魚介が美味いですね!


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そして午後の1寺目は谷田寺へ。
こちらも通常は秘仏であり個人ではなかなか拝観が難しいお寺です。
「みほとけの里 若狭の秘仏」での公開も個人での拝観は不可で規定の団体バスツアーでのみ公開となっていますが、仏像LINKツアーでも特別に収蔵庫を開けて頂きました。
正面中央のお厨子には鎌倉期の千手観音菩薩立像が。
金箔等は施さず素地仕上げで檀像風なお姿。
目にも玉眼は嵌入されず彫眼で足元の衣紋表現も翻派式衣文を思わせるような古式を周到した造形となっていました。
また、脇には不動&毘沙門を従え、天井周りには二十八部衆までが安置されていました。
おっと凛々しいお顔の大黒天像も良かったなぁ。


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同じ小浜市谷田部にある薬師堂へ向かいます。
こちらには平安後期定朝様の薬師如来座像が。
半丈六の大きな方で穏やかでありながら堂々とされた方でした。
目が垂れ目で、優しく温厚な雰囲気を感じさせて下さり、なかなかの美仏。
脚部に関しては胴体部などの彫り口とは違う硬さが見られることから、後補ではなかろうかとの事でした。


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そしで次は今年の7月にリニューアルされた若狭歴史博物館へ。
若狭の多くの仏像が展示されていて見どころ満載。
中でも青蓮寺 聖観音菩薩立像は秀逸!
53cmの小さな像ですが足元に流れる綺麗な衣紋や肉感的な腹回りなど大好きな仏像です。
蓮花寺の阿弥陀三尊像もよかったなぁ。
そして驚いたのはレプリカ像のレベルの高さ!
言われなければ本物と思ってしまうほどでした。
初め気づかずに本物だと思ってましたよ。


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若狭歴博を後にして向かったのは加茂神社。
こちらにも秘仏の千手観音菩薩立像が。
若狭の秘仏公開が始まってからは常連の公開となっておりますが、本当に素晴らしい千手観音です。
もうバランスが素晴らしい。
平安地方仏の一級品。
腰はキュッと締まっているのに顎回り、腹回りにはたっぷりとした肉付きで衣の翻派式衣文も素晴らしかったですよ。
秘仏に戻らずに公開を続けて欲しいです!


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そしてツアーを締めくくったお寺は若狭町の諦応寺。
到着するや否や、通り雨に襲われ本堂で雨宿り。
お茶やお菓子を出して頂きごちそうになりながら雨をやり過ごす。
雨はすぐに上がり、それではと収蔵庫へ案内していただき、県指定文化財の薬師如来像を拝観しました。
平安初期の作と考えられている薬師如来立像で両の腕から垂れさがる衣には随所に渦紋が施されなかなかの見応え。
しかし何と言ってもこちらの立木佛が圧巻でした。
樹齢450年の銀杏の木に彫りこまれた十一面観音のお姿は神々しく度肝を抜かれました。



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そして最後は恒例の交流会ということで京都へと戻りみんなでしゃぶしゃぶを食べてきました。
たくさんの仏友とこの日一日の仏像巡りを振り返り、またツアー中には話せなかったお互いの話を伝えあったりと楽しい時間。
美味しいご飯と美味しいお酒と仏友と。
なんて素敵なんでしょう。
今回のツアーも最高の一日となりました。
さて、次は10月4日の三重の秘仏ツアーです!
参加される方々よろしくお願いします!


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茨城県・中染町阿弥陀堂「等身大の鉄仏!阿弥陀如来像の印相に触れるの巻き」

魅力たっぷりの地方仏の次に巡ったのはこれまた非常に珍しい鉄仏!
向かったのは中染町阿弥陀堂。
こちらに、西の方ではほとんど見ることのない鉄仏がいらっしゃいます。
しかも等身大にもなる大きな阿弥陀様で、今年に重要文化財に指定され話題となった方です。


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中染町の山のふもとの高台に建つ収蔵庫の扉を開けて頂き、ご対面させて頂いた阿弥陀如来立像は鉄仏とは思えないような柔らかな衣文表現を見せる阿弥陀様でした。
側面には鋳造跡のヒダが見え鉄仏の造像過程を見て取ることが出来ますが、鉄仏としての重さよりも柔らかさと憂いを感じました。
ほとんど伏せたような眼差しに静かに結んだ口元はどこか寂しさをも感じるようで。


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そしてとんでもない事が起こります。
なんと写真はおろか、触れることを許して頂いたのです!
恐る恐ると像に触れる仏友たち。
そして僕も阿弥陀様に触れさせて頂きました。
どこへ触れようかと思いましたが、自然と手が伸びたのは御手でした。
衆生の悩み苦しみを取り除いて下さる印相、極楽浄土へと迎えて下さる印相へと手を伸ばし触れさせて頂きました。
こんな機会が訪れるのかと驚きと興奮で一杯になりながら、めったとない機会をいただいてきました。


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背面には本像を固定するためか、光背を取り付けるためか金具の取付枠があり、鉄仏の重さを物語るような特徴を見せます。
聞くところによると重量は300kgだそうでとんでもなく重く、重要文化財の指定を受け東京国立博物館へ展示する為に運び出すのも一苦労だったようです。


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また、銘文も残され
「奉治鋳法然寺阿弥陀如来立像、大檀那桐原左衛門入道祭立、大工権守入道西念、勧進憎立仏房生年五十六、仏師日向房良覚、弘長4年甲子4月26日」
桐原左衛門が寄進者となり法然寺の阿弥陀如来像として造らせたもので、大工が権守入道西念、勧進が僧立仏房、仏師に日向房良覚を迎え造像されたことが記されています。


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鉄仏は現存するそのほとんどの像が鎌倉時代以降に造られ、地域的に見ても関東地方、愛知県に多く残っているそうです。
関西在住としてはなかなか出会うことのない鉄仏と、しかも触れさせて頂くというとんでもない機会に恵まれ心から感動を味わう素晴らしい出会いとなりました。


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収蔵庫から少し離れたところに祀られている金精様。
子孫繁栄や安産、縁結び、商売繁盛などの神様です。
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中染町阿弥陀堂
茨城県常陸太田市中染町23
TEL : 0294-72-3111(常陸太田市教育委員会)
拝観 : 通常10月の第3土・日に行われる「常陸太田市指定文化財 集中曝涼の日」
拝観料 : 志納




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茨城県・来迎院「地方仏!不思議な魅力の阿弥陀如来坐像の巻き」

弥勒教会を後にして次に向かったのは常陸太田市。
ここからは教育委員会の方にご案内いただき、また世話方さんにもご協力を頂きながら3ヶ寺を巡りました。
まずはご案内いただいたのは来迎院。

正式には光明山 安養寺来迎院という天台宗の寺院で、元は大洗神社の別当寺院であった大洗山普賢院が明治期の神仏分離令により、廃寺となっていた真言宗寺院 富貴山阿弥陀院安楽寺の跡地へと移され現在の名称へと改めらた寺院です。
現在は無住のなっており太田市大里の町内会の方々によって守られています。
通常であれば年に一度、10月の第3土・日に行われる「常陸太田市指定文化財 集中曝涼の日」の文化財の一斉虫干しの時のみだそうですが、今回はご縁を頂きご本尊の阿弥陀如来坐像を拝観させていただきました。




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現地へ到着したころはシトシトと雨が降る生憎の状況でしたが、迎え入れてくれる楼門の素晴らしさと、守護する仁王像のとんでもない愛嬌にほっこりとします。
確かな技量を持った仏師の作とは考えにくいような、ある種 土着のなにかモデルがあったのでは?と思わせるような独特な風貌をされています。
こう言っては何ですが、田舎の腕白小僧が大きくなったという様。
丸々と膨らんだほっぺにグリグリとねじった太い眉毛、完全に埋もれた首に怒り肩の非常に風味豊かな像容です。




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楼門をくぐり見えてくる阿弥陀堂はこれまた非常に趣があり、楼門と並んで県指定の文化財となっています。
堂内へ上がらせて頂き、拝観させていただいた ご本尊の阿弥陀如来坐像は鎌倉時代の作とされ寄木造りの彫眼。
阿弥陀堂外にある案内板にある写真では、やや幼児的な幼さを感じる可愛らしい雰囲気を感じましたが、実際に目にする阿弥陀如来坐像は可愛らしさと、堂々とした体躯の力強さと威厳を感じる方でした。



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都仏とは全く違った地方仏の魅力があふれ、平安仏的な力強さも感じる素晴らしい阿弥陀様です。
頭部が非常に大きく、仰ぎ見る様に造られた造形がますます地方仏的な魅力を増幅させ、逆に見据える目と通った鼻筋、結んだ口元が精悍さを感じさせます。
なんだか色々なところにアンバランスさというか不思議な魅力を感じさせてくださる阿弥陀様でした。
これぞ地方仏であり、こういった仏像に出会えるのが地方へ巡りたくなる魅力なんだなと大いに納得し当ツアーの醍醐味を感じるのでありました。



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光明山 安養寺来迎院(あんようじ らいごういん)
茨城県常陸太田市大里町3708
TEL : 0294-72-3111(常陸太田市教育委員会)
拝観 : 通常10月の第3土・日に行われる「常陸太田市指定文化財 集中曝涼の日」
拝観料 : 志納









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茨城県・弥勒教会「力強く生命力あふれる伝運慶の弥勒仏の巻き」

茨城ツアー3寺目にお参りしたのは笠間市石寺の丘稜地にある弥勒教会。
鎌倉時代、笠間の一帯を治めていた笠間時頼は京都蓮華王院(三十三間堂)に千手観音(120号像・169号像)を寄進したことでも知られ、笠間の地にも六体の仏像を安置したと伝えられています。
そのうち現存するのが楞厳寺千手観音立像、岩谷寺薬師如来立像とこちらの石寺弥勒堂弥勒菩薩立像です。

この弥勒如来の製作に当たったのは江戸時代の文書によれば『運慶作の弥勒菩薩』と記されてあったそうで、伝運慶作として伝わっています。
昭和2年の解体修理の際に像内と足柄に墨書銘が見つかり、笠間時頼同身の『弥勒如来』である事が判明。
作者に関する墨書は見つかってはいないそうですが、その像容は伝運慶の伝えを「かもしれない」と思わせる素晴らしいものでした。


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通常は4月8日のみのご開帳となっておりますが、今ツアーでは特別に拝観の許可を頂き、丘陵の中にひっそりと佇む収蔵庫の扉をを世話方さんに開けて頂き、伝運慶作と伝わる弥勒仏を拝観をさせて頂きました。

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  国指定重要文化財 ヒノキ材の寄木造り 像高は180cmくらいか

収蔵庫の開けられた扉から、180cm超えると思われる堂々とされた弥勒仏のオーラが溢れ出してきます。
非常に力強い作風で、しっかりと見つめる瞳の力強さや、大きな肩幅、美しく量感溢れる衣文表現は運慶を感じさせる像様でした。

発見された墨書の年代からは運慶以降の時代だそうですが、運慶に非常に近しい仏師、運慶工房の仏師の作であったろうと思わせてくれます。
肩周りの肉付き、手先の肉厚さと、どっしりとした量感を感じさせる造形で、その力強い体躯に負けない張りのある精悍な顔つきは非常に魅力的で生々しく生命力を感じる生き生きとした弥勒如来でした。

衣に表現された衣文模様も太く力強い感じで、所々で松の枝のように枝分かれし、快慶の流れる様に連なり表現される衣文とはまた違った魅力を溢れさす素晴らしい表現でした。

もっともっと長く見ていたい弥勒様でしたが、次の予定があるので後ろ髪を引かれながらその場を後にしました。

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弥勒教会
茨城県笠間市石寺482
拝観 : 毎年4月8日
拝観料 : 志納








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迦楼馬-カルマ-

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仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる三十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



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