茨城県・妙法寺「俊義上人の即身仏!の巻き」

茨城秘仏ツアー2寺目は同じく桜川市にある妙法寺。
こちらでは驚くべき方と出会った。

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即身仏。
衆生救済を願い、厳しい修行の末にその身をこの世に残し、衆生救済に努めようとした僧侶のお姿です。
五穀断ち、十穀断ちの木食行を行い、そして生きたままに空気穴の竹筒のみが通された土の中へと入り土中入定を行う。
命ある間は鐘を鳴らしながら読経し、その音、声が止むと入定されたとして空気穴などを埋めて一定期間後に掘り出すという。
通常は3年ほどであるらしいですが、遺言の様な形で何年後に掘り出してくれと頼む場合もあるそうです。

本堂の右奥隅に這いつくばるように、首をひねり大きく口を開けた舜義上人即身仏。
遺言により1年後に掘り出すようにと残して入定したそうなのですが、掘り出されたのはなんと50年もの月日が流れてからでした。
あまりにも掘り出してもらえないため、当時のご住職の夢に「掘り出してくれ」と現れたそうで。
そのためのこのお姿なのか、とんでもない迫力を見せつけてくる異様さに息を飲みました。
もともと俊義商人は鎌倉の宝戒寺のご住職であったそうなんですが、桜川の地が気に入りこちらの移り住むようになり、この地での衆生救済に尽力されたそうです。

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舜義上人が即身仏となるために入られた石室となる阿弥陀仏像。
組んでいる足のあたりで上下に分かれて中へ入れる形になっているそうです。



本堂須弥壇には伝菩薩像、伝虚空蔵菩薩像を脇侍に阿弥陀如来座像がいらっしゃいます。
共に県指定文化財で9世紀 平安時代の作とされ、三尊ともに体部は後補の金箔が押され衣部は漆の茶褐色の色を出した、見た感じでは似たような作風でした。
ただ、虚空蔵菩薩像は天部系の形をされているので三尊形式で作成されたのではないと思います。
中尊の阿弥陀様も、釈迦、薬師、阿弥陀とそのお姿を変えてきたとの伝承もあり、どのような経緯でこの三尊で祀られるようになったのかはちょっと分かりませんでした。
やや遠めからの拝観で細部まではわかりませんでしたが、伝虚空蔵菩薩像が最も古いのではないかなぁという仏友の方々の意見も。

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茨城県教育委員会HPより



また、中尊の後ろにはご本尊となる地蔵菩薩立像が!
全然気づかずにいましたがお寺の奥様が教えてくださり驚いて目を凝らしてみました。
薄暗くてほとんど見えずでよくは分かりませんでしたが。
そして阿弥陀三尊の前にはお前立になっている地蔵菩薩立像。
奥様によると妙法寺さんで一番古い仏像だと仰っていました。
後補の金箔でピカピカしていてその為、文化財の指定は受けれないとか。。
お寺巡りをしているとよく聞くお話ですね。


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妙法寺(みょうほうじ)
茨城県桜川市本郷13
TEL : 0296-75-1802
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り








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茨城県・楽法寺(雨引観音)「妖しくたたずむ八臂の観音像の巻き」

6月28日土曜日。
前回の4月に引き続き仏像LINK様主催の秘仏ツアーへと参加してまいりました。
以前に速報記事でお伝えしたように、今回のツアー地は茨城県。
総勢40名を超えるバスツアーで各寺院を回りました。

まず最初に向かったのは板東三十三観音霊場第24番の札所となる楽法寺。
ご本尊は基本的に秘仏となっており、日頃は収蔵庫に安置されているそうですが、今年(2014年)は坂東三十三観音霊場の12年に1度の午年総開帳に合わせて、ご本尊は本堂(観音堂)へ戻られご開帳されています。

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この日は朝の集合時より小雨がパラパラと落ちる生憎の天気で、バス移動中にも大粒の雨が落ちてきたりもしましたが法楽寺へ到着した時には曇り空ながらも雨は上がり美しい境内を堪能してきました。

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雨露の残る境内は美しい。
緑が映えるし空気は澄むしお堂の朱も映える。
本当に綺麗な仁王門を堪能してお目当ての観音堂へ。

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やや薄暗い観音堂内へと歩を進めると厨子内に厳かに佇んでいる観音像が浮かび上がってきます。
脇には不動明王と毘沙門天!ロウソクの薄明かりに照らし出される密教感バリバリの空間は本当に痺れます。
多少のライトアップはあったように記憶していますが、印象はユラユラとゆらめく炎の灯りに浮かび上がる諸仏たちといったイメージが強く残っています。


観音菩薩立像(延命観音菩薩、通称雨引観音) 平安時代初期~中期 カヤ材の一木造 像高156.5cm 彩色像
ゆっくりとお厨子の前へと列をなして進んでいき間近より拝観させて頂く雨引観音は、お顔は丸くふっくらとされていて静かな優しいお顔のように思ったら、フッと厳しいお顔に変化されたりと何とも幻想的というか厳かな異世界に紛れ込んだような異質な空気を身にまとわれていました。
恐らくそれは、八臂の腕を持つオーラからくるものだったかもしれません。
左右4本ずつの腕を肩口から真下へと落とし、2本は肘をグッと曲げて上方へ。
残り2本はそのまま下方へと落とし、肘を支点に腕が上下する造形で、そしてなんといってもその左右の腕の隙間からうかがうことの出来る腰の異様なまでの細さに驚かされます。
この胴体部分に集約する異様さというか妖しさがこの像の魅力を強いものにしている気がしました。

また、一緒にツアーを巡らせて頂いた祇是未在(ただこれみざい)さんのソゾタケさんから、足元に彫りこまれた衣文表現の違いを教えて頂きじっくりと観察する。
仰られた通り、左右の膝下に刻まれる衣文の表現が違う事に気づきます。
翻派式衣文を刻んでいるのですが、その波のリズムが違う。
薄暗い中での観察なので、右足の翻派式衣文はあっ!ほんとだ!と確認できましたが、左足は翻派式衣文の様には見えませんでした。
右足はしっかりと翻派式衣文なのに対し、左足は大波のみ確認できました。
薄暗がりの中でもハッキリと違う衣文表現だと分かったのは、ソゾタケさんに教えて頂かなければ気づかなかったので、こういった多くの仏友と共に巡るツアーの醍醐味というか、面白さというか本当に勉強になります。
妖しすぎる観音堂内をぐるぐると何週も回って貴重な機会の雨引観音ご開帳を堪能し、次の目的地へと向かうのでした。



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雨引山 楽法寺(らくほうじ)
茨城県桜川市本木1
TEL : 0296-58-5009
拝観 : 本尊延命観音菩薩立像(雨引観音) 2014年1月1日〜12月31日ご開帳。通常秘仏。
拝観料 : 特別拝観料1000円
駐車場 : 有り(無料)









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奈良県・大久保 観音堂「宿院仏師の不空羂索観音像の巻き」

凛々しい大日如来像に別れを告げて向かったのは橿原市大久保にあるという観音堂。
こちらには宿院仏師の作となる不空羂索観音がいらっしゃるそうですが、どちらの観音堂なのかが分からず迷いましたが、大窪寺跡に建つ国源寺さんにいらっしゃるということが分かり訪問してきました。

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どちらの観音堂にいらっしゃるのか分からなかったものですから、当然連絡先も分からず突撃の訪問になり、案の定お寺はお留守。
また、はっきりとこちらに不空羂索観音がいらっしゃるとも分からなかったので大胆な事も出来ずで諦めて帰ろうかと車に乗り込んだら、一人のおばさまがお帰りになり、話しかけたところお寺の方のご親類だそうで。
拝観に訪れた事情を話すと快くお堂へ招き入れて下さいました。非常にラッキー。

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お堂に通して頂き観音堂ご本尊 宿院仏師源次作の不空羂索観音を拝観させて頂きました。
ただ!お厨子には幕が。
尊容は見えずで下から覗き込んでは見るもののやっぱり見えず。
ご対応頂いたおばさまは本当に親切に見やすく、なんとか写真を撮りやすくとお厨子前の仏具なんかを動かして下さったりと試行錯誤して下さいました。
押しかけるような訪問だったのにもかかわらず親切にして頂いて感謝の気持ちでいっぱいです。

像容は漆箔に覆われた、宿院仏師の作では非常に珍しい。
また、ヒノキ材の寄木造りとなるものの、体躯部は一木から彫りだし、内刳りも施さない。
元々は素地であったそうですが後に漆箔が施されます。
しかし後補という考えではなく、不空羂索観音として不十分であろうと考えられおよそ100年の年月をかけて完成されたとみる見解も成立するだろうとの事です。
足元には漆箔の厚みでもったりとした感じでありますが翻派式衣文が確認されます。
やはり宿院仏師は平安時代の古式を取り入れることが多いようです。
写真でお顔や全体像を見ると、体全体の線は細いものの左右のバランスがよく、お顔もやや吊り目の宿院仏師の特徴が見て取れます。
思ってはいけないんだろうけど、金箔がおされていなければなぁと思ってしまう。

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また、堂内には県指定の文化財である上半身を裸形として合掌する幼児の時の姿をした「南無仏太子像」がいらっしゃいます。
ヒノキ材の寄木造りで彫眼、鎌倉時代後期の作で国内に現存する最古の南無太子像だそうです。
像高は77.4cmでお厨子に安置され合掌し強い眼差しで合掌手の先の空間を見つめています。
ふっくらとした頬に肉厚な二の腕と幼児体型を良く表した像であると思います。

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この日一日で巡ったお寺は千體寺(せんたいじ)→千万院→竹田神社大日堂→国源寺観音堂で、出会った宿院仏師の作は4体。
1つも拝観の予約や許可を頂けていない状態でしたが現地を訪れて見るものですね。
これからも宿院仏師の仏像を追いかけていきたいと思います。











国源寺 大久保観音堂
奈良県橿原市大久保町404
TEL : 0744-22-5015
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納







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奈良県・竹田神社 大日堂「生命力みなぎる若々しき大日如来坐像の巻き」

田原本町の千万院から24号線へ戻り南下。
十市橋北詰の信号を左折(東へ)し、橿原の大日如来で有名な正覚寺さんを超えておよそ1kmほど進み南へ下ると見えてくるのは竹田神社。
駐車場はありませんが、境内鳥居前に1台ほどは止めることが出来るスペースがある。
当日僕はこちらに止めさせて頂き拝観をさせて頂きました。

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この鳥居の前に車を駐車させて頂きました



竹田神社境内には大日堂があり、この大日堂には宿院仏師源次とその子息 源四郎、源五郎の銘がある大日如来像が安置されています。
拝観の予約を入れようといろいろ調べてみたのですが連絡先が分からずで、とりあえず橿原市役所へ連絡を入れ拝観の確認をしてみましたが役場では管理されていないし一般公開はされていなとの事でした。
ひょっとしたら掛ける課を間違えたかな?観光課では上記対応でしたが、生涯学習部文化財課なら違ったのかな?分からないけど。

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元神宮寺である大日堂



拝観の予約を入れる先も分からぬままとりあえずは現地へ到着し、拝観する方法がないものかと竹田神社付近のお家を迷惑かなと思いながらもピンポン。
竹田神社境内の大日如来を拝観したい思いを伝え、その結果、管理されている区長さんを教えて頂く事が出来ました。
さっそく区長さんのお宅へ挨拶に伺い、宿院仏師の仏像を追いかけている想いを伝え拝観させて頂けることとなりました。
区長さんは役所から聞いてきたんですか?と言われていたので、やはり僕が問い合わせたのとは違う課なら区長さんを案内いただけたのかも?

いらない前置きはこれくらいにして、竹田神社の境内にある元は神宮寺であったいう大日堂を案内していただきました。
この大日堂のご本尊は室町期の町仏師、俗人仏師といわれる仏師集団・宿院仏師の源次作と確認されている大日如来像がいらっしゃいます。
宿院仏師の造仏は必ずと言っていいほど像内に墨書銘が残されており、そこには源次の銘とその子息の源四郎、源五郎の名が記されているそうです。
また、造像の年代も事細かく記されており、体部から始まり髻、後頭部、前頭部の順で彫りあげられ顔の正面が最後に仕上げられた事が分かっています。
体幹部の抑揚や衣文表現には簡略化された感も感じられ、源次の子息である源四郎、源五郎の手によるものかとも思いますが、宿院仏師の造仏から共通して感じる若々しさやハツラツとした生命感は如何なく発揮され凛々しき表情を見せてくれます。
肩口から印を結ぶ腕の流れに、張りというか瑞々しさが溢れんばかりで大日如来像から発散されるパワーは圧巻だと思います。
像高97.8cmの中に詰め込まれた若々しさは非常に魅力的でカッコイイ。

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現在は平成13年の11月24日に落慶法要がいとなわれた大日堂に安置されている大日如来坐像ですが、過去に盗難にあっているそうで。
昭和の54年9月2日に盗難にあい所在が分からなくなります。
しかし、海を渡る直前の横浜港で見つかりこの地に戻ってこられたそうです。
この瑞々しい生命力にあふれた大日如来像がこの地に戻り、今、目の前にお姿を拝むことが出来るご縁を感謝し大日堂を後にしました。

おっと、堂内には大日如来像の向かって右側に地蔵菩薩像と弘法大師像が安置されています。
この地蔵菩薩像がニヒルでいい。
地蔵菩薩なのにふてぶてしさがあって非常にやんちゃな雰囲気を感じます。
片膝を立て、反対の足は踏み下げる遊戯坐のような崩した姿勢で思惟しながらも瞳の圧力や頬の量感の力強さ。
江戸期頃の作かと思いますが中々見応えがあります。

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竹田神社 大日堂
奈良県橿原市東竹田町495
TEL : 0744-21-1115(橿原市役所観光課)拝観不可の案内があるかも
    0744-26-1114(橿原市役所生涯学習部文化財課)
竹田神社から北へ川を渡ったところに区長さんの家が。。(H26.06.11現在)
拝観 : 要予約、4/15大日講、9/23秋分の日は大日堂が開扉されるそうです。
拝観料 : 志納
駐車場 : 無し(神社境内前に駐車出来る事も。。。)











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プロフィール

迦楼馬-カルマ-

Author:迦楼馬-カルマ-
仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる三十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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