奈良県・千万院「室町宿院仏師・源四郎の彫りだす魅惑の十一面の巻き」
偶然のご縁で拝観させて頂いた千體寺。
しかし次に拝観するお寺がありません。
というのも、この日は奈良市の宿院町に工房をかまえた室町期の町仏師、宿院仏師の仏像を巡ろうと計画していました。
しかしながら、なかなか拝観予約がうまくいかず。。。
役場へ連絡を入れるも一般公開はされていない、役場では管理していないので分からない、世話方さんの連絡先は教えられない、などなど断りの連続で。。。
通常であれば断られると諦めて他をあたるのですが、この日の計画では断られ過ぎたのが逆にちくしょーとの思いが強くなり。。。
とりあえず断られたとこ全部現地へ行って環境を確認してみようと思い立ち、断られたままに現地へと向かいました。
そしてまず向かったのが田原本町の千万院。
田原本町法貴寺にある千万院は町名にもなっている法貴寺(ほうけいじ)の子院であり、法貴寺は元を「法起寺」と呼ばれていたそうで、寺伝によるとその創建は法隆寺よりも古く、聖徳太子が創建し秦河勝が賜り、かつては七堂伽藍を有する大寺院であったそうです。
しかし江戸中期には本坊の実相院と千万院を残すのみとなり、明治期の廃仏毀釈で千万院のみとなりました。
現在、千万院の僧坊はなく、薬師堂を千万院と呼ぶ習わしとなっているそうです。


さて、千万院ですが通常一般公開はされておらず団体のみ予約拝観が出来ます。その際は堂内へ入れて頂けるそうですが個人では不可。
ダメ元で役場へ連絡を入れてみましたが、やはり個人である為拝観は不可とのことで管理者様を教えて頂く事も出来ませんでした。。。
宿院仏師への想いを熱く語りましたがダメでしたね(^^;
ネットで検索をかけてみると堂外から拝観は出来るとの事で、現地へと向かいどのような拝観環境かと確認してまいりました。
国道24号線の小坂の信号を東へ入り大和川沿いを北上すると、左手に池坐朝霧黄幡比賣神社が見えてくる。
その境内北側に小さなお堂があるのが現在の千万院薬師堂です。


池坐朝霧黄幡比賣神社

千万院薬師堂
お堂の扉窓は格子になっており南に面していることから堂内には光がよく入り外からでも比較的良好に拝観することが出来ました。
千万院を調べるとまず検索に上がるのは国の重要文化財に指定された不動明王立像。
像高は79.5cmの立像でヒノキ材の一木造りで前後に割剥ぎます。
一部彩色や衣には截金文様が残り、体躯も堂々と胸を張ったお姿で力強い表情で睨みを利かせています。
肩口から二の腕などの肉付きも良く若々しい平安後期の像です。
しかし宿院仏師の十一面観音が気になりすぎて写真はブレブレのものしか撮れてなかった。。。



堂内の左奥にお目当ての宿院仏師 源四郎作 十一面観音菩薩立像がいらっしゃいます。
像高は189.5cm、ヒノキの寄木造りで天理の西念寺像、広陵町の大福寺像と並び180cmを超える等身大の十一面観音です。
ふくよかな頬にしっかりとした目線。宿院仏師のお顔です。
宿院仏師のお顔の中でもかなりのイケメンに分類されると思ういいお顔をされています。
師事した東大寺大法師実清の切れ長で吊り目な表情よりは穏やかな表情。
頭体のバランスは優れ正面観照感が強く、素直に美しい造形だなと感じる仏像です。
特異な腕の長さといった事はなく本当に等身大な造形で、素木造りの素朴な風合いと力強く光る玉眼の魅力が溢れていました。
造形は長谷寺式十一面。
右手に錫杖を持ち、左手には水瓶を持つ形。
垂れる天衣は両膝間で捻りが加えられ条帛は胸から垂れさがる。
これらの特徴は長谷寺の十一面観音像と共通し、源四郎が師事した実清が現存する長谷寺十一面観音像の御衣木加持ならびに作者という関係が影響しているのかもしれない。





日本の美術12「宿院仏師」より
奈良国立博物館特別展「宿院仏師」図録より
また、堂内には同じく源四郎作ではないかと思われる薬師如来座像が安置されています。
思われるというのは、宿院仏師の造仏はほとんどその全てに必ずと言っていいほど像内に製作年および作者を記しています。
しかし中には銘は無くとも宿院仏師の造像と考えられる仏像がいくつか知られていて、その中の一つにこちらの薬師如来座像があります。
源四郎時代の薬師如来と考えられ、寄りかかるように安置された十二神将像と一具である大作であるが薬師如来には銘記が確認されなかったそうです。
尊容は下方を見つめるしっかりとした眼差し端正な目鼻立ちと唇。
頭体のバランスは素晴らしく衣文表現は宿院仏師が取り入れる事例が多くみられる平安初期の翻派式衣文を見せてくれます。



格子戸すぐの前面にいらっしゃるのは賓頭盧尊者で像高は60cm程のヒノキの寄木造り。
堂内でも風雨が当たりそうな前に安置され、像の特徴的にお参りする方々に触れられてきたことからか、表面の磨滅や彩色の剥落などが顕著でやや不気味な印象もぬぐえませんが、この像は源四郎の子息と考えられる源次と、その子である源四郎(ややこしい(^^; )の造仏であるとの銘が残っています。
(墨書銘にある宿院仏師・源衛門とは十一面観音造像の源四郎の子息源次と考えられています)
宿院仏師には珍しい尊者像であり、貴重な作例です。



僕が訪れた折は堂内にも光がよく入り、堂外からの拝観にしては良く造形を確認できる拝観状況でした。
もちろん堂内に入り拝観することが出来るに限りますが、堂外からでもなかなかに満足できる拝観をすることができ、断られても現場に来てみるもんだなと次の断られた地へと向かうのでした。
法貴寺(ほうけいじ) 千万院(せんまんいん)
奈良県田原本町法貴寺504
TEL : 0744-32-2901(田原本町役場)
拝観 : 団体のみ(ただし堂外から拝観可)
駐車場 : 無し(神社境内付近に路駐...)

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しかし次に拝観するお寺がありません。
というのも、この日は奈良市の宿院町に工房をかまえた室町期の町仏師、宿院仏師の仏像を巡ろうと計画していました。
しかしながら、なかなか拝観予約がうまくいかず。。。
役場へ連絡を入れるも一般公開はされていない、役場では管理していないので分からない、世話方さんの連絡先は教えられない、などなど断りの連続で。。。
通常であれば断られると諦めて他をあたるのですが、この日の計画では断られ過ぎたのが逆にちくしょーとの思いが強くなり。。。
とりあえず断られたとこ全部現地へ行って環境を確認してみようと思い立ち、断られたままに現地へと向かいました。
そしてまず向かったのが田原本町の千万院。
田原本町法貴寺にある千万院は町名にもなっている法貴寺(ほうけいじ)の子院であり、法貴寺は元を「法起寺」と呼ばれていたそうで、寺伝によるとその創建は法隆寺よりも古く、聖徳太子が創建し秦河勝が賜り、かつては七堂伽藍を有する大寺院であったそうです。
しかし江戸中期には本坊の実相院と千万院を残すのみとなり、明治期の廃仏毀釈で千万院のみとなりました。
現在、千万院の僧坊はなく、薬師堂を千万院と呼ぶ習わしとなっているそうです。


さて、千万院ですが通常一般公開はされておらず団体のみ予約拝観が出来ます。その際は堂内へ入れて頂けるそうですが個人では不可。
ダメ元で役場へ連絡を入れてみましたが、やはり個人である為拝観は不可とのことで管理者様を教えて頂く事も出来ませんでした。。。
宿院仏師への想いを熱く語りましたがダメでしたね(^^;
ネットで検索をかけてみると堂外から拝観は出来るとの事で、現地へと向かいどのような拝観環境かと確認してまいりました。
国道24号線の小坂の信号を東へ入り大和川沿いを北上すると、左手に池坐朝霧黄幡比賣神社が見えてくる。
その境内北側に小さなお堂があるのが現在の千万院薬師堂です。


池坐朝霧黄幡比賣神社

千万院薬師堂
お堂の扉窓は格子になっており南に面していることから堂内には光がよく入り外からでも比較的良好に拝観することが出来ました。
千万院を調べるとまず検索に上がるのは国の重要文化財に指定された不動明王立像。
像高は79.5cmの立像でヒノキ材の一木造りで前後に割剥ぎます。
一部彩色や衣には截金文様が残り、体躯も堂々と胸を張ったお姿で力強い表情で睨みを利かせています。
肩口から二の腕などの肉付きも良く若々しい平安後期の像です。
しかし宿院仏師の十一面観音が気になりすぎて写真はブレブレのものしか撮れてなかった。。。



堂内の左奥にお目当ての宿院仏師 源四郎作 十一面観音菩薩立像がいらっしゃいます。
像高は189.5cm、ヒノキの寄木造りで天理の西念寺像、広陵町の大福寺像と並び180cmを超える等身大の十一面観音です。
ふくよかな頬にしっかりとした目線。宿院仏師のお顔です。
宿院仏師のお顔の中でもかなりのイケメンに分類されると思ういいお顔をされています。
師事した東大寺大法師実清の切れ長で吊り目な表情よりは穏やかな表情。
頭体のバランスは優れ正面観照感が強く、素直に美しい造形だなと感じる仏像です。
特異な腕の長さといった事はなく本当に等身大な造形で、素木造りの素朴な風合いと力強く光る玉眼の魅力が溢れていました。
造形は長谷寺式十一面。
右手に錫杖を持ち、左手には水瓶を持つ形。
垂れる天衣は両膝間で捻りが加えられ条帛は胸から垂れさがる。
これらの特徴は長谷寺の十一面観音像と共通し、源四郎が師事した実清が現存する長谷寺十一面観音像の御衣木加持ならびに作者という関係が影響しているのかもしれない。





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日本の美術12「宿院仏師」より
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奈良国立博物館特別展「宿院仏師」図録より
また、堂内には同じく源四郎作ではないかと思われる薬師如来座像が安置されています。
思われるというのは、宿院仏師の造仏はほとんどその全てに必ずと言っていいほど像内に製作年および作者を記しています。
しかし中には銘は無くとも宿院仏師の造像と考えられる仏像がいくつか知られていて、その中の一つにこちらの薬師如来座像があります。
源四郎時代の薬師如来と考えられ、寄りかかるように安置された十二神将像と一具である大作であるが薬師如来には銘記が確認されなかったそうです。
尊容は下方を見つめるしっかりとした眼差し端正な目鼻立ちと唇。
頭体のバランスは素晴らしく衣文表現は宿院仏師が取り入れる事例が多くみられる平安初期の翻派式衣文を見せてくれます。



格子戸すぐの前面にいらっしゃるのは賓頭盧尊者で像高は60cm程のヒノキの寄木造り。
堂内でも風雨が当たりそうな前に安置され、像の特徴的にお参りする方々に触れられてきたことからか、表面の磨滅や彩色の剥落などが顕著でやや不気味な印象もぬぐえませんが、この像は源四郎の子息と考えられる源次と、その子である源四郎(ややこしい(^^; )の造仏であるとの銘が残っています。
(墨書銘にある宿院仏師・源衛門とは十一面観音造像の源四郎の子息源次と考えられています)
宿院仏師には珍しい尊者像であり、貴重な作例です。



僕が訪れた折は堂内にも光がよく入り、堂外からの拝観にしては良く造形を確認できる拝観状況でした。
もちろん堂内に入り拝観することが出来るに限りますが、堂外からでもなかなかに満足できる拝観をすることができ、断られても現場に来てみるもんだなと次の断られた地へと向かうのでした。
法貴寺(ほうけいじ) 千万院(せんまんいん)
奈良県田原本町法貴寺504
TEL : 0744-32-2901(田原本町役場)
拝観 : 団体のみ(ただし堂外から拝観可)
駐車場 : 無し(神社境内付近に路駐...)

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奈良県・千體寺(せんたいじ)「美しき無指定の阿弥陀三尊の巻き」
6月11日の拝観は奈良の仏像拝観へと出かけて参りました。
奈良県大和郡山市丹後庄町に松本寺(しょうぼんじ)というお寺がありましたが、現在は廃寺となって跡地には公民館が建てられています。
公民館には仏間が設けられ、松本寺のご本尊をはじめとする仏像が安置されています。
今回、松本寺の仏像を拝観しようと世話方さんへ連絡を入れたのですが、現在は當麻寺の副住職が管理をされていて今は管理していないとの事。
実はここに安置されている仏像が室町時代の宿院仏師像ということで拝観したかったのですが、改めて當麻寺の方へ連絡を取りいつか拝観したいと思います。
その代りと、同町にある千體寺さんの収蔵庫を現在は管理されており、その収蔵庫を開けて下さることに。
千體寺も現在は廃寺となっており境内に収蔵庫を残すのみ。
その収蔵庫には重要文化財に指定された紫檀塗螺鈿厨子(したんぬりらでんずし)、そしてその厨子内には阿弥陀三尊像が安置されています。


大和郡山市の史跡・文化財の紹介ページでは以下の様に紹介されています。
「黒漆塗りで、基壇の羽目板にインドと中国の浄土祖師像を1体ずつ計10体彩絵します。各像とも緻密な筆致で描かれています。基壇の天板や柱には朱漆で木目を描く紫檀塗が施されています。
基壇の四隅に柱を建て屋根をのせます。当初は四方にとりはずしのできる一枚扉がはめ込まれ、四方から礼拝する特殊な安置方法がとられていたようです。
製作時期は鎌倉時代13世紀と推定されています。」

鎌倉時代とされるお厨子ですが、基壇に描かれる祖師像も非常に良く残り確認することが出来ます。
その祖師像は浄土祖師像とのことですが、正面は向かって右からインドの高僧、馬鳴菩薩、龍樹菩薩、天親(世親)菩薩、
左側面は右から中国の高僧、慧遠法師、曇鸞法師、背面は右より導綽禅師、善導法師、懐感法師、右側面は右から法照法師、少康法師となっています。
浄土十祖像との事で、他ではなかなか例のない図例だそうです。
装飾も美しく、お厨子内には千体仏が安置される壮大なお厨子です。




そして厨子内に安置されているのは阿弥陀三尊像。
この方々が素晴らしかった。文化財的には無指定ですが素晴らしい。
脇侍の観音勢至が素晴らしいですが、特に勢至菩薩の美しさはため息が出ました。
おそらくは鎌倉の後期頃の作と思いますが、中尊の阿弥陀如来は室町以降の作となります。
廃仏毀釈の折りに法隆寺へ一時預けられたそうですが、帰ってこられた時には中尊が変わっていたと世話方さんはおっしゃっていました。
三尊揃っていればそれは素晴らしかったはずなのになぁと少し残念そう。
これには僕もうなずくしかなく、この脇侍の素晴らしさを見れば中尊の阿弥陀如来もより素晴らしかったはず。
もちろん現在の阿弥陀如来も素晴らしいのですが脇侍の美しさがより一層本来の阿弥陀如来の美しさを想像してしまいます。







勢至菩薩、観音菩薩の腰の角度の妙はなんとも柔らかくしなやか。
両足をぐっと屈めて身を沈める観音菩薩、右足に重心を乗せ左足を軽やかに屈する勢至菩薩。
衣の流れがまた美しくてたまりません。
膝裏で持ち上がるように捻り、足首のあたりでたゆむ様に衣の柔らかさが表現されます。
ホントめちゃくちゃ美しいです。これで無指定か?!と疑問に感じてしまいますが、これが奈良の奥深さなのかもしれません。
観音菩薩像




勢至菩薩像







偶然のご縁でお会いすることが出来た阿弥陀三尊像の美しさ。
来迎の姿勢の美しさをまざまざと見せつけられた三尊です。
頭から首への曲りと、背筋から太ももへのライン。
S字の美しさがこれでもかと表されて、足元の衣紋の柔らかい表現にため息。
写実的で張りのある頬の肉付きや、膝裏でひるがえる衣の表現なんかは運慶工房と繋がりがあるのかなぁとも想像しながら拝観させて頂くのでした。
奈良は奥深い。
千體寺(せんたいじ)
奈良県大和郡山市丹後庄町7番地
TEL : 0743-53-1151(大和郡山市役所)
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 無し

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奈良県大和郡山市丹後庄町に松本寺(しょうぼんじ)というお寺がありましたが、現在は廃寺となって跡地には公民館が建てられています。
公民館には仏間が設けられ、松本寺のご本尊をはじめとする仏像が安置されています。
今回、松本寺の仏像を拝観しようと世話方さんへ連絡を入れたのですが、現在は當麻寺の副住職が管理をされていて今は管理していないとの事。
実はここに安置されている仏像が室町時代の宿院仏師像ということで拝観したかったのですが、改めて當麻寺の方へ連絡を取りいつか拝観したいと思います。
その代りと、同町にある千體寺さんの収蔵庫を現在は管理されており、その収蔵庫を開けて下さることに。
千體寺も現在は廃寺となっており境内に収蔵庫を残すのみ。
その収蔵庫には重要文化財に指定された紫檀塗螺鈿厨子(したんぬりらでんずし)、そしてその厨子内には阿弥陀三尊像が安置されています。


大和郡山市の史跡・文化財の紹介ページでは以下の様に紹介されています。
「黒漆塗りで、基壇の羽目板にインドと中国の浄土祖師像を1体ずつ計10体彩絵します。各像とも緻密な筆致で描かれています。基壇の天板や柱には朱漆で木目を描く紫檀塗が施されています。
基壇の四隅に柱を建て屋根をのせます。当初は四方にとりはずしのできる一枚扉がはめ込まれ、四方から礼拝する特殊な安置方法がとられていたようです。
製作時期は鎌倉時代13世紀と推定されています。」

鎌倉時代とされるお厨子ですが、基壇に描かれる祖師像も非常に良く残り確認することが出来ます。
その祖師像は浄土祖師像とのことですが、正面は向かって右からインドの高僧、馬鳴菩薩、龍樹菩薩、天親(世親)菩薩、
左側面は右から中国の高僧、慧遠法師、曇鸞法師、背面は右より導綽禅師、善導法師、懐感法師、右側面は右から法照法師、少康法師となっています。
浄土十祖像との事で、他ではなかなか例のない図例だそうです。
装飾も美しく、お厨子内には千体仏が安置される壮大なお厨子です。




そして厨子内に安置されているのは阿弥陀三尊像。
この方々が素晴らしかった。文化財的には無指定ですが素晴らしい。
脇侍の観音勢至が素晴らしいですが、特に勢至菩薩の美しさはため息が出ました。
おそらくは鎌倉の後期頃の作と思いますが、中尊の阿弥陀如来は室町以降の作となります。
廃仏毀釈の折りに法隆寺へ一時預けられたそうですが、帰ってこられた時には中尊が変わっていたと世話方さんはおっしゃっていました。
三尊揃っていればそれは素晴らしかったはずなのになぁと少し残念そう。
これには僕もうなずくしかなく、この脇侍の素晴らしさを見れば中尊の阿弥陀如来もより素晴らしかったはず。
もちろん現在の阿弥陀如来も素晴らしいのですが脇侍の美しさがより一層本来の阿弥陀如来の美しさを想像してしまいます。







勢至菩薩、観音菩薩の腰の角度の妙はなんとも柔らかくしなやか。
両足をぐっと屈めて身を沈める観音菩薩、右足に重心を乗せ左足を軽やかに屈する勢至菩薩。
衣の流れがまた美しくてたまりません。
膝裏で持ち上がるように捻り、足首のあたりでたゆむ様に衣の柔らかさが表現されます。
ホントめちゃくちゃ美しいです。これで無指定か?!と疑問に感じてしまいますが、これが奈良の奥深さなのかもしれません。
観音菩薩像




勢至菩薩像







偶然のご縁でお会いすることが出来た阿弥陀三尊像の美しさ。
来迎の姿勢の美しさをまざまざと見せつけられた三尊です。
頭から首への曲りと、背筋から太ももへのライン。
S字の美しさがこれでもかと表されて、足元の衣紋の柔らかい表現にため息。
写実的で張りのある頬の肉付きや、膝裏でひるがえる衣の表現なんかは運慶工房と繋がりがあるのかなぁとも想像しながら拝観させて頂くのでした。
奈良は奥深い。
千體寺(せんたいじ)
奈良県大和郡山市丹後庄町7番地
TEL : 0743-53-1151(大和郡山市役所)
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
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![IMG_7897[1]_convert_20140718023307](http://blog-imgs-65.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/20140718023430e5d.jpg)
仙台市博物館「奈良・国宝 室生寺の仏たち」。
7月4日より始まったこの室生寺展は”東日本大震災復興祈念特別展”と銘打たれた、室生寺の復興への心が詰まった特別展となっております。
室生寺は1998年に台風により杉の大木が倒れかかり、五重塔が大きな被害を受けます。
しかし、全国からの篤い支援によりわずか2年で復元され元の姿を取り戻しました。
自然災害により大きなダメージを受けても人々の温かい支援があれば、やがては必ず立ち直ることが出来る。
そのことを身を持って体験された室生寺からの東北への恩返し、復興支援がこの室生寺展です。
今回の特別展への出展により、室生寺金堂はご本尊の薬師如来立像を残しその全てが堂外へと出ました。(客仏除く)
また、金堂十一面観音菩薩立像と双璧をなす室生寺の代名詞仏 弥勒堂の釈迦如来坐像も出展されます。
現在の室生寺は”もぬけの殻”とまで表現する記事も目にするほどの状態にしてまでも、この特別展、東北復興への支援を決めた室生寺の心が詰まっています。
まさに”室生寺が東北に来た”と言うしかないほどの特別展です。
展示内容は入った途端にいきなり現れる釈迦如来坐像。
ガラス越しではありますが間近から平安初期彫刻の到達点ともいわれる像を見ることが出来ます。
鋭く彫りこまれ陰影が鮮やかに浮かび上がる翻派式衣文の美しさは圧倒的で、隙間ないほどに波打ちます。
通常堂内安置の際には正面よりしか拝することが出来ないこの像を真後ろは見れないにしても、後方より見ることが出来ます。
左斜め後ろより見る像の美しさは素晴らしく、肩より流れ落ちる衣の表現は圧倒的で、何よりも尊顔が美しい。
切れ長の目に通った鼻筋、キリッと結んだ口元はまさに土門拳が評した、”日本一の美男子”に相応しいお顔でした。
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第4室には立体曼荼羅の如く室生寺金堂の諸仏が一堂に展示されています。
十二神将像、十一面観音菩薩立像は360°拝観。
しかも十二神将像は奈良国立博物館に寄託された2体をも加えた12体全てが揃います。
その他、薬師如来立像、地蔵尾菩薩立像、文殊菩薩立像も真後ろには立てないまでも後姿もしっかりと拝むことが出来る配置。
金堂内では見ることが出来ない後姿や足元の衣表現がかぶりつくように見ることが出来ます。
手の届く位置に躍動感にあふれ、ありとあらゆる表情を見せる十二神将像が立ち並ぶのです。
お像が浮かび上がるように計算されたライティングがその尊容をより美しく、よりユーモラスに、よりエキサイティングに見せてくれます。
ライティングにより十二神将の躍動感あるポーズがさらに躍動感を増し、表情に生命力を与えます。
十一面観音のふくよかな頬のふくらみがより一層と優しさを含んだように量感を持ちます。
後ろへ回り見上げればそこには愛らしい暴悪大笑面が。
おおよそ堂内では見ることが叶わないお姿があちこちにといらっしゃいます。
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十二神将の各所に残る彩色を見止め、柔らかく美しく躍動するユーモアさえ感じるポージングを360°で見て回る。
勇猛であり、ニヒルであり、キュートであり、聡明であり、果敢である、あらゆる表情を見て回ることが出来る、生命力あふれた12体の神将像から生きる力と未来を感じ取れる気がしました。
金堂では見れない菩薩像、如来像の深く刻まれた足元の衣紋表現を確認して回る。
その量感ある肉付きを横から後ろから見て回る。
そして深く半眼に伏した慈悲深き瞳にこれ以上ないくらいの優しさを感じました。
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どの展示室を見てもとにかく凄い。多くの人に訪れてもらいたい。
そこには無意識のうちに手を合わせてしまう慈悲深い仏たちと、生き生きとした生命力の躍動を奮い立たせてくれる諸仏が所狭しと並んで知る。
仙台市博物館
東日本大震災復興祈念特別展「奈良・国宝 室生寺の仏たち」
会期 : 7月4日~8月24日
開館時間 : 午前9時~午後4時45分
休館日 : 月曜日
一般1400円
大学・高校生1100円
小・中学生700円

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仏像リンク主催!山形宮城仏オフツアー!ダイジェスト速報
7月12日、13日と2日間に渡って仏像リンク様主催の山形宮城仏オフツアーに参加してきました。
前回の茨城ツアー、前々回の東京・神奈川に続いて3度目の参加でしたが、今回は初の2日に渡る宿泊ツアーでした。
朝の8時40分に東京駅へ集合し、そこからバスで一路宮城県へ。
1寺目は宮城県角田市の勝楽山 高蔵寺。
こちらで拝観させて頂いたのは国の重要文化財に指定された平安後期から鎌倉期へかけての丈六阿弥陀如来坐像。
堂内いっぱいに堂々と坐された非常に厳しいお顔をされた威厳たっぷりな方でした。
また、脇には多数の破損仏が。。。
その中にはご本尊の阿弥陀様より5、60年ほど古い阿弥陀如来坐像も。
各部が破損し失われていることで寄木造りの仕組みが良く見て取れます。

2寺目に高蔵寺のご住職にご案内いただいて小針薬師堂へ。
鎌倉中期 建長6年の年号がある薬師如来坐像が安置され、10名ほどに分かれて順番に堂内へ入り拝観させて頂きました。
ここで出会った薬師如来坐像がこの日もっとも心に来た仏様となりました。
頭の大きな地方古仏薬師如来像で非常に印象的でグッとくる圧が物凄い方でした。
周りもザワザワみんな凄い凄いと顔を見合わせてしまいましたね。

3寺目は宮城県柴田町の大光院。
こちらでは「発汗(あせかき)如来」と呼ばれる阿弥陀如来坐像4体を拝観。
前回ツアーでも鉄仏に出会いましたが、この阿弥陀様4体も鉄仏。
元は五智如来として祀られていたそうですが、現在は1体が失われ4体でお祀りされています。
お地蔵様のように赤い頭巾に前掛けをかけられて非常に可愛らしい印象でした。

そしてこの日最後に訪れたのは山形県山形市鮨洗の宝積院。
ずっと前から会いたかった檀像十一面観音立像でムッチムチの量感たっぷりの方で、海住山寺の十一面観音さんが太った感じ。
像高は52cmほどで小さな方でした。 ガラス越しの拝観だったんですが目の前で見れたので大満足。
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この日の拝観は以上となり宿泊するホテルへと向かい夜は親睦会へとなだれ込みます。
拝観中にはあまりお話しできなかった方ともいろんな話をたくさんすることが出来ましたし、めっちゃ有意義な時間を過ごしました。
次の日の朝は少し二日酔い気味でしたが(^^;
2日目は早朝拝観の為、早起きして慈恩寺へ向かいます。
今ツアーのメインイベントで仏像が目白押しで、しかも物凄い仏像だらけ。
ご本尊の弥勒菩薩を釈迦如来、地蔵菩薩、不動明王、降三世明王が取り囲む空間は異質で物凄いオーラでした。
他にも非常に美しく儚い欠け仏、菩薩坐像は心を締め付けられるような美しさで、守ってもらう側の僕の方が守ってあげたいと思ってしまう儚さを感じました。
十二神将像の筋骨隆々の躍動感は今まで見た十二神将の中でも1番かもしれない。
もう書き綺麗ほどの仏像がいらっしゃいました。
_convert_20140717132216.jpg)
次に訪れたのは山形県寒河江市平塩の熊野神社と平塩寺。
この二つは並んで立っているので、2班に分かれて交互に見る形。
熊野神社には大きな十王坐像が2体いらっしゃいました。
威圧的な表情にも見える力強いお顔で迫力満点。
夫婦の神像かもしれないとの説もあるそうで、なかなかに妖しい雰囲気に包まれる空間でした。

平塩寺では阿弥陀三尊像を拝観。
慈悲深く美しい三尊像でした。
特に勢至菩薩像のお顔は本当に尊い美しさでウットリしてしまいます。
鎌倉以降のお像だと思ういますが、優美で本当に静かに綺麗な方々でした。

そして山形市釈迦堂の法来寺では清凉寺式釈迦如来立像を。
閉じられたお厨子が開く瞬間はまるで記者会見の様な状態。
表れた釈迦如来像は素晴らしい造形美で、衣文線の美しさは暗がりの中で遠目に見てもはっきりと分かる美しさ。
お顔も凛々しくてやっぱり清凉寺式釈迦、手が大きい。
お厨子も立派で素晴らしく、薄明かりの中に浮かび上がる釈迦如来の美しさは本当に素晴らしかった。

山形最後のお寺は松尾山観音。
このツアーで最も鳥肌が立った瞬間が訪れます。
こちらも法来寺さんと同じで訪れた際はお厨子が閉じられており、ご住職の手によって扉が開かれます。
表れたのは3mを超える2体の観音像。
手先を失われていたり、お腹に大きな傷があったり、足元は割れて朽ちていたりと痛々しいお姿ではあるのですが、
神木的な神々しさと大切に拝まれてきた信仰心の塊がそのまま仏の姿になったような圧倒的に心に訴えかけてくる観音像でした。

最後は宮城県へ戻ってきての仙台市博物館。
7月4日から催されている「室生寺展」へ行ってきました。
東日本大震災復興祈念特別展と銘打たれた展覧会で、その復興を祈念したものであるが、
室生寺は1998年に台風により五重塔が大きな被害を受けました。
全国からの篤い支援によりわずか2年で復元された五重塔。自然災害により大きなダメージを受けても人々の温かい支援があれば、やがては必ず立ち直ることが出来る。そのことを身を持って体験された室生寺からの東北への恩返し、復興支援がこの室生寺展です。
室生寺に安置されるおおよそほとんどの仏像が出展されるという展覧会で、室生寺ではお堂が空の状態にまでなっています。
そこまでしても東北の復興を願った室生寺の心がいっぱいに詰まった展覧会でした。
「室生寺展」に関しましては詳細を近々UPする予定です。
![IMG_7896[1]_convert_20140717131703](http://blog-imgs-65.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/201407171326012f6.jpg)
大まかに今回のツアーを振り返って見ましたが、思い出すだけでもボーっとしてしまい心ここにあらず状態になってしまう素晴らしいツアーでした。
記事を書いてるうちも思い出して目頭が熱くなってくるような、感動が蘇って仕方ありません。
各寺院さんの詳細は後日、少しずつ更新していきたいと思いますので宜しくお願いします。
主催して下さったよっくん、参加されました仏友の方々、今ツアーの為にお堂を開いて下さった寺社関係者様、本当にありがとうございました。
当日の参加者様によるTwitterの纏めがありますので、そちらをご確認いただくとより一層このツアーの詳細や興奮が感じれるのではと思います。
まとめて下さったカレー大好きフクさんありがとうございます、お疲れ様でした。
山形宮城仏オフ まとめ(仏像リンク主催)

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前回の茨城ツアー、前々回の東京・神奈川に続いて3度目の参加でしたが、今回は初の2日に渡る宿泊ツアーでした。
朝の8時40分に東京駅へ集合し、そこからバスで一路宮城県へ。
1寺目は宮城県角田市の勝楽山 高蔵寺。
こちらで拝観させて頂いたのは国の重要文化財に指定された平安後期から鎌倉期へかけての丈六阿弥陀如来坐像。
堂内いっぱいに堂々と坐された非常に厳しいお顔をされた威厳たっぷりな方でした。
また、脇には多数の破損仏が。。。
その中にはご本尊の阿弥陀様より5、60年ほど古い阿弥陀如来坐像も。
各部が破損し失われていることで寄木造りの仕組みが良く見て取れます。

2寺目に高蔵寺のご住職にご案内いただいて小針薬師堂へ。
鎌倉中期 建長6年の年号がある薬師如来坐像が安置され、10名ほどに分かれて順番に堂内へ入り拝観させて頂きました。
ここで出会った薬師如来坐像がこの日もっとも心に来た仏様となりました。
頭の大きな地方古仏薬師如来像で非常に印象的でグッとくる圧が物凄い方でした。
周りもザワザワみんな凄い凄いと顔を見合わせてしまいましたね。

3寺目は宮城県柴田町の大光院。
こちらでは「発汗(あせかき)如来」と呼ばれる阿弥陀如来坐像4体を拝観。
前回ツアーでも鉄仏に出会いましたが、この阿弥陀様4体も鉄仏。
元は五智如来として祀られていたそうですが、現在は1体が失われ4体でお祀りされています。
お地蔵様のように赤い頭巾に前掛けをかけられて非常に可愛らしい印象でした。

そしてこの日最後に訪れたのは山形県山形市鮨洗の宝積院。
ずっと前から会いたかった檀像十一面観音立像でムッチムチの量感たっぷりの方で、海住山寺の十一面観音さんが太った感じ。
像高は52cmほどで小さな方でした。 ガラス越しの拝観だったんですが目の前で見れたので大満足。
_convert_20140717132209.jpg)
この日の拝観は以上となり宿泊するホテルへと向かい夜は親睦会へとなだれ込みます。
拝観中にはあまりお話しできなかった方ともいろんな話をたくさんすることが出来ましたし、めっちゃ有意義な時間を過ごしました。
次の日の朝は少し二日酔い気味でしたが(^^;
2日目は早朝拝観の為、早起きして慈恩寺へ向かいます。
今ツアーのメインイベントで仏像が目白押しで、しかも物凄い仏像だらけ。
ご本尊の弥勒菩薩を釈迦如来、地蔵菩薩、不動明王、降三世明王が取り囲む空間は異質で物凄いオーラでした。
他にも非常に美しく儚い欠け仏、菩薩坐像は心を締め付けられるような美しさで、守ってもらう側の僕の方が守ってあげたいと思ってしまう儚さを感じました。
十二神将像の筋骨隆々の躍動感は今まで見た十二神将の中でも1番かもしれない。
もう書き綺麗ほどの仏像がいらっしゃいました。
_convert_20140717132216.jpg)
次に訪れたのは山形県寒河江市平塩の熊野神社と平塩寺。
この二つは並んで立っているので、2班に分かれて交互に見る形。
熊野神社には大きな十王坐像が2体いらっしゃいました。
威圧的な表情にも見える力強いお顔で迫力満点。
夫婦の神像かもしれないとの説もあるそうで、なかなかに妖しい雰囲気に包まれる空間でした。

平塩寺では阿弥陀三尊像を拝観。
慈悲深く美しい三尊像でした。
特に勢至菩薩像のお顔は本当に尊い美しさでウットリしてしまいます。
鎌倉以降のお像だと思ういますが、優美で本当に静かに綺麗な方々でした。

そして山形市釈迦堂の法来寺では清凉寺式釈迦如来立像を。
閉じられたお厨子が開く瞬間はまるで記者会見の様な状態。
表れた釈迦如来像は素晴らしい造形美で、衣文線の美しさは暗がりの中で遠目に見てもはっきりと分かる美しさ。
お顔も凛々しくてやっぱり清凉寺式釈迦、手が大きい。
お厨子も立派で素晴らしく、薄明かりの中に浮かび上がる釈迦如来の美しさは本当に素晴らしかった。

山形最後のお寺は松尾山観音。
このツアーで最も鳥肌が立った瞬間が訪れます。
こちらも法来寺さんと同じで訪れた際はお厨子が閉じられており、ご住職の手によって扉が開かれます。
表れたのは3mを超える2体の観音像。
手先を失われていたり、お腹に大きな傷があったり、足元は割れて朽ちていたりと痛々しいお姿ではあるのですが、
神木的な神々しさと大切に拝まれてきた信仰心の塊がそのまま仏の姿になったような圧倒的に心に訴えかけてくる観音像でした。

最後は宮城県へ戻ってきての仙台市博物館。
7月4日から催されている「室生寺展」へ行ってきました。
東日本大震災復興祈念特別展と銘打たれた展覧会で、その復興を祈念したものであるが、
室生寺は1998年に台風により五重塔が大きな被害を受けました。
全国からの篤い支援によりわずか2年で復元された五重塔。自然災害により大きなダメージを受けても人々の温かい支援があれば、やがては必ず立ち直ることが出来る。そのことを身を持って体験された室生寺からの東北への恩返し、復興支援がこの室生寺展です。
室生寺に安置されるおおよそほとんどの仏像が出展されるという展覧会で、室生寺ではお堂が空の状態にまでなっています。
そこまでしても東北の復興を願った室生寺の心がいっぱいに詰まった展覧会でした。
「室生寺展」に関しましては詳細を近々UPする予定です。
![IMG_7896[1]_convert_20140717131703](http://blog-imgs-65.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/201407171326012f6.jpg)
大まかに今回のツアーを振り返って見ましたが、思い出すだけでもボーっとしてしまい心ここにあらず状態になってしまう素晴らしいツアーでした。
記事を書いてるうちも思い出して目頭が熱くなってくるような、感動が蘇って仕方ありません。
各寺院さんの詳細は後日、少しずつ更新していきたいと思いますので宜しくお願いします。
主催して下さったよっくん、参加されました仏友の方々、今ツアーの為にお堂を開いて下さった寺社関係者様、本当にありがとうございました。
当日の参加者様によるTwitterの纏めがありますので、そちらをご確認いただくとより一層このツアーの詳細や興奮が感じれるのではと思います。
まとめて下さったカレー大好きフクさんありがとうございます、お疲れ様でした。
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大阪府・堺市博物館「法道寺の至宝展の巻き」
常光寺から車で30分ほど、次に訪れたのは堺市博物館。
こちらでは堺市南東部・上神谷地区にある法道寺の寺宝を一堂に会した「法道寺の至宝展」が催されていました。
寺宝の一つである重要文化財・十六羅漢像十六幅が、国・府・市の補助金を得て六年の歳月をかけて修復された、その完成記念として催されたものです。
過去にも法道寺の寺宝については堺市博物館にて特別展が催されてきたそうですが、今回の特別展示はその集大成となるような、法道寺の寺宝のほぼ全容を紹介する内容となっています。

まず展示場へ入って飛び込んでくるのは寺名にもなっている法道仙人奇像。
見た瞬間には役行者像かと思いましたが、役行者像が錫杖を持っていることが多いのに対し、法道仙人は鉄の宝鉢を持たれています。
そのことから空鉢(くはつ)、空鉢仙人(からはちせんにん)とも呼ばれています。
元はインド出身の僧で、推古天皇の時代、6~7世紀に日本へと渡ってきたとされます。
播磨国、現在の兵庫県の産学一体に開山、開基として名を残しますが、本当の事跡や没年、墓所などすべて不明で、伝わっているのはその名前と仙術にまつわる伝説ばかり。
実在したのか?とも疑問視されることもあるそうですが、日本に渡るときに共に渡ったされる牛頭天王は姫路市にある広峰神社に祀られ、その後現在は八坂神社中の座に祭られたとされていることから、播磨国が法道仙人と関わりが深い事は間違いないそうで。
寺院のみならず、この地にある不思議な自然物なども法道仙人と結び付けて伝えられていることは、この地に確かな法道信仰があったことを示します。
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その後続々と続く仏像の展示。
法道寺は金堂須弥壇に本尊として薬師如来が3体祀られているそうですが、その3体ともがお出ましになっていました。
まずは中尊として祀られている薬師如来坐像で、顔、胸、そして施無畏印の右手に後補の金箔が見える方。
堂内では脇侍に日光月光菩薩を従えているそうです。
肩幅が広く穏やかな体躯で薄く綺麗に規則的に流れる衣文線は平安後期の特徴を見せてくれます。
上に組んだ左足のかかとを衣に包む衣の表現が優しくて綺麗です。
ヒノキ材の一木割矧ぎ造りで彫眼、像高は62cm。
3体の中で最も衣文線の美しい薬師如来でした。
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並んで堂内では須弥壇向かって右に安置される薬師如来坐像。
薄目で見据える力強い不思議な目をされた薬師如来。
中尊よりは小さな体躯で、どことなくバランスに欠ける印象。
衣文線はやや硬く地方佛的な印象も。
頭部は寄木造りで体幹部は一木造りであることから、元々は別の像が組み合わさったのではないかとの事。
像高は59.2cm。
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須弥壇向かって左に安置されているという薬師如来坐像はもっとも端正な顔立ちで、
定朝様を感じさせる薬師如来でした。
体躯の肉付きも良く、衣文線も柔らかで磨滅が見られ薄れているものの、
体の肉付きが見て取れる柔らかさでした。
ヒノキ材の一木割剥ぎ造り、像高51cm。
_convert_20140710173203.jpg)
展示室中央に展示された胎蔵界大日如来像は非常に地方的で丸々とした顔に大きな団子鼻。
強く結んだ口元なども、その表情を特異なものにしているように感じました。
ある時期に大きな改変が加えられたのであろうとの事で当時の尊名は不明。
宝冠阿弥陀との考えもあるそうですが、阿弥陀如来であれば印相は指を結んだ阿弥陀定印となるはず。
しかし、大日如来ならば衲衣ではなく、条帛と裳を着す。
いろいろな考察があった上で、今回の展示では法界定印の印相から胎蔵界の大日如来として展示されたそうです。
非常に面白いと感じる造形の考察で、言われなければ僕なんかは気づかずに胎蔵界大日如来かぁ珍しいなぁとそれだけで、大日如来としての衣の表現にまで考えは及ばなかったでしょう。
_convert_20140710173241.jpg)
そして恐らくこの大日如来と並んでいたか。。。近辺に展示されていた阿弥陀如来立像(展示順の記憶が曖昧になってる(笑)
両手両足の先を除き、両袖から垂下する薄い衣までを一材から彫りだす一木造りで、目は彫眼、肉身部には白土地が残る。
また、台座や舟形光背まで当初の物であるとの事で、二重円光の周縁部に施された蓮華唐草の透かし彫りや衣の袖口などからも、薄彫りの技術に長けた仏師の作であると考えられています。
衣の造形は非常に薄くて磨滅も進み木目が浮き出ていますが、全体的に大らかなゆったり優しい印象を受ける阿弥陀様ですね。
朽ちた感がありますが、一木より彫りだされ光背も現存する姿に、大きな信仰の力、信仰の厚さを感じてグっときます。
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そして一列に整然と陳列された十二神将像。
鎌倉時代の作と考えられ、一木割剥ぎ造りの玉眼嵌め込み、像高は70cm前後。
胴長でぎこちない動作も目立ちますが個人的には子神、寅神、午神、酉神の造形が躍動感に富み、顔の筋肉の表現や表情、衣の捻じれ波の表現が素晴らしく感じました。
十二体全てが揃って展示されているのも爽快で見応えあります。
慶派の造像と考えられている優れた十二神将が一列に並んで踊るさまはカッコ良くてうんうんうんと何度も頷いてしまう満足感。
_convert_20140710173218.jpg)
_convert_20140710173224.jpg)
展示された仏像の中で最も洗練されていたのが現在、食堂に安置されているという平安後期の阿弥陀如来坐像。
ヒノキ材の一木割剥ぎ造りで、彫眼。
堂々とした体躯に品のある非常に美しい定朝様を示す阿弥陀様です。
特徴的なのは八角形裳懸坐に坐し、八方に裳を垂らします。
同様の例は滋賀県・金胎寺像や京都・三千院像など数例が知られるのみで、非常に洗練された像であることから当時でも一線で活躍した仏師の作であろうと考えられています。
本当に美しくて瞑想的で品のある阿弥陀如来坐像です。
_convert_20140710173247.jpg)
ざっと仏像を追いかけていきましたが、訪れる前の期待をはるかに超える内容で驚きました。
ご本尊の三薬師が全てお出ましになり、十二神将も勢揃い、また多宝塔や食堂などからも尊像がお出ましになるなど、過去の法道寺展の集大成と謳うに相応しい大満足の内容でした。
危うく見逃すところでしたが、訪れることが出来て良かった。
※仏像写真は全て図録より
堺市博物館
大阪府堺市堺区百舌鳥夕雲町2丁 大仙公園内
駐車場 : 大仙公園仁徳御陵駐車場(有料)

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こちらでは堺市南東部・上神谷地区にある法道寺の寺宝を一堂に会した「法道寺の至宝展」が催されていました。
寺宝の一つである重要文化財・十六羅漢像十六幅が、国・府・市の補助金を得て六年の歳月をかけて修復された、その完成記念として催されたものです。
過去にも法道寺の寺宝については堺市博物館にて特別展が催されてきたそうですが、今回の特別展示はその集大成となるような、法道寺の寺宝のほぼ全容を紹介する内容となっています。

まず展示場へ入って飛び込んでくるのは寺名にもなっている法道仙人奇像。
見た瞬間には役行者像かと思いましたが、役行者像が錫杖を持っていることが多いのに対し、法道仙人は鉄の宝鉢を持たれています。
そのことから空鉢(くはつ)、空鉢仙人(からはちせんにん)とも呼ばれています。
元はインド出身の僧で、推古天皇の時代、6~7世紀に日本へと渡ってきたとされます。
播磨国、現在の兵庫県の産学一体に開山、開基として名を残しますが、本当の事跡や没年、墓所などすべて不明で、伝わっているのはその名前と仙術にまつわる伝説ばかり。
実在したのか?とも疑問視されることもあるそうですが、日本に渡るときに共に渡ったされる牛頭天王は姫路市にある広峰神社に祀られ、その後現在は八坂神社中の座に祭られたとされていることから、播磨国が法道仙人と関わりが深い事は間違いないそうで。
寺院のみならず、この地にある不思議な自然物なども法道仙人と結び付けて伝えられていることは、この地に確かな法道信仰があったことを示します。
_convert_20140710173303.jpg)
その後続々と続く仏像の展示。
法道寺は金堂須弥壇に本尊として薬師如来が3体祀られているそうですが、その3体ともがお出ましになっていました。
まずは中尊として祀られている薬師如来坐像で、顔、胸、そして施無畏印の右手に後補の金箔が見える方。
堂内では脇侍に日光月光菩薩を従えているそうです。
肩幅が広く穏やかな体躯で薄く綺麗に規則的に流れる衣文線は平安後期の特徴を見せてくれます。
上に組んだ左足のかかとを衣に包む衣の表現が優しくて綺麗です。
ヒノキ材の一木割矧ぎ造りで彫眼、像高は62cm。
3体の中で最も衣文線の美しい薬師如来でした。
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並んで堂内では須弥壇向かって右に安置される薬師如来坐像。
薄目で見据える力強い不思議な目をされた薬師如来。
中尊よりは小さな体躯で、どことなくバランスに欠ける印象。
衣文線はやや硬く地方佛的な印象も。
頭部は寄木造りで体幹部は一木造りであることから、元々は別の像が組み合わさったのではないかとの事。
像高は59.2cm。
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須弥壇向かって左に安置されているという薬師如来坐像はもっとも端正な顔立ちで、
定朝様を感じさせる薬師如来でした。
体躯の肉付きも良く、衣文線も柔らかで磨滅が見られ薄れているものの、
体の肉付きが見て取れる柔らかさでした。
ヒノキ材の一木割剥ぎ造り、像高51cm。
_convert_20140710173203.jpg)
展示室中央に展示された胎蔵界大日如来像は非常に地方的で丸々とした顔に大きな団子鼻。
強く結んだ口元なども、その表情を特異なものにしているように感じました。
ある時期に大きな改変が加えられたのであろうとの事で当時の尊名は不明。
宝冠阿弥陀との考えもあるそうですが、阿弥陀如来であれば印相は指を結んだ阿弥陀定印となるはず。
しかし、大日如来ならば衲衣ではなく、条帛と裳を着す。
いろいろな考察があった上で、今回の展示では法界定印の印相から胎蔵界の大日如来として展示されたそうです。
非常に面白いと感じる造形の考察で、言われなければ僕なんかは気づかずに胎蔵界大日如来かぁ珍しいなぁとそれだけで、大日如来としての衣の表現にまで考えは及ばなかったでしょう。
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そして恐らくこの大日如来と並んでいたか。。。近辺に展示されていた阿弥陀如来立像(展示順の記憶が曖昧になってる(笑)
両手両足の先を除き、両袖から垂下する薄い衣までを一材から彫りだす一木造りで、目は彫眼、肉身部には白土地が残る。
また、台座や舟形光背まで当初の物であるとの事で、二重円光の周縁部に施された蓮華唐草の透かし彫りや衣の袖口などからも、薄彫りの技術に長けた仏師の作であると考えられています。
衣の造形は非常に薄くて磨滅も進み木目が浮き出ていますが、全体的に大らかなゆったり優しい印象を受ける阿弥陀様ですね。
朽ちた感がありますが、一木より彫りだされ光背も現存する姿に、大きな信仰の力、信仰の厚さを感じてグっときます。
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そして一列に整然と陳列された十二神将像。
鎌倉時代の作と考えられ、一木割剥ぎ造りの玉眼嵌め込み、像高は70cm前後。
胴長でぎこちない動作も目立ちますが個人的には子神、寅神、午神、酉神の造形が躍動感に富み、顔の筋肉の表現や表情、衣の捻じれ波の表現が素晴らしく感じました。
十二体全てが揃って展示されているのも爽快で見応えあります。
慶派の造像と考えられている優れた十二神将が一列に並んで踊るさまはカッコ良くてうんうんうんと何度も頷いてしまう満足感。
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展示された仏像の中で最も洗練されていたのが現在、食堂に安置されているという平安後期の阿弥陀如来坐像。
ヒノキ材の一木割剥ぎ造りで、彫眼。
堂々とした体躯に品のある非常に美しい定朝様を示す阿弥陀様です。
特徴的なのは八角形裳懸坐に坐し、八方に裳を垂らします。
同様の例は滋賀県・金胎寺像や京都・三千院像など数例が知られるのみで、非常に洗練された像であることから当時でも一線で活躍した仏師の作であろうと考えられています。
本当に美しくて瞑想的で品のある阿弥陀如来坐像です。
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ざっと仏像を追いかけていきましたが、訪れる前の期待をはるかに超える内容で驚きました。
ご本尊の三薬師が全てお出ましになり、十二神将も勢揃い、また多宝塔や食堂などからも尊像がお出ましになるなど、過去の法道寺展の集大成と謳うに相応しい大満足の内容でした。
危うく見逃すところでしたが、訪れることが出来て良かった。
※仏像写真は全て図録より
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大阪府・常光寺「特別開帳!ご本尊地蔵菩薩立像!の巻き」
6月4日拝観。
この日は大阪・滋賀の美博物館の特別展を拾っていく時間との勝負!
大阪は八尾市の歴史民俗資料館「大坂の陣と常光寺展」からその常光寺で同時に催されていた御本尊特別公開へ行き、堺市博物館「法道寺の至宝」展を巡り、
一路滋賀県へと飛んで安土城博物館「安土城への道展」、米原市の近江はにわ館で「伊吹山の仏教美術展」、そして高月観音の里歴史民俗資料館「戦火のホトケたち展」を。
最後に福井県歴史博物館で中手の観音菩薩特別展示を見たかったんですが流石に時間勝負に負けてしまい、訪れることが出来ませんでした。
さて!そんなわけでまず訪れたのは八尾市。
八尾市は1615年5月に起きた大坂夏の陣八尾・若江の戦いの激戦地であり、常光寺門前は徳川方・藤堂高虎軍と豊臣方・長宗我部盛親軍とが合戦し、双方とも多くの戦死者を出しました。
その戦いから400年、歴史都市八尾プロジェクトの企画として、八尾市歴史博物館では「大坂夏の陣と常光寺」が催され、常光寺では「大坂夏の陣 蘇る八尾の戦い 常光寺」として御本尊のご開帳が行われました。



常光寺ですが、開創は奈良時代の初め、聖武天皇の勅願で行基菩薩が創建したと伝わります。
平安時代中期に白河法皇が本尊・地蔵菩薩の霊験高らかな噂を聞き、高野山参詣の折りに立ち寄られたとの事。
この頃は「新堂寺」と称されていましたが、後の後白河法皇より「初日山 常光寺」と改名されます。

その霊験高らかな地蔵菩薩立像ですが、市指定文化財で像高160cm法丈160cmで寄木造り。
寺伝によると、小野篁(おののたかむら)が彫った地蔵像と伝わりますが、像様から室町前期頃の作であると考えられているそうです。
須弥壇お厨子に安置されお顔の前には幕があるので。。。なかなかお顔の確認は出来ず。
しゃがみこんで見上げるとなんとか見えるんですが詳細は分からず。
面長だなぁという感想くらいか。
腹回りの衣文が不規則に折り返し複雑な衣文線が現れているのに目が行きました。
しかしなかなか全体像がつかめず詳細は八尾市観光データベースからどうぞ(笑)

また他にも市指定の文化財である毘沙門天像がいらっしゃっるとの事でしたが、ご本尊向かって右奥にいらっしゃるようでシルエットしか確認できず。
八尾市文化財情報システムによると鎌倉期の良仏なので是非見たかったんですが叶わず。。。
阿弥陀堂にはまばゆく光る中品中生院を結ぶ阿弥陀如来坐像と藤堂高虎と家臣71士位牌が安置され、本堂廊下には長曽我部方戦死者の首を廊下に並べ、高虎が首実検をしたといい、後に板を天井に上げ、血天井として保存されていたりと見どころは他にも。
また、境内には藤堂家家老の墓が残されています。



初日山 常光寺(じょうこうじ)
大阪府八尾市本町5-8-1
TEL : 072-922-7749
拝観 : 秘仏
駐車場 : 無し

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この日は大阪・滋賀の美博物館の特別展を拾っていく時間との勝負!
大阪は八尾市の歴史民俗資料館「大坂の陣と常光寺展」からその常光寺で同時に催されていた御本尊特別公開へ行き、堺市博物館「法道寺の至宝」展を巡り、
一路滋賀県へと飛んで安土城博物館「安土城への道展」、米原市の近江はにわ館で「伊吹山の仏教美術展」、そして高月観音の里歴史民俗資料館「戦火のホトケたち展」を。
最後に福井県歴史博物館で中手の観音菩薩特別展示を見たかったんですが流石に時間勝負に負けてしまい、訪れることが出来ませんでした。
さて!そんなわけでまず訪れたのは八尾市。
八尾市は1615年5月に起きた大坂夏の陣八尾・若江の戦いの激戦地であり、常光寺門前は徳川方・藤堂高虎軍と豊臣方・長宗我部盛親軍とが合戦し、双方とも多くの戦死者を出しました。
その戦いから400年、歴史都市八尾プロジェクトの企画として、八尾市歴史博物館では「大坂夏の陣と常光寺」が催され、常光寺では「大坂夏の陣 蘇る八尾の戦い 常光寺」として御本尊のご開帳が行われました。



常光寺ですが、開創は奈良時代の初め、聖武天皇の勅願で行基菩薩が創建したと伝わります。
平安時代中期に白河法皇が本尊・地蔵菩薩の霊験高らかな噂を聞き、高野山参詣の折りに立ち寄られたとの事。
この頃は「新堂寺」と称されていましたが、後の後白河法皇より「初日山 常光寺」と改名されます。

その霊験高らかな地蔵菩薩立像ですが、市指定文化財で像高160cm法丈160cmで寄木造り。
寺伝によると、小野篁(おののたかむら)が彫った地蔵像と伝わりますが、像様から室町前期頃の作であると考えられているそうです。
須弥壇お厨子に安置されお顔の前には幕があるので。。。なかなかお顔の確認は出来ず。
しゃがみこんで見上げるとなんとか見えるんですが詳細は分からず。
面長だなぁという感想くらいか。
腹回りの衣文が不規則に折り返し複雑な衣文線が現れているのに目が行きました。
しかしなかなか全体像がつかめず詳細は八尾市観光データベースからどうぞ(笑)

また他にも市指定の文化財である毘沙門天像がいらっしゃっるとの事でしたが、ご本尊向かって右奥にいらっしゃるようでシルエットしか確認できず。
八尾市文化財情報システムによると鎌倉期の良仏なので是非見たかったんですが叶わず。。。
阿弥陀堂にはまばゆく光る中品中生院を結ぶ阿弥陀如来坐像と藤堂高虎と家臣71士位牌が安置され、本堂廊下には長曽我部方戦死者の首を廊下に並べ、高虎が首実検をしたといい、後に板を天井に上げ、血天井として保存されていたりと見どころは他にも。
また、境内には藤堂家家老の墓が残されています。



初日山 常光寺(じょうこうじ)
大阪府八尾市本町5-8-1
TEL : 072-922-7749
拝観 : 秘仏
駐車場 : 無し

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高知県・大日寺「四国最大級の大日如来!並ぶ平安後期の観音菩薩像!の巻き」
5月19日の四国巡りもいよいよ最後のお寺。
向かったのは28番大日寺で、竹林寺からは15~20kmほどで車で20分ほど。
こちらに安置されているのは国の重要文化財に指定されている大日如来坐像と聖観音菩薩立像。
共に平安後期の作風を示す像との事で非常に楽しみに向かいました。

大日寺。
聖武天皇の勅願により行基菩薩がご本尊の大日如来像を彫造し、安置して開創されたと伝えられる。
その後、弘仁6年弘法大師によって再興されるも、明治4年の廃仏毀釈により廃寺となるも明治17年に再興され現在に至っています。

今回特別に公開させる大日如来坐像と聖観音菩薩立像は本堂の裏手の仏間?に安置され仏間の前より幕越しに拝観させて頂きました。
幕がかかってはいますが前に座して見ますので特に気になることはなく明かりも十分でしたのでしっかりと尊様を確認することが出来ました。
大日如来坐像。
国の重要文化財に指定され、ヒノキ材の寄木造りで像高は146cm。
四国中国地方では最大級の大きさ。
胸前で智拳印を結ぶ金剛界の大日如来で、なかなかに力強いというか厳しめなお顔。
身体も力強く若々しさが溢れ堂々とされた方でした。
衣文の流れは綺麗に流れ出し整然と美しかったですね。
体の張りもあって力強く厳しい表情をされていたので平安後期よりももっと古いような気もしました。
素晴らしい大日如来坐像でしたよ!
聖観音菩薩立像。
こちらも国の重要文化財で、こちらはヒノキの一木造り。
像高は171cmでいかにも平安後期の観音像という感じでした。
右手は垂下して手首を捻り手の甲を前に見せ、中指、薬指と親指を結ぶ印をされています。
手首を捻り人差し指と小指を伸ばす造形に優しさと美しさを感じます。
ゆったりと優雅で素晴らしいな。
衣文は浅彫りでやわらかくサラッと。
衣の裾からのぞく足は軽やかでチョコチョコと歩き出しそう。
平安後期の菩薩立像を見るといつも思うのが歩く姿はきっとチャップリンの様だろうなと(笑)
腰つきと裾からのぞく足首の感じにそんな雰囲気を感じてしまうのです(笑)




この日巡ったのは4寺。
どれも素晴らしい仏像とご縁を頂き見応えがありました。
まだまだ特別開帳されているお寺がたくさんあるので各地を巡りたいのですが、秋にも今回巡った4寺がご開帳されているので、もう一度巡りたいと思ってしまう素晴らしさでした。
ん~~~どうするか考え中悩み中です。
どうしたもんかなぁ~。。。
仏像のお姿は神奈川仏教文化研究所 様でUPして下さっています。
法界山高照院 大日寺
高知県香美郡野市町母代寺476
TEL : 088-756-0638
拝観 : 秘仏 秋季公開 2014年10/21~11/28
駐車場 : 有り

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向かったのは28番大日寺で、竹林寺からは15~20kmほどで車で20分ほど。
こちらに安置されているのは国の重要文化財に指定されている大日如来坐像と聖観音菩薩立像。
共に平安後期の作風を示す像との事で非常に楽しみに向かいました。

大日寺。
聖武天皇の勅願により行基菩薩がご本尊の大日如来像を彫造し、安置して開創されたと伝えられる。
その後、弘仁6年弘法大師によって再興されるも、明治4年の廃仏毀釈により廃寺となるも明治17年に再興され現在に至っています。

今回特別に公開させる大日如来坐像と聖観音菩薩立像は本堂の裏手の仏間?に安置され仏間の前より幕越しに拝観させて頂きました。
幕がかかってはいますが前に座して見ますので特に気になることはなく明かりも十分でしたのでしっかりと尊様を確認することが出来ました。
大日如来坐像。
国の重要文化財に指定され、ヒノキ材の寄木造りで像高は146cm。
四国中国地方では最大級の大きさ。
胸前で智拳印を結ぶ金剛界の大日如来で、なかなかに力強いというか厳しめなお顔。
身体も力強く若々しさが溢れ堂々とされた方でした。
衣文の流れは綺麗に流れ出し整然と美しかったですね。
体の張りもあって力強く厳しい表情をされていたので平安後期よりももっと古いような気もしました。
素晴らしい大日如来坐像でしたよ!
聖観音菩薩立像。
こちらも国の重要文化財で、こちらはヒノキの一木造り。
像高は171cmでいかにも平安後期の観音像という感じでした。
右手は垂下して手首を捻り手の甲を前に見せ、中指、薬指と親指を結ぶ印をされています。
手首を捻り人差し指と小指を伸ばす造形に優しさと美しさを感じます。
ゆったりと優雅で素晴らしいな。
衣文は浅彫りでやわらかくサラッと。
衣の裾からのぞく足は軽やかでチョコチョコと歩き出しそう。
平安後期の菩薩立像を見るといつも思うのが歩く姿はきっとチャップリンの様だろうなと(笑)
腰つきと裾からのぞく足首の感じにそんな雰囲気を感じてしまうのです(笑)




この日巡ったのは4寺。
どれも素晴らしい仏像とご縁を頂き見応えがありました。
まだまだ特別開帳されているお寺がたくさんあるので各地を巡りたいのですが、秋にも今回巡った4寺がご開帳されているので、もう一度巡りたいと思ってしまう素晴らしさでした。
ん~~~どうするか考え中悩み中です。
どうしたもんかなぁ~。。。
仏像のお姿は神奈川仏教文化研究所 様でUPして下さっています。
法界山高照院 大日寺
高知県香美郡野市町母代寺476
TEL : 088-756-0638
拝観 : 秘仏 秋季公開 2014年10/21~11/28
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高知県・竹林寺「瞬間の奇跡!通り過ぎ行く文殊菩薩の巻き」
奈良の阿倍文殊院、京都の智恩寺と並び日本三文殊の一つに数えられる高知竹林寺。
ご本尊の文殊菩薩像は秘仏となっておりそのお姿を拝めるご開帳は50年に1度。
今年がその年に当たり、同じくして四国霊場開創1200年の年とも重なり僕も四国への仏像拝観を決めました。
竹林寺。
唐の五台山で文殊菩薩から教えを授かる夢を見た時の帝 聖武天皇が五台山に似た霊地を全国より探し出すよう行基菩薩に命じます。
そして高知のこの地が霊地であると感得した行基菩薩は栴檀の木に文殊菩薩像を刻み、山上に堂宇を建立して安置したという。



僕が訪れたのはお昼頃でしたが、境内は多くの人で賑わいご本尊の文殊菩薩がお祀りされた本堂はかなりの人だかり。
まさしくベルトコンベア状態でご本尊の前を流れに身を任せて"通り過ぎると"いった感じでお姿を拝んでまいりました。
前にとどまったのは2~3分だったでしょうか?ネットなどでもお写真は見当たらないため、その僅かな印象しかありません。
すでにどの様なお姿だったか記憶にないのです(笑)
僕の拝観時のメモによると霊木的な独特の雰囲気と書かれています。
穏やかな表情で、ご開帳に賑わう堂内の騒がしさにも全く動じない揺るぎない静を感じさせてくれるような方でした。
この春のご開帳には鎌倉時代に造られた後補の獅子に乗られていましたが、秋の公開では当初の平安時代の獅子に乗られてご開帳されるとの事。

ではその平安の獅子はこの時どちらにおられたのか?というと、宝物館でお会いすることが出来ました。
宝物館には他にも多数の仏像が安置され、平安時代や鎌倉時代の良作がひしめいていました。
鎌倉時代の迫力ある大威徳明王像に愛染明王、平安時代の持国天・増長天。
頭の大きな厚い唇を持たれた童顔の薬師如来坐像や、鎌倉から室町にかけてとされる丸々とされた胎蔵界の大日如来像など見どころはたくさん。
小仏ながら平安中期ごろの十一面観音も見応えがありました。
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仏像写真はポストカードより
そして平安時代の獅子は。。。。僕のメモによると、"もはや獅子ではなく見た事もない生き物"との走り書きが?!
聞いたこともないような鳴き声を上げそうです(笑)
秋にはこの方がお出ましになり、その背に文殊菩薩像を乗せるのかと思うと大変楽しみな反面、乗せて大丈夫なのかな?という心配もありつつ(笑)
秋にもご縁を頂ける時間を作りたいなぁと計画を練っているところです。






それにしても!もう少しじっくりと見たかったなぁ。。
ベルトコンベアにしても何度か周回出来るような状況なら巡れるんですが、ご本尊の前を過ぎると、文殊菩薩の刀剣に触れさせて頂き堂外へという外に出されてしまう強制ルートなので残念だった!
50年に1度のご開帳、お姿を目に焼き付けること出来ずなので秋にもう一度なんとか訪れる機会を作りたいなぁ。
五台山 竹林寺(ちくりんじ)
高知県五台山3577
TEL : 088-882-3085
拝観 : ご本尊は秘仏
駐車場 : 有り

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ご本尊の文殊菩薩像は秘仏となっておりそのお姿を拝めるご開帳は50年に1度。
今年がその年に当たり、同じくして四国霊場開創1200年の年とも重なり僕も四国への仏像拝観を決めました。
竹林寺。
唐の五台山で文殊菩薩から教えを授かる夢を見た時の帝 聖武天皇が五台山に似た霊地を全国より探し出すよう行基菩薩に命じます。
そして高知のこの地が霊地であると感得した行基菩薩は栴檀の木に文殊菩薩像を刻み、山上に堂宇を建立して安置したという。



僕が訪れたのはお昼頃でしたが、境内は多くの人で賑わいご本尊の文殊菩薩がお祀りされた本堂はかなりの人だかり。
まさしくベルトコンベア状態でご本尊の前を流れに身を任せて"通り過ぎると"いった感じでお姿を拝んでまいりました。
前にとどまったのは2~3分だったでしょうか?ネットなどでもお写真は見当たらないため、その僅かな印象しかありません。
すでにどの様なお姿だったか記憶にないのです(笑)
僕の拝観時のメモによると霊木的な独特の雰囲気と書かれています。
穏やかな表情で、ご開帳に賑わう堂内の騒がしさにも全く動じない揺るぎない静を感じさせてくれるような方でした。
この春のご開帳には鎌倉時代に造られた後補の獅子に乗られていましたが、秋の公開では当初の平安時代の獅子に乗られてご開帳されるとの事。

ではその平安の獅子はこの時どちらにおられたのか?というと、宝物館でお会いすることが出来ました。
宝物館には他にも多数の仏像が安置され、平安時代や鎌倉時代の良作がひしめいていました。
鎌倉時代の迫力ある大威徳明王像に愛染明王、平安時代の持国天・増長天。
頭の大きな厚い唇を持たれた童顔の薬師如来坐像や、鎌倉から室町にかけてとされる丸々とされた胎蔵界の大日如来像など見どころはたくさん。
小仏ながら平安中期ごろの十一面観音も見応えがありました。
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仏像写真はポストカードより
そして平安時代の獅子は。。。。僕のメモによると、"もはや獅子ではなく見た事もない生き物"との走り書きが?!
聞いたこともないような鳴き声を上げそうです(笑)
秋にはこの方がお出ましになり、その背に文殊菩薩像を乗せるのかと思うと大変楽しみな反面、乗せて大丈夫なのかな?という心配もありつつ(笑)
秋にもご縁を頂ける時間を作りたいなぁと計画を練っているところです。






それにしても!もう少しじっくりと見たかったなぁ。。
ベルトコンベアにしても何度か周回出来るような状況なら巡れるんですが、ご本尊の前を過ぎると、文殊菩薩の刀剣に触れさせて頂き堂外へという外に出されてしまう強制ルートなので残念だった!
50年に1度のご開帳、お姿を目に焼き付けること出来ずなので秋にもう一度なんとか訪れる機会を作りたいなぁ。
五台山 竹林寺(ちくりんじ)
高知県五台山3577
TEL : 088-882-3085
拝観 : ご本尊は秘仏
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仏像リンク!茨城仏オフ秘仏ツアーの巻き
6月28日の土曜日、行ってきました仏像リンクの秘仏ツアーへ!
前回の4月19日・東京神奈川のツアーに初めて参加させて頂いてからの2回目!
今回も素晴らしい仏像を巡ってきました。
詳細は追ってアップしていきますがとりあえずは速報を!
どんよりとした曇り空の中、始まりました茨城仏オフ秘仏ツアー。
今回はバスツアーとなっており集合場所には「仏像リンク様」との札を掲げたバスが!素晴らしい。

まずは向かいました1寺目。
今回のメイン仏となる雨引観音こと楽法寺!
八臂の観音立像で不空羂索観音とも考えられているという秘仏とご縁を頂きました。
腰が細くて細くて!お厨子内にいらっしゃるため正面からのお姿しか分かりませんが、横から見ると体幹は薄い方なのでは?!いやいや八臂の腕を有するのだから相応の太さがあるのでは?!なんて意見が飛び交っておりました。
仏像好きが集まって巡るのはこれがあるから面白いし素晴らしい!
いろんな意見や情報、知識があちこちで飛び交っていますw

2寺目は妙法寺。
驚きの即身仏が!
地を這うがごとくに身を屈め大きく口を開けた舜義上人の即身仏が祀られていました。
いや~度肝抜かれますね。
向かう間のバス内でも、見れるの?即身仏見れるの?とみんな鼻息が荒いw
須弥壇には薬師如来の様に見える釈迦と伝わり現在阿弥陀様という時代の移り変わりを経てこられた如来坐像を中尊に脇侍に観音菩薩、伝虚空蔵菩薩を従えて三尊形式でいらっしゃいました。
ご本尊にお参りして。。。と思っていたらご本尊は阿弥陀三尊の後ろ、うっすらと影だけが見える地蔵菩薩立像でした。
ん~凄い配置だ。

舜義上人が即身仏となるために入った棺?の阿弥陀像
3寺目は弥勒教会。
伝運慶と伝わる弥勒仏で衣の表現が非常に素晴らしく流れる流れる。
また、正面から見る瞳は凛々しく力強いんですが側面から拝むお顔の慈悲深い事。
優しい優しい本当に優しい目をされていてうっとりとしてしまいました。
力強さと慈悲深さを持った本当にグっとくる弥勒仏でした。
弥勒菩薩はあっても、弥勒如来の立像って初めて見たかも?

3ヶ寺を巡ってやっとのお昼は2時頃。
おなかペコペコで向かったのはそば処とき。
そば粉の香り舌触りが素晴らしくて美味しかったなぁ~
あれだけお腹減ってたらなんでも美味いという声も。。。
お昼を経て向かった4寺目は来迎院。
教育委員会の方が同行して下さり説明を頂きます。
非常にサーファーチックで教育委員会という肩書きとのギャップにみんな口が開くw
しかし説明は非常にわかりやすくて簡潔。
しかも話を聞けばmixi仏像コミュの会員であるとか!なんて素晴らしいんだ!
で、仏像ですが、茨城県指定文化財の阿弥陀如来坐像を拝観させて頂きました。
頭部の非常に大きな方で下方より仰ぎ見るような環境を想定されて造像されたのでしょうとの事。
頭の大きな、失礼ながらも可愛いなぁとの印象を受けた阿弥陀様でした。
地方佛に会いに来た感があふれる大好きな阿弥陀様でした。

続けて教育委員会の方に案内いただいて5寺目、常陸太田市の鉄造阿弥陀如来立像。
僕にとって今日一となる阿弥陀様です。
お写真はおろか触れることを許されたのです。
触れてもいいとのお言葉を頂いてみんなが触れたのはやはり御手。
僕も触れさせて頂きましたが、衆生の恐れを取り除いて下さる印相、衆生の願いをかなえて下さる印相。
その印に直接触れる機会が訪れようとは夢にも思わず、そっと触れさせて頂いた印から伝わる、気のせいでしょうが温かさを感じめちゃめちゃ心が震えました。

本日最後に訪れたのは菊蓮寺。
大きな千手観音立像に驚きの声を。
階段を上り、見えてきた収蔵庫の扉は開かれており。。。目に飛び込んでくる千手観音の大きさ素晴らしさは圧巻!
うっわぁ~~と声出してしまいました。
ご住職からお聞きした、目の見えない子供が描いた母親の絵の話に涙腺が緩む。。。
その後、本堂へ上がらせて頂き木魚をポクポクポク。。。
楽しい。。。めっちゃ楽しい。。。w

秘仏めぐりを終え、集合場所の池袋へ戻って解散。
その後、カレーのお店BUDDHAへと連れて行っていただき、本当においしいカレーを頂き大満足。
今回のツアーでも各地から集まった仏友の方々と近くなり、どんどん仲良くなれたことがやっぱり一番の縁。
このご縁を頂くための秘仏ツアーでもあるわけで主催者様には感謝しかありません。
次の秘仏ツアーは2週間後の山形ツアー。
もちろん参加させて頂きますし、当ブログでも速報、そしてTwitterでもリアルタイム速報していきます!
主催者様はじめ参加された皆様、秘仏ツアーにご協力頂いた寺院、教育委員会の方々、本当にありがとうございました!

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前回の4月19日・東京神奈川のツアーに初めて参加させて頂いてからの2回目!
今回も素晴らしい仏像を巡ってきました。
詳細は追ってアップしていきますがとりあえずは速報を!
どんよりとした曇り空の中、始まりました茨城仏オフ秘仏ツアー。
今回はバスツアーとなっており集合場所には「仏像リンク様」との札を掲げたバスが!素晴らしい。

まずは向かいました1寺目。
今回のメイン仏となる雨引観音こと楽法寺!
八臂の観音立像で不空羂索観音とも考えられているという秘仏とご縁を頂きました。
腰が細くて細くて!お厨子内にいらっしゃるため正面からのお姿しか分かりませんが、横から見ると体幹は薄い方なのでは?!いやいや八臂の腕を有するのだから相応の太さがあるのでは?!なんて意見が飛び交っておりました。
仏像好きが集まって巡るのはこれがあるから面白いし素晴らしい!
いろんな意見や情報、知識があちこちで飛び交っていますw

2寺目は妙法寺。
驚きの即身仏が!
地を這うがごとくに身を屈め大きく口を開けた舜義上人の即身仏が祀られていました。
いや~度肝抜かれますね。
向かう間のバス内でも、見れるの?即身仏見れるの?とみんな鼻息が荒いw
須弥壇には薬師如来の様に見える釈迦と伝わり現在阿弥陀様という時代の移り変わりを経てこられた如来坐像を中尊に脇侍に観音菩薩、伝虚空蔵菩薩を従えて三尊形式でいらっしゃいました。
ご本尊にお参りして。。。と思っていたらご本尊は阿弥陀三尊の後ろ、うっすらと影だけが見える地蔵菩薩立像でした。
ん~凄い配置だ。

舜義上人が即身仏となるために入った棺?の阿弥陀像
3寺目は弥勒教会。
伝運慶と伝わる弥勒仏で衣の表現が非常に素晴らしく流れる流れる。
また、正面から見る瞳は凛々しく力強いんですが側面から拝むお顔の慈悲深い事。
優しい優しい本当に優しい目をされていてうっとりとしてしまいました。
力強さと慈悲深さを持った本当にグっとくる弥勒仏でした。
弥勒菩薩はあっても、弥勒如来の立像って初めて見たかも?

3ヶ寺を巡ってやっとのお昼は2時頃。
おなかペコペコで向かったのはそば処とき。
そば粉の香り舌触りが素晴らしくて美味しかったなぁ~
あれだけお腹減ってたらなんでも美味いという声も。。。
お昼を経て向かった4寺目は来迎院。
教育委員会の方が同行して下さり説明を頂きます。
非常にサーファーチックで教育委員会という肩書きとのギャップにみんな口が開くw
しかし説明は非常にわかりやすくて簡潔。
しかも話を聞けばmixi仏像コミュの会員であるとか!なんて素晴らしいんだ!
で、仏像ですが、茨城県指定文化財の阿弥陀如来坐像を拝観させて頂きました。
頭部の非常に大きな方で下方より仰ぎ見るような環境を想定されて造像されたのでしょうとの事。
頭の大きな、失礼ながらも可愛いなぁとの印象を受けた阿弥陀様でした。
地方佛に会いに来た感があふれる大好きな阿弥陀様でした。

続けて教育委員会の方に案内いただいて5寺目、常陸太田市の鉄造阿弥陀如来立像。
僕にとって今日一となる阿弥陀様です。
お写真はおろか触れることを許されたのです。
触れてもいいとのお言葉を頂いてみんなが触れたのはやはり御手。
僕も触れさせて頂きましたが、衆生の恐れを取り除いて下さる印相、衆生の願いをかなえて下さる印相。
その印に直接触れる機会が訪れようとは夢にも思わず、そっと触れさせて頂いた印から伝わる、気のせいでしょうが温かさを感じめちゃめちゃ心が震えました。

本日最後に訪れたのは菊蓮寺。
大きな千手観音立像に驚きの声を。
階段を上り、見えてきた収蔵庫の扉は開かれており。。。目に飛び込んでくる千手観音の大きさ素晴らしさは圧巻!
うっわぁ~~と声出してしまいました。
ご住職からお聞きした、目の見えない子供が描いた母親の絵の話に涙腺が緩む。。。
その後、本堂へ上がらせて頂き木魚をポクポクポク。。。
楽しい。。。めっちゃ楽しい。。。w

秘仏めぐりを終え、集合場所の池袋へ戻って解散。
その後、カレーのお店BUDDHAへと連れて行っていただき、本当においしいカレーを頂き大満足。
今回のツアーでも各地から集まった仏友の方々と近くなり、どんどん仲良くなれたことがやっぱり一番の縁。
このご縁を頂くための秘仏ツアーでもあるわけで主催者様には感謝しかありません。
次の秘仏ツアーは2週間後の山形ツアー。
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