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PCが故障中につきブログUP出来ず…
しばらくお待ちください…
本当に申し訳ないです…

※仏友・右京さんからの教えを受けてPC復活した感じ!!
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高知県・雪蹊寺

種間寺より車で10分、次に訪れたのは雪蹊寺。
第33番札所で、霊宝館には伝運慶作の薬師三尊像、湛慶作の毘沙門天像、吉祥天像、善膩師童子像に加え、十二新将像が安置されています。

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雪蹊寺。
弘法大師により創建され、当初は真言宗 に属し少林山 高福寺と称します。
その後、慶運寺と寺名を改めていたことが天正6年(1588年)の長浜地検帳により確認されています。
一説によると、運慶、湛慶親子が薬師三尊像、毘沙門天像の造像に当たるため滞在したことからそう呼ばれたとも言われているそうです。
戦国時代にはいり、寺勢衰え廃寺となるも土佐国の戦国大名長宗我部元親の後援で臨済宗の寺院より月峰和尚を開山として初代住職に招き、中興の祖とした。
元親の病没後、四男の盛親が後を継いで長宗我部家の菩提寺とし、元親の法号「雪蹊恕三大禅定門」から寺名を「雪蹊寺」と称した。
四国八十八ヶ所霊場では珍しい臨済宗妙心寺派の寺院。
※四国八十八箇所霊場では2ヶ寺のみ。もう1寺は第11番札所藤井寺。


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さて、仏像好きが向かうのは霊宝館。
先述したようにこちらの霊宝館には伝運慶作の薬師三尊像と運系の息子 湛慶の真作と判明している毘沙門天三尊像、そして鎌倉期の十二神将像が安置されています。
薬師三尊に関してはあくまでも伝承の域を出ず、作風からも運慶よりも時代の下る仏師の作であろうと思われるのですが、毘沙門天、吉祥天、善膩師童子は毘沙門天像の足枘に書かれた墨書銘から湛慶の真作であることが分かっています。

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毘沙門天像は立ち姿が非常に力強く、腰を左へ捻る腰つきにも力が漲っています。
表情も若々しく迫力に満ちて、頬の張りやおデコ回りの肉付きというか顔筋も流石。
しっかりと見開いた眼差しに運慶の血筋を感じます。運慶のパンパンにはち切れそうな、甲冑すら押し破りそうな肉量からは大人しく感じますが、それでも漲る迫力は血筋ですね。
右腕を欠損しても失われないバランス感も非常に素晴らしいです。
この方にお会いしたくて何度でも来たくなります。


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同じく力強さを見せる吉祥天とは打って変わった天真爛漫な愛らしさを見せる善膩師童子。
悪意の欠片も存在しないつぶらな瞳や表情は高山寺の木彫狗児 の良く似ていてでこちらの像も湛慶作ではないかと考えられるのもうなずけます。
一目見て、あっ高山寺の。。。と僕もすぐに木彫狗児 が頭に浮かびました。
ん~秋にももう一度巡るつもりなので、その時は薬師三尊、十二神将に注目して拝観してこようと思います。





高福山 雪蹊寺(せっけいじ)
高知県高知市長浜857-3
TEL : 088-837-2233
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納










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高知県・種間寺「四国総開帳!威厳にあふれた薬師如来坐像の巻」

5月19日。
この日向かったのは今年総開帳が行われている四国八十八ヵ所巡礼。
その中でも注目はやはり50年に1度のご開帳がちょうど重なりご本尊の文殊菩薩像が開帳される竹林寺でしょうか。
その竹林寺のご開帳は春季と秋季とに分かれて行われ、その春季公開へ行って参りました。
しかし、まずお参りさせて頂いたのは同じ高知県にある第34番札所 種間寺。

種間寺。
用明天皇の時代、大阪・四天王寺造営のために百済より多くの経論や仏師、仏工が渡来。数年後に落慶し、
その帰途の途上、土佐沖でひどい暴風雨に襲われ種間寺が建つ本尾山に程近い秋山の港に難を逃れ寄港。
彼らは、海上の安全を祈って約145cmの薬師如来坐像を彫造し、本尾山の山頂に祀った。これが寺の起源とされている。
その後200年以上が経ち、唐から帰朝し、この地を訪ねた弘法大師はその薬師如来像を本尊として安置し、諸堂を建てて開創された。その折に唐からもち帰った種子の米、麦、あわ、きび、豆またはひえの五穀を境内に蒔いたことから、種間寺と名付けたといわれる。

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朝一に訪れただけあってか人はまばら。しかもお天気は曇り空と心配な滑り出し。
僕以外にはお遍路さんが2人いるだけでした。帰り際に4、5人の方とすれ違ったくらい。
訪れた折、堂内ではちょうどご住職かな?がお経をあげられていて神秘的な感じが満ちていました。

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さて、お目当てのご本尊薬師如来坐像ですが、通常は旧暦の1/21に御開帳があるそうですが、お寺でお話を聞くと通常も扉は開いているとか。。。
今年の総開帳に限りなのかちょっと分からないニュアンスでしたが。。。
ただ、通常では上がれない堂内へ上げて頂き近くからお姿を拝することが出来ました。
このあたりが特別開帳なのかな?

早速お堂へ上がり近寄ってお姿を拝します。お厨子の中よりライトアップされた状態でお厨子の前までは行けないながらもハッキリとお姿を確認することが出来ます。
なかなかに厳しい表情をされたお薬師様で、口元の力強さや、下方を見据える目力も厳しさを感じさせます。
体躯は堂々とした量感で肩幅が広く威厳たっぷり。
近くから拝ませていたくことでより圧倒されるような強さを感じました。

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国の重要文化財。「安産の薬師」
公開期間は4/25~5/25の春季公開と10/25~11/25の秋季公開です。
竹林寺の公開期間と同じですので一緒に回られるのがベストだと思いますよ。

また、種間寺では底抜け柄杓と言われるお参りがあり、妊婦が柄杓をもって詣ると、寺では底を抜いて二夜三日の安産祈祷をし、お札を添えて返してくださいます。それを持ち帰った妊婦は床の間に飾り、無事に安産すれば柄杓を寺に返納する。
そのため、お寺にはそこの抜けた柄杓が集まっているそうです。




本尾山 朱雀院 種間寺(たねまじ)
高知県高知市春野町秋山72
TEL : 088-894-2234
拝観 : 通常秘仏?
拝観料 : 無し
駐車場 : 有り









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京都府・尊勝院「神々しき地蔵尊の巻」

千本釈迦堂を後にし、京都国立博物館へ「南山城の古寺巡礼展」をじっくりたっぷりと見た後は尊勝院へ向かいました。

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尊勝院は、保延年間に陽範(ようはん)阿闍梨が比叡山横川に尊勝坊を開創したことに始まります。
陽範阿闍梨が横川般若谷に祀られていた元三大師の宝前で修法祈念し霊験を得たことにより、法皇から「尊勝」の号を賜ります。
その後青蓮院三条白川坊の裏に移されたと伝えられています。
応仁の乱により荒廃するも文祿年間に豊臣秀吉によって本堂が再建されます。大正4年には寺地が現在の地へ移転され、その際、建物は本堂のみが移されました。

青蓮院に属するお寺で天台宗。
ご本尊は元三大師、堂内には青面金剛像を祀り「不見、不聞、不言(みざる、きかざる、いわざる)」のいわゆる三猿像があります。

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今回の特別公開ではご本尊のお厨子と地蔵菩薩立像、通称「米地蔵(よねじぞう)」のお厨子が開扉されています。
注目は米地蔵と呼ばれる地蔵菩薩立像で、この像は元は金蔵寺(こんぞうじ)の本尊として祀られており、慈覚大師の御作とも慈覚大師が唐より請来した尊像とも伝えられています。
平安時代後期と思われる作で、量感ある体躯に見事な彩色が残ります。
尊容は摩滅や剥落などでなかなか表情が読み取れませんが、それがかえって霊験を高め神々しい雰囲気を感じさせます。


「昔、粟田の地に貧しい女がいた。その女は熱心に境内の地蔵様にお参りをしていた。貧しさが極まったとき、お地蔵様が米俵を担いで現れ女を救った。」
それ以来、この地蔵様を拝めばお米に困らないと進行され米地蔵と呼ばれるようになりました。

尊像の写真はLINK先へ





尊勝院(そんしょういん)
京都府京都市東山区粟田口 三条坊町70
TEL : 075-541-4574
駐車場 : 無し









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京都府・大報恩寺「生命力にあふれた行快 釈迦如来坐像の巻」

5月1日。
この日は京都非公開文化財特別公開へと出かけてきました。
と言っても巡ったのは2ヶ寺のみなんですけどね。
メーデーの京都の渋滞ぶりはげんなりする程で、疲れ果てたというのが理由です(^^;


朝一番で向かったのは大報恩寺 千本釈迦堂です。
こちらで特別公開されるのは快慶の弟子 行快作のご本尊釈迦如来坐像です。
例年、年に数度の公開機会があるのでそれ程の特別感はないのですが、いつも逃していたのでこの機会にと訪れました。
いつもひっそりとした境内もこの日は結構な人出で賑わっていました。

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何度見ても美しく堂々と建つ本堂は京都市内最古の建築物であり国宝に指定されています。
いつもなら本堂は外から見て、ため息を付く美しさに見とれて収蔵庫へ向かうのですが、この日は期待を持って堂内へ。
外陣からの拝観ですが思っていたよりもよく見える。光量は多いわけではないのでガッツリと拝観できるわけではないですが、剥落のない金が明るく輝きがあるからかな?
金ピカお厨子に煤けた仏像のコンビネーションは拝観するには最悪の環境で全く見えなくなるんですが、薄暗めのお堂に金の残る仏像という逆の環境なので思い外見えました。

重要文化財に指定され像高89.3cm、ヒノキ材の寄木造りで、像内に朱漆銘「巧匠法眼行快」があり、快慶の筆頭弟子である行快の法眼位時代の作であることが分かっています。
非常に力強い男性的な像で、しっかりと見据える吊り目に大きな鼻梁、厚い唇と威厳あふれる堂々とした尊容。
元は収蔵庫に安置される快慶作の十大弟子像と一具として彫られた快慶造の本尊釈迦如来像が何らかの理由により失われたあとの、行快による再興像と考えられているそうです。
快慶の釈迦如来坐像は今となっては見ることはできませんが、その他快慶の仏像よりも力強く、静かな迫力がある快慶像より生命感にあふれるような迫力があります。
再興に際して、師匠である快慶の像を模したわけではなく、行快の個性が現れているのかもしれませんね。


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写真は小学館「日本美術全集 7 運慶・快慶と中世寺院」より





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瑞応山 大報恩寺 千本釈迦堂
京都府京都市上京区五辻通六軒町西入溝前町1034
TEL : 075-461-5973
拝観 : ご本尊は秘仏
    収蔵庫 600円
駐車場 : 有り










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滋賀県・西明寺「穏やかなのか厳しいか?!心が映る薬師如来の巻き」

湖東三山同時開帳の最後を締めくくるお寺は西明寺。

寺伝によると、平安時代の承和元年834年に三修上人(慈勝上人)が琵琶湖の西方を歩いていると東の空に紫雲が現れまぶしい光が射すのを見ました。
瑞光と見た上人はその光明を目指して湖東の山中に分け入り一筋の光明を放つ池を見つけます。
その光明の意味を知りたいと一心に池に向かって祈念したところ、不思議な事に薬師如来の尊像が現れ、続いて日光菩薩、月光菩薩、そして十二神将が現れました。
この出来事を聞いた仁明天皇は、この地に勅願寺を立てることを命じ、薬師如来が放った光が仁明天皇がいらっしゃった京都の西の空を明るく照らしたという事から「西明寺」と名づけられました。

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境内には国宝に指定された本堂、三重塔が並び立ちます。
反り返る屋根のラインが美しくて本当に見惚れてしまいます。
僕が訪れた時は曇り空と雨天と2度の拝観共に天気には恵まれず、晴天に堂々とそびえるお堂の絶景は見れませんでしたがそれでもなおカッコイイですよね。
建築物ってカッコイイんですよね。ホントにカッコイイ。

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さて、今回ご開帳されたご本尊ですが藤原時代とされる薬師如来立像で、量感たっぷりの太い方です。
肩幅も広く腹回りに刻まれる衣文線も力強く美しい。
圧力の凄い薬師如来だなと感じたのですが、なぜか表情は凄く穏やかで大人しく優しいお顔をされているなと感じました。
帰って来てから特別販売の写真を見ると、表情も堂々とした威厳にあふれ怖いようなお顔をされているのに驚きました。
あれ?お堂で見た時とお顔が違う!とビックリしたんですよね。
お堂では本当に優しい穏やかな、平安後期の観音像の様な素朴さを持たれたお顔だなと思ったものですから。
出会い方や、出会った時の心もちでここまで心象が変わるんですね。仏像って不思議で素敵で素晴らしいです。
2度目の拝観でお参りした時は、威厳あるお顔だぞとの知識が入っていたのかしっかりと厳しく見えました(笑)
1度目の拝観と2度目の拝観で全く違った薬師如来様に縁を頂けたような不思議で特別な気持ちになりました。

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そしてこちらも金剛輪寺と同じく須弥壇上や裏手にも多数の仏像が安置され見どころがたくさんあります。
躍動感にあふれ表情が生き生きとした十二神将はカッコ良く、伝運慶の弟子というのもさもありなんって感じ(笑)
もう少しだけ明るいところで見たい。細部や奥に並ぶ方々が見えぬのだ。
さらには脇を固める二天像の素晴らしさ。
下半身が異常に太く動きも鈍そうなんですが風を受けて流れる前腕部の衣文は美しい。
他が固いからなおのこと柔らかく感じました。
裏手には不動三尊に阿弥陀三尊、清凉寺式釈迦如来。
阿弥陀三尊は伝快慶とのことでしたが、明らかに時代は下ると思うので弟子筋か。

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次見る機会があるのかどうか分からない薬師如来のお姿を最後に拝んでからお堂を後にしました。
これで湖東三山を後にするのかと思うと後ろ髪を引かれますが。
次に訪れるのはいつになるか。
冬の湖東三山を訪れたい。今年かな?来年かな?




龍應山 西明寺(さいみょうじ)
滋賀県犬上群甲良町池寺26
TEL : 0749-38-4008
拝観 : ご本尊は秘仏
駐車場 : 有り









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滋賀県・金剛輪寺「これぞ秘仏!霊威をまとう生身の聖観音の巻き」

湖東三山同時開帳2ヶ寺目は金剛輪寺。
こちらも緑が美しく長い石段を汗をかきながら、景色を楽しみながらお参りします。


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金剛輪寺で公開される秘仏本尊は「生身の観音様」と信仰される聖観音菩薩立像。
奈良時代、行基菩薩が一刀三礼、拝みながら彫り進めると木肌より一筋の血が流れ落ちた。観音菩薩に魂が宿ったことを悟った行基は彫るのをやめて、粗彫りのまま本尊として安置しました。


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二天門。 重要文化財
大きなわらじが下げられているのは、七難即滅を願うものです。

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一昨年の拝観では拝むことの出来なかった秘仏本尊。
内陣へと入らせていただき厨子前で拝みます。

開かれたお厨子の扉の向こうに安置されるそのお姿は鳥肌の立つような妖しい光景でした。
ロウソクの灯りにより照らし出されるお姿は異様で全身の鑿の跡が生々しい。
顎周りの彫り口はまるで髭のようにも見えます。
垂下した右手と蓮華を持つ左手は彫り込まれていますが、腕部は体部にぴたっと吸い付くようで一木より彫り出される瞬間の様子をまざまざと伝えてくれます。
非常に霊威がありこれぞ秘仏と呼ばれるにふさわしいなぁと感じずにはいられませんでした。

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前回訪れた際のブログでも書いたように、こちらには他にも多数の仏像が安置されており、中でも裏手にお祀りされている十一面観音菩薩立像は必見で素晴らしいです。
平安後期の肉付き豊かな頬に穏やかな表情、浅く刻まれた衣文線が優しくやや左へと突き出した腰つきが愛らしい。
テクテクと歩き出しそうな気すらしてきます。
秘仏公開の機会でなくとも素晴らしい仏像群がいらっしゃる金剛輪寺。
次は冬の金剛輪寺を見にこようかな。雪景色の金剛輪寺もきっと美しいだろうな。

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金剛輪寺(こんごうりんじ)
滋賀県愛知郡愛壮町松尾寺873
TEL : 0749-37-3211
拝観 : ご本尊は秘仏
駐車場 : 有り









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滋賀県・百濟寺「根付きで彫られた植木観音の巻き」

4月16日、5月21日と2度のお参りをしてきたのは3ヶ寺の秘仏本尊同時開帳が行われた湖東三山です。
8年前の2006年に天台宗開宗1200年記念で三山同時開帳が行われましたが、今回は昨年10月に開通した「湖東三山スマートインターチェンジ」を記念してのご開帳です。

高速道路の開通といえば昨年、一昨年と小浜市でも舞鶴若狭自動車道の全線開通を控え、若狭地域への観光誘客拡大を目的にと同時開帳が行われとのは記憶に新しいところですが、今後もこういった機会の特別公開が増えそうですね。
来年の秋?くらいに丹後丹波でも京都縦貫道の丹後方面の開通を記念してご開帳が予定されているとの情報もありますし。

まず最初におとずれたのは百済寺。
こちらでご開帳されるご本尊は植木観音と呼ばれる聖徳太子御自作の観音像と伝わり、太子が根の付いたままの樹木に十一面観音を彫られたことに由来します。

寺伝によると、聖徳太子が慧慈と共に湖東の地に来られた折り、毎夜 東の山中に瑞光が見られたので慧慈に尋ねたところ、翌朝、慧慈の案内でその場所へと分け入ると上半分が切られて光明を放つ杉の巨木が立っていた。
この杉の上半分の幹は百済の龍雲寺の本尊十一面観世音菩薩像を彫る為に運ばれたそう。
そこで太子は、素晴らしい御衣木を得たと根の付いたままの下半分の幹に十一面観世音菩薩像を彫ったと伝わっています。
また、当時の先進技術・文化が百済から日本に移植・定着されたという意味もこの植木という言葉には込められているそうです。


桜の時期と新緑の時期の対比写真
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桜の時期と新緑の時期に二度訪れ、それぞれの美しい景色を楽しみながら登る参道。
ゆっくりと登り見えてくる仁王門からはまさしく異世界への扉の様な神々しいオーラが感じられます。
静かな景色の中に表れる仁王門の神秘さは素晴らしい。
石段を登り、ゆっくりと、徐々に、見えてくる仁王門やお堂の屋根に感動し興奮するのは僕だけではないはず。

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本堂へ上がらせて頂くと通常であれば外陣からの拝観となりますが、今回は内陣へと入ることが出来ます。
一昨年に紅葉の時期に訪れたとき、外陣より拝観した室町期の聖観音菩薩坐像、如意輪観音菩薩坐像も間近で拝観出来ました。
しかし、やはり釘付けになるのはご本尊の十一面観音菩薩立像。
こう言っては申し訳ないですが流石にこの独特な妖しさを発散させるご本尊の前には脇侍さん達は霞んでしまいます。
それ程までにご本尊から漂う空気は拝観者を飲み込むほどの粘度を持っていらっしゃいました。

非常に広い方幅を持ち、怒り肩のように首をすぼめ、その上に乗るお顔の特異さ。
独特のお顔で、目や鼻口がキュッとしています。 力が入りすぎたような印象も。
下半身に見える衣文の表現は、まさに刻んだというような力強く荒々しい彫り口がうかがえ、洗練された造仏とはまた違った真に迫る魅力を感じさせてくれます。
何とも言えない、言葉にできない魅力と雰囲気を全身から発散させる十一面観音菩薩立像に完全に飲まれてしまいました。

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釈迦山 百濟寺(ひゃくさいじ)
滋賀県東近江市百済寺町323
TEL : 0749-46-1036
拝観 : ご本尊は秘仏
駐車場 : 有り













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奈良県・大澤寺「初の一般公開!秘仏 薬師如来立像の巻き」

5月5日。

今年2度目となる大澤寺を訪問した。
前回訪れたのは2月の25日とまだ2ヶ月と10日しか経たずの再訪となったのは、前回にお参りさせて頂いた際に5月のGWにご本尊の一般公開を行う予定だとお聞きしたからです。
文化財指定を受けることになった際の修復調査から帰られたときに、関係者など限定で公開されたことはあったそうですが一般公開は初めてだという事で必ずご開帳には訪れようと決めていました。

公開最終日となった5日、なんとか仕事の都合をつけて午前中だけ空き時間をもらい訪れました。
小雨が降る中となりましたが想像以上に素晴らしい薬師如来像と出会ってきました。


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境内へ入っていくとご開帳ムード漂い、村方さん達が集まりお世話をしています。
さっそくですが堂内へ上がらせて頂き拝観させて頂きました。
お堂の扉も開け放たれて非常に明るく、前回訪れた時とはなんだか堂内の雰囲気もガラリと変わっていました。

さて、ご本尊の薬師如来ですが、立像でした。
立像でしたっていきなりなんだと思われるでしょうが(笑)、僕の頭の中では完全に勝手に坐像にしておりました(笑)
お堂に入ってお厨子に目を向けた瞬間、あ!立ってる! なんて間抜けな第一声。。。(^^;
秘仏本尊で初の一般公開とありお写真でお姿をお伝えできないのが残念ですが、2体とない独特の薬師如来様が少し遠くを見つめる様に立っておられました。

藤原時代の一木造りというご本尊薬師如来立像は、非常に頭部が大きな方で頭部だけを見ると丈六クラスの大きさ。
そして頭部はやや傾いている?左に傾斜というか寄っているようにも見えます。
お寺の由緒書きによるとクスノキの一木造りとなっていますが、調査の結果で松ノ木の一木造りという事が分かっています。
この時代、ヒノキ材で彫られることが多く、技法は寄木造りが主流であった時代に松ノ木の一木造りで彫られたというのは、ある種霊木的なものから彫りだされた立木佛であったのか。

衣文の表現は荒彫りながらも腹回りでY字に流れる衣文線を描き足元には翻派式衣文的な雰囲気も見られる。
ただ、足元はお厨子内になり背伸びをしてなんとかかすめ見えるというくらいなので僕の見間違いがあるかも。
荒彫りと感じる彫り口も非常に硬く彫りにくいという松ノ木の影響かとご住職のお話を聞きながら考えた。

像高189cmの大きな薬師如来様がお厨子内に安置され、ついにその扉が参拝者に向けて開かれたこの貴重な期間に訪れることが出来て幸せです。
一時は仕事の都合がつかず拝観叶わぬか?!とも思われ落ち込みかけましたが、そのお姿を拝むことが出来て貴重なご縁を頂いてきました。
またいつかご縁を頂きたいと願いつつ、お堂を後にしました。

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神福山 大澤寺(だいたくじ)
奈良県五條市上之町651
TEL : 0747-23-1744
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り











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迦楼馬-カルマ-

Author:迦楼馬-カルマ-
仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる四十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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