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京都府 ・ 六波羅蜜寺 本尊御開帳

11月27日。

京都 六波羅蜜寺の12年に1度の本尊御開帳。
滋賀県長寿寺の秘仏本尊御開帳より開帳されているも見えない。。というトラウマにうなされているワタクシですが六波羅蜜寺の秘仏本尊 国宝十一面観音立像の御開帳に行ってまいりました(笑)

この日は結構なスケジュールで仏像拝観をする予定でしたが出だしから大渋滞に巻き込まれ家を7時半に出たにもかかわらず六波羅蜜寺についたのは10時頃というびっくりするような時間を使ってしまい、予定のほとんどを断念。。
到着までの間に疲れきった僕は国宝十一面観音が見れたら今日はいいや。。と半ばスネた状態(笑)

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受付にて拝観料を支払いまずは宝物館へ。
六波羅蜜寺の宝物館には美仏がいっぱい。
運慶の地蔵菩薩坐像、運慶四男康勝による空也上人像、平安後期の地蔵菩薩立像。
また、空也上人だけでなく運慶像・湛慶像や平清盛像など肖像も多くこの宝物館は素晴らしいです。

地蔵菩薩坐像の力強く穏やかな視線はまさに運慶か。
どっしりと据えた感があり迫力ある造形ながら視線は深いとう凄い地蔵菩薩です。
また衣の襞の美しさ。
松の枝が分かれるような表現の細かく複雑な衣紋表現は運慶ならではでしょうか。
衣のひるがえりや折り重なりも美しく肉感的。
衣が肉感的というのもあれですが下の肉体を感じさせるというか温もりがある衣であたたかいんですよね。

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また地蔵菩薩立像も負けてはいません。
非常に美しい地蔵菩薩立像で絵葉書や写真で見るより数段素晴らしい。
下手な仏像写真ってフラッシュの光が当たりすぎちゃって汚く見えるんですよね。
こちらの地蔵菩薩立像の絵葉書もそんな感じ。
金箔の剥落やなんかが目立ち過ぎちゃってダメ。
でも実仏は素晴らしく美しいです。
目線は下方に下げて閉じているよう。
慈悲深さが溢れ出ているようで穏やかな優しさと厳しさを感じます。
運慶像とは全く違った地蔵菩薩でひっじょうに楽しめる。
造形の違いを見ていくとよりその時代時代や仏師のこだわりなんかが見えてくるような気がしますよね。
またこの方は光背の透かし彫りも美しかったです。
当時のものなのか後補かは分かりませんが地蔵菩薩には透かし彫りの光背が似合いあます。


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この素晴らしい宝物館ですがじっくりと見ること叶わず。。
すぐさまバスツアーなのか何かの団体様なのか大量のおじいさまおばあさまが雪崩込み人が溢れ出す。。
1年半前に1度来てるしまた必ず来るのでとそそくさと逃げるように宝物館を出る(笑)

いよいよ本堂で国宝十一面観音菩薩を拝観することに。
まずは外陣からの拝観ですが思ったよりよく見える。
全然見れないかもしれないと覚悟の上だったんですがお顔もよく見えて全然満足。
足元や頭頂部の化仏は全く見えませんが長寿寺に比べたらお顔を拝めただけで大満足です。
そしてこの瞬間、国宝十一面観音は全て拝観することが出来ました。

伏し目がちで唇の暑い四角ばったお顔をされています。
衣の表現は細やかで天衣は渦を巻いているような。。
遠めなのでハッキリとは分かりませんが平安期の禍紋表現が彫られているようですね。
30分おきくらいなのかな?
定期的に内陣への拝観が許されますがその時間は一瞬でじっくり見ることは出来ません。
むしろこの内陣拝観を待ちジリジリと順番待ちで内陣へ寄って行く間が拝むベストタイムか。
ベルトコンベアーの様に次から次と流れで内陣を通過していく時は正に拝むだけでしたが並びの間にじっくりと拝観することが出来ました。
内陣には地蔵菩薩や阿弥陀様もいらっしゃいましたがこちらはほぼ素通りに近い拝観で印象に残すことができずで残念でしたが素晴らしい御本尊を拝観でき満足の六波羅蜜時でした。


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滋賀県 / 湖東三山 紅葉巡り③

さて湖東三山 紅葉巡りもいよいよラストの西明寺。

拝観受付で大興奮する。
全然前知識のなかっためちゃくちゃカッコイイ十二神将像の絵葉書に釘付け(笑)
普段は結構下調べをしてどんな仏像があるのかそれらは拝観出来るのか等を調べていくのですが今回はあくまで紅葉がメインだったので仏像に関しては百済寺の如意輪観音が拝観出来るかどうかだけしか調べずで金剛輪寺や西明寺にはどういった方がいらっしゃるのか全然知らぬままでした。
そこへ来てのこの十二神将は射抜かれた感バリバリのかっこよさ。
受付のおば様にこの十二神将は今日拝観可能ですか?見れますか?お会いできますか?と興奮しながら聞いてしまいました(^^;
本堂で拝観出来ますよぉと教えられ興奮は更なる高みへ(笑)

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ラストに凄いのが来たと大興奮でまずは主目的の紅葉を愛でる(笑)
しかし金剛輪寺で紅葉の世界に大満足していた僕はそれよりも十二神将と完全にメインが切り替わり仏像モードへ。

急ぎ足で本堂へ飛び込む。
ご本尊薬師如来は秘仏で厨子は閉じられていますが眷属の十二神将は荒ぶってます。
こちらも金剛輪寺同様 須弥壇前には行けませんが脇からの拝観でも迫力が伝わります。
力強く躍動的で表情がいいなぁ~
オペラを見るような躍動感。オペラ見たことないけど。。。
生き生きとした表情にしっかりとした動きの表現。
生きた一瞬を閉じ込めた造形は素晴らしく惚れ惚れしますね。
グッとくるってやつですね(笑)
十二神将の魅力はやっぱこういったやや大げさとも思えるような個々の動作の表現や表情に尽きるように思います。
これがカッコイイ十二神将はやっぱグッときます。
十二神将はやっぱ慶派が抜群に素晴らしいですね。
この西明寺像も間違いなく慶派作だと思います。

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本胴裏にはこれまた金剛輪寺と同じように仏像群が清涼寺式釈迦如来像や伝快慶作阿弥陀三尊像まで。
伝快慶は快慶の弟子筋かなぁと思ったりしながら見てきました。
僕に見極める目なんてないので勝手な妄想ですがこの妄想が楽しいんですよねぇ(笑)
仏像群を見ているときは一端の仏像研究者気取りです(笑)



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また国宝三重塔は美しい。
バックの紅葉の中にそびえる三重塔の眺めは絶景。
めちゃくちゃカッコイイですよね。
当日は内部公開され大日如来像が公開されていましたが長蛇の列。。
ちょうどバスツアー客の団体様の拝観とがっちんこで今回は断念しちゃいました。。
まあ十二神将にのけぞって大満足したってのもあるんですが(^^;
パンフで見る限り素晴らしい大日如来像だったんですが必ず再訪するので次の楽しみにとっておきました。


二天門の持国天増長天もかっこよかったですね。
腰のひねりに衣のたなびき。
風をはらみ動きのある造形でした。
やや線の細さがありましたがいい感じ。
邪鬼もなかなかにカッコイイ!


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今回の湖東三山巡り大満足な一日となりました。
これ程までに素晴し仏像群がいらっしゃるとは思いもせず驚きと感動で頭クラクラです(笑)



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滋賀県 / 湖東三山 紅葉巡り②

紅葉に彩られた境内や庭園、参道に感動し、聖観音 如意輪両菩薩の美しき造形にうっとりした次の目的地は金剛輪寺。
「血染めの紅葉」称されるほどの真っ赤な紅葉が見られるとか。
この寺を開いた行基菩薩が本尊の観音様を一刀三礼の修法をもって掘り進められたところ木肌より一筋の生血が流れ落ちた為、観音様に魂が宿った証としてあら彫りのまま本尊としてまつられた。その血で染めたごとくが毎年真紅に染まるという伝説があるそうです。
また、ご本尊は「生身(なまみ)の観音」と呼ばれるようになったそうです。

ご本尊は秘仏であり拝観することは叶わないのでこの血染めの紅葉を是非楽しみたいと思います。
その紅葉の素晴らしさは息を飲む素晴らしさ。
血染めのという形容が見事なほどに真っ赤な楓の真紅は絶景です。
もぉまるで別世界というか極楽浄土というか音が消えてしまうような重力を失うような感覚が麻痺しそうな美しさ。
赤だけでなく黄の美しさも悶絶もの。
空間に映える素晴らしい黄の色。
赤、黄、緑、茶、青と見事な原色空間に酔いしれますよホントに。
ふと地を見ればそこは血の川かと思うような落ち葉で作る川が。
全方位360°が絶景。なんじゃこりゃ!
世界がぐるぐると回る回る。
どこを見ても絶景の世界が目まぐるしく回ります。




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そして参道脇を締める地蔵菩薩の石仏。
神聖な空間というか何とも言えない異空間の気高さというか不可侵的な空気をひしひしと感じあらゆる感情が高揚(紅葉 笑)していきます。

その脇道の方にひっそりと佇む地蔵堂。
中には美玲な地蔵菩薩坐像が。
この方がまた密やかで静かで美しい。
見事な透かし彫りの光背と美しく流れる衣紋。
そしてなんとも言えず穏やかで優しい表情の尊容。
紅葉に浄化された心、高揚した心にジーンと染み込んでくる美しさでした。
もうこの時点で涙が出そうなほどの満足感と幸福感が物凄い。

更にふとした広場には地蔵菩薩の石仏群がこれ以上ないほどの神聖さをもって整列されています。
そこへ奇跡的とも言えるような日の光が落ちてきて。。。
幻想的な言葉をなくす空間がそこにはありました。
なんやここは!?
ホンマかこれ!?
目眩がするほどの素晴らしさ。
鳥肌が止まりません。。。

あぁ安もんのデジカメなのでこの素晴らしさを伝えきれないのが残念です。。



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幻想的な参道を登りきると見えてくる二天門。
守護される持国天増長天は力強く生き生きとして腰の捻りもかっこよく素晴らしい造形。
山門ではなかなかカッコイイ仁王、二天にお目にかかることは珍しい気がしている僕ですがこの二天はカッコイイ!
いや~境内へ到着するまでの参道でお腹いっぱいかと思えるほどの素晴らしさ。
そしていよいよ本堂へ入り仏像拝観です。



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本堂へ上がり内陣へ向かうとまずはお厨子に入った日本最古の大黒天が。
これがなんとも味があってかっこいい。
どっしりと威厳あふれる方で左手には竹刀のような物を握り威嚇する。
甲冑や衣紋表現を蜜に彫り込んではおらず形式的な感じですがそれがまた迫力を増す効果があるように思います。
彫りの荒さ簡素さががそのまま戦闘神だった頃のイメージを湧き起こすというかグッと来る。

そして須弥壇には鎌倉期の四天王像、毘沙門天、不動明王、そして平安期の阿弥陀如来坐像&鎌倉期の阿弥陀如来坐像。
須弥壇の前に行けるわけではないので横から斜めから見る形で細部までははっきりと確認出来ませんがなかなかに素晴らしい空間。
左に平安期の定朝様のゆったり穏やかな阿弥陀如来坐像、右に鎌倉期のスタイリッシュなお顔の阿弥陀如来坐像。
ともにゆったりと穏やかな方でした。鎌倉期の方はやや肩を張った感じで衣表現も密さが出てきているような写実表現の芽生えが出てきたのかなとか分からないなりにボソボソつぶやきながら見入ってしまう(笑)
須弥壇前を横切れないので裏を回って左右を行ったり来たり(--;
2体の阿弥陀如来を存分に見比べて楽しむ。
ん~~やっぱ阿弥陀如来好きだわ。

そして閉じられた秘仏本尊の厨子脇には毘沙門天と不動明王が。
むぅ~なかなか見づらい。。
鎌倉期の力強くカッコイイ風なのは分かるが少し遠いし暗いか(--;
購入した冊子の写真を見て細部を知る(--;
いやはや仕方なし。

同じく鎌倉期の四天王は持国天が飛び抜けてカッコイイ気がする。
力強いしバランスもいい。
顔筋の迫力もいい。
何故か増長天と広目天のバランスが悪い気が。。
上半身というか肩から腕にかけてが細い。
ん~~やっぱ持国天がどんどんカッコよく見えてくる(笑)
仏師がバラバラで製作時期も違うのかなと思ったら購入した冊子によると、持国天と多聞天が足柄に墨書があり1212年の造像であることが分かっているそう。

そして裏手の仏像である。
十一面観音菩薩立像。
平安後期の作で簡素化された浅い衣紋表現と素朴な表情がイイ。
初期の密で豪快な造形も大好きやけど後期も好きやなぁ。
仏像なんでも好きなんでしょ?と問われればハイそうですと答えますけども(^^;
またこちらの方は印相が珍しいかな?
垂下した右腕が結ぶ印相は手の甲を向けて人差し指と小指を伸ばす。
左手の水瓶か蓮の花を持っていたのか それとも印相なのか、指の美しさが際立ち妖しい色気があります。
左に腰をひねり右に重心をかけやや頭を下げ素朴で親しみのある尊容は地方古仏感があってもう大好き。
表も裏も仏像ワールド全開で素晴らしい。


また現在修復工事中の三重塔をチラ見出来たりとレアな空間を味わうことも出来ました。
紅葉に神秘の石仏地蔵群に素晴らしい仏像群。
もう大満足な金剛輪寺でした。
これは何度も訪れることいなること間違いなしです。


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参道脇に並ぶ石仏地蔵には仁王門より始まりNo.が振られていて参道入口に1000体目の方がいらっしゃいます。
写真の方は1000体目の方です。
1体目を撮り忘れた。。。。次に訪れた時は忘れずに撮ろうっと。。(--;


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お土産は御朱印と湖国 十一面観音霊場の御朱印帳、金剛輪寺小冊子、ご本尊 聖観音菩薩御守り、千体地蔵御守りでございましたぁ。

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プロフィール

迦楼馬-カルマ-

Author:迦楼馬-カルマ-
仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる四十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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