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滋賀県 / 湖東三山 紅葉巡り①

11月20日。

この日は紅葉真っ盛りの滋賀県湖東三山へ紅葉巡り。
でもちょっとその前に湖南三山 長寿寺へ。
目的は57年ぶりの特別公開が行われているご本尊 地蔵菩薩立像の拝観。
今年の夏頃に訪れた折、お寺の方から秋に特別公開があるので是非お参りしてくださいと言われ大好仏の地蔵菩薩とあって必ず訪れることを約束しました。
そんな訳でまずは長寿寺へ地蔵菩薩を拝みに行きました。

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長寿寺も紅葉が美しいが見頃にはもう一声か。
もみじの参道を抜け本堂へと歩を進める。


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本堂には既に順番待ちとなるほどの人だかりが。。
お堂へ上がるのにも一苦労。
これは噂通りお顔は拝めないな。。と覚悟し順番待ちしながらようやく堂内へ。
しかし。。
遠く暗いお厨子はよく見えずわずかながらお体の様子が遠目に伺えるくらい。
ライトで照らすことももはや不可能な混雑ぶりで尊影のパネルで我慢。
ん~残念ですが仕方ないです。
御開帳に立ち会えたとの想いを大切にし、湖東三山へ向かう。

tyoujyuji.jpg 中日新聞より

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最初に訪れたのは百済寺。
正に真っ盛りな紅葉。
美しい赤や黄の彩り鮮やかな紅葉群にため息。
じっくりと紅葉を眺めるのは実は初めてであまりの素晴らしさに感動しました。
お寺中が紅葉に彩られ本当に素晴らしいです。
日本ってほんとに美しいと心から思いましたね。
紅葉を鑑賞しながら本道への道を歩いていきます。

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参道の脇には石仏弥勒如来半跏思惟が。
まるで少年の様な若い弥勒菩薩。
静かに目を閉じやや口を突き出したようなクッと閉じた力強さから若さを感じます。
紅葉の真ん中にすっぽりと収まっている世界が素晴らしい。

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程なくすると見上げるように仁王門が見えてきます。
大きなわらじを飾り付けた仁王門。
守護する仁王像は腰元に何やら巻きつけておられます。
これはなんぞや!?
うーむ、わからん。
知ってる方いたら無知な僕に教えてください(笑)

そしていよいよ本堂へ到着。


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さて仏像ですがこちらには室町時代 院佑作の聖観音菩薩と如意輪観音菩薩が公開中です。
「神仏います近江」展でお会いし、その木目の美しさと穏やかな尊容に一目ぼれし必ずやお堂での拝観をと誓ったのが早くも叶いました。
外陣より格子越しでの拝観ですがそれぞれ仏様の前には双眼鏡が置かれ覗き見ることが出来ます。
如意輪観音、聖観音ともに素晴らしいですが特に如意輪観音。
太くどっしりとされ左足は半跏し右足は立て膝に右肘を乗せて思惟されています。
じっと遠くを見つめるように物思いに耽っているお姿で見とれてしまいます。
やはりお堂で見るお姿は神々しさが増しますね。
やはり仏像はお堂で拝観するのが最も美しく尊いと思います。
台座や後背が現存していないのが残念ではありますが、お堂の薄明かりの中で拝む両観音菩薩は本当に素晴らしかったです。

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兵庫県 / 浄土寺

徐々に雨足が強くなり始める。
今日の予報は雨でしたがここまでなんとか傘いらずできましたがとうとう厳しくなってきたか。
晴天の日の西日で見たい浄土寺が雨直撃となってしまいました。

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15時半に到着し小雨の中慌てて浄土堂へ。
雨雲のせいもあり薄暗いお堂の中で国宝阿弥陀三尊像とご対面。
5mを超える中尊に4m近い脇侍像。
お堂の壁に張り付くように、三尊から一番離れた位置で正座して仰ぎ見る。

体の中心の心が揺らぐ。
グニャグニャと溶けてしまいそうになる。
ジーンっと込み上げてくるものを感じて慌てて深呼吸。
なんて深い眼差しやろね。

わかってるよ。
いいんやで。
だいじょうぶ。
やってみなさい。

なんだか全てを肯定してくれて背中を押してくれるような見守ってくれているような気持ちになる。
来迎阿弥陀なんで極楽浄土へ連れてってくれはる方々やから現世の自分の背中を押してくれるのとは違うんやろうけど、そんな風に感じてしまった僕でした。

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兵庫県 / 斑鳩寺

斑鳩寺。

ユーモアという表現でしか伝えられないようなユーモアな仁王像がお出迎え。
なんだか体の筋肉も筋肉ではなく痩せて浮き上がった骨や筋の様で。。
味わいのある仁王像だ。

お寺の方に拝観のお願いをし早速収蔵庫へとご案内頂く。

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大興奮で胸がドキドキし苦しくなるほどの仏像群と出会う。
運慶仏や肥後定慶の香りがする仏像群がいらっしゃいます。
日光月光両菩薩と十二神将。
十二神将は残念ながら8体のみが残る。

遠くを見据えるような尊い眼差し。
高く結い上げられた髻。
柔らかな姿勢ととにかく素晴らしい。
説明書きにも運慶の名が出てくるほどの運慶の香りを感じさせる日光月光両菩薩。
この方を何時間でも眺めていたいと思える程に吸い込まれてしまいました。
個人的には特に日光菩薩が素晴らしい。
瞳の素晴らしさはなんだろう。
本当に尊くて深い瞳をされた菩薩像です。

やや前かがみとなる月光菩薩、すっとまっすぐに立つ日光菩薩。
造仏は運慶工房で作は別々なのかな?
それとも同仏師か。
非常に近しい作風ですがシンメトリーな感が強い日光月光菩薩ですがこちらの方はやや違いを見せる造形でした。
あぁ~~すぐにでも再訪したいです。。。

そして8体の十二神将も素晴らしい。
躍動感あふれるポージングでカッコイイ。
関節のひねりや筋肉の動きが躍動感に溢れています。
表情も豊かでかっこよくユーモアで生き生きしています。
眉根や頬の筋肉のうねりや口角の力強さなど素晴らしいです。
蜜に彫り込まれてはいない甲冑ですが内の肉感が見えるような丸みのある感じ。
やや動きに硬さがあるのは弟子筋の手になるからか。
しかし表情の造形は群を抜いて素晴らしいように感じました。
本当に素晴らしい十二神将です。
他にも摩利支天像や三猿像、無骨な愛染明王など仏像拝観コースのメインに据えても大満足な仏量です。
購入した絵葉書に日光月光と十二神将1体の絵葉書があるんですが絵葉書より実仏。。
あえて絵葉書は載せないでおきたいです。。


また公開中の聖徳殿 奥殿には「植髪の太子」と呼ばれる、本物の髪の毛が植えられた聖徳太子像が。
独特の尊容をされた異相な聖徳太子像。
頭部から伸びた髪の毛が異様さを感じさせます。
おぉぉぉっと思わず驚きの声とも畏怖の声ともつかぬものが口を出る。
奈良県の久米寺でも顎髭と歯を植えたとされる像がいらっしゃいますがやはり異様。
毛というものは何か生命感を与えるのか独特な異様な力を感じずにはいられません。

講堂の釈迦如来、薬師如来、如意輪観音は秘仏で毎年2月22日、23日の公開。

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都合が合えば必ず訪れたいです。
秘仏に会えなくとも収蔵庫だけでも素晴らしいので斑鳩寺はこれから何度でも訪れることになるお寺になったことは間違いないです。
本当に素晴らしく興奮度合いが凄い仏像群でした。




聖徳殿、修復中の奥殿、三重塔、鐘楼

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兵庫県 鶴林寺

大興奮の無動寺を後にし向かうのは鶴林寺。
本堂秘仏薬師三尊は60年に1度のご開帳ですが、太子堂900年記念事業として新宝物館開館にあたり本尊薬師如来は国宝本堂の厨子内で、脇侍は新宝物館において特別公開されることに。
本来であれば次回御開帳は平成69年となるはずが今回の特別公開、行かないわけにはいかないでしょう!

出迎える3間1戸の楼門形式の仁王門が美しい。
守護する仁王像の力強いこと。
2体の視線をくぐり抜け境内へ足を進める。


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美しくそびえる三重塔。
室町時代の創建で江戸時代に大修理が行われているとのこと。
近年の放火で損傷したが昭和55年の解体復元修理でその美しさを取り戻す。
鮮やかに映える朱の色が美しい。
ONE PIECE風にたとえるならドンッ!!って感じか(笑)

鳳凰が首をグッと下げゆっくりと翼を広げていくに合わせ首を上げていく様を表したような美しいフォルム。
この朱の色といい屋根の端が」くっと上がった造形といいカッコイイよなぁ~
正面からも斜めからもどの角度から見ても美しくカッコイイ。
塔建築好きやわ。
めっちゃ好きや。


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そしていよいよ本堂へ。
お厨子内にはご本尊薬師如来坐像。
肩口から腹回りへと流れる衣紋線が美しい。
背筋を伸ばし堂々とした体躯。
薬師如来のイメージは一風変わった独特な風貌という感じだったんですが、鶴林寺の方は正統派的な釈迦とも阿弥陀とも思える感じ。
三尊で安置されているけど脇侍の日光月光はお前立ちの方でどこか物足りない。。
本当の脇侍は宝物館へ。。なんだか寂しいなぁ。。
本堂のお厨子の中で薬師三尊と二天が見たかったけど贅沢な願いか。
お目にかかる機会を得れたただけでも良しとしなければ。

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本堂の瓦が見事なツートンカラーで奇妙でありながら美しく感じました。
これどうしてなの?
その本堂から連なるように太子堂へ。
太子堂本尊は宝物館へ移られ堂内にはレプリカ像が。
凄いねぇ現在のレプリカ技術って。
言われなければパッと見気づかないかも(^^;
僕の目が追いついていないだけなんだけど結構スゲー。
イSムのフィギュアも凄いもんなー。
てことでレプリカと知ってそそくさと太子堂を後にする。
なんじゃそら(笑)

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そして宝物館へ。
こちらにはアイタタ観音をはじめ、ご本尊脇侍の日光月光両菩薩から増長天・多聞天、そして太子堂ご本尊の釈迦三尊像が。
どれも素晴らしい。
特にアイタタ観音の美しさはハンパない。
腰を右にグッとひねり右足に重心を乗せ左足をやや浮かす。
頭の先からつま先までの曲線を描く美しさ。
完全にモデル立ち。
右腕で天衣を掛け左手はクイっと天衣を持ち上げる。
そして体躯の薄いこと。
いや~飛鳥仏。
ぐいぐい引き込まれます。

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本堂脇侍の日光月光両菩薩の素朴な尊容はあたたかい。
四角く大きな鼻に細い眼筋とどことなく田舎臭いような素朴な印象を受けました。
お顔に塗られた江戸期後補の金箔が腫れぼったい印象を与えるのか?
下半身の漆の見え具合や、若干ガニ股のような腰を落としたような足の曲げ具合がいい味で素朴感を更に引き立てます。
しかし日光と月光げは衣紋の彫り込みに違いがあるような気がします。
日光は大きく衣紋を彫り、月光は細く細かく彫られているよう。
表情にもやや違いが見られ同じ仏師の作ではないのかもしれませんね。

nikkoubosatsu.jpg 日光菩薩

nikkou.jpg 月光菩薩



新薬師堂は、60年に1度しか御開帳されない本堂のご本尊薬師如来の代わりに、毎日拝めるようにと江戸時代に大阪の医師により建てられたものだそうです。
その新薬師堂には薬師三尊と十二神将がいらっしゃいます。

こちらの薬師如来は目を見開いた尊容で体躯も大きく脇侍の日光月光も凛々しいお顔をされ力強い薬師三尊です。
お堂と同様に江戸時代の作と思われます。
日光月光のゆったりとした頬に上よりやや見下ろすような視線が僕の好みなお顔です。
凄く威厳があって神々しくイイです。

また十二神将の中にはTVで非常に有名になったウインクをする仏像こと摩虎羅大将がいらっしゃいます。
本来は矢を持ち、反りが無いかを確認している様子なんですが矢は失われあたかもウインクしている様に見えています。
きゅ~っと上がった口元がウインク感をさらに盛り上げてくれるような気がしますね。
見ていると自然とにやっと笑みがこぼれてしまうお方でした。



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兵庫県 / 無動寺

11月13日。

この日訪れたのは初の仏像拝観の地となる兵庫県。
鶴林寺の御開帳に合わせての兵庫見仏です。
事前の天気予報では生憎の雨模様とあって後補地に悩みましたが、圓教寺を諦めての無動寺~鶴林寺~斑鳩寺~浄土寺の4寺としました。

予報通りの朝からの曇り空でいつ雨が落ちてくるか心配な中の出発。
まずは最初の目的地、無動寺へ。

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丈六の大日如来坐像をご本尊に平安期の仏像が7体うち5体が重要文化財指定を受ける。
仏像拝観雑誌はもちろん観光雑誌にもなかなか載ってはいないお寺なのにこの仏像含有量は驚異的。

大日如来を中尊とし、脇侍に釈迦如来、阿弥陀如来を従える。
三尊ともに瞳を開き見据えるような眼差しをした彩色施さぬ素地造り。
神秘的であり強烈なインパクトを与える造形で妖しく美しい。
木目の神秘さは畏怖感さえ抱かせるような禍々しさとひれ伏してしまいそうな圧力を持ちながら溜息がでる美しさを併せ持っているように思えます。
素地造りって神像のニュアンスというかオーラがありますよね。
何とも言えない独特の神聖な雰囲気があります。
そこに不動明王ですよ。
この木目バリバリの大日如来の前に坐すのが化身不動明王。
これは反則でしょ!?ってくらいのかっこよさ。
大日如来が穏やかで物静かなたたずまいなのに対し、不動明王坐像の荒ぶる怒りの形相の対比がもう凄い。
頭がクラクラしてしまうような物凄い空間がそこにはあります。
左脇に安置される十一面観音と地蔵菩薩の妖しげな魅力も凄く、異空間に閉じ込められたかのような 感覚が麻痺するようなぼーっとなるような不思議で圧倒的な波に襲われます。
本堂奥がそのまま収蔵庫となったガラス張りの向こうでの拝観なんですが大迫力の瞬間を味わえます。

Dainichi.jpg


Shaka.jpg Amida.jpg


Fudo.jpg Juichi.jpg 絵葉書より


また、脇には江戸期の造仏、不動明王立像や弁財天、毘沙門天など美仏目白押し。
お寺の奥様は大変自慢の仏像群であるらしく嬉々として仏像の説明をして下さいました。
ご本尊の大日如来が大本山 高野山の根本大塔再建の折り、貸出してもらえないかとの依頼があり悩んだ末にお断りをした話。
もし貸出してたらもう戻ってはこなかったのでは?と尋ねると恐らく戻ることはなかったと思いますと貸し出さなくて良かったとの思いを素直に言っちゃうくらい仏像群を愛しておられるご様子をひしひしと感じずにはいられませんでした。

兵庫県への仏像拝観をされる方にはマストだとオススメしたいお寺 無動寺。
仏像好きで満足しない方は絶対にいないと断言してしまいたい素晴らしいお寺でした。


絵葉書やお守り、散華など大量購入してしまいました。
来年も必ず訪れること間違いなし。
本当に素晴しい仏像群で大満足でした。

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京都 非公開文化財特別公開 その④ 海住山寺

最後に訪れたのはグッと南下して海住山寺へ。

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先に奈良博で行われた貞慶展で四天王像と奥の院ご本尊 壇像十一面観音菩薩立像は拝見していたのですが、ご本尊の十一面観音菩薩立像は展示期間が合わず拝めていませんでした。




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長講堂より車で1時間ほどかけて到着。
まずは鎌倉時代の国宝五重塔を愛でる。
塔建築はホント大好き。
勉強不足で建築関連の知識は皆無なので何がどう凄いのかは なかなか言葉に表せませんが、フォルムが好き。
山の景色に堂々とたたずむ存在感が素晴らしいし映える。



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本堂へ上がりいよいよ目当ての仏像群と対面。
まずはご本尊 十一面観音菩薩。
平安期の仏像で榧の一木造り。
肩をいかり肩に胸を張り唇に朱を残した地方古仏の様な優しく親しみある尊様をされた十一面です。
しかし。。腰から下が見えない。。
お厨子の床が深く腰から上が見えている状態。
平安初期の作との事で腰周りや膝したの衣紋表現を楽しみにしていただけに残念。

honzon.jpg HPより


と、お厨子前の右方に大権現像が!
この日の朝訪れた尊住院で神仏習合像の金比羅大権現を拝観しその初めて見る造形にドキドキしてきたばかりの僕の目に飛び込んできた新たな大権現像。
この日はメモ帳を忘れてしまいメモが取れず何大権現だったか思い出せず。。
HPを見る限り春日大権現なのかなぁ。。
とにかく!この方がまた凄い。
金比羅大権現は鳥の上に立つ翼を生やした不動明王像的な方だったんですが、こちらの方は鳥の上に片足立ちをし、翼を生やして迦楼羅の顔した不動明王像となんとも何が何やらとんでもないお姿。
烏天狗か?よく知らないけど烏天狗ってこんなのかな?
迦楼羅が烏天狗?ん~訳が分からなく眩暈がしそうなほど吸い込まれてきました。


さて、大仏殿様の四天王です。
五重塔内で彼らを拝観したかったんですが本堂内でガラスケースの中に安置されていました。
見事なまでの彩色の残り具合。
甲冑や衣だけでなく肌の色までもが見事に残り当時の迫力と鮮やかさが伝わります。
そして顔の筋肉から体の各部位の関節可動が躍動的で慶派仏師の作ではないかと言うのも頷ける素晴らしさ。
だってカッコイイもん。

sitennou.jpg HPより



そして壇像十一面観音菩薩。
もう大好き。
写真集なのでも何度も見て奈良博 貞慶展で初めてお会いしてもうその素晴らしさは言いようがありません。
壇像彫刻が好きな僕ですが中でもこの方と園城寺の十一面は壇像彫刻の1,2を争うのでは?と思っているほど。
像高は45.6cm
この僅か45cmの像からは考えられない力を感じます。
細部まで蜜に彫り込まれた衣の表現は非常に素晴らしく衣の質感さえ伝わってきそうな程です。
張りのある体躯は瑞々しく美しい。腰を左へ捻り右膝を上げた動ある姿勢のバランスも素晴らしくて非の打ち所がないとはこの事か。
小さくプリミティブでありながら尊容は凛として堂々とされた表情なのも引き込まれます。
バランスとアンバランスなどこか非現実的な造形が益々この像の仏性を高めるというか神秘的で魅力的な像にしているポイントなのかなと思います。

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いや~素晴らしい。
この日も数々の仏像と巡り逢い大満足な一日でした。
非公開文化財特別公開の拝観料は馬鹿になりませんが(^^; それでも普段なかなか目にする機会のない仏像も拝める貴重な機会なのでこの日もいい仏像拝観が出来ました。

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京都 非公開文化財特別公開 その③ 長講堂

前回の特別公開でも巡った長講堂へ今回も訪れた。
院尊の阿弥陀三尊があまりにも素晴らしくどうしても再訪したかったのだ。

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定朝様を最も色濃く受け継いだ院尊の迫力を増したかのような造形で迫る長講堂阿弥陀三尊像。
静かに、静かに座しているそのお姿の尊いこと。
しっかりとした体躯に肩口から二の腕、指先までなだらかにゆったりと伸びる阿弥陀定印。
この美しさは見とれてしまいます。
完璧であり非の打ち所がない。
脇を締める観音勢至の半跏姿勢が鎌倉の風を感じさせ定朝の次のステージを思わせます。
外陣からの拝観で遠いはずなのに圧倒的な迫力で近く感じてしまう存在感はどこからくるのでしょうか。
何か一つでもその造形が崩れれば成立し得なかった完璧な造形があるように思えます。

美しい。
美しい阿弥陀如来坐像。
目を閉じて瞑想に耽っているような、半眼で見るとも見ないともを見ているような。
その曖昧なような間違いないような拝む方の心を写してくださるようなお顔でした。

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阿弥陀三尊以外にもこちらには法然上人像と善導大師像がいらっしゃいます。
特異な造形でそれぞれの胴体には四角い彫り込みがされ法然上人は勢至菩薩を、善導大師は阿弥陀如来を体内に収めます。
非常に珍しい造形でそして素晴らしい両像です。
如来へと上り詰める状況を表し下半身から金色に輝き出す造形の善導大師。
いくつか見てきた善導大師像の中でも最高の像です。
この2体の上人像は必見ですよ。

そして後白河法皇像。
運慶の19代目の子孫とされ、江戸幕府とのつながりが深かった仏師・康知の作である墨書が見つかり発表された像です。
力強く写実的で3度目のご対面ですが何度見ても気圧される圧があります。

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長講堂。
公開される時は必ず訪れたいです。
見逃したくないですもん。


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京都 非公開文化財特別公開 その② 報恩寺

法然院から車で15分ほどで到着した報恩寺。
事前情報にてこちらには伝快慶の阿弥陀如来がいらっしゃるとのことで非常に楽しみにしていたお寺。
快慶好きな僕はもぉ気が逸る思いで駆けつけたわけですよ。


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堂内はかなりの人出でごった返していましたが快慶仏はどこだと探してみると本道の奥手にいらっしゃいました。
やや遠目での拝観ではありますが、素晴らしい3尺阿弥陀三尊がいらっしゃいます。
と、右手の方で何やら人がぐるぐる回っているのに気づき伺ってみると噂に聞いていた千体仏地蔵菩薩がガラスケースに入り至近距離から拝観出来るように展示されているようです。
吸い込まれるようにそちらの列に加わり地蔵菩薩を拝観する。

そのあまりの小ささと造形美に度肝を抜かれた。
わずが3.3cmのその像高からは想像もつかない緻密さ。
細やかに彫り込まれた衣の表現は素晴らしいの一言。
幾重にも折り返し踊るような立体的な衣の襞郡はスゲーなと思わず声に出してつぶやいてしまうほど。
涼しげで穏やかな表情までしっかりと見て取れる鮮やかさは余程の彫刻技術がないと無理ではないでしょうか?
いかにこれを彫った仏師の力量が凄かったのかを感じずにはいられません。
この小ささでここまで表情を伝えられるのかと驚きました。
また光背の透かし彫りは如来像や天女などの化仏をも表現した恐ろしい代物。

13.5cmの木製岩山には白檀で彫られた950体以上の地蔵菩薩が。
これらも全て円光背まで背負いもう見るもの全てが凄い。
役行者像の前鬼後鬼のごとく前にいるのは閻魔王と冥官。
中尊の地蔵菩薩よりもさらに小さいにも関わらず閻魔王だと即座に分かる事に驚かされる。
もう驚かされっぱなしで何が凄いのか分からなくなってくる有様(笑)
本当に素晴らしく今日の仏像拝観はこの為にあったんだと思えるほどの素晴らしさ。
気が付けば4周してました。グルグルグルグル。。。。

ん~~~~~~~~。
こいつぁ凄いものを見た。
とてつもない出会いだ。
普段は京都国立博物館へ寄託されているそうで、そう簡単に拝観する機会はなさそうで今回巡り会えた機会に心から感謝。

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境内地蔵堂には比較的新しい地蔵菩薩立像が。
なかなかいいお顔をされた地蔵菩薩様です。
衣の表現も豊かで外からでなく中に入って拝観したかったなぁ。。

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また釈迦涅槃像もいらっしゃったりと見ごたえたっぷりでした。
9割の時間を千体地蔵菩薩像に費やしましたけど(笑)
快慶仏を拝観しに来たはずが千体地蔵菩薩に全て飲み込まれたような時間でした(^^;

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京都 非公開文化財特別公開 その① 法然院

長浜の川道観音堂を後にし次に向かったのは同時期に特別公開中の京都。
1時間半ほど車を飛ばして非公開文化財特別公開へとやってきました。

今回の特別公開で回りたいと思った全てのお寺を回ることは不可能なので その中から悩みに悩み選んだのが法然院→報恩寺→長講堂→海住山寺。
期間がもう少し長ければ浄福寺、妙法院、寶樹寺、盧山寺も回りたかったんですけどね。。

さて、京都へやってきてまず向かったのが法然院。
非常に趣のある山門をくぐるとそこには美しい白砂壇(びゃくさだん)。
その間を通り抜けることで心身を清める意味があるのだそうです。
写真はハレーション起こしてよくわからない状態ですが。。(^^;


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今回公開されているのが本堂、本尊阿弥陀如来坐像、方丈、狩野光信筆襖絵(重文)、堂本印象筆襖絵、庭園など。
もちろん僕的にもこのブログ的にも目当てはご本尊の阿弥陀如来坐像なわけですよ。
本堂 外陣よりの拝観でなかなか表情や彫りの細部を確認することは難しいんですが何故か阿弥陀様はこれでいいんだという思いがあるっちゃある。
もちろん近くまで寄らせて頂いて細部までじっくり観察したい気持ちもあるんですが、やや離れた位置から座して拝み見るのも大好きなんですよ。
快慶作の3尺阿弥陀如来なんかは近くで見たい欲求があふれるんですが丈六や半丈六クラスの坐像は遠くても厳かで飲み込まれるような魅力がありますね。
定朝様の穏やかで威厳のある阿弥陀様でした。
遠めに見るとなんだか前傾姿勢を取られているようにも見えましたが写真などで確認するとそうでもないかな。
ん~今すぐに私を救ってくれと僕の心が言っていたのでしょうか?(笑)

脇侍には、といってもやや離れた左右の厨子になりますが向かって右には十一面観音菩薩、左には勢至菩薩がおられました。

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本道の裏手には金銅仏の地蔵菩薩立像がいらっしゃいます。
なかなかのイケメンで衣の彫りも美しく素晴らしい方でした。

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滋賀県 / 川道観音堂 千手院~尊住院

滋賀県長浜市の川道観音堂 千手院を訪れた。
目的は33年に1度のご開帳 本尊千手観音菩薩立像。
前回のご開帳が平成8年だったので次の本開帳は平成41年ですが本開帳の間に17年目の中開扉があります。
今年はその中開扉の年に当たりご本尊が約1週間の間厨子の扉が開かれます。

本尊 千手観音菩薩立像は明治33年に国宝指定され戦後の文化財保護法の制定により重要文化財に指定替えされました。
33年に1度本開扉とされる秘仏の中開扉と共に昨年3月に新たに重要文化財指定を受けた御代仏 千手観音菩薩立像が同時に拝観できるという絶好の機会。

御代仏(ごだいぶつ)。
お代わりになられる仏様。
昨年新たに重要文化財の指定を受けた御代仏 千手観音菩薩ですが寺伝によれば姉川より流れ着いたご本尊 千手観音菩薩をお祀りする際、誰かが取り戻しに来るのではと流れ着いた観音様と同じ千手観音を造り 取り返しに来たらそれを返そうと彫られたそうです。
しかし結局誰も来なかった。
昨年新たに指定を受けた千手観音菩薩様にはそんないわれがあるとか。

ご本尊の影武者のような いつその身を投うつかもしれない身代わりの運命を背負った菩薩が昨年、市と県を飛び越えての重文指定。
寺伝とは相違しご本尊と造られた年代が変わらない貴重な平安初期仏であるとの認定を受けた。
ご本尊と御代仏が同年代の造仏であるという不思議な川道観音堂の両千手観音菩薩立像。
今回、計画に無理をしてでも訪れると決めた理由はこの2体の千手観音菩薩をこの目で見比べたいとの思いからでした。


現地へ着くと幕が張られご開帳ムードいっぱいに人出もいっぱい。
ツアーバスも到着しておりかなりの賑わいを見せておりました。
ぞろぞろとツアー客に混ざりお堂へ入らせて頂いた。
正面左の厨子に御代仏 千手観音菩薩立像が、中央の厨子にご本尊 千手観音菩薩立像。

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まずは御代仏 千手観音菩薩から拝観。
四角い輪郭に鼻筋が通り小ぶりな口元で平安古仏の優しげな表情を浮かべた美しい観音様です。
腹周りのふっくら感や腕の肉付きも豊かで全体的に優しい雰囲気に包まれているように感じました。
ひざ下からの翻波式衣紋に禍紋と彫り込みは大きくやや簡素化されたかな?とも思いましたが平安期の中でも初期の特徴がよく表れた造形ではないでしょうか。
頭頂の化仏の目には後補の彩色がなされ、やや地方珍仏的な香りがしたりもしたけれど、厨子に入り幕が掛かった状態なので全体像のバランスなどを見て取るのはやや難がありましたけれど、いいお顔をされた千手観音菩薩です。


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そして中央の厨子 ご本尊 千手観音菩薩。
こちらは彫りはやや浅いながらも腰周りに見事な翻波式衣紋を見せ、腿から足元へかけての流れるような美しい衣紋線が素晴らしい。
御代仏の大きく彫られた衣表現とは異なり細かく表現された密な衣表現。
体躯はがっしりしたような印象を受け尊様も力強い眼差しに潰れた鼻と唇に四角い輪郭と厳しさを感じさせるお顔でした。
御代仏が母ならご本尊は父か。
下から見上げるように見るお顔は和歌山の慈光円福院の十一面観音菩薩に良く似た顔だなとふと思い当たる。
慈光円福院は女性的でしたがお顔の雰囲気がよく似ていらっしゃるように思います。


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ちなみに和歌山県 慈光円福院 十一面観音菩薩像の尊様がこちら

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2体の平安仏を眺めグルグルとお堂を行ったり来たりしながら存分に楽しませて頂き大満足の秘仏開帳でした。
開帳初日はご本尊のライトアップはなくお顔が暗く拝見しづらいとの声も聞きましたが、僕が訪れた折には改善されていて、ご本尊にもライトが当てられ非常に明るく見やすい環境となっていました。
右へフラフラ、左へフラフラと何度も往復するように2体の千手を眺める至福。


そしてそれだけでなく、右手厨子には薬師如来立像、脇に不動明王立像がいらっしゃりこちらもなかなか見応えのなる仏像でした。
薬師如来は立派な肩幅をされ衣表現も肩から胸にかけて重なり合うように複雑に彫り込まれていたり、不動明王は前傾姿勢の珍しいポーズをされた方で仏像好きを喜ばせてくれます。



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境内大師堂
中には石仏の弘法大師像が。

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そして隣接するように建つ尊住院でも同期間に河濯大権現特別開帳が行われておりました。
河濯大権現(愛染明王)は姉川の合戦で敗れた浅井長政の念持仏であったとされています。
脇侍には右に秋葉大権現、左に金比羅大権現が祀られ独特の世界観に溢れ神仏習合の怪しさに触れてきました。
金比羅大権現は凄かったなぁ。
鳥の上に翼を背をった不動明王のような方が乗られていてこの様な像は初めて見ました。
どのような意味を表しているのか勉強不足な僕には分かりませんが非常に興味深く拝観させて頂きました。


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河濯大権現(愛染明王)
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秋葉大権現
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金比羅大権現
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滋賀県長浜~京都見仏

11月7日。

先週は滋賀県大津から奈良と慌ただしい見仏をしましたが この日も早朝に滋賀県長浜市へ飛びそこから現在公開中の京都 非公開文化財特別公開を巡る慌ただしい仏像拝観をしてまいりました。

本来であれば京都の特別公開をじっくり回ろうかと思っていたんですが、長浜市にある川道観音堂 千手院で京都と同様の期間に33年毎の秘仏開帳である本尊が中開扉で公開されているのです。
これを逃す訳にはいかないと、京都見仏にぶち込んだというわけです(^^;
先週といい今週といい慌ただしいは、移動距離凄いはでもう大変(笑)

まずは長浜市の川道観音堂 千手院で本尊千手観音菩薩立像、御代仏千手観音菩薩立像、薬師如来立像、隣接するように尊住院がありこちらには河濯大権現(愛染明王)が特別開帳されています。

そしてすぐさま京都へ走り法然院で阿弥陀如来坐像、報恩寺で伝快慶の阿弥陀三尊、定朝様の半丈六阿弥陀如来坐像に厨子入り千体地蔵菩薩坐像!(これが物凄い!)
そして長講堂にて院尊の阿弥陀三尊坐像にとろけて海住山寺にて本尊十一面観音菩薩立像、奥の院本尊 壇像十一面観音菩薩立像、大仏殿様四天王像などを拝観。

しびれまくったのは報恩寺の厨子入り千体地蔵菩薩!
ガラスケースに収められ展示され360度拝観することが可能で3.3cmの極小仏ですが間近で拝観出来るのでいっくりと拝観出来ます。
いや~驚いた。

愛おしの海住山寺奥の院 壇像十一面は相変わらずのプリティさでもう僕の心を鷲掴み。
時間が全く足りずに妙法院の普賢菩薩像は断念し六波羅蜜時の国宝十一面は月末頃に延期。。。
ん~流石に長浜~京都市内~木津川のコースには無理があったか。。(^^;

詳細は追ってUP!!
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奈良県 / 福智院

最後に訪れたのは福智院。
当初の予定にはありませんでしたが時間もありどこか巡ろうかと思った時に真っ先に頭に浮かんだのが福智院でした。
こちらには丈六を超える”地蔵大仏”と呼ばれる地蔵菩薩坐像がいらっしゃいます。

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像高は坐像で2.73cm。5mを越す光背には無数の地蔵菩薩の化仏をつけた千仏光背。
台座からの総高は6mを優に超える大きさで息を呑む大きさ。

zizou06.gif HPより


通常 大仏とは如来に用いられるのですがこちらは地蔵菩薩でありながら大仏と呼ばれる方です。
その理由に、如来のみが座すとされる宜字座(せんじざ)に座されている事。
光背に化仏を有するのは主に如来である事。
菩薩像でありながら袈裟を身に纏っている事。

などの如来像の特徴を持った地蔵菩薩であり丈六を超える大きさであることから地蔵大仏と称されるようになったようです。

光背の化仏は頂部に不空成就如来をはじめ、560体の地蔵菩薩があり中心の円光背部には六地蔵の化仏に閻魔王など。
頂部の不空成就如来=釈迦、本体地蔵菩薩、そして光背の560体化仏と六地蔵と本体を合わせて567の地蔵菩薩が56億7千万年後という弥勒信仰と繋がり釈迦・地蔵・弥勒の過去・現在・未来を表すことになるそうです!す、凄い!

05.gif HPより


慈悲深く迫力のある造形で堂々と座すその姿からはオーラというか尊厳が滲み出るように漂っています。
めちゃくちゃカッコイイです。
菩薩でありながら如来の境地という異質を飲み込み泊がついた凄みを身に纏った地蔵菩薩様です。
右足を外し趺坐する御姿のリアル感というか動きというか本当に迫力が凄いですよ!

zizou07.gif HPより


また堂内右隅には阿弥陀如来2体を脇侍に本尊秘仏の十一面観音菩薩立像がいらっしゃる客仏の間があります。
前回訪れた時はまだお厨子等はなく十一面観音は白布で巻かれた状態であったと記憶しています。
今回は十一面観音はお厨子に収まり、阿弥陀如来2体は脇に安置された状態でした。
秘仏十一面観音は年に2度の公開があるそうです。



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今日も素晴らしく一日なり




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奈良県 / 興福寺 北円堂特別公開

さて、先の仏像拝観の続き(笑)

元興寺を後にして昼食に親子丼を食す。
本当ならみうらじゅん&いとうせいこう氏が奈良見仏の折には必ず食べるという猿沢の池の茶屋の親子丼を食べたかったんやけど、どうやらもう親子丼はやってないらしい。。。

若干落ち込んだけど気を取り直して興福寺へ(笑)

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17日にも南円堂特別公開と仮金堂特別公開で訪れましたが今回は北円堂。
北円堂は昨年4回見てるんで他を回ろうかとも思ったんですが、17日の南円堂四天王像、仮金堂(中金堂)四天王像、東金堂四天王像と拝観しての今回の北円堂四天王像ですので記憶が鮮明なうちに興福寺の四天王像を見比べる奇跡の期間だった10月後半。
奈良住みでありながらこの期間を逃すのは仏像好きとしてイカンでしょと興福寺を再訪する事に。

ダイナミックに空間を使い像周辺の空気をも巻き込んだような造形で迫る南円堂像。
一木の重量感を存分に爆発させるこれぞどっしり平安仏で迫る東金堂像。
リアルに細部まで彫り込まれた見事な造形と平安の特色が融合したネオベーシック的な中金堂像。
そして北円堂像。

大げさに表現されたかのポージングにデフォルメちっくな大きな表情。
歌舞伎をも思わせるような完全に魅せる四天王だなと感じました。
ユーモアさえ感じるような大仰さに平安のどっしり感でもう釘付け。
他の像が木彫像であるのにこの方々は木心乾漆像。
大安寺に安置されていた四天王像であるとか。

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まだ未熟な僕には大安寺の仏像って乾漆像が全盛期の天平時代にあって木彫一木造りの仏像が数多く残された不思議なお寺というか仏像彫刻の流行の切り替わり? 鑑真和上とともに渡来した唐仏師の新潮流の仏像がいるお寺的なイメージがあったんですが木心乾漆像もいらしたんですねぇ。
大安寺って七堂伽藍を有したそれはそれは広大な寺院だったそうやから数多くの仏像がいらしたんやろうけど現存しているのが木彫像ばかりという不思議。
いや、大安寺の話ではなかったここは興福寺(笑)

わずか半月の間に興福寺四天王像16体を拝観する素晴らしい機会に恵まれた事を幸せに思います。
それぞれが特徴を持った素晴らしい四天王像でどれも見飽きないし楽しめる。
メジャー過ぎて見飽きるかと思ったりもしましたが、いやいや興福寺。
来るたびに凄さを体感します。 やっぱり仏像の宝庫でありメッカである奈良県興福寺はダントツ感がありますね。

北円堂の興奮冷めやらぬ中こちらも特別公開中の仮金堂。
17日にも拝観しましたがもちろん今日も拝観。
前回は康慶作 四天王像や薬王菩薩薬上菩薩に集中していた感じだったので今回は大黒天像と吉祥天像を見て回る。

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大黒天像。
鎌倉期の檜の一木造りだそうで勢いを感じる方でした。
衣の表現なんかはあっさりと簡素化された感じなんですが力強く立ち振舞う姿が勇ましく"大黒さん"とは違った"大黒天"という天部である力強さが出ているように感じました。
風が渦巻くような勢いが見えたなぁ。

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そして吉祥天像。
頂いた資料には1340年鎌倉時代となってましたが1340年て南北朝時代ですよね。。?
まあそれはさておき倚像であるこの珍しい吉祥天像は保存状態が素晴らしく度肝を抜かれるほどの彩色の残り具合です。
極め細やかで優雅な本当に美しい頬のふっくらとされた美しい吉祥天倚像です。

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いや~興福寺は素晴らしい。
何度訪れてもその都度驚きと感動が味わえる。
見る事に印象が変わる仏像、あぁ~そうそうと再会を味わう仏像と本当に数多くの傑作仏が目白押し。
仏像だけでなく建築物も素晴らしくもぉワクワクしっぱなしでした!



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仏像カレンダー

今年もあと2ヶ月。。
本屋なんかでは来年のカレンダーがどんどん並んでますね。

先日の仏像拝観の記事の間に挟むような形になりますが今回は来年の仏像カレンダーの記事です(笑)

既に4冊購入。

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まずはやや小ぶりながらめちゃめちゃ気に入ってしまった室生寺十二神将カレンダー
毎月室生寺の素晴らしい十二神将が独尊ででで~んと写ってます。
室生寺の十二神将はマイベスト十二神将なんでたまりません!

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そしてド定番の国宝阿修羅カレンダー

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そして藤森武 国宝カレンダー(旧国宝含む)

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そしてまだ未開封の仏像探訪カレンダー

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興福寺は友の会会員なので今年も卓上カレンダーが届くかな?
仏像カレンダーもコレクターのようになりそうだ。。(--;





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奈良県 / 元興寺 秋季特別展

続いて向かったのは秋季特別展期間中の元興寺。

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元興寺には何と言っても如意輪観音!
もぉほんと素晴らしい如意輪観音がいらっしゃいます。
また、奈良国博寄贈の国宝薬師とは別の安阿弥様の快慶工房かとの説明書きのある超絶イケメンの薬師如来坐像。
そして藤原期の聖観音菩薩立像!
極楽堂には衣紋の流れが美しい地蔵菩薩立像に十王群に本尊のチベット仏的な釈迦如来坐像。

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素晴らしい仏像が数多くあるんですが今回のメイン仏は徳川12代将軍家慶の正室 浄観院の墓から出土した2体の念持仏。
今回の秋季特別展が初公開です!

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将軍家の墓所の一つ、東京・上野にある寛永寺の「徳川将軍家御裏方霊廟(れいびょう)」の発掘調査で、衣類や化粧道具、眼鏡など、棺に納められた約200点の副葬品の中から見つかったそうで新聞でこの記事を見て拝観を決めました。

像高は厨子入り阿弥陀如来立像が3.3cm。
厨子入り不動明王坐像が2.8cm。
その小ささとこれだけの小仏でありながら彫り込まれた表情やポージングの精巧さに驚くばかり。
なかでも不動明王の作りは驚愕するほど。
あまりの小ささに細部までは確認できず悶々とするんですが、申し訳なくもこっそりライトアップしてしまいました。。
浮かび上がる驚きの造形。
マジか。。。
これマジか。。
一瞬言葉を失う。
厨子入り阿弥陀も凄いんやけど個人的には不動明王に釘付け。
こいつぁヤバイでよ。
この2体を拝観する為にも是非参上するべきだと奈良の仏像マニアにはオススメしたい。

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また境内には多数の石仏や邪鬼がいらっしゃるのでそれらを愛でるのも元興寺の楽しみ。
4度目の拝観ですがいいなぁ~
石仏群の優しく温もりある風情や邪気のユーモア。
素晴らしいです。

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石仏群


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不動明王



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弘法大師像



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邪鬼



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邪鬼



宝探しのように邪気を探してみてください(笑)
何度訪れても素晴らしい元興寺。
石仏や邪鬼の魅力も存分に味わえる素晴らしい境内ですね。



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奈良県 / 不空院 特別公開

滋賀県大津で阿弥陀展を見たあとは大津のお寺を巡りたかったのですが、今日は奈良県不空院の特別公開最終日。
東大寺法華堂、興福寺南円堂と合わせ三不空と呼ばれる不空羂索観音が公開されています。
三不空の中でまだ見ぬ不空羂索観音様ですので見逃したくない。。

ってなわけで大津を後にし奈良へとんぼ返り。
新薬師寺の奥のコインパーキングへ車を止めていざ不空院へ。

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御本尊 不空羂索観音菩薩坐像は像高103.9cmの鎌倉期の造仏で重要文化財指定を受けています。
お厨子の中にいらっしゃいますがほどよいライトアップで見づらいということはありません。
しかし凄く良く見えると言うほどでもない。。
外陣より4,5m離れて厨子を伺う感じです。
三目八臂の穏やかなお姿でしっかりとした肩口から引き締まった体躯、意思を持ったような力ある眼差しで慶派の造仏であるように思えます。
もっと寄りたい。。。寄って表情などじっくりと見たい。。
ん~奈良博あたりの特別展などでお出まし頂けないものか。
それを熱望したくなるくらいイイ不空羂索観音です。流石の三不空やなぁ。。

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お隣にはこれまた厨子入りの弁財天。
室町期の秘仏でこちらも通常は拝観できずお前立ちが開いているそうです。
本日は秘仏もお前立ちも両厨子の扉が開いておりましたが、お前立ちは小さく目視では確認不可でした。
秘仏弁財天も頬の豊かな膨らみやその表情はなんとか見て取れるものの細部に至っては"見えない"。
頭頂部の宇賀神や鳥居も確認出来るような出来ないような。。
もう少し近寄りたい不満がありましたが。。
いえいえ、そんな事は言っちゃいけません。
扉を開いて頂けるだけでもありがたいことです。

境内には石仏もいらっしゃり不動明王や地蔵菩薩、特に本堂裏手には如意輪観音がいらっしゃいます。
こちらの如意輪観音様は見逃すは惜しい素晴らしい石仏ですので是非ともお会いすることをオススメいたします。
思惟している姿がなんとも可愛らしい如意輪観音です。

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如意輪観音像

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不動明王立像

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地蔵菩薩立像




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滋賀県 / 大津市歴史博物館 「阿弥陀さま」展

本来であれば10月の23日に行く予定だった滋賀県大津市の歴史博物館。

目的は10月13日より11月25日まで催される法然800回忌親鸞750回忌の特別展である「阿弥陀さま」展です。
しかしこの日は大雨&暴風となり予定をキャンセル。。
湖南方面の東方山安養寺の薬師坐像、敬恩寺の阿弥陀、金胎寺の阿弥陀三尊など多数の仏像を見て回る予定が全て吹っ飛びました。。

そして10月31日気を取り直して先週の予定は頭から消し特別公開最終日となる奈良県不空院の不空羂索観音拝観を組み込んだ予定に変更しての大津市歴史博物館へ。

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先週の悪夢が消し飛ぶほどの阿弥陀郡がお出ましです。
特別展等によく出展される文化財指定を受けた阿弥陀様などばかりではなく、今後の研究が待たれている阿弥陀様、初公開となる阿弥陀様などが大挙して押し寄せる浄土教の中心地とも言える大津ならではの阿弥陀展でございます。


この空間にいて興奮を抑えろと言われて抑えられる仏像好きがいたら教えて欲しい。
皆無だと断言出来る!

阿弥陀、阿弥陀のオンパレード!

阿弥陀だらけで飽きるかと思う?

いやいや、「大津市内の阿弥陀如来」コーナーには地方仏臭ガンガンの匂い立つ古仏がいらっしゃったり院派の阿弥陀や脇侍仏がいっらしゃる。

「安阿弥様のほとけさま」のコーナーでは快慶、行快の仏像が並び美しく壮大な一角を作り出し華やかさを。

「さまざまなかたちの阿弥陀様」では快慶作 京都泉涌寺 悲田院の宝冠阿弥陀如来坐像を初め聖衆来迎寺、悲田院、西方寺などの"逆手の阿弥陀"や盛安寺の立像で説法印を結ぶ非常に珍しく、尚且つ右腕には衣の袖がない"片袖の阿弥陀"など個性的な阿弥陀如来が列をなす。

最終室には阿弥陀如来にとらわれず「大津市の浄土教寺院の宝物」と称したコーナー。
十一面観音菩薩や大日如来像などもいらっしゃいました。


さぁここからは個人的に惹かれた阿弥陀群を紹介したい。
京都 青龍寺の阿弥陀三尊。
法然上人が善導大師の『観無量寿経』に出会ったとされる報恩蔵という蔵がある青龍寺。
こちらの現在の本尊である阿弥陀三尊です。
後補の金箔により彫りの細部は分からなくなってしまっている様ですが、風になびき衣に動きのある造形は行快など鎌倉中後期によく見られる造形だと思います。
観音勢至の表情などは院派や室町期によく見られるかなぁとも思いましたが衣の感じとかは行快かなぁ。。
分からないなりにいろいろ考える楽しさが溢れます。

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聖衆来迎寺の善導大師像。
通常 善導大師は下半身が金色に輝く造形で表されると思うのですがこの像はそういった特色は見られません。
上から下まで通常に袈裟を身に纏った上人像です。
その為か他の像であるとの見方もあるようですが今回の展示では善導大師として紹介されるとのこと。

善導大師かどうかは置いておくとしてもその造形は写実的で力強く見るものを惹きつける勢いがあります。
太子像や地蔵菩薩像に通じるような霊力というか魅惑を感じさせてくれる素晴らしい造仏です。

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参考仏として写真だけあった西教寺の本尊丈六阿弥陀如来坐像は凄かったな。
写真パネルでしたが定朝様の素晴らしい阿弥陀。
長講堂の院尊作の阿弥陀坐像にも引けを取らないオーラ漂う雰囲気。
お会いできる日を夢見るのだ。

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大津市小野寺・上品寺の阿弥陀三尊像。
現在は三尊として安置されているとのことですが、制作はどれも別々だそうで展示も三尊形式ではなく右から阿弥陀如来、2体の菩薩像と個別に展示されていました。
中でも目を引いたのは2体の観音菩薩立像。
1体は頬の張った力強い前を見据える眼差しと生気あふれる造形。
そう運慶工房を思わせる観音菩薩でした。
そしてもう1体は伏し目がちな目でやや釣り上がり小顔でふくよかな頬。
奈良仏師善円を思わせる造形であるとのこと。

ここでふと奈良国博での特別展「貞慶展」だったかな?で見た善円と思われる弥勒菩薩立像と快慶工房と思われる弥勒菩薩立像が並んで展示され長時間見比べてじっくりと拝観した記憶が蘇る。
今度は運慶と善円の見比べか!素晴らしい展示だなぁとひとり勝手に興奮し長時間フリーズの体勢に入る。
次の目的地が奈良でなければもっともっと見ていたかったなぁ。。。残念!


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快慶の宝冠阿弥陀如来坐像は昨年悲田院で拝観させて頂いたけど相変わらずの素晴らしさ。
快慶仏はやっぱり随一の美仏。
もうかっこよさやバランス感が群を抜いているのが一目瞭然。
もうね最もカッコイイのはこの一瞬なんですっていう一瞬を見事に抜き出したって造仏。
安倍文殊院しかり醍醐寺弥勒しかり光台院阿弥陀三尊しかり、最も美しい表情最も美しい姿勢を閉じ込めたような結晶のような美しさ。
見とれます。本当に見とれます。思考が停止してただただ見つめてしまうんです快慶仏は。
今にも動くんじゃないか、一瞬も見逃せないぞと思わせる運慶仏とは真逆の究極の美があるように思います。

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ん~長大な記事になってきたな(^^;
書き出せばキリがなくなる。。
まだまだ「逆手の阿弥陀」群や快慶・行快群、院派仏など見所は本当に多くよくぞこれほどの阿弥陀如来を一斉展示してくれたっ!と大喝采を送りたい素晴らしい特別展です。
この時期じゃなければ。。。特別公開シーズンのこの時期じゃなければ2,3度は通ってる凄さでした。


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大津市 妙盛寺 鎌倉期の院派仏か?


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京都市 大超寺 盛上彩色と截金模様の美しい阿弥陀


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大津市 華階寺 快慶工房 栄快か?


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大津市 浄国寺 鎌倉後期の院派仏か?
表層は平成の修理


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大津市 聖衆来迎院 逆手の阿弥陀


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京都 悲田院 逆手の阿弥陀2体


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大津市 盛安寺 説法印を結ぶ立像阿弥陀
通称「片袖の阿弥陀」



あっそうそう!
各仏像の説明書きに度々出てきた仏師の特徴が現れるのは耳の造形という言葉。
一般ではなかなかじっくりと見ることのできない部分ではありますが(特にお堂では)そうなんやと勉強になりこれからは少し気をつけて見てみたいなと思いました。




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プロフィール

迦楼馬-カルマ-

Author:迦楼馬-カルマ-
仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる四十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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