京都府 / 院政期の阿弥陀如来を巡る
9月25日。
この日は京都へと仏像拝観へ出かける。
テーマは院政期の阿弥陀如来を巡る!
法界寺~安楽寿院~法金剛院が今回の目的地となります。
3ヶ寺だけでは少々寂しいので久しぶりに醍醐寺三宝院の快慶 弥勒菩薩坐像を拝観しようと予定に加える。。。
まず最初に向かったのは法界寺。
定朝様の丈六阿弥陀如来坐像がいらっしゃいます。しかも国宝。
本尊は薬師如来ですがこちらは秘仏の為、拝観は不可です。

阿弥陀堂に入るとそこはもう異空間。
丈六阿弥陀の神々しさに息を飲むばかり。
圧倒的な凄みを持った阿弥陀如来坐像が半眼の目を向けて座しておられます。
平等院阿弥陀如来坐像よりも幾分厳しさがあるように思える。
平等院の阿弥陀如来のみが間違いなく定朝の作だと確認できた真作だとの事ですが、この方も定朝以外に誰が彫れるんだと言いたくなる疑いようのない定朝作のように素人目には思えてしまうくらい素晴らしい阿弥陀様でした。
右斜めより眺めるお姿は壮大で吸い込まれました。
本当に素晴らしい。
もっとも好きな丈六阿弥陀如来かもしれない。

そして問題発生の醍醐寺三宝院へ。。
快慶の弥勒菩薩は今年の4月より拝観停止となり今後公開の予定は今のところないとのこと。。
腰が抜けるほどのショックを受けて退散してきました。。
マジか。。。。
気を取り直して安楽寿院へ向かう。
目的の阿弥陀如来は収蔵庫にいらっしゃいました。

当時の円派仏師、賢円もしくは長円の作ではないかとのことです。
像高87.6cmで胸に卍を刻むことから卍阿弥陀と呼ばれています。
長く秘仏であったため光背や台座も多くを残し素晴らしい保存状態。
ゆったりとした定朝様の阿弥陀様ですが面長でやや若い阿弥陀様のように感じます。
まばゆく光る金箔が優しい神々しさをあふれさせ来迎の香りを感じさせてくれるようでした。
ん~~美しいぞぉ。実に美しい!

境内 大師堂、三如来石仏(釈迦 弥陀 薬師、弥陀は京都国立博物館へ)

境内前には近衛天皇稜となる多宝塔

そして3体目の阿弥陀如来がいらっしゃる法金剛院へ。
227cmの丈六阿弥陀如来でもちろん定朝様。仏師院覚の作とされています。
堂々とされた体躯で壮大。
法界寺の阿弥陀よりも目を開いた尊容で厳しさが増しているように思います。
見据え戒めるような厳しさを感じました。
一つ一つゆっくりと教えを説いているようなそんな雰囲気が漂っているようです。
ん~阿弥陀大好きだ。
今日の阿弥陀巡りは当たりやなぁと、ふと横を見やると厨子の中になにやらとんでもない仏像が。。
鎌倉期の十一面観音でしかも坐像!!
しかも手が四本ある御姿!
四臂で坐像の十一面観音菩薩!
力強い眼差し張りのある頬と若々しく勢いがあり力が漲るような、若く勢いのある仏師が彫ったのかなぁと思いながら拝まさせて頂きました。
光背やお厨子も素晴らしくちょっとヤバイです。
とんでもないモン見たって感じです(笑)


今日も素晴らしい一日なり

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この日は京都へと仏像拝観へ出かける。
テーマは院政期の阿弥陀如来を巡る!
法界寺~安楽寿院~法金剛院が今回の目的地となります。
3ヶ寺だけでは少々寂しいので久しぶりに醍醐寺三宝院の快慶 弥勒菩薩坐像を拝観しようと予定に加える。。。
まず最初に向かったのは法界寺。
定朝様の丈六阿弥陀如来坐像がいらっしゃいます。しかも国宝。
本尊は薬師如来ですがこちらは秘仏の為、拝観は不可です。



阿弥陀堂に入るとそこはもう異空間。
丈六阿弥陀の神々しさに息を飲むばかり。
圧倒的な凄みを持った阿弥陀如来坐像が半眼の目を向けて座しておられます。
平等院阿弥陀如来坐像よりも幾分厳しさがあるように思える。
平等院の阿弥陀如来のみが間違いなく定朝の作だと確認できた真作だとの事ですが、この方も定朝以外に誰が彫れるんだと言いたくなる疑いようのない定朝作のように素人目には思えてしまうくらい素晴らしい阿弥陀様でした。
右斜めより眺めるお姿は壮大で吸い込まれました。
本当に素晴らしい。
もっとも好きな丈六阿弥陀如来かもしれない。


そして問題発生の醍醐寺三宝院へ。。
快慶の弥勒菩薩は今年の4月より拝観停止となり今後公開の予定は今のところないとのこと。。
腰が抜けるほどのショックを受けて退散してきました。。
マジか。。。。
気を取り直して安楽寿院へ向かう。
目的の阿弥陀如来は収蔵庫にいらっしゃいました。


当時の円派仏師、賢円もしくは長円の作ではないかとのことです。
像高87.6cmで胸に卍を刻むことから卍阿弥陀と呼ばれています。
長く秘仏であったため光背や台座も多くを残し素晴らしい保存状態。
ゆったりとした定朝様の阿弥陀様ですが面長でやや若い阿弥陀様のように感じます。
まばゆく光る金箔が優しい神々しさをあふれさせ来迎の香りを感じさせてくれるようでした。
ん~~美しいぞぉ。実に美しい!

境内 大師堂、三如来石仏(釈迦 弥陀 薬師、弥陀は京都国立博物館へ)


境内前には近衛天皇稜となる多宝塔


そして3体目の阿弥陀如来がいらっしゃる法金剛院へ。
227cmの丈六阿弥陀如来でもちろん定朝様。仏師院覚の作とされています。
堂々とされた体躯で壮大。
法界寺の阿弥陀よりも目を開いた尊容で厳しさが増しているように思います。
見据え戒めるような厳しさを感じました。
一つ一つゆっくりと教えを説いているようなそんな雰囲気が漂っているようです。
ん~阿弥陀大好きだ。
今日の阿弥陀巡りは当たりやなぁと、ふと横を見やると厨子の中になにやらとんでもない仏像が。。
鎌倉期の十一面観音でしかも坐像!!
しかも手が四本ある御姿!
四臂で坐像の十一面観音菩薩!
力強い眼差し張りのある頬と若々しく勢いがあり力が漲るような、若く勢いのある仏師が彫ったのかなぁと思いながら拝まさせて頂きました。
光背やお厨子も素晴らしくちょっとヤバイです。
とんでもないモン見たって感じです(笑)




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福井県 / 若狭秘仏巡り!④
本日の予定は残すところ歴史資料館のみとなりましたが時間的に余裕が有り、急遽羽賀寺と国分寺を追加することに。
羽賀寺は4月に訪れたのですが"あの"十一面観音菩薩にどうしてもお会いしたくなり向かいました。近かったしね。
静かな境内にはふくよかな地蔵様がにっこり。

薄暗い本堂内 お厨子の中には密教感バリバリの十一面観音菩薩立像。
像高146.4cm 元正天皇の御影と言われる気高く美しい女性的な十一面観音です。
彩色が非常によく残り当時の色彩感覚が見て取れます。
衣の造形も複雑で折り返しや翻波式衣紋、右手首に架かる天衣など非常に素晴らしいです。
異常なまでに長い右腕、細く長く艶かしい指など見所は随所にあります。
元正天皇の勅願での造仏ですので当時の相当の仏像工房に依頼があったはずですし、10世紀の最高峰の仏師による最高傑作のひとつに数えられる仏像だと思います。
また、厨子脇にいらっしゃる千手観音菩薩立像は平安後期の作風を示しておりこちらも見応えがあります。
像高135.4cm。 本尊が一木造りであるのに対しこちらは桧材の寄木造り。また、彩色も施されてはいなかったようです。
優しいお顔に浅く彫られた衣紋がすーっと流れる。凄く穏やかで慈悲を感じさせていただける千手観音です。
本尊と見比べてみるのも、その造作の違いなどを楽しめて良いと思います。
小浜市HPより
小浜市HPより
そして歴史資料館には2体の仏像が特別展示。
長福寺の十一面観音菩薩と青蓮寺の聖観音菩薩です。

十一面観音は像高110cmで桧材の一木造り。鎌倉時代の仏像だそうですが衣の襞や衣紋は簡略化された平安末期にみられるような造形でした。
お顔は穏やかで静かな顔立ち。 優しく見守るお姿の菩薩像で胸の前で合掌している姿にほっとするような印象を受けました。
村で守られてきたんだなぁと思いながら拝観させて頂きました。
聖観音菩薩は像高53.5cmの壇像風仏像で僕の大好きな部類の仏像です(笑)
右足を上げ腰をひねる姿はバランスもよく美しい。
衣紋の流れも綺麗で小像でありながらその造形の密さに惚れ惚れします。
小浜HPより
小浜HPより
本日最後の拝観の地は若狭国分寺。
TV見仏記で見てよりこちらの薬師如来にお会いしたくてたまらなかったので最終間際に詰め込みました(笑)


本堂には丈六を超える大仏釈迦如来坐像が安置され、薬師堂には本尊薬師如来に脇仏として釈迦如来坐像、阿弥陀如来坐像が安置される。
お目当ての釈迦如来坐像ですが、もうめちゃめちゃ美仏。
偏り流れ膝元でうねる衣紋は見事で、端整で美麗な顔立ちは鎌倉期の造仏で間違いない特色を示しています。
単純にカッコイイと表現したくなるほどにカッコイイ薬師です。
美しく切れがあるというか鋭さを感じ入ります。
独特な風貌の多いように感じる薬師如来にあって非常に美しくカッコイイ薬師如来でした。
小浜HPより
小浜HPより
小浜HPより
小浜HPより
本日も素晴らしい一日なり
![IMG_2905[1]_convert_20121003181335](http://blog-imgs-52.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/201210031816306d0s.jpg)
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羽賀寺は4月に訪れたのですが"あの"十一面観音菩薩にどうしてもお会いしたくなり向かいました。近かったしね。
静かな境内にはふくよかな地蔵様がにっこり。


薄暗い本堂内 お厨子の中には密教感バリバリの十一面観音菩薩立像。
像高146.4cm 元正天皇の御影と言われる気高く美しい女性的な十一面観音です。
彩色が非常によく残り当時の色彩感覚が見て取れます。
衣の造形も複雑で折り返しや翻波式衣紋、右手首に架かる天衣など非常に素晴らしいです。
異常なまでに長い右腕、細く長く艶かしい指など見所は随所にあります。
元正天皇の勅願での造仏ですので当時の相当の仏像工房に依頼があったはずですし、10世紀の最高峰の仏師による最高傑作のひとつに数えられる仏像だと思います。
また、厨子脇にいらっしゃる千手観音菩薩立像は平安後期の作風を示しておりこちらも見応えがあります。
像高135.4cm。 本尊が一木造りであるのに対しこちらは桧材の寄木造り。また、彩色も施されてはいなかったようです。
優しいお顔に浅く彫られた衣紋がすーっと流れる。凄く穏やかで慈悲を感じさせていただける千手観音です。
本尊と見比べてみるのも、その造作の違いなどを楽しめて良いと思います。


そして歴史資料館には2体の仏像が特別展示。
長福寺の十一面観音菩薩と青蓮寺の聖観音菩薩です。

十一面観音は像高110cmで桧材の一木造り。鎌倉時代の仏像だそうですが衣の襞や衣紋は簡略化された平安末期にみられるような造形でした。
お顔は穏やかで静かな顔立ち。 優しく見守るお姿の菩薩像で胸の前で合掌している姿にほっとするような印象を受けました。
村で守られてきたんだなぁと思いながら拝観させて頂きました。
聖観音菩薩は像高53.5cmの壇像風仏像で僕の大好きな部類の仏像です(笑)
右足を上げ腰をひねる姿はバランスもよく美しい。
衣紋の流れも綺麗で小像でありながらその造形の密さに惚れ惚れします。


本日最後の拝観の地は若狭国分寺。
TV見仏記で見てよりこちらの薬師如来にお会いしたくてたまらなかったので最終間際に詰め込みました(笑)



本堂には丈六を超える大仏釈迦如来坐像が安置され、薬師堂には本尊薬師如来に脇仏として釈迦如来坐像、阿弥陀如来坐像が安置される。
お目当ての釈迦如来坐像ですが、もうめちゃめちゃ美仏。
偏り流れ膝元でうねる衣紋は見事で、端整で美麗な顔立ちは鎌倉期の造仏で間違いない特色を示しています。
単純にカッコイイと表現したくなるほどにカッコイイ薬師です。
美しく切れがあるというか鋭さを感じ入ります。
独特な風貌の多いように感じる薬師如来にあって非常に美しくカッコイイ薬師如来でした。




本日も素晴らしい一日なり
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福井県 / 若狭秘仏巡り!③
そして今回の秘仏巡りの目玉となる33年毎のご開帳の本開帳にあたる加茂神社為星寺の千手観音立像です。
流石に目玉であり33年の秘仏開帳とあり人出は他を圧倒するほど。
しかしここでも問題があったそうな。。
当初は収蔵庫内まで入らせて頂き拝観出来たそうですが、土足で入りご本尊に触れるような人がいたとか。。
急遽、収蔵庫内への立ち入りは中止されたそうです。。
しかしその代わりと言ってはなんですが撮影の許可を頂きその尊容を持ち帰らせて頂く事が出来ました。


平安初期の翻波式衣紋、禍紋を持ち胸や腰に量感を持ちながら腰周りは細く引締めた造形。
伏し目がちで鼻筋が通り厚い小さな口の尊容にやや厳しさを感じます。
お顔の輪郭は四角い感じで今日拝観してきた千手観音菩薩に共通するので、この地域の特徴なのでしょうか。
なお頭上の化仏中の六面と脇手の半数は当初のものだそうで、台座の蓮肉、蓮弁20枚は元の物が保存されているそうです。


竜前区薬師堂。
目印となるものがなく看板が出ているわけではないので迷いながらもなんとか無事到着。
収蔵庫の中にガラスケースに収められた薬師如来立像、十二神将もいらっしゃるのですがナゼか13体。
頭に乗せているのは狐だろうか。。。
係りの方にお尋ねしても分からないとのこと。皆さん聞きはるんやけど分からないんですと。
やっぱり仏像好きはみんな何故?と思い尋ねるそうです(笑)
像高は50.9cmで鎌倉期の銅像です。 かつては若狭一の宮上社の本地仏でしたが、神仏分離の際に竜前地区に移され、以来 地区の方々に大切に守られてきた薬師如来立像です。

小浜市HPより
続いて向かったのは地蔵菩薩坐像が安置される瑞伝寺。
参道や本堂は新築されて間もないようで非常に美しく立派。

堂内の須弥壇上には像高86cm 桧材の寄木造りの地蔵菩薩座坐像が脇に不動明王立像、毘沙門天立像を従え堂々と座しておられます。
正に堂々といった表現がピタリとくるほど素晴らしい地蔵菩薩です。
坐像ですが結跏趺坐にはせず、左足首をやや浮かすような今まさに半跏にしそうな一瞬を捉えたような造形。
お顔立ちも端整で切れ長の目に張りのある頬と力強く美しいですね。
寺伝では安阿弥作(快慶)と伝わっていたそうですが調査の結果、体内より墨書が見つかりその僕署名から西大寺縁の奈良在住の慶派仏師 幸千であると分かったそうです。
撮影もご住職の方から勧められ幾枚か頂いてまいりました。


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流石に目玉であり33年の秘仏開帳とあり人出は他を圧倒するほど。
しかしここでも問題があったそうな。。
当初は収蔵庫内まで入らせて頂き拝観出来たそうですが、土足で入りご本尊に触れるような人がいたとか。。
急遽、収蔵庫内への立ち入りは中止されたそうです。。
しかしその代わりと言ってはなんですが撮影の許可を頂きその尊容を持ち帰らせて頂く事が出来ました。




平安初期の翻波式衣紋、禍紋を持ち胸や腰に量感を持ちながら腰周りは細く引締めた造形。
伏し目がちで鼻筋が通り厚い小さな口の尊容にやや厳しさを感じます。
お顔の輪郭は四角い感じで今日拝観してきた千手観音菩薩に共通するので、この地域の特徴なのでしょうか。
なお頭上の化仏中の六面と脇手の半数は当初のものだそうで、台座の蓮肉、蓮弁20枚は元の物が保存されているそうです。




竜前区薬師堂。
目印となるものがなく看板が出ているわけではないので迷いながらもなんとか無事到着。
収蔵庫の中にガラスケースに収められた薬師如来立像、十二神将もいらっしゃるのですがナゼか13体。
頭に乗せているのは狐だろうか。。。
係りの方にお尋ねしても分からないとのこと。皆さん聞きはるんやけど分からないんですと。
やっぱり仏像好きはみんな何故?と思い尋ねるそうです(笑)
像高は50.9cmで鎌倉期の銅像です。 かつては若狭一の宮上社の本地仏でしたが、神仏分離の際に竜前地区に移され、以来 地区の方々に大切に守られてきた薬師如来立像です。


小浜市HPより
続いて向かったのは地蔵菩薩坐像が安置される瑞伝寺。
参道や本堂は新築されて間もないようで非常に美しく立派。


堂内の須弥壇上には像高86cm 桧材の寄木造りの地蔵菩薩座坐像が脇に不動明王立像、毘沙門天立像を従え堂々と座しておられます。
正に堂々といった表現がピタリとくるほど素晴らしい地蔵菩薩です。
坐像ですが結跏趺坐にはせず、左足首をやや浮かすような今まさに半跏にしそうな一瞬を捉えたような造形。
お顔立ちも端整で切れ長の目に張りのある頬と力強く美しいですね。
寺伝では安阿弥作(快慶)と伝わっていたそうですが調査の結果、体内より墨書が見つかりその僕署名から西大寺縁の奈良在住の慶派仏師 幸千であると分かったそうです。
撮影もご住職の方から勧められ幾枚か頂いてまいりました。





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次の目的地は高成寺より徒歩で向かえる場所にある正法寺と栖雲寺。
正法寺には金銅仏の如意輪観音菩薩。
栖雲寺には阿弥陀如来坐像がいらっしゃるとのこと。
まずは正法寺へと向かうこととした。
門をくぐるとそこには飛鳥顔をされた石仏群が。
非常に愛らしくめちゃくちゃ可愛い!
この石仏群にお会い出来るだけでも来た価値があったと思わずにはいられない。
寸足らずな壇像風な可愛く愛らしく頑張っている感をひしひしと感じずにはいられない石仏です。
なんとも癒されるなぁ~
そして今回の秘仏公開の如意輪観音様がいらっしゃる本堂へ。



鎌倉期の作となる金銅仏の如意輪観音半跏思惟像。
凛々しくもあり可愛らしさもある飛鳥時代の古仏を模した金銅仏です。
そっと頬に添えた右指のしなやかで美しい様は見惚れる美しさ。
金銅仏の如意輪観音半跏思惟像としては大阪野中寺が有名ですがこの方も美しい。
同じく小浜には正林庵に白鳳期の金銅如意輪観音半跏思惟像がいらっしゃるので合わせて拝観したかったがこちらは公開期間が合わずでお会いできずでした。。
いつの日かこの2体を同日に拝むことが出来ればなと想いながら後にする。
あと写真撮影をお願いした折にお寺のおばあ様から苦言が。。
今回の秘仏巡りでは無許可で、断りもなく勝手に写真を撮っていく方が多くて困ると仰られていました。。
基本的にはプロの写真かにしか許可を出さないと。
しかしながら僕のお願いには応じて頂きお厨子の前の法具等も写真が撮り易いようにと避けて頂き撮影を許して頂きました。
許可を頂き撮影させて頂いた2枚の尊影を載せさせて頂きます。

続いて徒歩で2~3分、栖雲寺へ。
平安後期の素晴らしい阿弥陀如来坐像がいらっしゃいます。
街中に展示されていた広告写真を見ただけでその素晴らしさに小躍りしてしまい先に写真を見てしまったことに多少後悔してしまうくらいの美仏。

門をくぐり本堂へ入らせていただくとそこには釈迦三尊坐像。
そしてその前に今回の公開対象となっている平安末期の市指定文化財 阿弥陀如来坐像。
衣の流れが美しく逞しい肉体と張りのある尊容はのちの鎌倉期へ通じるような尊大さ。
来迎印を結んだ阿弥陀様の像様は像高36.9cmの寄木造りで彫眼金泥彩色。
像内の内刳り部全面に、僧俗多数の人名とともに「永万元年次方乙酉七月廿六日改造立願主并結縁衆□□」の紀年銘を記し、また膝裏部には「願以此功徳普及於一切我等与衆生皆共成仏道」の願文を墨書を記す。
須弥壇上の釈迦三尊像も美しく荘厳な雰囲気を与えてくれる。
江戸期あたりの作なのかなぁ。
やはり仏像拝観はお堂内が一番だと思わせてくれる空間でした。



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正法寺には金銅仏の如意輪観音菩薩。
栖雲寺には阿弥陀如来坐像がいらっしゃるとのこと。
まずは正法寺へと向かうこととした。
門をくぐるとそこには飛鳥顔をされた石仏群が。
非常に愛らしくめちゃくちゃ可愛い!
この石仏群にお会い出来るだけでも来た価値があったと思わずにはいられない。
寸足らずな壇像風な可愛く愛らしく頑張っている感をひしひしと感じずにはいられない石仏です。
なんとも癒されるなぁ~
そして今回の秘仏公開の如意輪観音様がいらっしゃる本堂へ。





鎌倉期の作となる金銅仏の如意輪観音半跏思惟像。
凛々しくもあり可愛らしさもある飛鳥時代の古仏を模した金銅仏です。
そっと頬に添えた右指のしなやかで美しい様は見惚れる美しさ。
金銅仏の如意輪観音半跏思惟像としては大阪野中寺が有名ですがこの方も美しい。
同じく小浜には正林庵に白鳳期の金銅如意輪観音半跏思惟像がいらっしゃるので合わせて拝観したかったがこちらは公開期間が合わずでお会いできずでした。。
いつの日かこの2体を同日に拝むことが出来ればなと想いながら後にする。
あと写真撮影をお願いした折にお寺のおばあ様から苦言が。。
今回の秘仏巡りでは無許可で、断りもなく勝手に写真を撮っていく方が多くて困ると仰られていました。。
基本的にはプロの写真かにしか許可を出さないと。
しかしながら僕のお願いには応じて頂きお厨子の前の法具等も写真が撮り易いようにと避けて頂き撮影を許して頂きました。
許可を頂き撮影させて頂いた2枚の尊影を載せさせて頂きます。


続いて徒歩で2~3分、栖雲寺へ。
平安後期の素晴らしい阿弥陀如来坐像がいらっしゃいます。
街中に展示されていた広告写真を見ただけでその素晴らしさに小躍りしてしまい先に写真を見てしまったことに多少後悔してしまうくらいの美仏。


門をくぐり本堂へ入らせていただくとそこには釈迦三尊坐像。
そしてその前に今回の公開対象となっている平安末期の市指定文化財 阿弥陀如来坐像。
衣の流れが美しく逞しい肉体と張りのある尊容はのちの鎌倉期へ通じるような尊大さ。
来迎印を結んだ阿弥陀様の像様は像高36.9cmの寄木造りで彫眼金泥彩色。
像内の内刳り部全面に、僧俗多数の人名とともに「永万元年次方乙酉七月廿六日改造立願主并結縁衆□□」の紀年銘を記し、また膝裏部には「願以此功徳普及於一切我等与衆生皆共成仏道」の願文を墨書を記す。
須弥壇上の釈迦三尊像も美しく荘厳な雰囲気を与えてくれる。
江戸期あたりの作なのかなぁ。
やはり仏像拝観はお堂内が一番だと思わせてくれる空間でした。







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福井県 / 若狭秘仏巡り!①
9月17日。
この日は15日より始まった「みほとけの里 若狭おばまの秘仏巡り」へと行ってきました。
滋賀県湖北地方と並び 地方古仏の宝庫である若狭の地は仏像好きにとって外すことの出来ない地である。
その若狭において秘仏巡りなる企画が持ち上がりました。
平成26年度の舞鶴若狭自動車道全線開通に向けて、通常は公開されてはいない仏像など若狭の文化財を公開し地域の活性化をという試みらしいです。
土日祝日のみの公開でバスツアーまで出る力の入れよう。
しかし個人的に土日祝日は休めない仕事なのを無理して休みを取ったので1寺でも多く周りたいとの欲望からマイカーで回ることとした。
飯盛寺→高成寺→正法寺→栖雲寺→加茂神社為星寺→竜前区薬師堂→瑞傳寺→羽賀寺→歴史資料館→国分寺と全10ヶ所!
じっくり拝観しながらでも余裕を持って回れたのは やはり地域での公開とあり各寺社が近いこともあってのことでした。
最初に訪れた飯盛寺は秘仏本尊 薬師如来坐像、脇侍 千手観音立像がいらっしゃいます。
本尊の薬師如来は本堂の寿司に安置されており、10世紀~12世紀頃に中国より請来された像高40cmほどの寄木造りの白塗りに彩色された異色なお薬師様でした。


脇侍の千手観音立像は平安期後期の作風で浅い衣紋表現にふっくらしたお顔をされています。
しっかりと前を見据える眼差しはやや厳しく、彩色が剥落し現れている木目といい雰囲気だと思います。
頭体幹部は木芯を含む桧の縦一材から彫り出し、内刳りを全く施さない一木造りで脇手は別材より彫り出し両肩にカスガイで止めているそう。



ついで向かうは車で10~15分ほどの高成寺へ。
こちらにいらっしゃるのは千手観音立像。

像高181cmで桧材より全身を彫り出し内ぐりを施さない一木造り。
肉付き豊かな体躯をし足元には大小の波を刻んだ翻波式衣紋や禍紋が見て取れる平安初期の仏像です。
お顔は伏し目がちで下唇を噛んだような、厳しく見えそうだけど僕にはどこか儚さがあるように見えました。
次お会いした時、僕にはどう映るのだろうか?と今日 心に映った千手観音菩薩と明日に映る千手観音菩薩を想像しながら拝観させてもらいました。
御前立ちには白塗りの十一面観音立像。
ん~~御前立ちのせいで千手観音がよく見えない。。とは言えないですよね。。


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この日は15日より始まった「みほとけの里 若狭おばまの秘仏巡り」へと行ってきました。
滋賀県湖北地方と並び 地方古仏の宝庫である若狭の地は仏像好きにとって外すことの出来ない地である。
その若狭において秘仏巡りなる企画が持ち上がりました。
平成26年度の舞鶴若狭自動車道全線開通に向けて、通常は公開されてはいない仏像など若狭の文化財を公開し地域の活性化をという試みらしいです。
土日祝日のみの公開でバスツアーまで出る力の入れよう。
しかし個人的に土日祝日は休めない仕事なのを無理して休みを取ったので1寺でも多く周りたいとの欲望からマイカーで回ることとした。
飯盛寺→高成寺→正法寺→栖雲寺→加茂神社為星寺→竜前区薬師堂→瑞傳寺→羽賀寺→歴史資料館→国分寺と全10ヶ所!
じっくり拝観しながらでも余裕を持って回れたのは やはり地域での公開とあり各寺社が近いこともあってのことでした。
最初に訪れた飯盛寺は秘仏本尊 薬師如来坐像、脇侍 千手観音立像がいらっしゃいます。
本尊の薬師如来は本堂の寿司に安置されており、10世紀~12世紀頃に中国より請来された像高40cmほどの寄木造りの白塗りに彩色された異色なお薬師様でした。




脇侍の千手観音立像は平安期後期の作風で浅い衣紋表現にふっくらしたお顔をされています。
しっかりと前を見据える眼差しはやや厳しく、彩色が剥落し現れている木目といい雰囲気だと思います。
頭体幹部は木芯を含む桧の縦一材から彫り出し、内刳りを全く施さない一木造りで脇手は別材より彫り出し両肩にカスガイで止めているそう。





ついで向かうは車で10~15分ほどの高成寺へ。
こちらにいらっしゃるのは千手観音立像。


像高181cmで桧材より全身を彫り出し内ぐりを施さない一木造り。
肉付き豊かな体躯をし足元には大小の波を刻んだ翻波式衣紋や禍紋が見て取れる平安初期の仏像です。
お顔は伏し目がちで下唇を噛んだような、厳しく見えそうだけど僕にはどこか儚さがあるように見えました。
次お会いした時、僕にはどう映るのだろうか?と今日 心に映った千手観音菩薩と明日に映る千手観音菩薩を想像しながら拝観させてもらいました。
御前立ちには白塗りの十一面観音立像。
ん~~御前立ちのせいで千手観音がよく見えない。。とは言えないですよね。。





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和歌山仏像巡り
9月11日。
この日は和歌山へ仏像拝観に出かけて来た。
弘法大師 空海が開いた真言宗総本山の高野山を訪れ、運慶、快慶をはじめとする数多くの仏像を拝観する。
高野山を訪れるのは二度目ですが初見の仏像もお出ましになっており高揚する。

霊宝館には初見の快慶作の深沙大将。
素晴らしいバランス感覚で彫り出された仏像です。
悪鬼の如き表情でありながら見惚れる美しさを持つ深沙大将。
まさに快慶の造形に他ならない美しさです。
絵画から抜き出した一瞬の美。
吸い込まれるような溶け込んでしまうような美しさは快慶ならでは!
執金剛神と並ぶ姿をお目にかかりたかったが執金剛神は修復作業へ出かけられているので会えず。
行く前から知ってましたのでショックではなかったけれど、深沙対象の素晴らしさを目の当たりにすると共にお会いしたかったとの想いが溢れてしまう。。。

そして運慶である。
八大童子像には驚いた。
生気溢れる造形で息をしてたたずみ、睨みつけられている錯覚を覚えた。
射抜くような眼力に瑞々しい二の腕に腹周り。
脈打つ鼓動が聞こえてくるような、呼吸の音が聞こえてくるような凄まじいまでの生気。
これが運慶か。。。と改めて運慶の凄さを実感する。
写真で見るのとでは迫力がまるで違う。大違いでした。

続いて、慈光円福院へ。
こちらの十一面観音は写真集で見て以来、いつか必ずお会いしたいと願っていた仏像の一つ。
金箔を施さず彩色された仏像でおおよそは剥落しているが唇にわずかな朱を残し妖しい魅力を与えてくれる。
平安期の特徴がよく表れた美仏。翻波式衣紋は本当に美しい。
密教感が溢れんばかりの美しさと妖しさと恐ろしさを併せ持った方です。
大阪観心寺 如意輪観音菩薩、若狭の羽賀寺 十一面観音菩薩に通じる密教感バリバリの妖しい十一面。
これは何時間でも吸い込まれて見ていられるでしょう。間近も間近までにじり寄り拝む。
見上げるようにして拝んでいるとさらに畏怖の念が沸き起こる。
撮影の許可を頂き幾枚も撮らせて頂いた。お堂で写真を撮らせて頂くときいつも、いいカメラを買いたい。。と思わずにはいられない。。




そして根来寺へ。
最後に訪れた根来寺の大伝法堂には大日如来・金剛薩埵・尊勝仏頂尊の3体の大仏が居並ぶスペクタルな空間。
頭の奥がキーンとする様な異次元感を味わいワクワクする。
宗祖覚鑁上人が大伝法院を開山以来の御尊格であり、新義真言宗の法灯を伝える根本尊像で、重要文化財に指定されています。
やはりお堂で拝見する神々しさは素晴らしいです。
ライトアップされた環境で間近から見れる博物館等も良いのは良いですがやはりお堂の中、厨子の中にいらっしゃる姿を拝むのとでは空気が違いますよね。
また、国宝建築の根本大塔の美しいこと。
根本大塔と伝法堂と空。
目が回りそうな素晴らしさです。
こういった素晴らしい建築物を見て回るのも大好きです。
季節の旅に姿を変える美しさ。
夏はやはり青空と雲。
自分の小ささを思い知るような、鼻から脳天へ息吹が抜けていくような清々しい気持ちになりますね。



今日も素晴らしきなり。
![IMG_2907[1]_convert_20121003181521](http://blog-imgs-52.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/201210031816285f8s.jpg)
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この日は和歌山へ仏像拝観に出かけて来た。
弘法大師 空海が開いた真言宗総本山の高野山を訪れ、運慶、快慶をはじめとする数多くの仏像を拝観する。
高野山を訪れるのは二度目ですが初見の仏像もお出ましになっており高揚する。


霊宝館には初見の快慶作の深沙大将。
素晴らしいバランス感覚で彫り出された仏像です。
悪鬼の如き表情でありながら見惚れる美しさを持つ深沙大将。
まさに快慶の造形に他ならない美しさです。
絵画から抜き出した一瞬の美。
吸い込まれるような溶け込んでしまうような美しさは快慶ならでは!
執金剛神と並ぶ姿をお目にかかりたかったが執金剛神は修復作業へ出かけられているので会えず。
行く前から知ってましたのでショックではなかったけれど、深沙対象の素晴らしさを目の当たりにすると共にお会いしたかったとの想いが溢れてしまう。。。

そして運慶である。
八大童子像には驚いた。
生気溢れる造形で息をしてたたずみ、睨みつけられている錯覚を覚えた。
射抜くような眼力に瑞々しい二の腕に腹周り。
脈打つ鼓動が聞こえてくるような、呼吸の音が聞こえてくるような凄まじいまでの生気。
これが運慶か。。。と改めて運慶の凄さを実感する。
写真で見るのとでは迫力がまるで違う。大違いでした。

続いて、慈光円福院へ。
こちらの十一面観音は写真集で見て以来、いつか必ずお会いしたいと願っていた仏像の一つ。
金箔を施さず彩色された仏像でおおよそは剥落しているが唇にわずかな朱を残し妖しい魅力を与えてくれる。
平安期の特徴がよく表れた美仏。翻波式衣紋は本当に美しい。
密教感が溢れんばかりの美しさと妖しさと恐ろしさを併せ持った方です。
大阪観心寺 如意輪観音菩薩、若狭の羽賀寺 十一面観音菩薩に通じる密教感バリバリの妖しい十一面。
これは何時間でも吸い込まれて見ていられるでしょう。間近も間近までにじり寄り拝む。
見上げるようにして拝んでいるとさらに畏怖の念が沸き起こる。
撮影の許可を頂き幾枚も撮らせて頂いた。お堂で写真を撮らせて頂くときいつも、いいカメラを買いたい。。と思わずにはいられない。。








そして根来寺へ。
最後に訪れた根来寺の大伝法堂には大日如来・金剛薩埵・尊勝仏頂尊の3体の大仏が居並ぶスペクタルな空間。
頭の奥がキーンとする様な異次元感を味わいワクワクする。
宗祖覚鑁上人が大伝法院を開山以来の御尊格であり、新義真言宗の法灯を伝える根本尊像で、重要文化財に指定されています。
やはりお堂で拝見する神々しさは素晴らしいです。
ライトアップされた環境で間近から見れる博物館等も良いのは良いですがやはりお堂の中、厨子の中にいらっしゃる姿を拝むのとでは空気が違いますよね。
また、国宝建築の根本大塔の美しいこと。
根本大塔と伝法堂と空。
目が回りそうな素晴らしさです。
こういった素晴らしい建築物を見て回るのも大好きです。
季節の旅に姿を変える美しさ。
夏はやはり青空と雲。
自分の小ささを思い知るような、鼻から脳天へ息吹が抜けていくような清々しい気持ちになりますね。






今日も素晴らしきなり。
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三重県 パラミタミュージアム「南都大安寺と観音さま」展
仕事休みの度に出かける仏像拝観の思い出を、文字に残してみようと仏像拝観ブログを立ち上げてみる。
巡ったお寺や仏像の感想、想いを綴っていきたい。
さて、早速ではありますが9月5日 三重県パラミタミュージアムで始まった特別展「南都大安寺と観音さま」展へと仏像拝観に出かけてきた。
この特別展はパラミタミュージアムの開館十周年特別展として催され、縁の深い奈良県大安寺の至宝と三重県だけに留まらず内外の観音菩薩が大集合いたしました。
その数30~40体!大安寺の秘仏馬頭観音菩薩立像もお出ましになり凄~く見応えのある展覧会。
さすがは十周年特別展と銘打つだけはある!
大安寺からは秘仏馬頭観音に加えて、不空羂索観音、楊柳観音がいらっしゃいます。
ただし、不空羂索観音と楊柳観音は前期後期で入れ替えです。
他には三重県津市瀬古区所蔵の壇像風十一面観音。
鼻が横へ広がり厚い唇を持つ方です。
もともと壇像彫刻が大好きな僕の心を鷲掴み。
どこか田舎臭いようなおばちゃん風十一面(笑)
また、薬師寺で何度もお会いしている壇像風聖観音菩薩、和歌山県 円満寺の聖観音菩薩など壇像彫刻や、三重県各地の十一面観音菩薩ががいらっしゃってます。
初見でもっとも惹かれたのは三重県弥勒寺の十一面観音菩薩と聖観音菩薩でした。
平安期の地方古仏感が凄く、浅く簡素化された衣紋表現に頬がふっくらした尊様。
その他にも地方仏のオンパレードで地方古仏好きにはたまらない展覧会であります!
四足八鳥という瑞鳥に乗った珍しい如意輪観音もいらっしゃり、像高30cmほどの平安仏。
端整な顔立ちで他の地方仏とは趣を異にした方でした。素晴らしいです。
いや~パラミタミュージアムの本気凄かった!
で、常設の長快作の長谷寺式十一面観音菩薩立像は1F廊下に展示されていて撮影OK!
保存状態も素晴らしく、この方だけでがっつり時間頂く感じです。
ん~もう一度見に行きたいなぁ。
![IMG_2732[1]_convert_20121001213906](http://blog-imgs-52.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/20121001214140cefs.jpg)
![IMG_2774[1]_convert_20121001214726](http://blog-imgs-52.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/20121001214852386s.jpg)
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巡ったお寺や仏像の感想、想いを綴っていきたい。
さて、早速ではありますが9月5日 三重県パラミタミュージアムで始まった特別展「南都大安寺と観音さま」展へと仏像拝観に出かけてきた。
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その数30~40体!大安寺の秘仏馬頭観音菩薩立像もお出ましになり凄~く見応えのある展覧会。
さすがは十周年特別展と銘打つだけはある!
大安寺からは秘仏馬頭観音に加えて、不空羂索観音、楊柳観音がいらっしゃいます。
ただし、不空羂索観音と楊柳観音は前期後期で入れ替えです。
他には三重県津市瀬古区所蔵の壇像風十一面観音。
鼻が横へ広がり厚い唇を持つ方です。
もともと壇像彫刻が大好きな僕の心を鷲掴み。
どこか田舎臭いようなおばちゃん風十一面(笑)
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初見でもっとも惹かれたのは三重県弥勒寺の十一面観音菩薩と聖観音菩薩でした。
平安期の地方古仏感が凄く、浅く簡素化された衣紋表現に頬がふっくらした尊様。
その他にも地方仏のオンパレードで地方古仏好きにはたまらない展覧会であります!
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端整な顔立ちで他の地方仏とは趣を異にした方でした。素晴らしいです。
いや~パラミタミュージアムの本気凄かった!
で、常設の長快作の長谷寺式十一面観音菩薩立像は1F廊下に展示されていて撮影OK!
保存状態も素晴らしく、この方だけでがっつり時間頂く感じです。
ん~もう一度見に行きたいなぁ。
![IMG_2746[1]_convert_20121001214338](http://blog-imgs-52.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/201210012144361bcs.jpg)
![IMG_2762[1]_convert_20121001215018](http://blog-imgs-52.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/20121001215241eefs.jpg)
![IMG_2732[1]_convert_20121001213906](http://blog-imgs-52.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/20121001214140cefs.jpg)
![IMG_2768[1]_convert_20121001214627](http://blog-imgs-52.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/20121001214823fc5s.jpg)
![IMG_2774[1]_convert_20121001214726](http://blog-imgs-52.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/20121001214852386s.jpg)

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