滋賀県 ・ 医王寺「乙女の十一面観音の巻き」

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高時川の渓流沿いに静かにたたずむ無住のお寺。
鎌倉時代に菅山寺を再興した当地出身の僧専暁(せんぎょう)が本尊に薬師如来を安置し医王寺を創建した。
現在の本尊は十一面観音菩薩で由来については不明である。
当初より本お堂に安置されていた訳ではなく、明治二十年ごろに この寺の僧栄観(えいかん)が長浜の古物商より求めて持ち帰りお堂に安置したそうです。
明治初期の神仏分離令による廃仏毀釈の為に近隣に安置されていたものが古物商へ流出したものと考えられています。


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予約した時間よりも早く到着してしまったが世話方さんはすでにいらっしゃりお堂の掃除をされていました。
さっそく堂内へ招き入れて下さると、堂内は思っていたよりも明るく扉や窓からいい具合に光が差し込む見仏に適した環境。
お厨子は一段高い場所に安置されていますが踏み台を登りお厨子の真ん前での拝観を許して頂けます。
覗き込むように目と目を合わせるように十一面観音像を拝観することが出来ます。



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井上靖の著「星と祭」において”村の乙女の観音さん”と称された十一面観音。
湖北地方の他の十一面観音よりはやや小ぶりで煌びやかな宝冠や瓔珞に身を包む姿は花嫁の様。
細やかに彫り上げられた翻波式衣紋の美しさ、絡むように流れる天衣はウェディングドレスのように見えてくる。
柔らかさを感じさせ静かにたたずむ姿はまさに乙女の様で見惚れる美しさです。

静かに目を閉じ小さく口を結ぶ。煌びやかな装飾品とは裏腹に素朴にたたずむ優しさ愛らしさに”村の乙女”という表現に納得させられる像容でした。


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重要文化財に指定 像高は152cm 平安時代後期 クスノ木の一木造り。



黒田観音寺と同様 お厨子より出され調査された折の写真を厚かましくもお願いして撮影させて頂きました。
普段では決して見ることの出来ないお姿を確認することが出来ます。


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お堂の脇にそっと見守るようにいらっしゃるお地蔵さんの愛らしさも見逃せない医王寺のポイントです。
訪れた折は是非お地蔵さんにご挨拶してくださいね。

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医王寺(いおうじ)
滋賀県長浜市木之本町大見
TEL : 0749-82-5902(木之本町観光協会)
拝観 : 要予約
拝観料 : 300円
駐車場 : 有り



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滋賀県 ・ 黒田観音寺「咲き乱れる千手の巻き」

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神亀年中、行基が巡教して此の地に来られ、人々に仏の教えを広める為に自ら千手観音菩薩を刻みお堂を建立し安置したと伝わります。
幾度もの火災や戦禍のため寺は荒れ寺号なども忘れ去られ荒廃の一途をたどりますが、そうした時、臨済宗の高僧がこの地を巡錫してこられ荒廃した寺中にまことに見事な尊像のあることに驚き、この地は昔、高僧の溜りてお堂を建てられた見事な寺院であったに違いない、時代の盛衰変遷と共にこの様になったのだろうと四方に托鉢に回り浄財を得てお寺を修復し霊応山観音寺と称した。




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世話方さんにお堂へ通され厨子の前に座り開帳して頂きました。
現れた仏像の素晴らしさに思わず息を飲む。

平安初期の一木造り 檜材。
像高は199cm。
千手観音菩薩と伝わるが腕の本数が42本ではなく18本であることなどから准低観音との見方もあるそうです。
欠損なく残りあらゆる方向へと伸びた十八臂の腕が見事で変化に富み美しく、1本1本の腕の流れを追ったり全体で眺めたりと見飽きることなくいつまでも見ていられる素晴らしさです。
咲き乱れるような 万華鏡のような妖しく美しい。

衣紋は浅く彫られながらも禍紋など平安期の特色が見て取れ衣の下の豊かな肉付きを感じさせてくれます。
ややつり目がちな厳しい尊容で非常に美しく荘厳さを感じさせてくださる素晴らしい千手観音菩薩でした。


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修復調査の際にお厨子より出された時の写真を見せて頂き厚かましくも撮影の許可を頂いたので載せておきます。
側面や背後、足元からの像容を捉えた写真で非常に貴重なお姿を見ることが出来ます。


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境内には復興に際し多額の浄財を寄進し、他の者にも勧めこの寺の信心するように図り復興に努めた保崎谷長者の墓と伝わる二基の石塔がある。

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黒田観音寺(くろだかんのんじ)
滋賀県長浜市木之本町黒田1811
TEL : 0749-82-5909(木之本町観光協会)
拝観 : 要予約
拝観料 : 500円
駐車場 : 境内隅に可能



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Author:迦楼馬-カルマ-
仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる三十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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