滋賀県・正妙寺

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西野薬師堂より徒歩で10分ほど。
西野の集落の北はずれ、日枝神社の上手、山の中腹にお堂は建っています。
高月地方の他のお寺と同様こちらも世話方さんへ拝観連絡を入れお堂を開けていただく。

こちらの本尊は千手千足観音像で日本で唯一かもしれないお像です。
千足を持つ仏像に関しては鎌倉時代後期に「阿裟縛抄」-あさばしょう- に千足の観音の記載がある。
それによると天台の高僧円珍が唐より請来して園城寺(三井寺)に納めたとある。
園城寺に実在するのかはわかりませんが、実在の仏像として拝観出来るのはこちらの正妙寺だけでしょう。


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少し小高い丘の上に建つ小さなお堂。
そこにいらっしゃるのは強烈な印象を残す千千足観音。


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像高42.1cm 寄木造り。
多くの金箔を残すものの江戸期の塗り直しであるのか像自体が江戸期程であるのか詳細は不明。
頭上に化仏を乗せる憤怒相で三眼。
錫杖を握る両の手以外は横へ突き出すように生え出し、大地に立つ2足以外も横から流れるように生え出す劇画的でありユーモアな造形です。
その造形に魅了されるといった感動ではなく、一度見ると二度と忘れることが出来ないインパクトを持ち、見仏記ファンなら必ず訪れるべき場所であります。
この方を拝観せずして湖北見仏をしたとは言えないほど今や有名な湖北を代表する仏像です。



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滋賀県・西野薬師堂

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かつて西野の小字寺山に天台宗の泉明寺と称する寺があり延曆の初め頃(782~85)伝教大師がこの地を訪れ薬師如来、十一面観音、十二神将を刻みこの寺に安置したという。
また大友皇子の末裔・西野丹波守家澄が菩提寺として庇護したといわれる。
その後度重なる戦乱により荒廃し、永正15年(1518)2月には浅井氏の兵火にかかり堂宇は灰塵に帰した。
しかし仏像は村人達の手により救い出され、大正15年に国宝の指定を受け、制度の改正によって昭和25年に重要文化財の指定を受け今に至る。
現在は充満寺の所蔵として村人達に守られながら薬師堂に安置されています。



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伝薬師如来立像。
像高159.4cm 欅材の一木造り。

両手先は後補となり阿弥陀如来のように来迎院を結んでいます。
後補であるため元々の尊容を伺い知ることは出来ませんが、古くから薬師如来として地域では信仰されてきた歴史から薬師如来として造像されてものと思います。

仏教伝来初期の頃は薬壺を持たない薬師如来が多い。
薬壺を持つ像容が彫られるようになったのは、不空訳「薬師如来念誦儀軌」の伝来以降だと考えられています
この書に薬師如来は左手に薬壷、碗を乗せるとの記載があるそうです。

どっしりとした体躯でなで肩。
張りのある力強い印象を受けます。
太い腿やY字の衣紋線に平安の特徴が色濃く伺えます。
鼻筋が通り張った頬に男性的な薬師如来だと思います。


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十一面観音菩薩立像。
像高166.7cm 檜材の一木造り。
薬師如来と同じく金箔の剥げ落ちた下地の漆材が見え赤褐色の風貌。
しかし造形は趣を異にし、肩は張り胸も厚く腹周りの量感も厚い艶かしい魅力をたたえます。
折り返す衣や両の股の間の禍紋に翻波式衣紋と美しく実に魅力的な方です。

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見仏記を好きな方なら必ず写真に収めるであろう「こどもかいかだん」(笑)


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滋賀県・赤後寺

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日吉神社境内に建つ。
開基は行基とされ、開運の仏様と名高い本尊は平安初期の作で重要文化財に指定。
災い転じて利となす「転利(コロリ)観音」といわれ、三回参拝すれば極楽往生できるともいわれています。
姉川の戦い、賤ヶ岳の戦火から守る為に土中に埋めたり、川中に沈めたりとし隠してきたが河川の氾濫によりご尊像は各々 手首や腕を流され頭頂仏を流され、尊顔にも多数の傷を負うこととなってしまったそうです。

そのあまりの痛々しいお姿に村人は長らく秘仏としてきたが、昭和44年に重要文化財に指定されたことを受け公開に踏み切ったそうです。
公開に至るまでも幾度となく話し合いが持たれ思い悩み葛藤されてきたそうだが、今日には常時拝観が可能となりその尊様を拝むことが出来る。

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千手観音菩薩立像。
平安時代、檜材の一木造り。
胸から腹回りにかけて肉付きがよくゆったりした印象を与える。
右足をやや屈し半歩踏み出そうとする直前の像様です。

元々は腕を42本持つお姿であったが、度重なる戦火等から現在は12本を残すのみ。
また残った腕も手首より先はなく、世話方の方はしきりに痛ましいお姿でと仰っていた。
しかしお顔には大きな欠損なく神々しいお姿を感じさせるに十分な尊様であると僕は感じました。


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聖観音菩薩立像
平安時代 、檜材の一木造り
像高180cmを越え、張った肩から肉付きよい胸からくびれたしなやかな腰回りと非常にスタイリッシュで美しい観音様です。
お顔は瞳を伏せた様な優しいお顔立ちで慈悲深さを感じます。
天衣の細かな彫り込みや下肢に見える翻波式の衣紋から檀像風な印象を受けます。

こちらの聖観音菩薩も千手観音と同様、手首より先を失い足先も失ったお姿。
痛ましいながらも素晴らしい像様です。


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川に沈め身を隠した時に流されない様にと その身に乗せたと伝わる枕石。

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迦楼馬-カルマ-

Author:迦楼馬-カルマ-
仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる三十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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