奈良県・大福寺
2月28日
本日の見仏は要予約なお寺をいくつか巡ってきました。
最初に訪れたのは奈良県広陵町の大福寺。


こちらのお寺の御本尊は薬師如来坐像。
他にも不動明王や阿弥陀立像、阿弥陀坐像など多数の仏像が本堂に安置されています。
御本尊 薬師如来坐像の台座にはごくごく最近の十二神将がずらり。
30cmないくらいの色彩されていない小さなお像ですが非常に愛らしくかっこよくじっくり見たくなる十二神将です。
しかし、今回こちらの大福寺さんへ拝観予約をして見に来たのは室町期の十一面観音立像です。
錫杖を持つ長谷寺式と言われる十一面なんですがそれだけではなく、脇侍に難蛇龍王、雨宝童子を従える長谷寺の十一面三尊形式と同じ三尊で安置されています。
三尊とも素地造りで色彩がほとんど施されていなく木目の美しさを最大限に引き出した非常に美しい仏像でした。
十一面は2mくらい、脇侍が80cmくらいの像高で赤茶けた木の質感に温かみを感じる像様。
十一面と難蛇龍王の像内に墨書があり宿院仏師の源次、原三郎、源四郎、源五郎一門総出の造仏だそうです。
宿院仏師の最高傑作だとか。
元々、大工業をされていたという宿院仏師だそうで木の選出眼に優れ木目の美しさなどに非常に優れた仏像だというお話でした。
また、色彩を施された仏像は誤魔化しが効くが素地作りは誤魔化しが効かない、経年劣化にも強く歪みや欠落が少ないという話も聞くことができました。
お話通り、欠落や剥落といった歪みを全く感じない造仏当時のまま年を経た美しさを感じさせてくれる美仏でした。
ちなみにこの三尊は県指定文化財となっています。
堂内はほとんど明かりを灯さないため拝観は午前中にされることをオススメします。
というか予約したらおそらく午前中を指定されるかな?
お寺の方が朝の太陽の明かりがないと暗くてなかなか見づらいと仰っていました。
本日の見仏は要予約なお寺をいくつか巡ってきました。
最初に訪れたのは奈良県広陵町の大福寺。


こちらのお寺の御本尊は薬師如来坐像。
他にも不動明王や阿弥陀立像、阿弥陀坐像など多数の仏像が本堂に安置されています。
御本尊 薬師如来坐像の台座にはごくごく最近の十二神将がずらり。
30cmないくらいの色彩されていない小さなお像ですが非常に愛らしくかっこよくじっくり見たくなる十二神将です。
しかし、今回こちらの大福寺さんへ拝観予約をして見に来たのは室町期の十一面観音立像です。
錫杖を持つ長谷寺式と言われる十一面なんですがそれだけではなく、脇侍に難蛇龍王、雨宝童子を従える長谷寺の十一面三尊形式と同じ三尊で安置されています。
三尊とも素地造りで色彩がほとんど施されていなく木目の美しさを最大限に引き出した非常に美しい仏像でした。
十一面は2mくらい、脇侍が80cmくらいの像高で赤茶けた木の質感に温かみを感じる像様。
十一面と難蛇龍王の像内に墨書があり宿院仏師の源次、原三郎、源四郎、源五郎一門総出の造仏だそうです。
宿院仏師の最高傑作だとか。
元々、大工業をされていたという宿院仏師だそうで木の選出眼に優れ木目の美しさなどに非常に優れた仏像だというお話でした。
また、色彩を施された仏像は誤魔化しが効くが素地作りは誤魔化しが効かない、経年劣化にも強く歪みや欠落が少ないという話も聞くことができました。
お話通り、欠落や剥落といった歪みを全く感じない造仏当時のまま年を経た美しさを感じさせてくれる美仏でした。
ちなみにこの三尊は県指定文化財となっています。
堂内はほとんど明かりを灯さないため拝観は午前中にされることをオススメします。
というか予約したらおそらく午前中を指定されるかな?
お寺の方が朝の太陽の明かりがないと暗くてなかなか見づらいと仰っていました。
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奈良県・安養寺

安養寺に到着し境内へ向かうとお寺の門前に立て看板が。
立て看板によると目的仏の快慶阿弥陀如来立像は像高53cm。
三尺の快慶とよばれる快慶にしては珍しい50cm代の阿弥陀様なのか。。。と思いながら訪問する。


境内奥の住居部のチャイムを鳴らし予約の旨を伝え拝観をさせて頂いた。
快慶阿弥陀如来は境内の収蔵庫に安置され脇侍に観音菩薩、勢至菩薩を従えた三尊形式で祀られていました。
阿弥陀如来立像は53cmではなく81cmほどで三尺には満たないけれど53cmは間違いでした。
さて、阿弥陀三尊はガラスケースに収められるでもなく間近で、後ろ姿も覗き込むようにすれば伺うことが出来る非常に近い位置での拝観が可能な嬉しい環境でした。
鼻息さえ届いてしまう距離で快慶仏をマジマジと見れる喜びはなかなかに味わえません。

若々しく頬の張りがあり胸の量感もたっぷりとした堂々たる造形です。
深く彫り込まれた衣紋の流れも見事でまさしく快慶の造形であることを感じさせる美しさ。
印相を結ぶ指の美しさも素晴らしく尊さを感じさせてくれます。
足のほぞから発見された墨書銘は「アン阿弥陀仏」。
快慶の壮年時代の作となり勢いのある作風を見出すことができます。
快慶の彫る仏像には多く金泥塗りが採用されますがピカピカと光り輝く金ではなく光を抑えた滲み出すような金です。
こちらの阿弥陀様も粉溜技法の金泥塗りを施され”いぶし金”滲んだ輝きをたたえていたのでしょう。
現在は剥落し黒みがかった下地の色が出ていますが美しさを損なう様子は一切ありません。
脇侍の観音菩薩・勢至菩薩も美しく素晴らしい造形です。
文化財指定は受けていないようで快慶の三尊ではないと考えられているのでしょうか。
ただ、造形的には快慶の得意とする来迎形式の観音勢至で膝を緩く曲げ屈んだ姿勢をとります。
奥さま曰くは脇侍も阿弥陀様とずっと一緒に祀られてきたとのことですので寺伝的には快慶作だと信じていらっしゃるのかもしれません。
たとえ快慶作の脇侍でなくともその素晴らしさは変わりません。
是非、阿弥陀三尊としてお会いして頂きたい素晴らしい仏像でした。


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奈良県・融念寺

上記備考欄に記しましたが近隣に同名の寺院がありますのでお間違えないように。。
僕は見事に間違えました。
迷子になった僕は電話にて案内を受け無事に到着。
案内されたのは収蔵庫の恵宝殿。
中には平安時代前期の聖観音菩薩立像と地蔵菩薩立像。
共に国指定の重要文化財に指定される菩薩像です。
聖観音菩薩立像は室生寺を思わせる雰囲気を持った方で板光背を背にした美仏です。
しかしながら僕の目を捉えて離さないのは左横に佇む地蔵菩薩立像。
元は同寺に近い三室山の中腹に鎮座する神丘神社の神宮寺(神南寺)に伝来。
両手を除き、頭部から台座蓮肉までを一木で彫り出し内剥りは施さない。
表面は木地を露出していますが当時は彩色を施された像であったと思われる。
多くの仏像書籍の表紙を飾り妖しい色気を発散しまくりの融念寺 地蔵菩薩立像。
平安期の造仏で160cmほどの像高で台座まで一木造りの壇像。

腫れぼったい両の眼が妖しい光を放ちます。
強烈な印象を与える目の力、鼻筋が通り異国的な雰囲気を漂わせ日本の仏師作というよりも唐仏師のさくではないかと思います。
もしくは神像ではないか?という説もあり元神宮寺に伝来したということから神像説が非常に有力に唱えられているようです。
その辺のことをお寺の方に尋ねると、「神像説、上人説、唐仏師説など見た人が見たままに思うだけの説があります」とおっしゃられていました。
そのような多様な説は抜きにして、この仏像のアンニュイな表情ともうひとつの魅力は”右手”でしょう。
柔らかくすっつと衣をつまみ上げた動きは静かな動きとダイナミズムな衣紋の流れを生み出します。
Yの字に流れていく衣紋がグググッと持ち上げられ衣の質感柔らかさを感じさせてくれます。
美しい流れです。
実仏は写真で見るよりもスタイリッシュで尊顔も小さく怪しい魅力を放つ美仏です。
思いの外の小顔に少々驚きじっと魅入ってしまうのでした。
左手の衣紋の流れも見事で渦紋の表現など素晴らしくいつまでも見ていられる像でした。



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奈良県・洞泉寺

1585年に豊臣秀長により建立したと伝わる。
洞泉寺まで車で向かうことは可能ですが一方通行や道幅が狭いこともあり、駅より歩くのも良いかもしれません。

本尊は鎌倉時代を代表する仏師 快慶の作と伝わる阿弥陀三尊像。
鎌倉中期の寄木造りで玉眼嵌め込み。
重要文化財に指定されており尊様は荘厳で穏やか。
衣紋の流れが見事で腕から垂れ落ちる幾重もの流れや脇侍の膝下の流れ、衣が折り返し重なり合う美しさは素晴らしいものがあります。
両脇侍の膝を曲げたお姿も美しく両脇侍共に中尊の方へと向いている、すなわち三尊が中心へと向いている。
まさに救うべき衆生の前に来迎した瞬間の様でもあり圧倒される美しさと気品を漂わせます。
伝快慶ということですが快慶もしくは快慶に非常に近しい仏師の作であることで間違いないでしょう。
厨子の前まで入らせて頂き間近より拝観することが出来ますのでじっくりとその姿を拝めるのは何より嬉しいことです。
細かな切金模様も観察することができる非常に素晴らしい環境です。
また、他にも五刧思惟阿弥陀像もいらっしゃり非常に満足度の高い見仏を楽しむことが出来ます。
お願いすれば写真の撮影も許可頂けますので失礼の内容にお願いしてみては如何でしょうか?















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