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迦楼馬-カルマ-presents 佛旅 in大津の巻き」

昨年末に滋賀県の大津歴史博物館で催された「大津南部の仏像」展に触発され、先日大津の仏さまを巡ろうと出かけてまいりました。
お参りさせていただけた4ヶ寺はどれも本当に素敵な平安の仏さまでした。
今回はその時の模様をダイジェストで報告いたします!





大津市今堅田 海蔵寺。
拝観のお願いをしたのはなんと訪問の前日にもかかわらず、地蔵菩薩像の資料などをご用意してくださったりと、ご対応いただいた奥様には本当に良くして頂きました。
御本尊の地蔵菩薩立像は頭部の大きな、本当に可愛らしいお地蔵さまでした。


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大津市黒津 正法禅寺。
展覧会には琵琶湖文化館に寄託されている帝釈天像と本堂ご本尊脇に安置される二天像が出展。
出展されてはいなかったご本尊の聖観音菩薩立像も平安時代後期の市指定文化財。
穏やかなお顔をされた優美な聖観音さまでした。


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大津市月輪 新福寺。
平安時代も前期に遡る阿弥陀如来立像。
お参りさせていただくのに非常に苦労しました。
元は薬師如来であった伝承が残る阿弥陀様で展覧会でも個人的には最も目を引いた仏さま。
螺髪の感じや腹回りの太さに衣紋と見応えたっぷり。


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大津市追分町 摂取院。
胸元や足元に渦巻紋を彫る古様をしめす地蔵菩薩立像。
お顔は独特の風貌で非常に魅力的なお方でした。
手先等は後補で、ひょっとすると地蔵菩薩ではなく僧形像であったかもしれないとの事。


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もろもろの事情によりお参りできなかったお寺さんもあり、まだまだ未訪問のお寺さんも多々ある大津佛。
今回大津のお寺を訪問し感じたのは、やはり大津は奥が深い!まだまだ大津を訪れる機会は増えそうですね。






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滋賀県・光明寺「ふっくら優美な十一面観音像に出会うの巻き」

例年、1月はのんびりしている事が多いのですが、今年は三が日のご開帳にも出かけたりと精力的に?仏像巡りを開始しております。
その中で今回は、滋賀県は甲賀市の光明寺の十一面観音菩薩立像を紹介したいと思います。

訪れたのは初観音にあたる1月17日。
通常は秘仏でお厨子の扉は閉ざされていますが、この日は厄年や還暦などの厄払い 長寿祝いを行う行事としてご開帳されるそうです。
10時頃よりご開帳法要があり、一般拝観は11時頃から。
扉の開いている時間ですが、問い合わせた時は夕方頃まで開いてるかな?とのことでしたが、現地で確認すると12時過ぎには閉めるのではないか?ということでした。
確実にお参りするには11時を目指して訪れるのが良いと思います。
また、3月の第2日曜にも簡易的ではあるがご開帳されるそうです。



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ご開帳される十一面観音菩薩像が祀られているお堂


元は明歴元年(1655)に五反田尾崎に創建された天台宗寺院 観音寺の御本尊であったそうですが、明治9年廃寺となり光明寺に移されたそうです。
11時頃に光明寺へ到着すると、ちょうどお堂から村の方々が出てくるところで、どうぞお参りくださいとお堂へ上げて頂きました。

開かれたお厨子の中にはため息の出る美しい観音さまがゆるやかに立たれていました。



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十一面観音菩薩立像 重要文化財 一木造り ヒノキ材 平安時代中期 像高103.2cm


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甲賀町の文化財HPなどでは平安後期像と紹介されていましたが、お姿を拝ませていただいた印象はもっと古様に見えました。
お顔はふっくらとされていてお腹周りも程よい量感。
衣紋表現も薄彫り過ぎず強さの残るものと感じました。



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3尺より少し大きいくらいのお像ですが、もっと大きな、等身大くらいに思えた優美な観音さまで、向き合っていられる時間が本当にありがたく感じました。
堂々と立つお姿、量感を見せる尊容や体躯、ところどころには色彩の残りが見えてワクワクします。
また、裳裾は両足の間をくぐるように彫られ非常に珍しいなと感じました。

お参りする中で、秘仏巡りをされている方や、重要文化財に指定された十一面観音菩薩像を巡っている方、秘仏開帳で何度もお会いしている顔見知りの佛友さんに出会ったりなど、ご開帳あるあるなご縁もありながら非常に素敵なご開帳となりました。




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下ぶくれなふっくらとした頬の量感 かわいらしいですね


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左へ腰を突き出し、程よく量感を残す 

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両足の間をくぐる衣の表現は珍しく思う


堂内には観音像を撮影した写真も飾られており、後ろ姿も確認する事が出来る。
簡素ではありますが後ろ姿もしっかりと表現されており、暴悪大笑面も見てとれました。

1年に1度ないし2度しかないご開帳。
ご都合の合う方は是非ともお参りされることをおススメいたします。
平安中期の観音像の美しさは やはり格別でございました。
来年も時間が取れたらお参りに伺いたいと強く思うのでした。




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優美に立つ後ろ姿 省略されることなく後ろ姿を彫られていました



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暴悪大笑面も確認できる後頭部写真



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ご接待いただいた おぜんざいにお漬物 お漬物は村の方が漬けた物だそうでめちゃくちゃ美味しかった!







※写真は許可を頂いて撮影したものです、常時撮影が出来るものではございません。





参考にさせて頂きました
せきどよしおの仏像探訪記
甲賀町の文化財





天照山 光明寺(こうみょうじ)
滋賀県甲賀市甲賀町五反田899
TEL : 0748-88-4730
宗派 : 浄土宗
御本尊 : 阿弥陀如来
拝観 : 秘仏
拝観料 : 志納
駐車場 : 数台分





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滋賀県・佛法寺「平安時代の魅力詰まった大日如来像と聖観音菩薩立像の巻き」

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滋賀県野洲市。
文化財指定された仏像だけでも40を超える、仏像愛好家には幾度も巡ることになる地域です。
今回は野洲市井口の佛法寺を紹介したいと思います。



創建等は不明ですが、立誉上人により慶長年間(1596~1615年)に浄土宗の寺院として再興されます。
その佛法寺には元々は境内の東側にあった万福寺にお祀りされていた尊像が安置されており、今回はその尊像をお参りさせていただきました。


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山門


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本堂



さっそく本堂へ上げていただくと目に飛び込んでくるのは像高170cmを誇る半丈六のご本尊 大日如来坐像。
これだけ大きな大日如来像はなかなか見れませんので、存在感は丈六並みの大きさを感じます。
金剛界の智拳印を結び、ふくよかな頬の優美な平安後期の定朝様を見せるお方。
穏やかに腹の前で印を結びますが、腕の角度が美しい。
柔らかでいて最後キュッと締まるような。
目は彫眼で金箔が押されているので、視線を特定は出来ないところが超然としていて、いろいろな角度から自分にしっくりと感じる位置を探したくなりますね。



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大日如来坐像 市指定文化財 寄木造り ヒノキ材 平安後期 像高170cm


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智拳印を結ぶ腕の流れや角度が美しい



横から見ると、腹回りや太ももの太さは凄くて量感たっぷり。
坐像の醍醐味は下半身のどっしり感にあると思います。
こちらの大日如来像は申し分ないほどの量感。




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大きくどっしりとした安定感のある下半身



後補の部分は多分にあるとのことですが、お像の魅力を壊すことなく素敵に修復されていると思います。
僕自身が魅力的と感じた部分も後補である可能性も大きいですが、いまここにいらっしゃる大日如来像の美しさに惚れ込むのでした。




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肉付きの良い大らかな尊容 ただし玉眼を彫眼に補修されている


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智拳印を見ると心躍る







御本尊の大日如来像に向かって右手には平安中期頃の聖観音菩薩立像がいらっしゃいます。
平安前期の太さと後期の優美さが合わさったような魅力的な聖観音菩薩。
鼻や唇、顎周りの太さにどっしり感。
下半身に行くにしたがって穏やかさが強くなっていきます。
膝下の衣紋は柔らかな翻波式衣紋が見えますが、彫りは浅くて裾丈も後期に近くなっていますね。



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聖観音菩薩立像 市指定文化財 一木造り ヒノキ材 平安中期 像高153cm



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眉根からに鼻筋と太い唇。イイね!


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下半身は割とスラリと伸びている


平安前期、地方色。
そんな雰囲気が大好きなんですが、この聖観音像からもそんなエッセンスが感じられる部分があります。
もちろん中期のお像ですから、これからやってくる後期のエッセンスもたっぷりあって両時代の魅力が融合した、いろんな部分をいろんな見方で拝める聖観音様ですね。
お顔の雰囲気が凄く好きです♪




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鼻翼、唇の太さと、スーッと線を引いたような瞳


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緩く上げた右膝、足元に表現される翻波式衣紋




魅力的な大日如来坐像と聖観音菩薩立像。
共に平安前期&後期の、両時代の魅力を感じさせてくれる素敵なお像でした。
大日如来像は半丈六!
大きな大日如来像はそれだけで魅力が半端ないですね。
太さと優美さ、そこに地方色のエッセンスで魅力あふれる聖観音像。
湖南地方に訪れる際には、是非お参りして欲しいお寺です。








参考にさせて頂きました
滋賀県:歴史・観光・見所








佛法寺(ぶっぽうじ)
滋賀県野洲市井口524
TEL : 077-589-3005
宗派 : 浄土宗
御本尊 : 大日如来
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り








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滋賀県・橘堂「三面六臂!妖し美し救いの観音菩薩の巻」

宝光寺ご開帳のお参りの次は橘堂ご開帳。

橘堂由緒書きによると、宝光寺創建の際に天皇より御髻の一部を拝受し本尊と共に安置したことから髻堂と呼ばれ(もとどりどう、きつどう→橘堂)現在は橘堂(たちばなどう)と呼ばれています。


室町年間に大内義興の兵火にかかり堂宇は失うものの本尊は救い出され、その後は吉田氏、白井氏の両家によって今日まで護り続けられてきました。



以前にもお参りした事があり、今回のご開帳で3度目のお参りとなりますが見飽きることのない美しさがあります。

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ご開帳の装い


橘堂の観音さまは三面六臂の珍しい観音さまです(頭上面を合わせると十四面像)。
三面六臂の観音さまと言えば馬頭観音像、天部像には阿修羅像もいらっしゃいますね。
これらの像の正面相は基本的にはみな憤怒の形相。
しかしこちらの観音さまは、儚げな美しさを感じる観音さまです。
三面六臂という異形像でありながら非常に美しく優しい観音さま。
興福寺の阿修羅像も三面六臂の儚い優しさの仏像で人気ですよね。



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三面六臂観音菩薩立像 市指定文化財 平安中期 ヒノキ材一木造り 像高107.2cm


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瞑想する双眸と印相


静かに瞑想する瞳と、胸の前で結ぶ印相の美しさがこの観音さまの儚げな美しさを際立たせているように思います。

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柔らかく結ぶ印の美しさ


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柔らかく結ぶ印の美しさ



印相の柔らかさが観音さまを際立たせているように思えます。
三面の内の正面が見つめる先に優しく結ばれる印相…
素敵過ぎる観音様ですね。

後補の部分が多い観音様ということですが、この印相が後補なのか当初からの造形なのか。
たとえ後補であったとしても、この観音様への憧れは変わらない。
衆生を救う厳しさ難しさ、それでも救おうとされる観音さまの慈悲と美しさがこの観音像には溢れていると思います。



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是非お会いして欲しい造形美


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橘堂(たちばなどう)
滋賀県草津市志那町
TEL : 077-561-2429(草津市教育委員会)
拝観 : 要予約
駐車場 : お堂前




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滋賀県・宝光寺「秘仏 薬師如来立像ご開帳!の巻」

8月11日。
帰省ラッシュ真っ只中のお盆にやって来たのは滋賀県草津市北大萱町の宝光寺。

宝光寺から徒歩圏内には仏像好きには有名な三面六臂の観音菩薩像がいらっしゃる橘堂があり、2年前にお参りさせて頂いた折に宝光寺の御本尊 薬師如来立像のご開帳がある事、橘堂の観音様も同時開帳されるとの情報を頂いておりました。(橘堂 通常は拝観には予約が必要)
ご開帳期間は8月9日〜13日という事で11日、佛友さんと集まりお参りをして来ました。


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ご開帳の山門



宝光寺は675年に天武天皇の勅願により僧定恵創建したと伝えられており、橘堂も同時に建立されています。
宝光寺 御本尊薬師如来立像のご開帳は33年に一度、ただし中開帳があるため15〜17年に一度お姿を拝むことが出来ます。(前回のご開帳は平成13年)


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宝光寺 本堂


ご開帳を広報するポスターで薬師如来立像のお姿は確認出来てはいましたが、厨子の中にいらっしゃる姿は想像以上の素晴らしさ。

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案内板によると素地で仕上げられた像高164cmのお像で天台密教の影響を濃く受けた平安初期の風格を伝える薬師如来立像。
体の量感や衣紋の彫りは落ち着きが出ていて中期に差しかかっているのかなぁと感じましたが、頬や顎の太さ、そして眼力から迫る威光が平安初期の力強さを残しているよう。
造形の落ち着きは感じるものの、このお像から感じるオーラは落ち着きとは真逆の、非常に力強いものを感じました。
これぞ秘仏の薬師!そう思わずに入られない迫力があります。


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薬師如来立像 国指定重要文化財 平安時代 像高164cm


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張りのある頬に太い顎、開いた双眸が威光を放つ


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下半身に行くほどに量感は抑えられ彫りも浅くなる


光背も独特で放射光は左右の下方にだけ伸び、初めて見る形式でした。
当初よりこの形で彫られた物なのかは不明ですが興味深いです。


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左右の下方に向けて伸びる放射光



本堂の隣には観音堂。
こちらには平安を感じさせる聖観音菩薩立像がいらっしゃいます。
文化財の指定は受けていないようですが、平安の中期頃と思える聖観音菩薩。
微笑まれているような優しげなお顔は、包み込んでくれる慈母の様な雰囲気がありました。
おそらく腕は後補なんだろうなと思いますが、その指先からも優しさが溢れている所作が観音さまの表情と重なり癒されました。


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観音堂


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聖観音菩薩立像 無指定


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微笑みを浮かべる様な優し尊容


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指先にも美しさと優しさが






瑠璃光山 宝光寺(ほうこうじ)
滋賀県草津市北大萱町594
TEL : 077-568-1520
宗派 : 天台宗
御本尊 : 薬師如来
拝観 : 秘仏(33年に一度、中開帳有り)




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プロフィール

迦楼馬-カルマ-

Author:迦楼馬-カルマ-
仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる四十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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