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奈良県・報恩寺「阿弥陀如来坐像の巻き」

前回のエントリー「不動院」からすぐ近く、同じ外山(とび)にある報恩寺さんには平安時代後期 定朝様とされる半丈六の阿弥陀様がお祀りされています。
3年程前に不動院さんと共にお参りしまして、今年の正月もお参りしてきました。



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本堂


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文化財掲示板



定朝様とされる阿弥陀如来像で非常に均整の取れた尊容。
しかし定朝様の穏やかでゆったりとした優しだけではない、力強さが表れているように思いました。
鎌倉の息吹がする、いわゆる藤末鎌初といわれるお像に感じます。
優美さがありながら、体躯からは強さも感じられ衣文の表現は立っていて、大好きな像容で見とれてしまいました。



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本堂内


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阿弥陀如来坐像 平安時代後期 県指定文化財 ヒノキ材寄せ木造り 像高216.2cm


尼様からは阿弥陀様にまつわる不思議なお話をたくさん聞く事が出来ます。
阿弥陀様に呼ばれた人のお話、開眼供養前に目を開いたお話、阿弥陀様がしゃべるお話…etc
お寺や仏さまにはいろいろと逸話がありますが、今の世もそういったお話があり後世に残っていくんだなと思うと非常に興味深い物語です。





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流れる衣紋から定印までの美しさ


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結ぶ弥陀定印は力強い







神應山 報恩寺
奈良県桜井市大字外山548
TEL : 0744-42-3757
宗派 : 真言宗
御本尊 : 阿弥陀如来
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り





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奈良県・不動院「優美な不動明王坐像の巻き」

新年あけましておめでとうございます。
ほぼ1年ぶりの更新です。汗
簡易的ではありますが今年は更新をしていきたいと思います。


奈良県桜井市外山(とび) 不動院。
国の重要文化財に指定された平安時代後期の不動明王坐像がいらっしゃいます。



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本堂


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本堂内


髪を弁髪にまとめ左へ垂らし、目は天地眼で上下牙。
大師様と十九観、両方の特徴が混ざり合ったお姿。
憤怒相ではありますが、穏やかな気品があるというか優美さを感じるお不動様でした。



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不動明坐像 国指定重要文化財 平安時代後期 ヒノキ材寄せ木造り 像高85cm


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天地眼 上下牙


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薄くやわらかな衣文


現在は拝観の受付はされていないそうですが、お正月3が日、毎月28日はお堂を開けているそうです。
3年程前に一度お参りさせていただいていましたが、今年の3が日にもお参りさせていただきました。
お像の近くまで寄らせていただいてじっくりと拝む事が出来ます。
また、堂内には如来荒神像という珍しいお像も。


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如来荒神







藤原山 不動院
奈良県桜井市外山878
TEL : 0744-43-7406
宗派 : 真言宗
御本尊 : 不動明王
拝観 : 正月3が日、毎月28日
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り





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奈良県・西岳院「平安後期の巨像!!3mを超える千手観音菩薩立像を拝すの巻き」

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奈良県大和郡山市 西岳院。
奈良市内より車で20分ほどのこの地に、像高は3mを超える平安後期の一木造り 千手観音菩薩立像がお祀りされています。
これほど大きな千手観音像はなかなか見ることは出来ないのではないでしょうか。
仏像愛好家の方々には是非とも訪れていただきたい仏像を紹介したいと思います。
迦楼馬イチオシの仏像です。



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西岳院 本堂


西岳院は聖徳太子が46の寺院建立を誓い建てた46伽藍最後の寺院 満願寺の塔頭で(奥ノ院ともいわれる)、西方の丘の上にあったことから西岳院と称したと伝えられています。
満願寺は富雄川氾濫による水害のため廃寺となり、本尊 十一面千手観音菩薩像は西岳院へと移されました。
寛政二年(由緒書きは寛延二年となっていますが、領主片桐貞章の生没年から寛政年間であると思われます)に、小泉藩主片桐貞章の招きにより黄檗山14代龍統和尚が西岳院に隠棲、黄檗宗となります。(一部、竜玩和尚との表記もあるが龍統和尚であると思われます)


地名に満願寺の名はあるものの、今は西岳院のお堂を残すのみ。
聖徳太子四十六願により46の寺院が建立され、その最後の寺院 満願の寺院であった満願寺の御本尊 十一面千手観音菩薩立像を拝しに西岳院を訪れました。



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西岳院 由緒書き


西岳院に到着するとすでにお堂の扉は開かれ、外からもそのその巨大な千手観音像のお姿が目に飛び込みます。
今年の6月に初めてのお参り、8月に佛友さんを連れて二度目のお参り。
二度目でもこの千手観音像の大きな美しさは色褪せることなく僕の目に飛び込んできました。



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本堂内陣


非常に優美なお姿。
平安後期 定朝様の穏やかな美しさをしっかりと伝える大きな千手観音菩薩です。
豊かな頬に、なだらかな体躯。。
そして薄彫りの衣紋線が彫り込まれています。
平安後期を代表する奈良の観音像だともっともっと注目されて欲しいですね。



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十一面千手観音菩薩立像 県指定文化財 平安後期 一木造り ケヤキ材 像高305cm


横から見るお姿が美しい。
立ち姿が非常に美しい千手観音像です。
3mを超える巨像でありながら優美さが損なわれない造形美に息を飲みます。
県指定文化財。
そこ止まり?と正直、思わずにはいられませんでした。
奈良でなければ、直ぐにでも重文になるのではないか?それほど僕の心を打つ素敵な千手観音さま。



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横から拝む全体像の美しさ



尊容も非常に優しく慈愛にあふれています。
ふっくらとした頬に、クッと結んだ口元と顎の力強さ。
なだらかな肩口から緩く流れる合掌手の手の両腕。
合掌がまた優しいなぁ。



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合掌手の美しさたるや


足元の衣紋は想いの外 太く彫り込まれています。
体部分の衣紋は薄く穏やかであったのとは印象が違いました。
平安も中期のころの面影が残るのかな。
太い波に魅了されますね。



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翻波式衣紋とまではいかないまでも、太い衣紋が足元に残る


脇手の花咲き方も美しい。
腕の太さも大きく、かなり僕好みの千手観音脇手。
非常に存在感を持ったガッツリ脇手でカッコいいですね。
持物もっしっかりと持ち見事でした。



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腰あたりを中心に花開くように生える脇手




昭和38年に修復を受けています。
後補の部分も多分にあると思います。
それゆえの県指定止まりであるのかもしれない。
僕の素敵だと感じる部分にも多くの後補の手が加わっており、当初の物ではないかもしれません。
それでも今あるお姿は美しいく魅力的で、僕の心を掴んで離さない。
本当に大好きな千手観音菩薩像です。
奈良の仏像を紹介して欲しいと問われれば、真っ先にこの千手観音菩薩像を推すでしょう。
奈良にお越しの際はぜひ西岳院 十一面千手観音菩薩立像をお参りすることをおススメします。




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八咫烏と月の兎に頬が緩む







参考にしました
奈良県立図書館情報








福寿山 西岳院(さいがくいん)
奈良県大和郡山市満願寺691
TEL : 0743-53-7047
宗派 : 黄檗宗
御本尊 十一面千手観音
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 軽なら境内に可









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奈良県南部の仏像巡り -吉野郡下市町巡り速報-

7月の終わり、ここ最近巡り続けている奈良県南部の仏像巡りへと再び出かけてまいりました。
この日巡らせていただいたのは、吉野郡の下市町。


まず向かったのは龍洞院。
こちらで拝観させて頂いたのは平安時代後期とされる阿弥陀如来坐像。
定朝様の優雅さと来たる鎌倉の力強さも共に感じさせてくれるような阿弥陀様でした。
印相は来迎印を結び、定印よりも動きを感じるところに力強さを感じるのかもしれません。


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阿弥陀如来坐像(写真は教育委員会作成の文化財資料より)


龍洞院を後にし向かったのは専念寺。
役場の方にもお立会いいただき、龍洞院につづいて平安後期の阿弥陀如来坐像を拝観させていただきました。
後補の厚い金箔が目立つお姿でしたが、穏やかな方でしたね。
印相も龍洞院と同じく来迎印を結ばれていました。


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阿弥陀如来坐像


お昼をする前にもうひと寺。
訪れたのは安楽寺観音堂。
こちらには数多くの仏像が安置されていて、そのどれもが素敵佛。
メインとなる阿弥陀立像、十一面観音以外にも、薬師坐像や聖観音など見所は付きません。
聖観音菩薩の愛くるしさに心奪われるのでした。


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阿弥陀如来立像

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聖観音菩薩立像


そして最後に訪れたのは善徳寺。
再び教育委員会の方に同行頂きお参りさせていただきます。
本堂には御本尊の江戸期あたりとなるのでしょうか、截金が美しい本当に素敵な阿弥陀如来立像。
さらに、平安後期~鎌倉初期とされる阿弥陀如来立像がいらっしゃいます。
そして小さな小さなお堂には大日如来像が。
痛々しい破損部分も見られますが、非常にイケメンなカッコイイ大日如来様です。


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御本尊 阿弥陀如来立像

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大日如来坐像



詳細は今後アップしていきたいと思います。
下市町の仏像巡りでした。







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奈良県・龍泉寺「圧巻の小像!珍しき拳印を結ぶ如来坐像の巻」

2016年の6月末、県指定文化財の如来坐像を拝観しに東吉野にある龍泉寺へお参りに行ってきました。
桜井市より国道166号線を南東伊勢方面へと進み、奈良県農協 東吉野支店を越えたあたりに龍泉寺の碑が見える脇道が出てくるので その坂道を登ってしばらくすると境内が見えてきます。



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野見観音堂


龍泉寺は1558年竜巌によって開基された曹洞宗のお寺で、天誅組志士の菩提寺として知られ境内には樹齢1500年ともいわれる岩松群像があります。
本尊は野見観音と呼ばれ、首から上の病にご利益があると信仰を集める聖観音菩薩。

今回拝観させていただくのは如来堂と呼ばれる収蔵庫に安置される平安前期の如来坐像で、小さなお像ながら非常に力を感じる方でした。



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如来堂

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如来坐像 県指定文化財 カヤ材 一木造り 平安時代初期 像高43.5cm


堂々とした量感で、胸板や身につけている袈裟の下からも感じ取ることが出来るはち切れんばかりの肉の圧というか、筋肉質な力強いエネルギーが発散されています。
収蔵庫の扉が開き目に入った瞬間に驚きの声を上げてしまう仏像好きはかなりの数に上るのではないでしょうか。

遠くを見つめるような瞳は鋭さも感じられ、男性的な強さはこの瞳からも感じられます。
”尊厳”という言葉が非常によく似合う尊像で約44cmという小像とは思えないようなエネルギーが随所に現れているように思いますね。



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柔軟で力強い肉の圧を感じる体幹


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遠くを見据えるような深い眼差しと 張りのある頬



正面から見ても側面から見ても、袈裟を押し上げるように膨れ上がる体躯で、その体躯から生まれる衣紋もしっかりと彫り込まれ、二の腕から肘にかけて、腿から膝周りを経て足首に巻き込んでいく流れは力強さもあり、そして全てが規則的ではなくところどころに見える乱れというかリアルさがまた美しい。

施無畏印をみせる右腕は後補となりますが、非常に珍しい拳印を結ぶ左手は当初のままで寺伝では釈迦如来と伝えられていますが、拳印から不空成就如来と考えられているそうです。






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表情豊かに流れる衣紋


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窮屈な角度に捻り握る左手首


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非常に珍しい拳印


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後補の右腕も元の像容に合う肉感たっぷりの腕


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眉から伸びる鼻筋の美しいライン



どの角度より拝しても美しさと力強さを感じ、感嘆のため息を漏らさずにはいられませんでした。
盛り上がる体の量感は岩のゴツさとは違う、ゴムのような弾力性を感じさせ、触れれば触れた指を弾き返すのではないか?と思えてしまう。
木であることを忘れさせるような柔軟性、弾力性を感じることが出来ました。

この方に会うために東吉野を訪れる-。
有りだと思います。
美しく力強く、堂々たる小像の如来坐像に是非ともお会いしに来ていただきたいですね。



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参考にさせて頂きました
東吉野村観光協会
奈良の寺社





瑞応山 龍泉寺(りゅうせんじ)
奈良県東吉野村鷲家256
TEL : 0746-42-0555
宗派 : 曹洞宗
御本尊 : 聖観音菩薩
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り









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プロフィール

迦楼馬-カルマ-

Author:迦楼馬-カルマ-
仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる四十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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