和歌山県・慈光円福院「魅惑の密教佛!紀州を代表する十一面観音像の巻き」

何度でもお参りしたいお寺がある。
それは、何度でもお会いしたい観音様がいるから。
和歌山県和歌山市にある慈光円福院はそんなお寺の1つ。
3度お参りさせていただいていますが、いつも高齢の女性が対応して下さり、近くまで寄って良いよ、写真も撮って良いよと心ゆくまで拝ませて下さります。
慈光円福院は、円福院と慈光寺が合併して出来た寺院です。
円福院は、江戸時代初期に近江志賀谷の長善阿闍梨が紀州藩家老の水野氏の誘いを受けて和歌山市新通りに建立。
しかし、昭和20年戦災により全焼してしまいます。
慈光寺は、歌山市下和佐の和佐八幡宮の別当寺院であったが、明治の廃仏毀釈により荒廃。
円福院再興にあたり、慈光寺から御本尊、本堂を現在地に移し慈光円福院となり現在に至ります。
〝何度でもお会いしたい観音様"はもともとは慈光寺の御本尊だったんですね。
平安前期の、非常に威光があり、密教感の強い癖のある魅力的な十一面観音菩薩です。
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山門
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本堂
和歌山県立博物館で「有田川中流域の仏教文化」展を見に行った日、久しぶりにお参りしてきました。
本堂へと招き入れていただくと、お厨子の扉は開かれており、妖艶な十一面観音さまのお姿が目に飛び込んできました。
遠目にもお像から発せられる異様な雰囲気というか霊威をビンビンに感じ、近くまで寄っていいよ、と仰っていただき目の前まで迫ります。
見上げるように望むそのお姿の威光たるや言葉を失う。見入ってしまう。
慈悲の観音さまでありながらそのお顔は非常に厳しいものがあり、密教佛らしいオーラがみなぎっています。

本堂内陣

十一面観音菩薩立像 国指定重要文化財 平安前期10C 一木造り ヒノキ材 像高149.7cm
内剥りを施さない一木造りで、頭上面や垂下する天衣、左手や足先など後補ではありますが、もともとは可能な限り一木で彫り出していたようで、深く鋭く彫られた翻波式衣文や渦文、裳や天衣のねじれや揺らめきなど非常に装飾的で檀像彫刻風な観音像です。
耳に巻いて肩口へ流れる頭髪や、天冠に腕釧など細かく入念に造形されています。
一度お姿を拝み始めると目が離せなくなってしまうほどの魅力があちこちに見受けられます。

射抜くような厳しい双眸

折り返し揺れるねじれる裳と天衣

美しい翻波式衣文
目を半眼よりも大きく開き、遠くを見つめる目線は厳しく密教感を感じるのですが、下から見上げているとどこか悲しさというか憂いのある表情にも見えてくる。
見る角度によってカラリと印象が変わってくる尊容でした。
許されるのなら何時間でも居続けたい、朝のお顔、昼のお顔、夜のお顔、全部見たい。
朝から日が暮れるまで居て、一日を通して表情を見比べたいと思ってしまいます。
また猛烈に会いに行きたくなってきた!

天冠、髪など細やかな装飾と厳しい目線

見上げると憂いのある儚げな瞳

翻波式衣文もずっと見ていられる
和歌山を代表する観音像。
1体の十一面観音像にくぎ付けになること間違いなしです。
何度でもお参りしたくなります。
現在(2017.10.28)、和歌山県立博物館では「道成寺と日高川」展が催されています。
お近くなので合わせてお参りしてみてはどうでしょうか♪

参考にさせて頂きました
和歌山市の文化財
和歌山西国三十三か所観音霊場
清涼山 慈光円福院(じこうえんぷくいん)
和歌山県和歌山市金屋丁31
TEL : 073-423-3589
宗派 : 真言宗
御本尊 : 十一面観音菩薩
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : お寺前へ

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マニアック平安佛!和歌山県博「有田川中流域の仏教文化」展の巻
2017年
博物館や美術館で仏像が多数展示される展覧会が数多く開催される事が昨年より話題に上がっておりました。
西(奈良博)で”快慶”、東(東博)で”運慶”をはじめ、
・高月観音の里歴史民俗資料館
特別陳列 本尊を取り巻くホトケたち-脇役たちの輝き- 1月25日~3月12日
・滋賀県立安土城考古博物館
企画展 大湖南展-粟太・野洲郡の風土と遺宝- 2月25日~4月9日
・太子町立歴史資料館
企画展 斑鳩寺の文化財 庫裏の仏さまたち 2月11日~4月9日
・三井記念美術館&あべのハルカス美術館&山口県立美術館
創建1250年記念 奈良 西大寺展-叡尊と一門の名宝-
4月15日~6月11日、7月9日~9月24日、10月20日~12月10日
・大阪市立美術館
木と仏像-飛鳥仏から円空へ 日本の木彫仏1000年 4月8日~6月4日
僕が注目しているだけでも年明け早々にこれでもかと催しが決まっています。
その中で、今回は和歌山へ行ってきました!
仏像展目白押しの2017年の幕を開けるに相応しい素晴らしい展覧会が和歌山県立博物館で開催されております。
企画展 「有田川中流域の仏教文化」展
会期 1月21日~3月5日

重要文化財に指定される有田川二川の安楽寺多宝塔小塔修理完成記念として、安楽寺のある有田川中流域に伝わる仏教文化にスポットを当てた企画展です。
会期に時間がありません。
展覧会の概要等を僕のブログに期待する方もいないでしょう。
僕のブログを訪れて下さる方はきっと仏像の情報を知りたい方が大半を占めると思われますので、色んな物をすっ飛ばして展示順なんかも抜きに私的注目佛をどんどん紹介したいと思います。

湯川川流域で新たに発見された平安佛、二天立像
湯川川流域で新たに確認された平安佛が展示されています。
新たに確認された-。湯川川流域で最古となる二天像-。
このフレーズに心踊らない仏像好きがいるでしょうか?いないでしょう!
量感ある立ち姿でありながらどこかコミカルな雰囲気も感じる二天像で、甲冑の彫り込みなどはなかなか細部まで彫られていて素晴らしいです。
二天像が間隔を空けて並ぶ空間は非常に見応えが有り、この二天像からはオーラが溢れ出ておりました。
目の飛び出し、ざっくりと彫られた邪鬼も惹きつけられるものがある。
また、火炎が描かれた板光背も雰囲気が合って素晴らしい。好きですねこういう光背は!

二天立像 無指定 平安時代中期 像高71.5cm 下湯川観音堂

二天立像 無指定 平安時代中期 像高73.2cm 下湯川観音堂

像の雰囲気ともよく合っており大好きな光背 当初からのもの?

表情、肉感、素晴らしい!
また、同じく湯川川流域 下湯川観音堂の阿弥陀如来坐像は大きく摩滅し、その尊様を著しく損なってはいますが、それでもなお気品あふれるイケメンぶりが伺えます。
後世の墨書ではありますが運慶の文字が。
もちろん運慶作ではないでしょう、しかし、平安後期の定朝様を見せながら小顔でやや遠くを見つめるような眼差しなどからは、力強さ、来たる鎌倉の匂いが感じられるように思います。

阿弥陀如来坐像 無指定 平安時代後期 像高44.4cm 下湯川観音堂

ゆったりとなで肩、大らかな体の上には力強さのある小顔

非常に格好良いお顔 イケメン!
ずらりと並ぶ法福寺像は圧巻。
観音菩薩像、地蔵菩薩像、吉祥天像に虚空蔵菩薩像。
像名の字面を眺めるだけでも興奮してくる仏像が列をなして展示されております。

太い顔で堂々とした体躯、下半身の衣紋は簡略化され浅彫りではありますが、右腕には旋転紋が見られ平安前期の匂いが残った地方佛ならではの魅力が詰まった観音様。

観音菩薩立像 町指定文化財 一木造り 平安時代10C 像高113.0cm

条帛の感じ、天衣の旋転紋に深く刻まれた三道など非常に好み
腹回りから太腿へ、肩から胸から流れ出す衣紋の流れが、太く深く彫られこちらも平安前期の匂いを多分に残す地蔵菩薩像。
胴体部の接写を見ているだけでワクワクしてしまいますね。
左腕の衣には先の観音像と同じく旋転紋が刻まれており、一具の像として造られたものである可能性も。

地蔵菩薩立像 町指定文化財 一木造り 平安時代10C 像高98.9cm

平安前期の地蔵菩薩といえばこのカットが見たい
観音菩薩像、地蔵菩薩像よりもさらに量感あるこの吉祥天像がまた素晴らしい。
体幹部の衣紋表現はあっさりとしているものの、両腕から垂れる衣の重さに衣紋のゴリゴリ感はたまらない。
更には旋転紋を両腕ともに内と外に2個ずつ彫り込み、仏師のこだわりをココに見ることが出来るように思います。
かなり好きな吉祥天像です。

吉祥天立像 町指定文化財 一木造り 平安時代9~10C 像高78.8cm

どっしりと垂れる衣の量感と旋転紋の厚み

反対から見てもどっしり 不規則に流れる衣紋もいいですね

結構 霊威的な鋭いお顔
さらにもう1体の地蔵菩薩像も目を引きます。
右肩をあらわにする偏袒右肩(へんたんうけん)に衣を身に付け、右手は袖を掴んで立つお姿は異様で妖艶。
左脇から斜めに横切るように流れる衣紋も珍しいですね。
昨年に「福井の仏像」展でお会いした高尾町薬師神社の薬師如来立像も左脇から衣紋が胴を巻き込むように流れていたのを思い出す。
右手で掴んだ衣の表現にもグッとくる。

地蔵菩薩立像 町指定文化財 一木造り 平安時代11C 像高98.9cm

斜めに動を横切る衣紋が美しい

グッとくる。 衣を掴み動きが溢れ出す
紹介した仏像以外にも、まだま、まだまだ たくさんの素敵な仏像が展示されています。
安楽寺蔵の大日如来坐像、阿弥陀如来坐像に観音菩薩立像。
法福寺には虚空蔵菩薩立像に菩薩形立像そして二天像なども。
町指定、無指定のマニアックな仏像がまだまだ展示されているこの「有田川中流域の仏教文化」展。
会期は今週末で終了。
ぜひこの土日に、仏像好きの方は訪れて欲しいです。
きっと満足されると思います!

安楽寺 大日如来坐像 法福寺 二天立像

松葉観音堂 菩薩形立像 西原観音堂 馬頭観音坐像
最後におまけ!!
いや、ここに注目される方もかなりいるはず邪鬼部!!
邪鬼を愛する皆様にお贈りする素敵な邪鬼たち。
目の飛び出た邪鬼、鉈彫り邪鬼に、摩滅具合が独特の魅力を出す邪鬼。
ここまで魅力的な邪鬼はなかなか見れないと思いますよ!

突出した目玉と唇 ユーモラスな表情に吸い込まれる

鉈彫りの邪鬼 今まさに現れ出て様とする邪鬼?!

摩滅の具合で悪魔的というか妖怪的なおどろおどろしさが出た邪鬼
和歌山県立博物館
和歌山県和歌山市吹上1丁目4-14
073-436-8670
「有田川中流域の仏教文化」展
会期 1月21日~3月5日

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博物館や美術館で仏像が多数展示される展覧会が数多く開催される事が昨年より話題に上がっておりました。
西(奈良博)で”快慶”、東(東博)で”運慶”をはじめ、
・高月観音の里歴史民俗資料館
特別陳列 本尊を取り巻くホトケたち-脇役たちの輝き- 1月25日~3月12日
・滋賀県立安土城考古博物館
企画展 大湖南展-粟太・野洲郡の風土と遺宝- 2月25日~4月9日
・太子町立歴史資料館
企画展 斑鳩寺の文化財 庫裏の仏さまたち 2月11日~4月9日
・三井記念美術館&あべのハルカス美術館&山口県立美術館
創建1250年記念 奈良 西大寺展-叡尊と一門の名宝-
4月15日~6月11日、7月9日~9月24日、10月20日~12月10日
・大阪市立美術館
木と仏像-飛鳥仏から円空へ 日本の木彫仏1000年 4月8日~6月4日
僕が注目しているだけでも年明け早々にこれでもかと催しが決まっています。
その中で、今回は和歌山へ行ってきました!
仏像展目白押しの2017年の幕を開けるに相応しい素晴らしい展覧会が和歌山県立博物館で開催されております。
企画展 「有田川中流域の仏教文化」展
会期 1月21日~3月5日

重要文化財に指定される有田川二川の安楽寺多宝塔小塔修理完成記念として、安楽寺のある有田川中流域に伝わる仏教文化にスポットを当てた企画展です。
会期に時間がありません。
展覧会の概要等を僕のブログに期待する方もいないでしょう。
僕のブログを訪れて下さる方はきっと仏像の情報を知りたい方が大半を占めると思われますので、色んな物をすっ飛ばして展示順なんかも抜きに私的注目佛をどんどん紹介したいと思います。

湯川川流域で新たに発見された平安佛、二天立像
湯川川流域で新たに確認された平安佛が展示されています。
新たに確認された-。湯川川流域で最古となる二天像-。
このフレーズに心踊らない仏像好きがいるでしょうか?いないでしょう!
量感ある立ち姿でありながらどこかコミカルな雰囲気も感じる二天像で、甲冑の彫り込みなどはなかなか細部まで彫られていて素晴らしいです。
二天像が間隔を空けて並ぶ空間は非常に見応えが有り、この二天像からはオーラが溢れ出ておりました。
目の飛び出し、ざっくりと彫られた邪鬼も惹きつけられるものがある。
また、火炎が描かれた板光背も雰囲気が合って素晴らしい。好きですねこういう光背は!

二天立像 無指定 平安時代中期 像高71.5cm 下湯川観音堂

二天立像 無指定 平安時代中期 像高73.2cm 下湯川観音堂

像の雰囲気ともよく合っており大好きな光背 当初からのもの?

表情、肉感、素晴らしい!
また、同じく湯川川流域 下湯川観音堂の阿弥陀如来坐像は大きく摩滅し、その尊様を著しく損なってはいますが、それでもなお気品あふれるイケメンぶりが伺えます。
後世の墨書ではありますが運慶の文字が。
もちろん運慶作ではないでしょう、しかし、平安後期の定朝様を見せながら小顔でやや遠くを見つめるような眼差しなどからは、力強さ、来たる鎌倉の匂いが感じられるように思います。

阿弥陀如来坐像 無指定 平安時代後期 像高44.4cm 下湯川観音堂

ゆったりとなで肩、大らかな体の上には力強さのある小顔

非常に格好良いお顔 イケメン!
ずらりと並ぶ法福寺像は圧巻。
観音菩薩像、地蔵菩薩像、吉祥天像に虚空蔵菩薩像。
像名の字面を眺めるだけでも興奮してくる仏像が列をなして展示されております。

太い顔で堂々とした体躯、下半身の衣紋は簡略化され浅彫りではありますが、右腕には旋転紋が見られ平安前期の匂いが残った地方佛ならではの魅力が詰まった観音様。

観音菩薩立像 町指定文化財 一木造り 平安時代10C 像高113.0cm

条帛の感じ、天衣の旋転紋に深く刻まれた三道など非常に好み
腹回りから太腿へ、肩から胸から流れ出す衣紋の流れが、太く深く彫られこちらも平安前期の匂いを多分に残す地蔵菩薩像。
胴体部の接写を見ているだけでワクワクしてしまいますね。
左腕の衣には先の観音像と同じく旋転紋が刻まれており、一具の像として造られたものである可能性も。

地蔵菩薩立像 町指定文化財 一木造り 平安時代10C 像高98.9cm

平安前期の地蔵菩薩といえばこのカットが見たい
観音菩薩像、地蔵菩薩像よりもさらに量感あるこの吉祥天像がまた素晴らしい。
体幹部の衣紋表現はあっさりとしているものの、両腕から垂れる衣の重さに衣紋のゴリゴリ感はたまらない。
更には旋転紋を両腕ともに内と外に2個ずつ彫り込み、仏師のこだわりをココに見ることが出来るように思います。
かなり好きな吉祥天像です。

吉祥天立像 町指定文化財 一木造り 平安時代9~10C 像高78.8cm

どっしりと垂れる衣の量感と旋転紋の厚み

反対から見てもどっしり 不規則に流れる衣紋もいいですね

結構 霊威的な鋭いお顔
さらにもう1体の地蔵菩薩像も目を引きます。
右肩をあらわにする偏袒右肩(へんたんうけん)に衣を身に付け、右手は袖を掴んで立つお姿は異様で妖艶。
左脇から斜めに横切るように流れる衣紋も珍しいですね。
昨年に「福井の仏像」展でお会いした高尾町薬師神社の薬師如来立像も左脇から衣紋が胴を巻き込むように流れていたのを思い出す。
右手で掴んだ衣の表現にもグッとくる。

地蔵菩薩立像 町指定文化財 一木造り 平安時代11C 像高98.9cm

斜めに動を横切る衣紋が美しい

グッとくる。 衣を掴み動きが溢れ出す
紹介した仏像以外にも、まだま、まだまだ たくさんの素敵な仏像が展示されています。
安楽寺蔵の大日如来坐像、阿弥陀如来坐像に観音菩薩立像。
法福寺には虚空蔵菩薩立像に菩薩形立像そして二天像なども。
町指定、無指定のマニアックな仏像がまだまだ展示されているこの「有田川中流域の仏教文化」展。
会期は今週末で終了。
ぜひこの土日に、仏像好きの方は訪れて欲しいです。
きっと満足されると思います!


安楽寺 大日如来坐像 法福寺 二天立像


松葉観音堂 菩薩形立像 西原観音堂 馬頭観音坐像
最後におまけ!!
いや、ここに注目される方もかなりいるはず邪鬼部!!
邪鬼を愛する皆様にお贈りする素敵な邪鬼たち。
目の飛び出た邪鬼、鉈彫り邪鬼に、摩滅具合が独特の魅力を出す邪鬼。
ここまで魅力的な邪鬼はなかなか見れないと思いますよ!


突出した目玉と唇 ユーモラスな表情に吸い込まれる


鉈彫りの邪鬼 今まさに現れ出て様とする邪鬼?!

摩滅の具合で悪魔的というか妖怪的なおどろおどろしさが出た邪鬼
和歌山県立博物館
和歌山県和歌山市吹上1丁目4-14
073-436-8670
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和歌山仏像巡り
9月11日。
この日は和歌山へ仏像拝観に出かけて来た。
弘法大師 空海が開いた真言宗総本山の高野山を訪れ、運慶、快慶をはじめとする数多くの仏像を拝観する。
高野山を訪れるのは二度目ですが初見の仏像もお出ましになっており高揚する。

霊宝館には初見の快慶作の深沙大将。
素晴らしいバランス感覚で彫り出された仏像です。
悪鬼の如き表情でありながら見惚れる美しさを持つ深沙大将。
まさに快慶の造形に他ならない美しさです。
絵画から抜き出した一瞬の美。
吸い込まれるような溶け込んでしまうような美しさは快慶ならでは!
執金剛神と並ぶ姿をお目にかかりたかったが執金剛神は修復作業へ出かけられているので会えず。
行く前から知ってましたのでショックではなかったけれど、深沙対象の素晴らしさを目の当たりにすると共にお会いしたかったとの想いが溢れてしまう。。。

そして運慶である。
八大童子像には驚いた。
生気溢れる造形で息をしてたたずみ、睨みつけられている錯覚を覚えた。
射抜くような眼力に瑞々しい二の腕に腹周り。
脈打つ鼓動が聞こえてくるような、呼吸の音が聞こえてくるような凄まじいまでの生気。
これが運慶か。。。と改めて運慶の凄さを実感する。
写真で見るのとでは迫力がまるで違う。大違いでした。

続いて、慈光円福院へ。
こちらの十一面観音は写真集で見て以来、いつか必ずお会いしたいと願っていた仏像の一つ。
金箔を施さず彩色された仏像でおおよそは剥落しているが唇にわずかな朱を残し妖しい魅力を与えてくれる。
平安期の特徴がよく表れた美仏。翻波式衣紋は本当に美しい。
密教感が溢れんばかりの美しさと妖しさと恐ろしさを併せ持った方です。
大阪観心寺 如意輪観音菩薩、若狭の羽賀寺 十一面観音菩薩に通じる密教感バリバリの妖しい十一面。
これは何時間でも吸い込まれて見ていられるでしょう。間近も間近までにじり寄り拝む。
見上げるようにして拝んでいるとさらに畏怖の念が沸き起こる。
撮影の許可を頂き幾枚も撮らせて頂いた。お堂で写真を撮らせて頂くときいつも、いいカメラを買いたい。。と思わずにはいられない。。




そして根来寺へ。
最後に訪れた根来寺の大伝法堂には大日如来・金剛薩埵・尊勝仏頂尊の3体の大仏が居並ぶスペクタルな空間。
頭の奥がキーンとする様な異次元感を味わいワクワクする。
宗祖覚鑁上人が大伝法院を開山以来の御尊格であり、新義真言宗の法灯を伝える根本尊像で、重要文化財に指定されています。
やはりお堂で拝見する神々しさは素晴らしいです。
ライトアップされた環境で間近から見れる博物館等も良いのは良いですがやはりお堂の中、厨子の中にいらっしゃる姿を拝むのとでは空気が違いますよね。
また、国宝建築の根本大塔の美しいこと。
根本大塔と伝法堂と空。
目が回りそうな素晴らしさです。
こういった素晴らしい建築物を見て回るのも大好きです。
季節の旅に姿を変える美しさ。
夏はやはり青空と雲。
自分の小ささを思い知るような、鼻から脳天へ息吹が抜けていくような清々しい気持ちになりますね。



今日も素晴らしきなり。
![IMG_2907[1]_convert_20121003181521](http://blog-imgs-52.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/201210031816285f8s.jpg)
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この日は和歌山へ仏像拝観に出かけて来た。
弘法大師 空海が開いた真言宗総本山の高野山を訪れ、運慶、快慶をはじめとする数多くの仏像を拝観する。
高野山を訪れるのは二度目ですが初見の仏像もお出ましになっており高揚する。


霊宝館には初見の快慶作の深沙大将。
素晴らしいバランス感覚で彫り出された仏像です。
悪鬼の如き表情でありながら見惚れる美しさを持つ深沙大将。
まさに快慶の造形に他ならない美しさです。
絵画から抜き出した一瞬の美。
吸い込まれるような溶け込んでしまうような美しさは快慶ならでは!
執金剛神と並ぶ姿をお目にかかりたかったが執金剛神は修復作業へ出かけられているので会えず。
行く前から知ってましたのでショックではなかったけれど、深沙対象の素晴らしさを目の当たりにすると共にお会いしたかったとの想いが溢れてしまう。。。

そして運慶である。
八大童子像には驚いた。
生気溢れる造形で息をしてたたずみ、睨みつけられている錯覚を覚えた。
射抜くような眼力に瑞々しい二の腕に腹周り。
脈打つ鼓動が聞こえてくるような、呼吸の音が聞こえてくるような凄まじいまでの生気。
これが運慶か。。。と改めて運慶の凄さを実感する。
写真で見るのとでは迫力がまるで違う。大違いでした。

続いて、慈光円福院へ。
こちらの十一面観音は写真集で見て以来、いつか必ずお会いしたいと願っていた仏像の一つ。
金箔を施さず彩色された仏像でおおよそは剥落しているが唇にわずかな朱を残し妖しい魅力を与えてくれる。
平安期の特徴がよく表れた美仏。翻波式衣紋は本当に美しい。
密教感が溢れんばかりの美しさと妖しさと恐ろしさを併せ持った方です。
大阪観心寺 如意輪観音菩薩、若狭の羽賀寺 十一面観音菩薩に通じる密教感バリバリの妖しい十一面。
これは何時間でも吸い込まれて見ていられるでしょう。間近も間近までにじり寄り拝む。
見上げるようにして拝んでいるとさらに畏怖の念が沸き起こる。
撮影の許可を頂き幾枚も撮らせて頂いた。お堂で写真を撮らせて頂くときいつも、いいカメラを買いたい。。と思わずにはいられない。。








そして根来寺へ。
最後に訪れた根来寺の大伝法堂には大日如来・金剛薩埵・尊勝仏頂尊の3体の大仏が居並ぶスペクタルな空間。
頭の奥がキーンとする様な異次元感を味わいワクワクする。
宗祖覚鑁上人が大伝法院を開山以来の御尊格であり、新義真言宗の法灯を伝える根本尊像で、重要文化財に指定されています。
やはりお堂で拝見する神々しさは素晴らしいです。
ライトアップされた環境で間近から見れる博物館等も良いのは良いですがやはりお堂の中、厨子の中にいらっしゃる姿を拝むのとでは空気が違いますよね。
また、国宝建築の根本大塔の美しいこと。
根本大塔と伝法堂と空。
目が回りそうな素晴らしさです。
こういった素晴らしい建築物を見て回るのも大好きです。
季節の旅に姿を変える美しさ。
夏はやはり青空と雲。
自分の小ささを思い知るような、鼻から脳天へ息吹が抜けていくような清々しい気持ちになりますね。






今日も素晴らしきなり。
![IMG_2906[1]_convert_20121003180955](http://blog-imgs-52.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/20121003181629d01s.jpg)
![IMG_2907[1]_convert_20121003181521](http://blog-imgs-52.fc2.com/h/i/t/hitasurabutsuzo/201210031816285f8s.jpg)

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