高石市・不断寺「愛らしい!平安期の無指定佛を巡る!の巻き」

前回の記事に続き紹介する泉州佛は、文化財的には無指定ですが非常に魅力的だった如来坐像を紹介したい。

高石市に所在する浄土宗寺院 不断寺。
仏像検索をしても、文化財検索をしてもなかなか検索にヒットしないお寺だと思いますが、ご本尊は文化財的には無指定ながら平安時代後期の作とされる阿弥陀如来立像。
また脇佛には同じく無指定である平安中期の如来坐像がいらっしゃいます。
およそ15年以上前に堺市博物館で催された展覧会「大阪の仏像」展に出展された像です。





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本堂


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案内板


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御本尊阿弥陀三尊像




まずはご本尊 阿弥陀如来立像。
平安後期の優美な阿弥陀像で、優しいお顔に美しく薄く流れる衣紋線。
快慶 安阿弥様の非の打ち所がない美しさとはまた違った穏やかで太く美しい像様。
脇侍の観音菩薩、勢至菩薩像は室町時代の像。



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阿弥陀如来立像 無指定 寄せ木造り 平安時代後期 像高97cm



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ご本尊にお参りした後、ご住職にお願いしもう一体の平安佛を拝ませていただいた。
その像が今回ご紹介したい如来坐像です。
こちらも文化財的には無指定ですが平安の中期頃でしょうか、ご本尊よりは確実に古いお像であり、右肩をあらわにして袈裟を纏う偏袒右肩という珍しい造形の非常に魅力的な如来像です。





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如来坐像 無指定 平安時代中期 一木造り ヒノキ材 像高37.cm


現在の造形は阿弥陀定印を結ぶ、阿弥陀如来像とされていますが、右腕先や左手先は後補で当初の尊名は不明だそうで、元々は五智如来の一体であった可能性も考えられる。
不断寺は室町時代の開創で、如来像の伝来も不詳であるそうだ。

非常に穏やかでありながら引き締まった表情に、肉髻の境が定かではない螺髪、華奢な体躯に纏わる衲衣と下半身の量感。
37cmという小さな仏像でありながらも非常に魅力的でインパクトのある如来像でした。
平安佛好きな方には是非ともお会いして頂きたいお像です。

眉から鼻筋への稜線や瞑想する双眸は若々しさがありそしてイケメン!
鼻翼が広いところも威力的ですね。




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形式的な衣文表現にも見えるが小さなお像であり見事であると思う


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偏袒右肩のお姿は珍しくグッとくる


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脚部の衣紋表現に形式的なもの、後補的なものが伺える…気がする…




大阪泉州にはまだまだ古佛が沢山いらっしゃいます。
大阪に佛無しかと思っていた事を恥じたい。
奈良佛に力を入れている当ブログですが、大阪佛にも力を入れていきたいと思わずにはいられない仏像との出会いでした。







不断寺(ふだんじ)
大阪府高石市高師浜3-8-13
TEL : 0722-65-3355
宗派 : 浄土宗
御本尊 : 阿弥陀如来
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 山門前







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大阪府・常安寺「大阪泉州の平安佛!優しく美しい天部像の巻き」

大阪泉州と言えば、仏像好きの方なら真っ先に貝塚市 孝恩寺を思い浮かべるのではないでしょうか。
収蔵庫には数多くの平安前期の仏像が安置され、その情景にただただ圧倒されることでしょう。
1月の終わり、孝恩寺を訪れたいという佛友さんと泉州の仏像を巡る佛旅をしてまいりました。
泉州のいくつかのお寺を巡ってきたそのなかで、非常に心にグッときた仏像を紹介したいと思います。


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堺市 常安寺


堺市常安寺。
浄土宗知恩院に属し、本尊は慈覚大師作とされる旧白庭庵(はくていあん)のご本尊であった阿弥陀如来立像が祀られています。
当初は心光山観音寺と呼ばれ頭塔8坊を持つ大伽藍であったそうですが、その後衰退し本坊観音寺と塔頭白庭庵を残すのみとなります。
慶長12年(1607)、観音寺と白庭庵を合わせて一寺を建て、融誉浄圓大徳(ゆうよじょうえんだいとく)を中興開山として次号を常安寺としました。
お堂は幾度の戦禍により焼失しましたが、現在のお堂は昭和61(1986)に再建されました。




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文化財案内板


さて、仏像の紹介をしてまいりましょう!
何と言っても常安寺でお会いするべきは観音堂にいらっしゃる梵天像。
大阪府の指定文化財となっており、指定名は「梵天」ですが信仰的には古くから観音像として祈られてきました。
唐服を身に着け腹前で帯を結ぶ。
横から見るとお腹にボリュームがあり、この像様から腹帯観音様として信仰を集めたそうです。



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観音堂内


ご住職がお亡くなりになられてからは拝観を断られているそうですが、この日はご縁を頂く事ができ、お姿を拝む事が出来ました。
”平安の天部像”その響きだけでワクワクしてしまうお像ですが、お姿を目にするとその高揚は間違いではなく、非常に美しい天部像(観音像)に出会えたご縁に感謝しました。




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梵天像 大阪府指定文化財 一木造り カヤ材 平安時代 像高 109.2cm


造形的に衣紋や細かな装飾は簡略化され、ズシリと重みも感じる像様ですが、全体的に見ると柔らかな印象を感じます。
口元や目元には微笑みを浮かべているように見え、腹回りの量感と笑みを浮かべた表情から、子宝の観音様と信仰を集めるのもうなずける尊さがありますね。

少し離れてお姿を拝むと、美しいんですよ。
慈悲深いんですよ。
本当に良いお顔をされていていつまでも見ていられる。
眉から鼻筋へのラインも美しくて正面からも横からも素晴らしい。

少し近づくと、慈悲だけではない厳しさもその目元から感ずるように思います。
簡単に、甘い事だけでは子を育てる事はできないよと厳しさもみせているような。
観音像の笑みには妖力ともいうような怖さと美しさが同居したような不可思議な魅力を感じることがありますが、この像もそのような魅力を出すお像でした。




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衣紋線はほとんどなく、簡略化された唐服を纏う


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肩口や腹回りにかけての量感


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膨れた腹に帯を巻く、梵天というよりは吉祥天像の様にも感じる


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目元口元、笑みを浮かべているようですが、どこか怖さも持つような魅力的な尊容



美しい怖さという非常に魅力的な”妖しさ”を持つ平安時代の天部像。
今回巡った泉州佛の中でも、孝恩寺の別格感を除いてはイチオシとなる平安佛でした。
スーッと流れる眉から鼻筋への稜線と結ぶ唇。
見る角度によって表情を変える笑み浮かべる視線と刺すような視線。
本当に素敵なお像でおススメです。


本当に素敵な平安の天部像をご紹介させて頂きましたが、どこのお寺でもそうですが、お参りする際は必ずご本尊にも手を合わせてお参りしましょう。
常安寺ご本尊は鎌倉時代の府指定文化財 阿弥陀如来立像です。
鎌倉も中後期になるであろうか、安阿弥様を示すと思えた阿弥陀如来像で、この方を拝まずに常安寺を後にするのは勿体ない。
堺市の紹介を見ると、造像は当時流行の慶派ではなく他派の様式の造形だとのこと。
素人の僕には胸元の造形などから安阿弥様だと感じましたが、別様式なのかな?
お顔は慶派ではないような気はしましたが。
いろいろな考察を踏まえてみるのも面白いですね。


仏像好きな方は平安の天部像に夢中で鎌倉の阿弥陀様を忘れそうですが、必ずお参りして帰って欲しいです。
梵天像には見られなかった美しい衣紋線がうかがえます。
造形の美しさに視点を合わせるのも仏像拝観の楽しみですよね。
流れるような衣紋の美しさにも注目してお参りを♪


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本堂内陣


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阿弥陀如来立像 大阪府指定文化財 寄せ木造り 鎌倉時代 像高79.7cm




泉州には本当にたくさんの平安佛、鎌倉佛がいらっしゃいます。
ということは文化財指定はなくとも、室町、江戸期の素敵佛と出会える可能性も高いと思うんですよね。
このあたりも”ひたぶつ”では逃したくない。

拝観するに比較的簡単なお寺から、なかなかにご縁の難しいお寺もありますが、少しずつ泉州佛も巡れたらと思うのでした。






心光山観音院 常安寺(じょうあんじ)
大阪府堺市堺区熊野町東5-1-12
TEL : 072-222-1387
宗派 : 浄土宗
御本尊 : 阿弥陀如来
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 :






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大阪府・正念寺「大阪市内に残る平安佛!聖観音菩薩&毘沙門天像の巻き」

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大阪市内には以外にも平安佛が多く残されている。
先の戦争での大阪大空襲で焼け野原になったイメージがありましたが、天王寺区付近には多くの平安佛が残されています。
今年の春、そんな大阪佛を巡って来ました。
その中でも個人的にとびきり目を引いたのは天王寺区の正念寺。
平安期の聖観音菩薩立像、毘沙門天立像がお祀りされています。



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天明年間建立。総けやき造りの貴重な山門


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桜の時期に訪れた本堂




上町筋を南下し、「上本町5」の信号を左へ(東へ)すぐ、大阪四十八願所阿弥陀仏巡礼24番札所にもなっている正念寺があります。
寛永20年(1643)に廊誉岸光上人が創建。
その後、兵火により堂宇を焼失するが、天明年間に再建されます。
昭和20年(1945)大阪大空襲で山門・観音堂を残して他の堂宇を焼失しますが、昭和37年に本堂・庫裏が再建されました。



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観音堂に安置されていた三体の仏像。現在は本堂に安置


この正念寺に安置されるのは平安時代後期とされる聖観音菩薩立像と毘沙門天立像。
この2体の平安佛がすこぶるイイ。
聖観音菩薩像は平安後期の、穏やかで静かな瞳で瞑想されているお顔には木目が浮き上がり、その状態がなおさら聖観音菩薩の神秘的な魅力を溢れさせているように思います。
お顔に現れる木目の表情が僕は好きでたまりません。



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聖観音菩薩立像 市指定文化財 一木割剥造り ヒノキ材 平安時代後期12C前半 像高157.4cm


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木目の現れた非常に美しさを感じる尊容



体躯の方は脱力されたような柔らかな上半身から真っすぐに立つ下半身で衣文表現は簡素。
平安後期像の特徴かなぁと思いながら見つめる。
しかし見上げると肩幅もあり胸板もしっかり、横から見ると腰回りは肉感もよくなかなかのボリューミーでした。
このボリュームを感じるのはひょっとするとこのお像が一木造りの像だからかもしれません。
平安も後期のお像になると寄せ木造り像が増えますが、大阪市内に残る平安佛は後期の像が多いですが、一木像が多いように思います。



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全体の優美さとは違い力強さも


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長くV字に垂れる裳


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衣文表現は簡略化され足元にかけてスラリ


一木の重みと、平安後期の優美さがあるお像、後補の部分も多分にあるのかもしれませんが非常に魅力的で、たたずまいが優しく美しい観音像です。


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見上げるように拝むと、頬や胸板に量感がある


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角度を変えれば優美なお姿に



対して、同じ平安後期像でありながら無骨さと力強さを感じる毘沙門天像。
パット見ると非常に対照的な雰囲気を感じるのですが、見比べているうちに良く似合った2体の様にも感じてきます。
下半身のどっしり具合が非常に魅力的で、なおかつ僕の大好きな目玉が盛り上がったお顔で、大きな鼻に結ぶ口元。
頬の張りも力強い。
しかし、このお顔も後補の彫り直しが入ってるようです。



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毘沙門天立像 市指定文化財 一木造り ヒノキ材 平安時代後期11C後半 像高132cm


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非常に好みな天部の顔


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体の摩滅具合や太さ


堂内には大阪市の文化財に新指定された折のポスターが張られているのですが、このポスターを見ると違和感が。
右腕が完全に変わっている。
戟を握るように上げていたはずの右腕は、降ろされてゆったりと戟を握ります。
振りかざしていた右腕は関節的にも違和感のある動きのようだったので、指定に合わせて修正されたのかもしれませんね。



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新指定時のポスター


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右腕は降ろされ緩やかに戟を握る


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かっこかわいい毘沙門天立




2体の平安佛の隣には観音堂安置時代から一緒に祀られている江戸時代の地蔵菩薩立像。
奇麗な衣文にきらびやかな彩色、肌の白がよく残る。
肌の彩色が残る地蔵菩薩は美しいのと、そして少し生々しさがあり怖さも感じてしまう。

ご本尊は阿弥陀三尊像。
脇には善導大師像と法然上人像。
阿弥陀三尊像は本堂再建の際に京仏師により造像されました。



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見ごたえのある非常に素晴らしい聖観音菩薩立像&毘沙門天立像。
4月にお参りしてからすぐに再訪もしてしまい、お気に入りの平安佛です。










西念寺(さいねんじ)
大阪市天王寺区下寺町2-2-36
TEL : 06-6771-6840
宗派 : 浄土宗
御本尊 : 阿弥陀如来
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り










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大阪市の指定文化財佛を巡るダイジェストの巻

4月に佛友さんと大阪佛を巡った話。

春に大阪市立美術館で催された「木×仏像」展と合わせて、いつも仲良くさせて頂いている佛友さん4人と大阪佛を巡ってきました。


新大阪駅に集合しレンタカーでまずは大阪市淀川区 浄円寺へ。
幼稚園の中にお堂があり、目当ての菩薩立像は会議室に展示されていました。
大阪市指定文化財。
元は天部像であったと考えられていますが、現在は観音菩薩としてお祀りされています。
損傷の具合は激しく、衣紋表現などはなかなか見て取れませんが、非常に木を感じさせるお像でした。


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市指定文化財 天部立像 11C

天王寺区へと移動し向かったのは正念寺。
こちらにも市指定文化財が。
本堂の脇に平安期の聖観音菩薩立像、毘沙門天立像。
平安後期の穏やかな優しさがあふれる素敵な聖観音菩薩に見惚れる。
その時のツイートでは“早くも今日イチの仏像か?!”と呟いている僕。
また、隣に立つ毘沙門天像の無骨さがたまらなく好き。
後補の部分も多いですが見事な天部像です。



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市指定文化財 聖観音菩薩立像 12C


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市指定文化財 毘沙門天立像 11C


続いて天王寺区、天龍院へ。
こちらにも市指定文化財で平安期の観音菩薩、十一面観音菩薩立像が。
肌の部分には後補の金箔があてられています。
下半身には平安の重い雰囲気が少し残った菩薩像。



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市指定文化財 十一面観音菩薩立像 11C


ここからは徒歩圏内で移動出来る範囲に文化財指定の仏像が沢山あり、心光寺へと向かう。
難蛇龍王像と雨宝童子を従えた十一面観音菩薩立像。
天龍院と同様、肌の部分には後補の金箔。
波紋はゴリっと彫られて見応えあり。
下からの光源と見上げる感じで、尊容は厳し目に見えました。



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市指定文化財 十一面観音菩薩立像 11C


齢延寺には平安期の聖観音菩薩立像。
衣紋は簡略化され顔の表情なども薄く彫られた感じ。
彫りの少なさが逆に密教感というか、オーラを感じてドキドキしました。
そしてお寺がハイテク過ぎ!



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市指定文化財 聖観音菩薩立像 平安後期


この日のお寺巡り最後は金胎寺へ。
市指定文化財の千手観音菩薩立像、天部像(韋駄天)をお参りに。
直立するように立つ定朝様の美しい千手観音菩薩、“太さ”のある韋駄天像。
平安の仏像にはいろんな顔がある。
しかしこのお寺で1番心にきたのは、比較的新しい仏像、というか上人像。
浄土宗と言えばの善導大師と法然上人。
非常に生々しく、歴代最高の善導大師&法然上人像でした。



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市指定文化財 千手観音菩薩立像 11C


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法然上人像


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善導大師像


そして大阪市立美術館へと向かい「木仏像」展へ。
地蔵菩薩像を展示する部屋は本当に魅力的で心奪われました。
必ずお寺でお会いしたい、そう思える仏像をたくさん見てこの日の打ち上げへ向かうのでした。






打ち上げは「今ちゃんの実は…」で放送された「貝賊」へ。
今ちゃんの実は好きな佛友さんとは以前から何度も行きたいお店と話していた貝賊さんへようやく行って来ました!
貝好きにはたまりませんね♪


大阪府・法泉寺「微笑みの聖観音菩薩立像の巻」

仏像好きの間では現在 東京国立博物館で催されている「ほほえみの御仏-二つの半跏思惟像」が話題を呼んでいます。
日本と韓国のアルカイックスマイルを浮かべた非常に優しく美しい2体の国宝 思惟像が向かい合って展示されているそうです。
ぐるりと360°横や背中までそのお姿を拝むことが出来るそうで、その場を離れられなくなりそうですね。
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先の記事(大林寺)と同日に巡った大阪府羽曳野市の法泉寺にも、優しい微笑みを浮かべた観音様がいらっしゃいます。
今回は法泉寺ご本尊、府指定文化財 聖観音菩薩立像をご紹介したいと思います。



国宝の弥勒菩薩繁華思惟像で有名な野中寺から南へ、31号線「野中寺」の信号を南へ直進すると左手に現れてくるのが黄檗宗 法泉寺です。
もともとは野中寺の別院としてあった宝泉寺が宝暦(ほうれき)年間(1751~1764) に独立して真言宗から黄檗宗へと改宗し、寺院名も法泉寺に改名されたそうです。
そしてこの時に野中寺 観音堂に安置されていた聖観音菩薩立像が法泉寺に移されご本尊となります。
事前に拝観のお願いをしておくと本堂へ上げて頂き、間近からそのお姿を拝す事が出来ます。



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黄檗宗らしい山門

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境内

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内陣



ご本尊の聖観音菩薩立像は本堂の中央に安置され、堂内は非常に明るく、間近まで寄ることが許されますので細部までじっくりとお姿を拝ませて頂けます。
腰を左に緩くひねり、柔らかく立つお姿は非常に美しいです。
スラリと伸びる長い右腕、ポッコリとでたお腹、重心は左にかけ右足を少し屈して動きを出しています。
足元には翻波式衣紋が刻まれますが、太く深くではなく、穏やかに刻まれていきます。
四角い顔に短い首、肩も張って男性的に見えますが、柔らかなスタイルや丸みが中性的にも見せてくれます。
素晴らしい観音菩薩様ですね。



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聖観音菩薩立像 府指定文化財 一木造り 像高約150cm 平安時代初期

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十一面観音像 尊容

正面より拝むと静かに目を閉じ穏やかな表情をされていますが、下方より仰ぎ見ると口角を上げ微笑まれているのがよく分かります。
このお顔を見た瞬間ため息が漏れ体の力が抜けていくのを感じました。
心がスッキリするような、いろんなストレスや疲れがフッと消えて楽になるような感覚です。
非常に美しいほほえみを浮かべたお顔をされています。


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見上げるように拝むと微笑まれているのがよくわかる


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ポッコリとでた腹部


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足元の翻波式衣紋


ご本尊から向かって左手には江戸時代作の3mの像高を誇る弁財天像が。
重量は300kgにも達するという強烈なお方。
非常に弁財天信仰が厚く、亀池弁財天と呼ばれ信仰を集めているそうです。


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像高3m重量300kgを超える弁天像






法泉寺(ほうせんじ)
大阪府羽曳野市野々上3-4-32
TEL : 072-955-9548
宗派 : 黄檗宗
御本尊 : 聖観音菩薩
拝観 : 要予約
拝観料 : 志納
駐車場 : 有り



参考にさせていただきました
羽曳野市ウェブサイト








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プロフィール

迦楼馬-カルマ-

Author:迦楼馬-カルマ-
仏像の美しさに感動して以来、ひたすらに仏像拝観に明け暮れる三十路街道を走る男の拝観日記。
仏像拝観歴は非常に浅いので間違いも多々あり!日々精進でございます。
僕自身が見て感じた仏像観を記していますので美術史的、仏教学的に誤っていることが多々あると思ので、その時はご教授ください。



訪れた寺社の全てを記事にするととても追いつかないので佛旅速報でまかない本編記事はピックアップという形になっていきます。

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